Netflix映画『第8の夜』感想ネタバレあらすじ酷評!雰囲気重視の韓国ホラー解説・考察

  • 2024年3月24日

Netflixの韓国ホラー映画『第8の夜』(英題:The 8th Night)は、悲惨な過去を持つ僧侶が絶対悪を阻止する物語。

記事では

  1. ネタバレなしの感想や評価
  2. ネタバレあらすじ結末解説
  3. ストーリーの深掘り考察

をしています。

Netflix『第8の夜』作品情報

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スタッフ・キャスト

公開・制作国:2021年7月2日 Netflix 韓国

監督・脚本:キム・テヒョン

主演:イ・ソンミン/ソナ僧侶役

出演:ナム・ダルム/チョンソク役

出演:パク・ヘジュン/ホテ刑事役

出演:キム・ユジョン/エラン役

映画『第8の夜』感想・評価レビュー

韓国ホラー映画『第8の夜』のソル僧侶

Netflix映画『第8の夜』の評価は74点。

ノワールムービーのような映像トーンに雨も降り注ぎ、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』のような韓国映画特有のジメジメした暗い雰囲気が素晴らしかったです。

映像も生々しいし、ホラーっぽい雰囲気だけ楽しみたい人は楽しめるでしょう。

ただストーリーが抽象的で呪術まで出てくるので、イマイチ緊張感がなかったのが残念。

ホラー映画としても全然怖くないです。邦画『リング』の1/4くらいの恐怖しかありません。

怖くない部類のホラー『樹海村』『犬鳴村』よりも全然怖くありません。

首がボキボキ動いたり、あどけない表情で目ん玉をひん剥いたりと迫力のあるカットもあるのですが、アイデアとしてはよくあるヤツですね。

Netflix『悪霊狩猟団: カウンターズ』の雰囲気をダークにした感じといえばわかりやすいでしょう。

感想をまとめると、映画『第8の夜』は雰囲気重視で怖さもストーリーも中途半端な作品となります。

映画『第8の夜』ネタバレあらすじ結末!

