デヴィッド・リンチ監督によって、2017年にツインピークスの25年ぶりの続編「Twin Peaks The Return」が開始され、僕の感想としては想像を上回る楽しさだったわけだが、前作以上に謎は多く、解釈に困った人も多いだろう。
ここでは、細かい設定を追求するのはやめて、
簡単なあらすじと、まとめるとツインピークスthe Returnはどういう話か?ということをわかりやすく伝える。
リンチ監督曰く「1本の映画のような作品」で、個人的にもその通りだと思います。
『ツイン・ピークスThe Return』ラストの意味ネタバレ解説
バッドクーパーはルーシーに撃たれ倒れ、ボブの黒い塊が現れるが、ボブは緑の手袋マンに破壊されて消滅。
金の玉があれば、自分の分身が作れる。クーパーは片腕の男に頼んでおいた。
目が無い女性をみたクーパーの意識は再度分裂し(背景がクーパーの顔面だったから)、ゴードンとダイアンに別れを告げ、315室の鍵でフィリップ・ジェフリーのところへ(コンビニ)。
もう一方のクーパーはツインピークスでみんなと再開し、ラスベガスへ戻る。
ジェフリーは1989年2月23日へクーパーを案内し、クーパーはローラに会い、彼女がレオたちの山小屋に行く前にホワイトロッジ?へ連れて行こうとするが、ローラは途中で悲鳴をあげ消える。クーパーはいつの間にかレッドルーム(赤い部屋)へ。
クーパーはレッドルームでリーランドからローラを探せと言われる。ロッジから出たクーパーは本物の方のダイアンと会い、二人で車を走らせモーテルで愛をかわす。朝起きるとダイアンはおらず、クーパーは車を走らせ”ジュディ”というカフェに。(置き手紙にリチャードとリンダと書いてあったことから、別の世界線・パラレルワールドに来ている解釈)
ジュディで休みの従業員の元を訪ねると年を重ねたローラがいた。ローラを知らないという彼女を連れ、ツインピークのローラ・パーマーの家へ。そこにはローラの母セーラはいなかったが、家を売ってくれた人物が実は『ローラパーマー最後の日記』でコンビニの2階に小人たちといたメンバーミセス・チャルフォントだったと判明。
道路でローラ(と瓜二つの女性)は叫び声をあげる。→END
『ツイン・ピークスThe Return』ラスト結末の意味
1945年の大爆発(核実験)で、人類を脅かすとてつもない”悪意”が現れた。その悪意とは”ジュディ”でそれが元で生まれたのが「火をくれ」という黒い男やボブ。
それに対する解決策として消防士が生み出したのローラ・パーマー。
ジュディ(またはその幻)はカエルとなり、ローラの母セーラが幼い頃に乗り移っていた。
クーパーは年を重ねたローラをセーラに会わせれば何かが解決するかと思ったが、セーラはおらず。
しかし「ローラ」と呼ぶ声は聞こえたので、ジュディ自体はまだ存在する。
一番衝撃的だった事実は、1990年のシーズン1のローラの死の真相が変わった!ということ、リーランド=ボブを操っていたのが、セーラ=ジュディだった解釈ができるのだから!
次のシーズンもありそうな雰囲気。
ここから先はツインピークスのストーリー解釈の裏にあるリンチ監督の意図に迫ります。
『ツイン・ピークスThe Return』結末の先にあるデヴィッド・リンチ監督の意図
リンチ監督は著書の「大きな魚をつかまえよう」で、瞑想によって混乱が無い世の中が作られることを信じており、その活動をしていると書いてある。
ツインピークス The Returnの大爆発でジュディなどが生まれたと考えれば、リンチ監督の頭の中には、人間の業が世の中に存在している。闇の世界の存在。
ということが大きなテーマとしてあったのではないだろうか?
アメリカの普通の家庭の中に底知れぬ”悪意”が存在する可能性があり(リーランドやセーラ)、その人たちのせいではなく、人間全体の業がそのように仕向けているという、繊細さも壮大さも兼ね添えた大きなストーリーがあったように思える!
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