映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』。荒木飛呂彦先生による『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』シリーズがついに映画化!「この世で最も黒い色」を使った「この世で最も邪悪で黒い絵」を探し求めてルーヴル美術館へ行きます。
作品情報・キャスト
ネタバレなしの感想
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
↓『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』深掘り考察、映画と原作の違いは下記記事へ↓
実写映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』をネタバレありで徹底考察! 2024年5月6日についに地上波で放送されましたね! シネマグ 原作漫画との違いも比較しながら、独自の視点で解説していきます! ↓映画『岸辺露伴 ル[…]
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』作品情報・予告
上映時間:118分
フランス語タイトル:『Rohan au Louvre』
ジャンル:ホラー・サスペンス
年齢制限:G(年齢制限なし)
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」
撮影:山本周平/田島茂
音楽:菊地成孔と新音楽制作工房
制作陣はドラマ版から続投です。
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』キャスト
岸辺露伴:高橋一生
岸辺露伴を演じるのはドラマシリーズから続投する高橋一生さん。
もう実写版の岸辺露伴は彼以外には考えられないです。ヴィジュアルとか以前に浮世離れした露伴のパーソナリティを完璧に実写に変換できていると思いました。
プライベートでも交際している飯豊まりえさんとの相性も抜群ですね。
高橋一生 出演作:『インビジブル』『シン・ゴジラ』『るろうに剣心 最終章/The Beginning』』
17歳の露伴:長尾謙杜
漫画家としてデビューしたての若い頃の露伴を演じるのは長尾謙杜さん。
ジャニーズ事務所所属でなにわ男子のメンバーです。
長尾謙杜 出演作:『HOME STAY ホームステイ』
奈々瀬:木村文乃
ミステリアスな女性・奈々瀬を演じるのは木村文乃さん。妖艶で色気たっぷりでピッタリなキャスティングでした。
木村文乃 出演作:『ザ・ファブル』『七人の秘書』『LOVE LIFE』『Netflix実写シティーハンター』
その他のキャスト
役名 | キャスト(出演作) |
泉京香(露伴の担当編集者・アシスタント) | 飯豊まりえ(『シライサン』『夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風』)。 |
野口エマ(ルーヴルの学芸員) | 美波(Netflixドラマ『First Live 初恋』『悪人』) |
辰巳隆之介(ルーヴルで働く絵画キュレーター) | 安藤政信(『金魚妻』『貞子vs伽椰子』) |
ワタベ(モリス・ルグランの絵を狙う男) | 池田良 |
カワイ(モリス・ルグランの絵を狙う男) | 前原滉 |
露伴の祖母 | 白石加代子(Netflix『舞妓さんちのまかないさん』) |
アンティーク店の店員 | 中村まこと |
アンティーク店の若い店員 | 増田朋弥 |
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』あらすじ
岸辺露伴(高橋一生)は漫画のために古美術商を取材していた。ヘブンズ・ドアーで店主と店員を本にして読むと、その古美術商は盗品を扱っていることがわかる。
露伴は古美術店にあったオークションのパンフレットにモリス・ルグランというフランスの画家が描いた黒い抽象画を見つけた。そして自身が17歳のときに体験したこの世で最も黒い絵の存在を思い出した。
漫画家としてデビューしたての17歳の露伴(長尾謙杜)は元民宿だった祖母の家に下宿していた。
そこに下宿していた奈々瀬(ななせ/木村文乃)のミステリアスな魅力にあらがえず彼女を盗み見ては絵を描いていた。
露伴の漫画を見たいと言った奈々瀬だったが、自分をモデルに絵が描かれていることに混乱し、その絵を切り刻んだ。そして奈々瀬は二度と戻ってこなかった。
露伴は奈々瀬が「この世に最も黒い絵がルーヴル美術館にある」と悲しそうに言っていたのを思い出し、アシスタントの泉京香(飯豊まりえ)と現地へ取材へ向かったが…。
