実写映画『ピーター・パン&ウェンディ』!ディズニーが1953年にアニメ化した伝説の作品が現代によみがえりました!
作品情報・キャスト
あらすじ
ネタバレなしの感想
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
ポリコレキャスティングの解説
物語ネタバレ・ラスト結末解説
ストーリー考察
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
映画『ピーター・パン&ウェンディ』作品情報・予告
制作国:アメリカ
上映時間:1時間46分
原題:『Peter Pan & Wendy』
ジャンル:ファンタジー・アドベンチャー
年齢制限:PG(一部子供向きではない)
監督:デヴィッド・ロウリー
脚本:デヴィッド・ロウリー/トビー・ハルブルックス
原作:ジェームス・マシュー・バリー戯曲「ピーター・パンとウェンディ」
撮影:ボジャン・バゼリ
制作:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
配信:ディズニープラス独占
監督のデヴィッド・ロウリーはディズニーの『ピートと秘密の友達』(2016),『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』(2017),中世の騎士映画『グリーン・ナイト』(2021)などで高い評価を受けている人物です。
ディズニープラスの設定では一部子供向きでないというPG設定ですが、血が出るわけでもないしPGにした理由がわかりません。でっかいワニが怖いからしょうか(笑)?
実写『ピーター・パン&ウェンディ』キャスト
役名 | キャスト(出演作) |
ピーター・パン(ネバーランドの英雄) |
アレクサンダー・モロニー(『Claude』『The Reluctant Landlord』) |
ウェンディ・ダーリング(ロンドンに住む大人になりたくない少女) |
エヴァー・アンダーソン(『ブラック・ウィドウ』ナターシャの幼少期,『バイオハザード: ザ・ファイナル』レッドクイーン,) |
ティンカー・ベル(小さな妖精) |
ヤラ・シャヒディ(『ソルト』『4デイズ』) |
フック船長(ピーターを殺そうとする海賊) |
ジュード・ロウ(『ガタカ』『リプリー』『コンテイジョン』) |
タイガー・リリー(ネバーランドの原住民の女性戦士) |
アリッサ・ワパナータ |
ミスター・スミー(フック船長の部下) | ジム・カフィガン |
ジョン・ダーリング(ウェンディの弟。長男) | ジョシュア・ピカリング |
マイケル・ダーリング(ウェンディの弟。次男) | ジャコビ・ジュペ |
ウェンディ役のエヴァー・アンダーソンは映画『バイオハザード』シリーズで有名なミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督の娘です。
フック船長を演じたのはジュード・ロウ。哀愁ただよう感じがピッタリでした。
『ピーター・パン&ウェンディ』あらすじ
ロンドンで暮らすウェンディはあした寄宿学校に入れられる予定で、憂鬱な気持ちで夜を過ごしていた。
夜にピーターパンがやってきて、自分の影を捕まえた。
驚くウェンディと弟たちに、ティンカーベルが魔法の粉をかけた。
ウェンディたちは本で読んだネバーランドが本当にあると知ってよろこぶ。
みんなは空を飛んでネバーランドへ。
しかしフック船長(ジュード・ロウ)の海賊船が攻撃を仕掛けられて、みんな散り散りになってしまう。
ウェンディは現地に住むタイガーリリーや、ピーターの仲間・ロストボーイズと出会うが…。
ネタバレなし感想・海外評価
アニメ映画を忠実に再現しているかどうかの目線ではなく、新しいピーター・パンとして見るとなかなか楽しめます。
個人的にはヒュー・ジャックマンがフック船長を演じた2015年の実写映画『PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜』よりはぜんぜんおもしろいと思いました。
新解釈といってもスティーヴン・スピルバーグ監督の『フック』のようにまったく違う作品というわけではなく、設定やラスト結末が今風に改変されている感じです。
アニメ版への愛が強すぎると受け入れられないかもしれませんが、子供の頃にアニメ版をみた私的には今作の改変は悪くはないと思いました。
海外のロッテントマトズでは批評家の評価が68%でなかなかなのに対し、一般視聴者の評価は24点と超低いですが、これは映画単体の完成度で評価するか、有名すぎるディズニーアニメの実写化として評価するかの違いだと思います。
おすすめ度 | 80% |
世界観 | 85% |
ストーリー | 70% |
IMDb(海外レビューサイト) | 3.7(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 68% 一般の視聴者 24% |
メタスコア(Metacritic) | 66(100点中) |
※以下、『ピーター・パン&ウェンディ』のストーリーネタバレありなので注意してください!
実写映画『ピーター・パン&ウェンディ』ネタバレ感想・評価
妖精ティンカーベルのキャストが黒人俳優だということもあり、公開前からポリコレポリコレ!って騒がれていた本作。
ティンカーベルが黒人だったり、男の子よりも女の子が活躍したり、ダウン症の俳優がキャスティングされたりとポリコレ的に100点満点の『ピーター・パン&ウェンディ』。でも本作において、ポリコレキャスティングはノイズになっていませんでした。
何より、浮いた船の上でのピーターパンとフック船長のラストの決戦がアドベンチャーとしてすごく見応えがありました。
舞台のネバーランドは自然豊かで美しく、ピーターやロストボーイズの隠れ家の造形などが幻想的で没入感がありました。
ピーターパンを実写化した映画としてはストーリーがかなり今風に変更されていたり(のちほど解説しますが)、ディズニーアニメと実写のキャスティングが違いすぎるといった問題点があるかもしれませんが、映画単体でみるとなかなかのクオリティだと感じました。
もちろん超おもしろい傑作とまではいかないものの駄作でもありません。ひどいと感じる点もほとんどなかったです。
ポリコレの感想『ピーター・パン&ウェンディ』
ポリコレ的には100点満点だった『ピーター・パン&ウェンディ』!
