ディズニープラス配信のマーベルドラマ『ムーンナイト』 (Moon Knight)はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)フェーズ4のサイコヒーロードラマ!
主人公にオスカー・アイザック、ヴィランはイーサン・ホークという豪華キャスト!シーズン1は全6話です。
主人公が2重人格(解離性同一性障害)という完全に大人向けのサイコサスペンス+アクションです!
日本の月光仮面のマーベル版ともいえる異色のヒーロー。
キャスト、ぶっちゃけ感想・ネタバレ評価、全6話ネタバレあらすじ解説,各話の感想
最終回ラストシーン考察,精神病院や金魚の意味を知りたい人向けにわかりやすく記事をまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。好きな項目からどうぞ)
マーベル『ムーンナイト』作品情報・キャストと演技の印象
原題:『Moon Knight』
監督:アーロン・ムーアヘッド/ジャスティン・ベンソン
脚本:ダグ・メンヒ
原作:「ムーンナイト」ダグ・メンヒとドン・パーリン
配給:ディズニープラス
ムーンナイト(スティーヴン・グラント/マーク・スペクター)|cast オスカー・アイザック
©︎ディズニープラス/Disney+
スティーヴン・グラントは解離性同一性障害を患っており、他の人格が傭兵マーク・スペクター。エジプトの月の神・コンスのパワーを授かったムーンナイト。
オスカー・アイザック演じる中年主人公の味わい深さ、精神的危うさがたまらない。
俳優 オスカー・アイザック代表作:『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』ポー・ダメロン役。『DUNEデューン砂の惑星』レト公爵など。
アーサー・ハロウ|cast イーサン・ホーク
©︎ディズニープラス/Disney+
アーサー・ハロウは、カルト宗教団体のリーダーで、エジプトの女神アメミットの力を得て金槌の審判で、悪しき人間を強制的に殺す力を持つ。
僕の大好きな俳優イーサン・ホークがヴィランは熱い。
イーサン・ホークは『ガタカ』『トレーニング デイ』『ビフォア・サンライズ』シリーズなど超名作に出演した一方、SF『ヴァレリアン』やホラー『リグレッション』などの評価が微妙な作品にもコンスタントに出演。
その他の登場キャラ・キャスト
レイラ(マークをサポートする考古学者)|cast メイ・カラマウィ
ミッドナイトマン(アントン・モガート)|cast ギャスパー・ウリエル
コンシュ(エジプトの神)|cast F・マーリー・エイブラハム
『ムーンナイト』ネタバレなし感想・あらすじ・見どころ・海外評価
©︎ディズニープラス/Disney+
あらすじ:ロンドンの美術館で働くスティーヴン・グラント(オスカー・アイザック)は、自分の体を操るマーク・スペクターという存在に気づきます。ある日、全く覚えのないのどかな街で目を覚まし、カルド教団の教祖アーサー・ハロウ(イーサン・ホーク)に追われます…。
正統派ヒーローモノとは一線を画したサイコサスペンス+アクションです。
逆にいうと、ヒーロー作品が苦手な人でも楽しめます。
目を背けたくなるような痛々しいグロさの一方で、シュールなコメディ要素もあり、オリジナリティがとても強いです。
おすすめ度 | 83% |
サイコサスペンス度 | 85% |
ストーリー | 80% |
IMDb(海外レビューサイト) | 8.9(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家83% 一般93% |
※以下、ディズニープラス『ムーンナイト』のストーリーネタバレありなので注意してください!
MCU『ムーンナイト』ネタバレ感想・評価
2重人格がコロコロ切り替わるサイコ要素が強く、マーベルヒーロードラマを見ている感じはまったくしませんが、無難すぎたファミリー向けドラマ『ホークアイ』より面白いと思います。
MCUフェーズ4でいうと、サイコドラマだった第1弾の『ワンダヴィジョン』に近いテイストですね。個人的にサイコ系は大好物で、社会派だった『ファルコン&ウィンターソルジャー』よりも好きです。
2重人格であるスティーヴンとマークが言い合いをする場面は、『ヴェノム』を想起させます。
本作のコンセプトの1つが、視聴者にリアルな痛みを感じさせることではないでしょうか?
