Netflix映画『オキシジェン』(原題:oxygen)は、閉じ込められた女性+SFサスペンスの良作サスペンスだった。
ワンシチュエーションものとしてはかなりよかった。サスペンス好きなら楽しめるだろう!
記事ではストーリーのあらすじネタバレ、ラストのオチを時系列でわかりやすく解説。
さらにぶっちゃけ感想や評価、サスペンスとしての優れた点を考察していきます。
最初はテンポが遅くてかったるいと思ったけど、後半は驚きの連続!まだ観てない人はまずNetflixで視聴しよう!
『オキシジェン』基本情報/キャスト
『オキシジェン/Oxygen』アメリカ・フランス合作。
監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:クリスティ・ルブラン
撮影:マキシム・アレクサンドル
主演女優:リズ役/メラニー・ロラン
メラニー・ロランは、タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』のユダヤ人役などで有名。フランス出身。
2023年にはNetflix『ヴォルーズ』で監督・脚本・主演を務めました。
レオ役/マチュー・アマルリック
マチューは、スピルバーグの『ミュンヘン』や007『007慰めの報酬』の悪役で有名。『さすらいの女神たち』では監督を務める。フランス出身。
映画『オキシジェン/Oxygen』感想・評価・ネタバレ考察
個人的な評価は83点くらい。序盤で閉所恐怖による心臓がバクバクを楽しめ、後半は驚きの事実が次々に判明する良作SFサスペンスだ。
最初はちょっとかったるいワンシチュエーション映画だと感じたが、後半にいくに連れてストーリーの全貌が明らかになっていくところが素晴らしい。
展開が非常に緻密である。
見る側からすると
- ポッドが地球にあるものと思っていた
- いきなり6万5000km離れた場所!とわかり、まだ地球の近くなのか!と思い込まされた
- 主人公の女性・リズも記憶を移植されたクローンだと判明
- 実は種の保存のために14光年も離れた惑星にいく!
と驚きの連続。
大きなオチが何回もありサスペンスとして構造が優れていると思った。さらに昨今のコロナ問題も上手に取り入れている。
Netflix作品で言うとジョージ・クルーニー主演の『ミッド・ナイトスカイ』のように限られたシュチュエーションから、一気に物語の世界観が広がるところにカタルシスが感じられた。
他のワンシチュエーション映画と比較
Netflix映画『オキシジェン/Oxygen』は、序盤は消化不良で終わった地下に閉じ込められる系のワンシチュエーション映画『リミット』に似ていると感じたが、意外性がすごくて『リミット』よりは全然楽しめた。
トム・ハーディ主演で車の中で電話するだけの『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分/Locke』と比べるとヒューマンドラマ要素はないものの、サスペンスとしては非常に優れているでしょう。
ジェイク・ギレンホール主演のNetflixのサスペンス映画『ギルティ』以上の良作だと思います。
Netflix映画『オキシジェン/Oxygen』あらすじネタバレ解説
ある女性が狭い冷凍睡眠用ポッドで目覚めた。自分が置かれた状況に驚き、点滴を外していく。扉を叩くが、ロックされて外に出られない。叫ぶが返事はない。記憶もない。
ポッドを制御するAI・ミロに話しかけて、自分の姿を映し、データベースと照合する。自分の名前がエリザベット・ハンセン(愛称リズ)であると分かった。さらにレオ・ファーガソンという男性と結婚していると判明。
ポッドの酸素残量は33%で、あと1時間前後しかもたないようだ。リズはパニックになる。
リズはAIミロに指示して警察に通報。モロー警部に繋がるが、彼はレオは存在しないと言う。しかしリズには、夫レオが病で死んだ記憶があり、不信感を抱く。
モローはポッドの製造会社・クリオザリド社に行き情報を調べていると言うが、他のものと相談しているような囁き声が聞こえた。
年配の女性から着信が入り、リズは認証コードを聞き出してポッドのシステムを解除しようとするが、無重力状態になり体が浮いて驚く。
年配女性は、リズがある任務で地球から6万5000km離れたポッドにいると話す。そして地球はウィルスによってあと2世代で滅ぶと続け、レオもすでに死んでいると話した。
年配女性は、リズが地球からウォルフ1061という惑星に行く任務の最中で出発後すぐに目覚めてしまったので、酸素残量を2%以上残して冷凍睡眠を続けなさいと語気を強める。
年配女性のもとに誰かが来て銃を放ったような音が聞こえ、通話が途切れた。
リズはAIミロに言ってポッドのフィルターだけを解除。すると外に頭に穴の空いた死体が見えて驚く。
さらに外の景色が見え、巨大な宇宙船に自分以外に1万基の冷凍睡眠ポッドがあると判明。小惑星X375と衝突したことで何基かが破損して何名か死に、リズはポッドの故障で目覚めてしまったのだ。
リズはAIミロに指示して夫・レオのポッドを探し始める。夫のポッドは無事で冷凍睡眠状態で生きていた。
リズはふとあることを思いついて、先ほど電話してきた年配女性の声紋を照合する。すると彼女こそ、研究者のエリザベット・ハンセン本人だった。
老齢の研究者のエリザベットは、無数のマウスを使って人間の記憶をクローンに移植させることに成功していたようで、ウィルスによる人類滅亡の危機に気づいて、1万人のクローンを冷凍睡眠させ、人類が生きられる他の惑星に送ろうとしていたのだ。
ポッド内のリズは、自分がたった12年前に製造されたクローンだと知り。1度もポッドから外へ出たことはなかったのだとしって絶望する。研究者としてネズミをたくさん殺したせいか、白いネズミの幻覚が見える。
それでもリズは、14光年離れたウォルフ1061にたどり着けば、触れたことはないけど記憶の中で愛おしく感じている夫・レオに会えると考え、冷凍睡眠を実行。酸素がつきかけていたが、すでに破損したポッドから供給させた。
34年後、リズは美しい惑星ウォルフ1061で夫・レオに寄り添っていた。
Netflix映画『オキシジェン/Oxygen』END!
『オキシジェン』のラストオチや疑問点をカンタン解説
『オキシジェン/Oxygen』のストーリーを時系列でラストオチまで、箇条書きで簡単に解説すると、
- 研究者エリザベットが自身を含めたクローンを1万基作って移住計画を決行
- ポッドを出発させた少しあとに、小惑星が追突する事故でクローンのリズが目覚めた
- リズはパニックになるが事態を把握し、冷凍睡眠に戻って無事に人類が生きられる惑星に到着した
というもの。
細かい部分で、なぜモロー警部が嘘をついていたり、老人になったリズ本人が電話の向こうで通話を阻害されたのか疑問にだった人がいるかもしれないが、これはリズが地球に通信して、人々が人類滅亡に気づいてパニックになることを防ぐためだ。
最後に
Netflixオリジナル『オキシジェン/Oxygen』は、予想できない展開が連続するワンシチュエーションSF映画だった。
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