まず、妖精ティンカーベルを黒人女優のヤラ・シャヒディさんが演じていましたが、とくに違和感はありませんでした。
ティンカーベルは肌が白いという固定観念を持っているならともかく、演技もビジュアルも悪いところはありません。むしろ合っていたと思います。
2022年にディズニープラスで公開された実写映画『ピノキオ』では、ブルーフェアリーを黒人俳優のシンシア・エリヴォさんが演じて炎上していました。
しかし『ピノキオ』では坊主のブルーフェアリーとインパクトがありすぎたのに対し、『ピーター・パン&ウェンディ』ではちゃんと緑のワンピースを着て髪を結んでティズニーアニメ風のビジュアルだったのですんなり受け入れられました。
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むしろ本作『ピーター・パン&ウェンディ』で特筆すべきはダウン症の俳優ノア・マシューズ・マトフスキーさんをロストボーイズのスライトリー役でキャスティングしていたことでしょう。
ノア・マシューズ・マトフスキーさんについてもダウン症で何か問題があるとは思いませんでした。
近年はマーベルの『エターナルズ』や、ドラマ『ウォーキング・デッド』に聴覚障害を持つローレン・リドルフさんが出ていたり、ディズニープラス『ホークアイ』エコー役のアラクア・コックスさんが義足の俳優だったりと、ハンディキャップのある人を起用したキャスティングが目立ちます。
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実写『ピーター・パン&ウェンディ』ラスト結末・ネタバレ解説
終盤はフック船長がウェインディを海に沈めようとするも、ティンカーベルの粉で船全体が浮いて、ピーターもやってきてロストボーイズ VS 海賊で最終決戦が勃発するというもの。
空中に浮かぶ海賊船の上でピーターとフック船長が天地ひっくり帰りながら戦うシーンは、遊園地のアトラクションのようで見ていてほれぼれしました。
さらにウェインディも剣を持って戦います。こちらも「女の子が戦っていけない理由などない!」といういかにもポリコレ的ではあるのですが、寝巻きの女の子が剣を持って華麗に戦うシーンはなかなか見応えありました。
冷静に見るとウェンディが船の手すりに乗って2人の男性と戦っているときに、そのうちの1人は斬りかからないで紳士的に待ってあげているのですが(笑)、まあそういうリアリティのなさも子供向け映画だと考えれば許容できます。
ピーターはフック船長を追い詰めますが、彼を殺さず剣を捨てました。そして昔追い出したことを謝罪します。
そしてウェンディたちは空に浮かぶ船に乗ってロストボーイズたちと現実のロンドンに戻ってきます。
大人になることをしっかり受け入れたんですね。ウェンディが「大人になるのも大冒険」と言っていたのが印象的でした。
そしてウェンディが住んでいた家は、大昔にピーター・パンが住んでいた家だとわかります。
ピーターパンは昔を懐かしがったから何度もこの家に来ていたのですね。
ロストボーイズはロンドンに残ることになり、ピーターパンとティンカーベルだけネバーランドに帰ります。そしてピーターはフック船長と見つめ合うのでした。
ピーターパンも現実に戻ったらもうおとぎばなしは消滅しちゃいますし、みんな大人になりましたという教育的すぎる結末になってしまいます。
ピーターがネバーランドに戻ったラストは、子どもでいたいと願うこと・子どもの心を持つ大人への肯定と一縷(いちる)の希望を残す意味があったのではないでしょうか。
ネタバレ考察『ピーター・パン&ウェンディ』
フック船長の新解釈
- ピーターパンとフック船長は親友だった
- しかし母親をなつかしむフック船長をピーターパンが追い出した
- フックは外の世界で海賊になって年を取り、戻ってきた
実写『ピーター・パン&ウェンディ』にはこんな新解釈が付け加えられていました。
ヴィランのフック船長もただ単に悪いヤツではなく、理由があって悪者になったということなんですね。
本作ではピーターパンとフックが親友だったという切ない人間ドラマに主軸が置かれており、個人的には新解釈として良かったと思います。
いつも通りなんとなく宿敵同士でピーターがフックを倒してワニに食わせて終わりだと意外性がないですからね。
フック船長のフックが取れるのは、彼のカルマ(業)が取れたというメタ的な表現だと思います。
ネバーランドに戻ってきたピーターはフック船長とまた親友同士に戻るのでしょう。
毒っけがなさすぎる結末ともいえますが、これから2人がまた失われた時間を取り戻すように一緒に大冒険すると思うと感動的です。
ピーターはフック船長を1人にしたくないからネバーランドに戻ってきたのではないでしょうか。
ウェンディの母親とピーターパンの関係
ラストシーンでピーターパンがネバーランドに戻っていくのを見たウェンディの母が目を輝かせていました。
おそらくウェンディの母もピーターパンに連れられてネバーランドで大冒険した過去があるのでしょう。
すごく感慨深いラストでした。
最後のまとめ
『ピーター・パン&ウェンディ』は、ファンタジーアドベンチャーとして見どころをしっかり押さえた良作でした。危惧されていたポリコレに関しても作品の醍醐味を奪うようなマイナスポイントではなく、うまくやっていたと思います。
ただ海外のレビューサイトを見る限り、海外の一般視聴者は本作のポリコレキャスティングに猛反発しているようなので、今後もこの問題は論争の的になることでしょう。
ただハリウッドの多様性の流れを見ると、もうすでに原作ありきの作品を実写化する場合にポリコレキャスティングをしないという選択肢はないです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。Disney+『ピーター・パン&ウェンディ』(Peter Pan & Wendy)レビュー終わり!
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