スティーヴン・キング原作のホラー映画『ブギーマン』(The Boogeyman)。母を失った高校生と妹が、暗闇に潜むブギーマンに狙われます!
作品情報・キャスト
あらすじ・ネタバレなし感想
ぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
ストーリー考察:ブギーマンの正体とは!?
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
ホラー映画『ブギーマン』作品情報・予告
制作国:アメリカ
上映時間:98分
原題:『The Boogeyman』
ジャンル:ホラー
年齢制限:PG12(12歳以下は親の指導が必要)
監督:ロブ・サヴェッジ
脚本:スコット・ベック|ブライアン・ウッズ|マーク・ハイマン
原作:スティーヴン・キングの短編小説「ナイトシフト:子取り鬼(The Boogeyman)」(1978)
撮影:イーライ・ボーン
音楽:パトリック・ジョンソン
キャスト
セイディ・ハーパー役|ソフィー・サッチャー
ウィル・ハーパー 役|クリス・メッシーナ
ソーヤー・ハーパー役|ヴィヴィアン・ライラ・ブレア
レスター役|デヴィッド・ダストマルチャン
リタ役|マリン・アイアランド
べサニー役|マディソン・フー
映画『ブギーマン』あらすじ
母親の突然の死から立ち直れない高校生・セイディ。
セイディの父・ウィルは自宅で心理カウンセラーの仕事をしていた。
ある日、自宅にレスターという男性がアポなしでやってきて、ウィルにカウンセリングをお願いしたいと言う。
レスターは、1番下の娘の突然死のあと、子供たちが家で怪物を見るようになり、長女と次女も殺されたと話す。
ウィルはレスターこそが娘たちを殺した犯人だと考え、警察に通報。
帰宅したセイディは死んだ母の部屋のクローゼットで物音を聞く。
レスターがクローゼットの中で首を吊って自殺していた。
そんな最悪の出来事のあと、セイディの妹・ソーヤーが夜に暗闇から怪物・ブギーマンがやってくると言って騒ぐようになる。
セイディやウィルはソーヤーの勘違いだと考えるが、やがてセイディもブギーマンを目撃。
セイディは第一の惨劇があったレスターの実家へ行き、ブギーマンの正体を探るのだが…。
映画『ブギーマン』ネタバレなし感想・海外評価
「暗闇から子供を襲う恐怖のモンスター」という実にスティーヴン・キングらしい物語です。
クローゼットや開いたドアの暗闇には怪物が潜んでいるという、人間の恐怖の根源をついたようなアイデアがすばらしい。
演出もカメラワークも悪くないですが、世界で大ヒットした『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のクオリティにはおよびません。
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怖くなくはないですが、ホラー映画を見慣れている人にとっては物足りないでしょう。
海外レビューサイトも60点前後のところが多いですね。
おすすめ度 | 74% |
怖さ | 70% |
ストーリー | 65% |
IMDb(海外レビューサイト) | 6.1(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 61% 一般の視聴者 66% |
メタスコア(Metacritic) | 55(100点中) |
※以下、映画『ブギーマン』のストーリーネタバレありなので注意してください!
ホラー映画『ブギーマン』ネタバレ感想・評価
良い点
怪物・ブギーマンが妹をながめる視点と、妹がベッドの下を眺める天地逆のカットが組み合わされているなど、凝ったシーンが楽しめました。
ブギーマンがいきなり襲いかかってくるジャンプスケアのタイミングもバッチリ。
セイディがクローゼットに入り、父親がやってきたあとにドアの裏からレスターの首吊り死体が出てくるシーンなんかもホラーとしてすばらしいです。
ダメな点
アメリカのホラー映画ってやっぱりロックなんですよね。
ブギーマンをショットガンでなんとかしようとするし、最後はガソリンとライターで燃やしちゃいます。1960年代のロックフェスみたいです。
(スティーヴン・キングも自分でロックバンドを組んでいたほどのロック好きなので、ロックぽいのは必然かもしれません)
あとは、なんで怪物に物理攻撃効くの(笑)?
また、全体的に画面が暗すぎ。
私の目が悪いのかもと思いましたが、終了後に前にいたピチピチの高校生たちも「暗くて何やってるかわかんねえ」と言っていたので、普通のホラー映画と比較してもさらに暗かったと思います。
画面が暗いのは、今回は恐怖の根幹が暗闇だからで、暗闇にいるブギーマンがハッキリ見えたらコンセプトからズレてしまうからでしょう。
それはわかるのですが、やっぱり目を凝らして何が起こっているのか見ようとしてしまいます。目が疲れました。
ブギーマンの正体考察(ネタバレ)
ブギーマンの正体はわりと明確に示されていたと思います。
娘を失ったレスターの家や、母を失ったセイディの家にブギーマンが出没することからも、ブギーマンが遺族の心の傷から生まれることがわかります。
セイディはラストでライターの火の揺らぎに母の存在を確信しました。
喪失の闇に囚われるのではなく、光を見つけろという抽象的で美しいテーマが浮かび上がってきます。
(映画でブギーマンという怪物が存在しないという意味ではなく、うまい暗喩になっているという意味です。)
映画『ブギーマン』ネタバレ・ラスト結末の解説
セイディはレスターが住んでいた家に行くと、レスターの妻・リタが銃を構えてきた。
リタは廊下中にロウソクを灯して明るくしていた。さまざまなトラップを仕掛けてブギーマンを退治するつもりのようだ。
セイディはベサニーら友達を家に招待する。しかし母親のクローゼットに閉じ込められ、そこでブギーマンを目撃してパニックに。
さらに下の階では妹・ソーヤーがゲーム中にブギーマンに襲われて怪我を負った。
父・ウィルとセイディはソーヤーを病院へ運ぶ。
セイディは再びレスターの家へ。するとリタが今日こそブギーマンを倒すと言った。
セイディを狙ってブギーマンが現れた。リタはトラップでブギーマンに爆発を喰らわせ、さらにショットガンで撃った。ブギーマンは苦しんで闇に消えていく。
セイディは急いで自宅に戻る。父・ウィルがブギーマンに襲われていた。
地下にやってきたブギーマン。セイディは母の遺品のライターを手にする。炎が上がり、ブギーマンを追いつめることができた。
セイディはブギーマンに燃料をかけ、ライターでもやした。ブギーマンは消滅する。
数日後、セイディはカウンセラーのところでブギーマンの囁き声を聞く。ドアを閉めると、その声は聞こえなくなった。
映画『ブギーマン』(2023)終わり
最後のまとめ
ホラー映画『ブギーマン』は、映像へのこだわりが随所に見られ、ブギーマンがベッドの下から妹・ソーヤーに迫ってくるジャンプスケアなシーンもクオリティが高かったいっぽう、物語自体にはそこまで引き込まれませんでした。
全体的に『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の下位互換という印象は否めなかったです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『ブギーマン』(The Boogeyman)レビュー終わり!
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