イーサン・ホーク演じるヴィランのハロウがガラスを砕いて靴に入れて歩くなど、身悶えるシーンが多かったです。やられた相手が血を流す感じもリアリティがあり、バイオレンスアクションとして楽しめます。
アクションも迫力満点で、カップケーキのバンで山道でカーチェイスなどシュチュエーションもシュールなのが素晴らしい。
夢か現実かわからない現実離れした状況が『ムーンナイト』の視覚的な見応へと変換されています。
『ムーンナイト』全6話ネタバレあらすじ解説
第1話「もう1人の自分」
(原題:The Goldfish Problem )
©︎ディズニープラス/Disney+
ロンドンに住む中年男性スティーヴン・グラント(オスカー・アイザック)は、解離性同一性障害で夜中に歩き回ってしまう恐れがあるため、いつも足をベルトに巻き付けて寝ていました。
飼っている金魚のガスだけが友達でした。
勤務先のミュージアムではドナという女性にこき使われています。他の女性職員から「明日のデートは7時でいい?」と言われますが誘った覚えはなく、動揺しました。
夜眠りにつくと、景色の素晴らしい丘の上で目覚め、なぜか手には金色のてんとう虫のブローチを握っています。脳内で「マークに体を返せ」と声が聞こえました。
スティーヴンは兵士に銃で追い回されて街の人混みの中へ。広場ではカルト教団の教祖アーサー・ハロウ(イーサン・ホーク)が、女神アメミットの過去・現在・未来を見通す力を借りて人々に審判を下していました。
スティーヴンはハロウに見つかり、彼の手下に追われます。気づくと記憶が飛んで、手下たちが数人倒れていました。
スティーヴンは近くに止めてあったバンに乗り込んで山道を逃げました。ピンチになると何者かと人格が入れ替わり、いつの間にか窮地を脱しています。
スティーヴンは夢から目覚めました。金魚のガスを見るとヒレが1つだったはずが、2つに増えていて驚きました。デートの約束の日を2日も過ぎていました。
ミュージアムへ行くと、アーサー・ハロウがいました。暗闇でモンスターが迫ってきます。トイレの中で頭の中のマークが「制御権を渡せ」と話しかけてきました。
制御権を渡すと、エジプトの月の神・コンスの力を授かったムーンナイトに変身。圧倒的なパワーで敵を殴り倒します。
第1話終わり。
1話の感想・考察
イーサン・ホーク演じるアーサー・ハロウが、砕いたガラスを靴に入れてそれを履いて歩くシーンはトラウマになりそうなくらいショッキングでした。痛すぎて見ていられません。
山道でピンク色のバンに乗ってのカーチェイスは絵的に最高でしたね。
水面を画面の上半分に映すなど、映像のクオリティも凄まじいです。
金魚のヒレが1つ増えているなど、ディティールまで奇妙かつ不条理で、興味をそそられます。
第2話「スーツ召喚」
©︎ディズニープラス/Disney+
スティーヴンは自分の部屋のベッドで目覚めます。ミュージアムへ行くと、トイレが破壊されており、監視カメラにはスティーヴンしか映っておらず、あっさりクビに。
マークが借りている倉庫へ行くと、リュックの中に、銃、金、スカラベが入っていました。マークが体を返せと話しかけてきます。月の神コンスが現れ、驚いたスティーヴンは逃げ出しました。
スティーヴンは逃げている最中レイラと名乗る女性と出会い、彼女のバイクでアパートへ戻ります。レイラとマークは結婚しているようです。
警察がやってきてマークは捕まりました。ハロウが統治する村へ連れて行かれます。
ハロウは「俺も以前コンスのアバターだったが、彼は嘘つきだ。女神アメミットの墓へのコンパスとなるスカラベを渡せ」と言いました。
そこへスカラベを持ったレイラが現れ、スティーヴンは彼女と一緒に建物の上に逃げます。ハロウが召喚した獣に襲われ、スティーヴンは建物から落下しました。
スティーヴンは落下したにも関わらず無傷で、コンスの力を宿した白い姿になっていました。しかしマスク以外は普通のスーツの形状です。
マークが頭がおかしいカーネルサンダースみたいだと言います。
スティーヴンは獣と戦いますが勝てず、制御件をマークに渡しました。マークは獣を倒しました。しかしスティーヴンは体に戻してもらえず、怒ります。
月の神・コンスの命令でマークはエジプトにやってきました。
ムーンナイト第2話 終わり
2話感想・考察
ハロウが召喚した獣は普通の人には見えないので、最初はスティーヴンは透明の存在と戦っているように映します。そして途中からスティーヴンの視点でしっかり怪物を見せながらの戦闘シーンに変化する演出が面白かったです。
第3話『エネアドの決断』
スカラベを手に入れたハロウはエジプトでアメミットの墓を探し、仲間たちと一生懸命採掘作業をします。
マークは、スティーヴンと人格を入れ替えながら、ハロウの手下を倒してアメミットの墓の場所を聞こうとしました。しかし手下は話さず崖から落下して死亡。
コンスはエネアド召集という儀式を行い、ギザの大ピラミッドの頂上に他のアバターと神々を集めます。マークもポータル通路を通ってピラミッドの中へ入りました。
マークに憑依したコンスが「ハロウがアメミットの墓を暴こうとしている」と告発します。しかしあとからやってきたハロウは「マークが二重人格で頭がおかしい」と言って否定。皆はハロウの言い分を信じ、解散しました。
ハトホルのアバターであるヤツィルはマークに、センフーの墓にアメミットの墓の場所のヒントがあると教えました。
マークは合流したレイラと一緒にセンフーの墓を所有するアントンのところへ行きますが、遺跡を見てもスティーヴンでないと謎が解けません。そこへハロウがやってきて、能力を使ってセンフーの墓を破壊しました。
マークはムーンナイトに変身し、レイラと一緒にアントンの部下たちを倒して逃げます。
センフーの墓にあった布が墓への手がかりですが、マークは自分では解けないので仕方なくスティーヴンに体を受け渡しました。
スティーヴンは布を星形に組み合わせ、数千年前当時の星座の正確な位置が分かれば、アメミットの墓が特定できると言います。
コンスが星空を数千年前に戻し、レイラが座標の特定に成功。しかしコンスはよからぬことをしているとされ、神々に封印されてしまいました。
ムーンナイト第3話終わり!
