映画『レプタイル 蜥蜴』ネタバレ感想・ラスト考察!キャストあらすじ評価,Netflix

  • 2023年10月20日

Netflix映画『レプタイル -蜥蜴-』(Reptile/爬虫類)。ベニチオ・デル・トロが刑事役、ジャスティン・ティンバーレイクが被害者のパートナー役で難事件に挑むクライムサスペンス!。

レプタイルは爬虫類という意味です。

シネマグ
ベニチオ・デル・トロが激シブな演技を見せてくれたいっぽう、さまざなまなテイストが混在したストーリーは賛否両論となりました!

作品情報・キャスト

ネタバレなしの感想

物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説

視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)

考察:レプタイル(爬虫類)やトカゲの意味、ラストの解説

これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

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映画『レプタイル -蜥蜴-』おもしろかった?(投票どうぞ)

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Netflix映画『レプタイル -蜥蜴-』作品情報・予告

公開:2023年9月29日
制作国:アメリカ
上映時間
原題:『Reptile』
ジャンル:クライムサスペンス、刑事モノ
年齢制限16歳以上推奨
監督グラント・シンガー
脚本グラント・シンガー|ベンジャミン・ブリューワー|ベニチオ・デル・トロ

映画『レプタイル 蜥蜴』キャスト

ベニチオ・デル・トロ

ベニチオ・デル・トロ

1度見たら忘れられない個性派俳優!本作での演技も渋かった!

シネマグ
しぶとく真実を追求するやさぐれたベテラン刑事役が似合いすぎでした。

『ユージュアル・サスペクツ』『スナッチ』『トラフィック』『ボーダーライン』など傑作に多く出演しています。

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映画『ユージュアルサスペクツ』

その他キャスト

役名 キャスト
不動産業のウィル
ジャスティン・ティンバーレイク
ジャスティン・ティンバーレイク(『TIME/タイム』『ステイフレンズ』)
サマー(ウィルのパートナー) マチルダ・ルッツ(『クラシックホラーストーリー』)
ジュディ(トムの妻)
アリシア・シルヴァーストーン
アリシア・シルヴァーストーン(『ベビーシッター』『『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』の』)
アレン(トムの同僚) エリック・ボゴシアン(『メディア王 〜華麗なる一族〜』)
ウォーリー(トムの同僚) ドメニク・ランバルドッツィ(『Tulsa King』)
ダン(トムの相棒) アトー・エッサンドー(『ザ・ディプロマット』)

映画『レプタイル -蜥蜴-』あらすじ

不動産会社を運営するやり手の男性・ウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)の自宅で最悪の殺人事件が起こる。

ウィルは絶望のどん底に突き落とされた。

殺人課のトム(ベニチオ・デル・トロ)は関係者や不審な近隣住民を捜査していく。だれもが怪しいが真犯人だという決め手がない。さらに被害者にもおかしな点がたくさんある。

トムの周囲には妻・ジュディや警察の仲間たちがおり、心の支えになってくれた。

ある日トムが関係者の家に取り調べに行くと銃撃を受ける。トムは銃で応戦するのだが…。

ネタバレなし感想・海外評価

シネマグ
王道の刑事サスペンスで、重厚感のある映像やベニチオ・デル・トロの渋い演技も見どころ!

伏線がたくさんあり、なかなか情報量も多いです。ただ個人的には「なんとなく見てなんとなく楽しい」くらいの温度感がちょうどよいと感じました。

サスペンスとしてある程度はおもしろいですが、いろんなテイストが混在して方向性が定まり切っていないのが賛否両論の理由だと思います。

結末がすごく斬新というわけでもありません。

海外レビューサイトの評価も一般視聴者からは支持されているものの、批評家からは微妙な評価を押されています。

「ベニチオ・デル・トロの演技に、薄っぺらい事件と不吉な雰囲気が釣り合っていない」「犯人がわかる頃には興味が冷めている」など、映画レビュワーからの手厳しい意見が散見されました。

おすすめ度 70%
世界観 85%
ストーリー 75%
IMDb(海外レビューサイト) 6.9(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) 批評家 43%
一般の視聴者 78%
メタスコア(Metacritic) 54(100点中)