ネタバレなし感想・海外評価
黒い絵を探しながら、人間の真の恐怖とは何かが明らかになっていくコンセプトがすばらしいです。
ただアクションなどは少なめなので、派手な映像を期待していると微妙…となってしまうかもしれません。
見る人によって賛否分かれるかもしれませんが、個人的には大満足!超大好きな作品になりパンフレットも購入しました。
原作を知らない人はもちろん。荒木飛呂彦の原作漫画の設定と違う点や、肉付けされている点も多いので、原作をすでに読んでいる人でも十分楽しめます。
おすすめ度 | 85% |
世界観 | 95% |
ストーリー | 86% |
IMDb(海外レビューサイト)※随時更新 | (10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)※随時更新 | 批評家 % 一般の視聴者 % |
メタスコア(Metacritic)※随時更新 | (100点中) |
※以下、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ネタバレ感想・評価
漆黒をじっくり煮詰めるような最高のサスペンスホラーでした。
超現実的な話でわかりやすい内容や論理的なストーリーではないのですが、大好物です。
中二っぽい一方、すごく哲学的で深いメッセージがあります。
黒い絵は、言い換えれば人間が最も恐怖するもの。それが過去だとわかるカタルシスがたまりません。黒い絵が倉庫の奥にあったことに気づかなかった展開はゾクっとしましたし、不気味な女性(奈々瀬)の絵が浮かび上がってきて背筋が凍りつきました。
観賞後にパンフレットを買いに売店に行ったらパンフレットがありません。そんなはずないと思ってよくよく観察するとパンフレットも黒すぎて見えていなかった…というおもしろい体験をしました。
物語はモリス・ルグランの黒い抽象画の謎→露伴の過去→ルーヴル美術館で仁左右衛門の絵を発見→仁左右衛門の過去という流れになっていて、サスペンスホラーとして鑑賞者をしっかり引き込んでいました。
原作漫画との違いはモリス・ルグランのくだりを入れた点ですね。ストーリーにひねりが出てサスペンスらしい構成になったと思います。
あとは原作と比較して最も黒い絵のヴィジュアルがすごい怖い感じだったのも良かったです。
あとはシーン自体は長くなかったですが実際にルーヴル美術館で岸辺露伴が本物のモナリザをバックに思索にふけっている場面なんか最高でしたね。
本物の美術作品やルーヴル美術館を背景にしているので当然かもしれませんが、映画自体が本物の芸術作品になったような気がします。
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』はエンタメとアートと恐怖の本質を合わせたすばらしい作品でした。
映画としての難点をいうなら、安藤政信さん演じるルーヴルのキュレーター・辰巳隆之介たちの犯罪行為が多少とってつけた感じに見えてしまったこと。安藤政信さんを序盤でチラッとでも映すなどしていればだいぶ印象が変わったと思います。
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』考察(ネタバレ)
↓考察についてはコチラにまとめました↓
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映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ネタバレあらすじ解説
モリス・ルグランの黒い絵
露伴はアシスタントの泉京香(飯豊まりえ)とオークションへ行き、ワタベやカワイという男性2人組と価格を競い合いながらもモリス・ルグランの黒い抽象画を150万円で競り落とした。
露伴は家でその絵を見て、「やはりこの世で最も黒い絵ではない」と感じる。
ワタベとカワイが露伴の家にやってきてモリス・ルグランの黒い絵を盗んだ。
絵を盗んだカワイは林の中で絵の裏側から出てきた黒いインクに触れてしまい、本人だけに見える大型の車輪にひかれて死亡。ワタベは逃げ出した。
露伴と京香は絵の裏にフランス語で「ルーヴルで見たこの世で最も黒い絵、後悔」と書かれているのを見つける。
露伴の過去:奈々瀬
露伴は17歳のデビューしたての頃に会った女性・奈々瀬のことを思い出していた。
露伴は漫画の参考にするために加えて多少やましい気持ちもあり、祖母の民宿に下宿している奈々瀬を盗み見てはスケッチしていた。
しかしそれが奈々瀬にバレてしまう。奈々瀬は露伴が漫画家だと知って絵を見せてほしいと言った。露伴は原稿を見せる。奈々瀬は「何かいい」と言い、「あの人に似ている」と言った。