第3話感想・考察
ハロウの部下がナイフを舐めている間にマークが殴るシーンが爆笑でした。
マークからスティーヴンに人格が移り変わるときのオスカー・アイザックの演技の切り替えはさすがですね。まったく別人に見えました。
舞台が中東エジプトに移りました。ムーンナイト3話もそうですが、どんな作品も絶対エジプトの街に来たら追いかけごっこやりますよね。
第4話『アメミットの墓』
スティーヴンは翌朝、レイラと共にアメミットの墓に潜入。2人は離れ離れになります。
レイラはピラミッド内の死人を倒しました。そこへハロウが現れ、レイラの父で考古学者のアヴドラ・エル=フーリーはマークによって殺されたと話します。
スティーヴンは、ピラミッド内でなんとアレクサンダー大王の墓を発見。ミイラの口内からウシャブティを見つけました。
レイラが現れ、マークに父の死についてを問います。マークは同僚がレイチェルの父を殺し、自分を撃って逃亡したと言いました。
ハロウがやってきてマークを撃ちます。
マークは精神病棟で目覚めました。レイラも患者としています。
ハロウは精神科医で、マークを診察します。ハロウはエジプト探検の映画『TOMB BUSTER(墓荒らし)』のカセットテープを出し、これまでの内容は全てマークの夢だと言いました。
マークは逃げました。棺の中からスティーヴンが出てきます。エジプト高官の衣装をまとったカバの女性が現れました。
ムーンナイト 第4話終わり
第4話感想・考察
『インディージョーンズ』や『ハムナプトラ』みたいなエジプト冒険アドベンチャーから、映画『カリガリ博士』みたいな精神病棟オチになりましたね。すべてマークの妄想だったということでしょうか?
まあ、この精神世界も一つの現実で、これからマルチバースで元の世界に帰還するのかもしれません。
第5話「蘇る過去」
精神科医のハロウは、ここがシカゴのパトナム精神病院だと言いました。
場面は変わり、マークとスティーヴンはエジプトの精神病院でカバの女性に出逢います。
カバはタウエレトという女神でした。マークが扉の外に出ると、砂上を走る大船に乗っていることがわかります。
タウエレト(カバ)は撃たれて死んだマークとスティーヴンの魂を次の次元に導くため、2人の心臓と羽を天秤にかけました。
しかし釣り合わず、マークたちはお互いの過去を見つめ合わねばならないと言われます。
2人は船内の精神病院へ戻り、スティーヴンはマークが殺した人々や、夢遊病で軍を除隊させられ、傭兵として盗掘をしていて目撃者を消せという命令に背いて撃たれ、遺跡でコンスと出会い、ムーンナイトとなる契約を交わした過去の映像を目撃。
さらにマークの家族のヴィジョンが見えました。マークは幼い頃に弟・ランドールと洞窟へ行き、弟が事故で溺死してしまった過去がありました。母はおかしくなってマークを虐待し、スティーヴンという人格が生まれたのです。
スティーヴンはいつも母と電話で喋っていました。しかしマークは「母は数年前に死んだ」と言います。
怪物に襲われてスティーヴンは砂上の船から落ちて凍りつき、その魂は冥界へいくことに。
天秤は釣り合い、マークは葦の楽園に到着します。
第5話 感想・考察
妄想と死後の世界を行き来する意味不明な展開です。
妄想は何なのか?マークは本当に死んでいるのか?
