映画『ある男』ネタバレ感想・考察:ラストの本当の意味,夫の正体!絵画やワインのラベル解釈,妻の浮気

  • 2024年3月8日

映画『ある男』ネタバレあらすじ解説

刑務所での面会

弁護士の城戸はある男Xがなりすましていた谷口大祐について調べます。兄の恭一は群馬で旅館を経営していますが、弟の大祐とは仲が悪かったようで「大祐ももう死んでいるかもね」と平気で言ってのけました。

城戸は谷口大祐の元恋人・後藤美涼(清野菜名)をたずねます。美鈴は大祐をなつかしがって涙を流し、大祐のSNSアカウントを作って本人から連絡がくるように仕向けます。

城戸は同僚の中北(小籔千豊)から、戸籍や経歴をまるごと入れかえた過去の事件について聞き、仲介者として逮捕されて刑務所にいる小見浦憲男(柄本明)という男性に面会に行きます。

小見浦は城戸が在日朝鮮人だと見抜き、あざけり笑いました。城戸は我慢して谷口大祐について知らないかと聞きますが、小見浦は「弁護士先生は本当に何もわかってない」と言われるだけでした。

後日、小見浦から城戸に手紙があり、曽根崎義彦と書いてありました。

しかし城戸にはそれが誰のことか究明できず、再び面会へ。小見浦に在日であることを挑発された城戸は怒りを爆発させます。すると小見浦は「兄さんは本当に馬鹿。俺が本物の小見浦だとなぜわかる」と笑いました。

ある男Xの正体

城戸は死刑囚の絵画展で、小林謙吉というすでに死刑を執行された男性(一家惨殺事件の犯人)の絵が大祐になりすましていたある男の画風とそっくりだと気づきました。

ある男Xは小林謙吉の息子で、若い頃は母方の原誠(はらまこと)を名乗っていたようです。

原誠は以前プロボクサーとして活躍していたと知り、城戸は原誠が通っていたボクシングジムをたずねます。

ジムの会長(でんでん)とトレーナー・柳沢(カトウシンスケ)は、才能があった原誠を一生懸命指導していたけがある日死刑囚の息子であることを告白され、「ボクシングは自分の体=父親から受け継いだ体をいじめ抜くためにはじめた」と言われたと話します。

それ以降、原誠はランニング中に倒れてけいれんし、音信不通になったようです。

柳沢は会長も原の件で悩んで苦しんだと話し、原が自殺でないことを知って安堵(あんど)の表情をうかべました。

ラスト結末

里枝は息子・悠人から「父さんがいなくて寂しい」と言われて、涙を流します。息子にとってはかけがえのない父であり、自分にとっても最愛の夫だったのです。

美鈴のSNSに大祐と思わしき人物からメッセージが入り、2人は再会して涙を流しました。それを見ていた城戸はひっそりと去ります。

本物の大祐は現在・曽根崎義彦と名乗って生活していることが判明。

原誠は経歴を2回交換していたのです。

最初に曽根崎義彦と戸籍を交換し、次に谷口大祐と交換していたのが真相でした。

ある男Xの謎が解け、城戸は最近かまっていなかった妻・香織(真木よう子)と息子とレストランへ。

香織がトイレにいっているあいだに彼女のスマホに「この前は本当に楽しかった」と浮気のメッセージが送られてきました。

香織がトイレから戻ってきて、城戸はぎこちない笑顔を見せます。

夜もふけたバーで城戸は初対面の男性に「実家が群馬で温泉旅館をやってるんですけど」と谷口大祐の経歴を語った

映画『ある男』終わり

最後のまとめ

映画『ある男』は、キャストの真に迫る演技、ディープなメッセージ、感動の人間ドラマが絶妙なバランスで融合した傑作でした。

シネマグ
邦画界に希望を感じた次第であります。

石川慶監督は今後も要チェックですね。平野啓一郎さんの小説も読んでみようと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。『ある男』レビュー終わり!