奈々瀬は、300年前に山村仁左右衛門という絵師が描いたこの世で最も黒い顔料を使った、最も黒い絵について話す。その絵はルーヴル美術館にあるらしい。
後日、露伴は奈々瀬をモデルにした原稿を見せる。奈々瀬は「重くてくだらない行為」と混乱し、その絵をハサミで切り裂いた。そして奈々瀬は姿を消す。
しばらくしてまた奈々瀬は戻ってきた。露伴は「あなたの力になりたい」と言う。露伴はヘブンズ・ドアーで奈々瀬を読もうかと思ったがやめた。
民宿にあった1枚の絵がルーヴル美術館に買われると奈々瀬もいなくなった。
ルーヴル美術館へ行く
露伴は黒い絵を見つけるためアシスタントの京香と共にルーヴルへ取材に行く。
ルーヴル美術館の学芸員の野口エマが施設を案内してくれた。
露伴は山村仁左右衛門の絵についてたずねる。
データベースで仁左右衛門の絵を見つけた学芸員のジャックは、突然錯乱して階段から落ちて病院へ運ばれた。
野口エマはデータベースで仁左右衛門の絵が今は使われていない老朽化したZ-13倉庫にあると知る。
露伴、京香、エマはZ-13倉庫へ向かった。東洋絵画の分野で有名なキュレーターの辰巳隆之介も現れて同行することになる。
ルーヴルのセキュリティを守る消防士も2人ついてくる。
Z-13倉庫に入ると、フェルメールの絵画が無造作に置かれていた。辰巳は「贋作だ」と言うが、露伴は本物だと気づいた。
そして辰巳とモリス・ルグランが組んで絵画を美術館から盗み出していたことを言い当てる。
画家のモリス・ルグランが非常に成功な贋作を作り、本物を自分の絵の裏に隠して海外へ売っていたのだ。消防士や日本にいたワタベやカワイもグルだった。
辰巳や消防士が急に錯乱して死んでいく。1人は急に炎に包まれた。
露伴は倉庫の奥にあるこの世で最も黒い絵を見てしまう。描かれていたのは奈々瀬だった。
黒い絵を見たエマは不注意で溺れ死んでしまった息子ピエールの幻覚を見て、水を口から吐き出す。
露伴は仁左右衛門の怨念がこもった黒い絵が、見た者の過去・先祖の罪によって見た者を殺すと考えた。モリス・ルグランは仁左右衛門の黒い絵を模写して、これまで贋作を作り続けてきた罪の意識にさいなまれて死んだのだ。
露伴は京香にエマを上に連れて行くように指示。
絵から仁左右衛門が出てきて斧で露伴に襲いかかる。ヘブンズ・ドアーで本にしようとするが、死人に文字は書き込めなかった。
奈々瀬が現れて仁左右衛門に抱きつき、露伴を助けようとする。
露伴は自分を本にして「記憶を消去する」と書き込んだ。仁左右衛門が消え、露伴は何が起こったかわからないままZ-13倉庫から脱出。手に顔の文字をこすれと書いてあるのを見てそうすると記憶が戻った。
京香はエマに「ピエールの霊はあなたを責めたわけではない」となぐさめた。
300年前:奈々瀬と仁左右衛門
露伴は仁左右衛門の墓へ行く。奈々瀬が現れた。ヘブンズドアーで奈々瀬を本にして読み始める。
300年前、奈々瀬は絵師の仁左右衛門と結婚した。しかし仁左右衛門が蘭(オランダ)からの絵を勉強したことで本家から破門されてしまう。
仁左右衛門は絵を描きながら奈々瀬と質素な暮らしをしていたが、奈々瀬が病気で倒れてしまった。
仁左右衛門は親に頭を下げて家に戻り、狂ったように絵を描くようになった。
仁左右衛門は奈々瀬の黒髪を再現できる顔料を探し求めていた。奈々瀬は神社のそばの御神木からあふれた漆黒の樹液を見つけて渡すと、仁左右衛門はこれが最も黒い色だと確信した。
仁左右衛門は御神木を傷つけた罪で捕まる。役人が病身の奈々瀬を蹴り飛ばして殺した。仁左右衛門は怒り、役人たちを殺害する。
仁左右衛門は御神木を斧で斬りつけて黒い樹液を大量に採取。そして奈々瀬をモデルにしたこの世で最も黒い絵を完成させて死亡した。
ラスト結末
露伴は奈々瀬が消えていくのを見守る。奈々瀬は「すべて忘れて…」と言った。10年前も確かこの言葉を言っていた。
その後、露伴の家に原稿が投げ込まれた。昔、露伴が奈々瀬をモデルに描いたものだ。原稿のハサミの傷は消えていた。
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』終わり
最後のまとめ
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は、原作を丁寧に脚色し、黒い絵の恐怖・キャストの演技やルーヴル美術館での美しいショットが光った秀作でした。
やっぱり岸辺露伴シリーズ大好きです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』レビュー終わり!
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