謎は全く解明されていません。これからどうするのでしょう…。
シーズン1最終回 第6話「再生」
マークはスティーヴンを助けるために葦の楽園から出て砂漠へ。2人の精神が復活し、死の扉から出て生き返りました。
アメミットは解放されハロウがアバターに。レイラがコンスの像を破壊しました。コンスはアメミットに向かっていきますが歯が立ちません。
レイラはタウエレト(カバの女神)のアバターになります。コンスはマークの復活を感じ取り、銃で受けた傷を直します。
マークとスティーヴンはムーンナイトとなり、ハロウと戦います。レイラも参戦。
コンスとアメミットも巨大化し、戦っています。
マークの記憶が飛び、意識を戻すとハロウが倒れています。マークはハロウの中にアメミットを封じ込めました。マークはハロウを殺さない選択をします。
コンスは約束通り、マークとスティーヴンの魂を解放しました。
気づくとマークは精神科にいますが、ハロウ先生の前でコンスやアメミットが実在すると信じると言い、いつものベッドに戻ってきました。
金魚・ガスが2匹になっています。マークとスティーヴンは1つの肉体で精神を共存できていました。
エンドロール(ミッドクレジット)シーン
精神科にいたハロウは何者かに外に出されます。リムジンの中にコンスがいました。コンスはジェイク・ロックリーを紹介します。姿はマークでした。
ジェイクはハロウを撃ち殺します。
『ムーンナイト』シーズン1最終回 終わり!
ムーンナイト最終回 第6話ラスト考察レビュー
第三の人格・ジェイク
マークとスティーヴン以外にジェイク・ロックリーという人格がおり、結局コンスのアバターのままだったという強烈なラスト。
コンスはスティーヴンとマークは解放しましたが、ジェイクの人格は解放せずという、エジプトの神嘘つきオチ!
実はマークは二重人格ではなく三重人格以上だったということです。ヒーローモノではなくサスペンスの結末ですね!
シーズン2があるとすれば、マーク&スティーヴン VS ジェイク・ロックリーとなるでしょう。M・ナイト・シャマランのスプリットのように、さらにサイコな感じになりそうです。
精神病院はマルチバース?金魚のガスの意味
まだ謎も多いです(というかシーズン1では謎しかねえ…)。
最大の謎は精神病院。マークが患者でハロウ医師がいる精神科が現実かリアルかはっきりしません。
精神に異常をきたしているときは、マルチバースに行っている的な設定でしょうか?
MCUフェーズ4でマルチバースの扉が開かれました。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022/5月公開)では、マルチバースの自分と夢で繋がっているという驚きの設定が登場。
そこから考えると、精神世界はマルチバースで繋がっているという解釈もできそうです。
とするとマークのそれぞれの人格は、マルチバースの他の世界線では現実だという解釈もありでしょう。
スティーヴンもジェイクも他のユニバースからやってきた人格なのかも。
マークは映画ドクター・ストレンジ2のアメリカ・チャベスみたいな特殊体質なのかもしれません。
そして他のユニバースの人格がこの世界線にやってくるとき、金魚・ガスのヒレが増えたり、2匹になったりするのではないでしょうか。
最後のまとめ
マーベル・シネマティック・ユニバースフェーズ4の『ムーンナイト』はサイコバイオレンスアクションとでもいうべき新機軸ヒーロードラマ。
こういう“ヤバい”ヒーローを待ち望んでいました。オリジナリティもあって他のヒーローと被らないですし、マーベルはどんどん個性派ヒーローに舵を切っていくべきでしょう!シーズン2も楽しみです!
ここまで読んでいただきありがとうございます。『ムーンナイト』レビュー終わり!
マーベル作品ネタバレ感想レビュー記事
マーベル『ソー:ラブ&サンダー』(ソーラブアンドサンダー)!ジェーンがムジョルニアをぶん回し、ヴァルキリーも大活躍! しかし物語としては詰め込みすぎな上にコメディ過ぎて超微妙! ぶっちゃけ内容的には結構ひどいです。 […]
映画『モービウス』(Morbius)はジャレッド・レトが不治の病を患う天才医師に扮し、コウモリのDNAからスーパーパワーを得るダークヒーロー作! CineMag アクションでは残像が紫の影としてヴィジュアル化されており、背負[…]
マーベル映画『ブラック・ウィドウ』はスカーレット・ヨハンソン演じる女性暗殺者ブラック・ウィドウが過去の因縁にケリをつける壮絶な戦いを描いた作品!マーベル・シネマティック・ユニバースの24作目です。 ブラック・ウィドウがアベンジャーズに[…]
Disney+ドラマレビュー記事
Disney+配信ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(Obi-Wan Kenobi) 全6話。アナキン・スカイウォーカーを倒してから10年後の、傷ついたオビ=ワンの物語です。 CineMag 壊れかけのオビ=ワンが放つ哀愁がすご[…]