映画『総理の夫』は日本初の女性総理大臣に夫が振り回されるコメディ。
原田マハの原作小説を、田中圭が総理大臣の夫、中谷美紀が総理大臣で演じます。
作品情報・キャスト相関図、ぶっちゃけ感想・ネタバレ酷評、ハリウッドの政治風刺コメディと比較を知りたい人向けに記事をわかりやすくまとめました。
正直な意見を書いていたらわりと辛辣なレビューになってしまいました。すいません。本作を好きな人は読まないでください。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)
作品についての視聴者アンケートも投票お願いします↓
映画『総理の夫』作品情報・キャスト相関図
https://youtu.be/XbhOGhq8Seo
原題:『The First Gentleman』
ジャンル:コメディ・社会派
監督:河合勇人
脚本:松田沙也/杉原憲明
原作:原田マハ「総理の夫」
撮影:木村信也
主題歌:miwa「アイヲトウ」
制作・配給:ジャンゴフィルム・東映
原田マハさんの原作小説は『キネマの神様』も映画化されましたね。
『総理の夫』相関図・登場キャラ・キャスト
©︎https://first-gentleman.jp/
田中圭(『ヒノマルソウル舞台裏の英雄たち』)
中谷美紀
貫地谷しほり
工藤阿須加
松井愛莉
長田成哉
関口まなと
米本学仁
片岡愛之助(『半沢直樹2』)
国広富之
岸部一徳
寺田農
木下ほうか
嶋田久作
余貴美子
『総理の夫』ネタバレなし感想・あらすじ・見どころ
©︎東宝
あらすじ:鳥類の研究所に勤める相馬日和(田中圭)の生活は、妻・凛子(中谷美紀)が日本初の女性総理大臣となることでいっぺんする。凛子だけでなく日和にもファンがたくさんつき、政界のドンが仕掛けるハニートラップに苦しめられ、果たして日本の未来は一体どうなるのか!?
女性総理とその夫の苦難を描くという設定は素晴らしいのですが、描き方があっさりしすぎでものすごく退屈でした。
個人的にオススメはできません…。
海外大手サイトIMDbの評価も10点中、5点で低いですね。
おすすめ度 | 50% |
コメディ要素 | 60% |
ストーリー | 48% |
IMDb(海外レビューサイト) | 5.0(10点中) |
※以下、映画『総理の夫』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『総理の夫』ネタバレ感想・評価
田中圭がいきなり総理の夫になり、生活がいっぺんする序盤まではまだ面白かったですが、トラブルというトラブルがなく盛り上がりに大きく欠けた作品でした。
ハニートラップもショボすぎでしたし、それ以外の大きな出来事は凛子の妊娠のみ。
日和は職場でもうまくいってますし、実家とも嫌味を言われるくらいでまあまあうまくいってます。人間関係の対立がほとんどないんですよね。
人間同士の不和が笑いや推進力になるタイプのはずが、それを全く活かせていません。
ハニートラップをリークしようとした記者も凛子の魅力ですぐに味方になるし、大物政治家・原もあっさり選挙で負けて終盤はよき理解者に…。
物語に必要な二項対立が非常に弱いと感じました。
映画にするなら、脚色で総理の凛子と夫・日和の意見の対立を中盤からもっと描いた方が作品にメリハリが出たのではないかと思いました。
田中圭や中谷美紀などキャストの演技は良くて、見どころはそこくらいだと思います。
ただ演技は悪くないにしても、もうちょっとハチャメチャな演出があったほうがコメディとしても面白くなったのではと思いました。
ネタバレ考察:ハリウッドのコメディや社会風刺と比較
政治風刺も弱すぎて見応えが全くありませんでした。
本作では女性総理大臣を軸に、シングルマザーの部下など働く女性にスポットを当てた内容になっています。
しかし、政治記者がすぐに味方になったり、小沢一郎をモデルにしたような大物政治家・原も最後は味方になってくれたりと、現実離れの“ファンタジー”要素が多すぎます。
せっかくの女性讃歌のテーマがリアリティが一切ない展開のせいで台無しです。この辺も原作を脚色する時点で考慮すべきだったと思いました。
コメディでもしっかりメッセージを伝えれば、誰かの心を救うことができます(少なくても心理的な負担を減らすことができると私は信じています)。
この映画が世の中の女性たちを勇気づけることができたかは疑問です。
日本初の女性総理を取り巻く設定すべてがご都合主義で、逆にリアルで頑張っている女性に寄り添っていない印象すら受けました。
「邦画はハリウッドと比べてうんぬん…」という論じ方は好きではありませんが、コメディ映画でメッセージ性が薄すぎる邦画の傾向は危ういと思います。
近年だと『新解釈三国志』『大怪獣のあとしまつ』など、コメディ要素だけでメッセージ性ゼロ!の作品が公開されていますが、コメディだろうがなんだろうが何か意見を伝えようとしてこない作品の意義はなんなのでしょう?疑問です。
海外だとアカデミー作品賞にもノミネートされたアダム・マッケイ監督の『ドント・ルック・アップ』など、政治や社会のあるあるをコメディにトレースし、笑えるシーンがありつつ、考えるキッカケを与えてくれます。
つまりコメディでありながら、社会的にも意義がある作品になっているのです。
社会的な影響力が映画の絶対正解とまでは言わないまでも、最近の邦画のように「何が言いたいの?」と困ってしまうような作品はコメディジャンルであってもやめて欲しいです。
最後のまとめ
邦画『総理の夫』は、日本初の女性総理大臣を陰で支える夫にスポットを当てた素晴らしいシュチュエーションを台無しにした残念な作品だったと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『総理の夫』レビュー終わり!
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