※以下、映画『レプタイル蜥蜴』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『レプタイル 蜥蜴』ネタバレ:ラスト結末の解説

ウィルのパートナー・サマーが自宅で殺されていました。

サマーの死体から別居中の夫・サムのDNAが見つかり、トムは彼を逮捕しようとして銃撃戦に。サムはトムの銃弾で死亡します。

その後もトムは調査を続け、麻薬課のウォーリーがヘロインを住宅に隠して民事没収させ、その住宅をウィルの不動産が扱って利益を得ている構造を知ります。

サマーは不動産の販売を手伝っていましたが、犯罪を告発しようとしてウィルに殺されたのでした。

トムはウォーリーの不正を同僚のアレンに相談しようとしますが、家には犯人が使った車が隠されていました。

トムは「刑事たちがウィルとグルだ」と署長に伝え、署長と一緒にアレンの家へ。

しかし署長もグルでした。

アレンはウォーリーに撃たれて死亡。署長はトムに撃たれて死にます

トムは腕を撃たれながらもウォーリーを撃ち戦闘不能にします。

トムは911に電話をかけますが、結局呼びませんでした。

ウィルも警察に逮捕されます。

映画『レプタイル -蜥蜴-』おわり

映画『レプタイル 蜥蜴』ネタバレ感想・評価

良い点

映画『レプタイル蜥蜴』の評価は80点。

まずベニチオ・デル・トロのくたびれたベテラン刑事感がすごくいいです。

彼の顔をアップにするだけで、なぜかストーリーに推進力とパワーがみなぎってくるような気さえします。

あとは説明過多でない点もハードボイルドでカッコいいです。

シネマグ
セリフでなく役者の表情で水面下の心理描写をしっかり解説しています。

会話に言語ゲームの要素が多い点は、傑作ドラマ『ブレイキング・バッド』に通底するすばらしい部分だと思いました。

ダメな点

『レプタイル 蜥蜴』は、悪くいってしまえば中途半端な作品でした。

シネマグ
制作陣がやりたかったことは、刑事モノと『マーシュランド』『マジカルガール』などスペインのサスペンス・ノワール映画を掛け合わせることだったのでは?

『レプタイル』のラストは『マーシュランド』と通底する部分があります。『マジカルガール』にもトカゲの部屋が出てきます。ストーリーが抽象的なことからも『レプタイル 蜥蜴』がただのハリウッド的な刑事ミステリーではないことが明らかでしょう。

それならベニチオ・デル・トロが終盤に刑事仲間が全員犯人とグルだと分かった時点で映画を終わらせて余韻に浸らせる『マーシュランド』のようなフワッとしたラストにしたほうが良かった気がします。

(妻のジュディがトムにキスするシーンで終わりなら最高でした。)

ウォーリーや署長と銃撃戦になり、事件を具体的に解決する部分までは必要なかったのでは?と思います。

抽象的なコンセプトなのに最後は具体的にしたせいで、味が混ざり合っていないような印象を受けました。

最後のオチにしても、トム(ベニチオ・デル・トロ)が署長に「同僚が事件に関わっている」と話したら署長もグルだったという展開はそこまで斬新ではなく、余計に蛇足感があります。

また、謎めいた夢の話・爬虫類の抜け殻・手の傷・内覧にきた変な夫婦などたくさんの謎が散りばめられていたいっぽう、結末が具体的だったぶん「あの伏線はなんだったんだ?」と、伏線回収されなかったことに対しての不満が湧いてしまいました。

伏線については、見終わったあとに振り返ると実はほとんどが回収されている丁寧なつくりなのですが、考察マニアじゃなければ「オチはわかったしまあいっか…」となりそうです。

(人って結末で答えが出なければストーリーの意味を真剣に考えますが、結末がある程度はっきりしていると考える気力なくしますよね)

これもラストをフワッと終わらせれば「伏線の答えは自分で考えてね。」と視聴者にもっとしっかり伝わったと思います。

感想を語る犬
『冷たい熱帯魚』と同じで、終わらせる場所をもう少し前に持ってきていたら…という作品ですね。

映画『レプタイル』考察

ラストの意味

ラストはトムがウォーリーを撃ち、重傷の彼を助けるために911(救急)を押しますが、途中で呼ぶのをやめます。

なぜやめたのでしょうか?