2500年前、地獄の門を開けようとした妖怪が釈迦に見つかり、赤い目と黒い目に別れて逃げます。

しかし釈迦に捕まって舎利容器に入れられ、赤い目は西の砂漠に、黒い目は東の崖に封印されました。

2005年、キム・ジュンチョル教授が赤い目の入った舎利容器を砂漠から発掘。

しかし捏造だと判断され、ジュンチョルは名声を失いました。

14年後のスーパーブラッドムーン(皆既月食)の日、ジュンチョルは舎利容器に血液を入れ、赤い目を復活させますが…。

『第8の夜』ストーリーネタバレ

赤い目は猟師やモーテルの男女に乗り移って、黒い目の場所まで移動しようとします。

言い伝えによると、飛び石とされる7人に乗り移れば黒い目までたどり着くようです。

乗り移られた後の人間がミイラになって次々に死体で発見されました。

一方プク山では、ハジョン和尚が赤い目の存在を感じ取ります。

ハジョン和尚と主人公チョンヒョク

ハジョンは、黙言中(しゃべらない修行)の若い僧侶チョンソクに、黒い目の入った舎利容器を託し、「ソナ僧侶を尋ねろ」と言って死にました。

チョンソクは、僧侶をやめて工事現場で働いているソナの元へ向かいますが、途中で舎利容器を盗まれてしまいます。

チョンソクと会ったソナは、彼が背負ってきたハジョン和尚の姿をみます。ハジョン和尚の霊は「飛び石である処女菩薩の人物を殺せ」と言いました。

翌日からソナとチョンソクは処女菩薩とされる人物を探し回ります。

チョンソクは処女菩薩の少女エランを見つけました。しかし、ソナが殺そうとしていると知り、彼女を連れてプク山に戻りました。

警察のホテ刑事は部下のドンジンと、連続殺人(赤い目によるもの)の捜査をしていました。

ホテ刑事と部下のドンジン

ドンジンはかつて死のうとしてホテに助けられ、目と足が悪くなってしまいましたが、今は刑事になりホテを慕っています。

ホテは処女菩薩の家でオノを持っているソナを発見。

そこへ赤い目に取り憑かれた女子高生がやってきて、ホテ刑事をぶん投げました。

ホテ刑事は部下ドンジンからもらったお札のおかげで致命傷は受けずに済みます。

赤い目の女子高生は、今度はやってきたドンジンに取りつきます。

赤い目は追いついてきたソナに「プク山へ行」と言い、去ります。

ソナはプク山でチョンソクを発見します。黒い目の舎利容器だけがそばにありました。

ソナは、エランが実は幽霊だとチョンソクに伝えます。

エランは幼い頃に親から虐待を受け、赤い目を発掘したジュンチョル教授に引き取られて、処女菩薩を惑わす生贄として自ら死を選んで幽霊になったのです。

一方、ホテ刑事は処女菩薩の家に行きます。そこにいたのは身なりがボロボロの中年女性でした。

その女性は、ジュンチョル教授が瞑想の会に集まった人々を飛び石(赤い目が乗り移る生きているか死んでるかわからない人間)にしたことや、

幽霊のエランと知り合い、自分の代わりにドンジンを飛び石にしたことを話しました。

女性は「ドンジンが死のうとした時、助けたお前が悪いと」と言います。

プク山ではソナが結界を張り、やってきた赤い目のドンジンを自分に乗り移らせ、チョンソクに殺させようとします。

しかし赤い目は、黒い目の入った舎利容器を開けられるのはチョンソクだと言い、彼に乗り移ろうとします。

ホテ刑事がやってきて、ドンジンにオノを振り上げようとしているソナを撃ちます。しかしその直後、赤い目が乗り移ったチョンソクに殺されました。

赤い目は黒い目の舎利容器を開放。そしてソナに、チョンソクの魂を絞め殺す機会を与えます。

実は、ソナの家族をチョンソクの母親が轢き殺し、自殺した彼女の息子であるチョンソクをソナが引き取って寺に入れた過去があったのです。

ソナはチョンソクを締め殺す代わりに呪文を書き、赤い目を自分に憑依させます。

意識を取り戻したチョンソクは、ひたいに赤い目を持ったソナに向かってオノを振り下ろしました。

その後、チョンソクは砂漠に赤い目が入った舎利容器を封印します。

エランの霊が呪縛から開放されました。

Netflix映画『第8の夜』終わり。

ストーリーわかりにくい点を解説

幽霊のエランとチョンソク ネタバレシーン

映画『第8の夜』の全体の流れをもうちょっとわかりやすく解説していきます。

まず、釈迦が東の崖に隠した黒い目は、韓国プク山のお寺にありました。

西の砂漠で発掘された赤い目が黒い目に辿り着くためには、7人の飛び石(人間)を経由する必要があります。

それで赤い目は、次々に体を乗り換えていたわけで、第8日目の夜に復活する予定でした。

その飛び石となる人物たちは、ジュンチョル教授が用意しました。

ジュンチョルは、エランを“処女菩薩を惑わす生贄”とする!と言っていましたが、ここがわかりにくいですね。

平たく言えば、ハジョン和尚やソナがエランを処女菩薩だと思って追っている間に、赤い目が最後の飛び石に乗り移る計画だったのだと思います。

(ちなみに、チョンシュクがエランの正体に気づくシーンは『シックスセンス』っぽいですね。)

幽霊少女エラン

あとラストのソナですが、おそらく死んでいるのでしょう。

死んだけど、家族を殺した女性の息子であるチョンソクを心から許せたので、ソナの魂は救済されたという意味だと思います。

そのほかに、わかりずらかった細かい点をいくつか整理しておくと、

チョンソクがソナのところへ行く前に黒い目の舎利容器を盗んだのは、エランにそそのかされたボロボロの中年女性です。

ソナが処女菩薩の家で見た顔にお札を貼った人物もその女性でしょう。

煩悶と煩脳

煩悩に苦しむソナ僧侶

黒い目は煩悶(はんもん)を、赤い目は煩悩(ぼんのう)をそれぞれ表していると語られていました。

映像から、煩悶の象徴はホテ刑事煩悩はソナを指しているとわかります。

また劇中の説明から、煩悶は未来について、煩悩は過去について恐れて悩むことだと言われていました。

チョンソクの母親に家族を殺されたソナが過去に悩み、

部下ドンジンを心配するホテ刑事は未来を恐れたのでしょう。

つまり黒い目と赤い目が合わさると、人々には未来も過去も恐れ続けねばならない地獄が待っていると言うわけです。

最後がホテとソナの戦いだけであればこのテーマがもっとわかりやすかった気もしますが、チョンソクやエランがいたのでちょっと複雑でしたね。

まとめ

映画『第8の夜』は韓国特有のジメジメ系ホラーに仏教要素を混ぜましたが、斬新なアイデアがあまりなかったのが残念です。

ドクター・スリープ』のようにファンタジーっぽくもあり、怖さも半減してしまいましたね。

もっとシリアス寄りなストーリーにすればよかったと思います。

Netflix『第8の夜』感想評価レビュー終わり。

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