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ネットフリックス『新聞記者』で描けなかったモリカケ問題実話と本当の闇

Netflixオリジナルシリーズとして制作された米倉涼子・綾野剛出演の邦ドラマ『新聞記者』は、映像・演技ともにハイレベルで、モリカケ問題をなぞった内容であることから、各方面で大きな反響を呼んでいます。

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私も森友問題が2022年現在どうなっているのか気になり、ドラマを見終わったあと今更ながら調べてみました。

するとやはりドラマでは描かれていない部分があり(フィクションなのである意味当然ですが)、本作を見たあと一定満足感はあったものの、社会派としてのメッセージ性が薄いと感じた理由がより具体的にわかりましたので、ひとつの見解として紹介したいと思います。

森友学園問題の流れ、土地値引きの真実

(あくまで私が調べた範囲内の結論であり、足りない部分などもあるかと思います。何かご指摘あればコメントで教えてください)

まず、森友学園の経緯とゴミ処理問題についてお話します。

森友学園の土地が大幅控除・値引きで学園側に売られたことが、2017年の2月に朝日新聞によって大々的に報道されました。

しかし実際はもう少し情報が足されるべきで、森友学園が購入予定だった土地の隣半分を過去に豊中市が購入しており(公園が建設地)、ゴミが大量に埋まっていたことが判明しています。

ゴミの撤去費用が膨大にかかるので、国が豊中市に補助金を出しているのです。

森友学園が購入する予定だった土地も同じ場所なのでゴミが埋まっており、メディアが正当な金額だと発表した金額よりは、大幅値引きされる予定でした。

しかし近畿財務局が通常の値段で入札をかけてしまったため値引き価格への修正が発生し、その作業が終わらないうちに朝日新聞にすっぱ抜かれたという形です。

実際は、籠池夫妻と安倍昭恵元首相夫人の付き合いなどはあったにせよ値引きに関しては関係なく、土地の値段自体は正当でした(ゴミ問題自体が隠蔽工作でなければですが)。

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つまりそこまで大きな問題でない土地購入・入札の手続きのミスが、大々的に報道されてしまったことが森友問題の発端になります。

佐川元理財局長・安倍元首相の発言で泥沼化

値引き問題が、ゴミ埋没ではなくクセのある籠池夫妻・昭恵夫人とパッケージングされて報道されたこともあり、森友学園問題はお茶の間を賑わせました。

そして国会での答弁を求められた佐川元理財局長は、この値引きが地下のゴミによる正当なものであると主張できず答弁をミスり、その流れで有名な安倍元首相の「妻や私が関係していたら議員を辞めなくては…」という有名な答弁が生まれました。

当然、この問題が事実なら安倍元首相は責任を問われます。野党からしてみれば、政権転覆の大チャンスです。

安倍昭恵元首相夫人は値引きに大きく関わっていたかは分かりませんが、少なくとも籠池夫妻と親交はあったので、全くの無関係とも言い切れません。

ここで安倍元首相や佐川元理財局長が謝罪して発言を訂正していれば問題は大きくならずに済んだのかもしれませんが、あろうことか佐川元理財局長が近畿財務局に文書改竄を命じます。

国会での答弁と公文書の内容を一致させる保身のためにです。

公文書改竄という決定的にアウトな問題が発生して明るみに出たことで、森友問題は一気に加熱しました。

佐川元局長ら関係者24名が不起訴になる問題も発生し、世間から大きなバッシングを受けます。

そして赤木俊夫さんが自ら命を断つという結果になってしまったのです。

政権とメディアの闇

あくまで私が調べたところではありますが、森友問題はちょっとしたヒューマンエラーをメディアが本質とズラして報道し、文書改竄、関係者不起訴、職員自死という悲劇に発展した極めておかしな問題だといえます。

ある面、滑稽なマッチポンプです。

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メディアの煽り方も論点がズレた部分があるでしょう。その後の政府の対応も完全にアウトでしょう。

さて、悪いのは誰でしょうか?本当の極悪人は?

誰か黒幕がいたというよりは、登場人物はみんな自分の立場から発言し、保身に走っただけにも見えます。

本当の黒幕がいないのが、この森友問題の本質ではないでしょうか?

政権もメディアもそれぞれが忖度し、その歪みが生まれてしまったのです。

ネットフリックスドラマ『新聞記者』では、あくまで政府や内調が黒幕として描かれていました。

ネトフリドラマ 新聞記者の内閣情報調査室にきた綾野剛
ドラマ・新聞記者の暗すぎる内閣情報調査室

しかし現実社会はもっと複雑です。

そこにスポットを当てていないので、社会派としては結論が少し幼稚に映ってしまったのだと思いました。

メディアと政府両方が関わっているにもかかわらず、政府だけ悪者扱いでは論点がズレてきます。

メディアや被害者側から森友問題を描くという意味では本作は良かったかもしれません。ただ、なぜこういった問題が起こってしまうのかという本質は現実と大幅に違うので、そのあたりを見る側は考える必要があるでしょう。

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