家の窓の外で見ていたのはウォーリーの子供だったのかもしれません。

トムはウォーリーが生きて刑務所に収監されるよりは、本人の希望通り死なせてやったほうが良いと考えたのかもしれません。ハードボイルドな結末ですね。

シネマグ
死んでウォーリーの罪がうやむやになったほうが彼の子供たちが悲しまないと思ったのでしょうか。いずれにせよ親友に対するたむけの念があったことは確かです。

レプタイル(爬虫類)と、蜥蜴(トカゲ)の意味

本作で1番気になったのがレプタイル=爬虫類と、日本語の副題=トカゲが何を意味しているのか?ですよね。

まず、英語のReptileにはスラングで卑劣な奴という意味があります。真犯人だったウィル。ウィルと組んでいたウォーリーやアレン、署長など警察連中はまさにレプタイル=卑劣な人間といえます。

サマーが自宅の鉢の下から蛇の抜け殻を発見して驚いていましたが、おそらくこれは卑劣なレプタイル=ウィルからのメッセージでしょう。

あとは、終盤のアレンの「あいつは前の署でも何も言わなかったから今回も口外しないだろう」というセリフから、トム(ベニチオ・デル・トロ)が前にいた警察署で同僚の不正に目をつぶっていた事実がわかります。

トムもレプタイル=卑劣な人間だったのです。これが彼の心の傷になっていたのでしょう。

またタイトルにトカゲと加えられていることから、トカゲのしっぽ切りと、しっぽの再生が想起されます。

レプタイルというタイトルにはトムの手の傷と心の傷の再生という意味も込められていたと感じました。

トムは発端となるサマーの殺人事件の前にキッチンで左手を切っています。

そして終盤ではウォーリーに左手を撃たれ、後日譚となるラストシーンでは治療のための白い手袋を外していました。

シネマグ
心や体の傷が脱皮を経て、トカゲのしっぽのように再生したと暗喩しているのでしょう。

キッチンに新たに取り付けられた蛇口も、細長い形状なので爬虫類(レプタイル)とかかっているのだと思います。

人間が持つおかしな性癖

本作では犯人が恋人のウィルや彼とグルになった警察だった一方で、人がそれぞれ持っているおかしな性癖が暴かれていく側面もありました。

裏テーマは性癖の露呈ではないでしょうか。

トムはサマーが殺された家のキッチンに一目惚れし、同じ自動センサー付きの蛇口を購入しました。変ですよね。

イーライも警察の無線を勝手に傍受する警察マニアです。

トムの妻・ジュディは家で1人で警察の捜査ドキュメンタリーを見ている事件マニアです。

サマーが殺された家に内覧に来た松葉杖の男とパートナーの女性も、殺人現場でテンション上がって撮影をしています。

サマーの夫・サムは女性の髪をこっそり切り取って絵画に貼り付けています。

一見すると変人ばかりですが、誰にでも人に言えない妙な趣味や性癖があるのかもしれません。

シネマグ
『レプタイル蜥蜴』は人間の奇妙な本性を暴露したサスペンスだともいえるでしょう。

イーライの自宅に来たもう1人の男は誰?

イーライのところに犯人だったウィルがやってきます。そしてもう1人の男が入ってきました。

男の顔までは映りませんでした。

ウィルが「この男は知っているよね」とイーライに向かって言ったので、警察のアレンかウォーリーだとわかります。

最後のまとめ

映画『レプタイル蜥蜴』は、重厚でコンセプトに優れた作品になるポテンシャルはありましたが、脚本や演出によりまとまりがない中途半端な作品でした。

シネマグ
もっと方向性が一貫していたら傑作になったかもしれません。もったいないです。映画のバランスって難しいですね。

ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『レプタイル蜥蜴』(Reptile)レビュー終わり!

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