アンジェリーナ・ジョリー主演の『モンタナの目撃者』は、主人公の葛藤やラストの余韻が強烈なアクションサスペンスの佳作!
キャラ紹介やネタバレ感想・評価、本質的なメッセージの深掘りなどをしていきます!
テイラー・シェリダン監督作品は毎回余韻に浸りまくれますね!
映画『モンタナの目撃者』キャスト・作品情報
公開・制作国:2021年9月3日・アメリカ
原題:『Those Who Wish Me Dead』
監督・脚本:テイラー・シェリダン
原作:マイケル・コリータ著『Those Who Wish Me Dead』
撮影:ベン・リチャードソン
音楽:ブライアン・タイラー
主演:アンジェリーナ・ジョリー
出演:ジョン・バーンサル
出演:フィン・リトル
出演:ニコラス・ホルト
出演:エイダン・ギレン
出演:タイラー・ペリー
出演:メディナ・センゴア
テイラー・シェリダン監督は、映画『ボーダーライン』『ウィズアウト・リモース』の脚本や、『ウインド・リバー』の監督・脚本で有名な人物。彼が手がけるストーリーは、強い余韻を残すようなラストが印象的です。
劇伴を作ったブライアン・タイラーは、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』や『ランボー・ラストブラット』の音楽でも有名。
ハンナ・フェイバー/アンジェリーナ・ジョリー
ハンナは、森林消防隊員のメンバー。
以前、自ら指揮する山火事消火作戦で判断を誤り、すぐ向こうにいた3人の少年たちを救えなかった出来事がトラウマになっています。
本作はアンジェリーナ・ジョリーの11年ぶりのアクション作品となりました。
イーサン・ソーヤー/ジョン・バーンサル
イーサンは街でダンディと噂される保安官で、ハンナの元恋人です。
妊娠中の妻アリソンと仲良く暮らしています。
ウォーキング・デッドの保安官シェーン役で有名です(この役で好きになりました)。
テイラー・シェリダン監督の『ウインド・リバー』にもキーパーソンとして出演していました。
アリソン・ソーヤー – メディナ・センゴア
アリソンはイーサンの妊娠中の妻です。
サバイバル技術に長けており、サバイバル教室を運営しています。
オーウェン・キャサリー/ジェイク・ウェバー
オーウェンは訴訟会計士で、ある巨大な不正の証拠をつかんだことで暗殺者に狙われます。
俳優ジェイク・ウェバーは映画『7月4日』に生まれてなどに出演。
コナー・キャサリー/フィン・リトル
コナーはオーウェンの息子です。
父から正しいことをしろと教えられています。
ジャック・ブラックウェル/エイダン・ギレン
ジャックは殺し屋ブラックウェル兄弟の、兄貴のほう。
ボスのアーサーにプレッシャーをかけられてちょっと疲れています。
俳優エイダン・ギレンは『ダークナイト ライジング』や『ボヘミアン・ラプソディ』に出演する名脇役。
パトリック・ブラックウェル/ニコラス・ホルト
パトリックは殺し屋ブラックウェル兄弟の、弟のほう。
兄に比べると人を殺すことにためらいはない感じです。
俳優ニコラス・ホルトは、映画『X-MEX』シリーズのビースト(ハンク・マッコイ)役や、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のウォーボーイズ・ニュークス役などで有名です。
ネタバレなし感想・見どころ
派手でエンタメ的なストーリーというより、人生におけるトラウマや取り返しのつかない失敗をどう解消するのか?という抽象的なテーマにスポットが当たっている作品です。
いわゆるしみじみ系サスペンスが好きな人には向いているでしょう!
一方で、どんでん返しや派手なアクションを求める人には不向きだと思います。
※以下、映画『モンタナの目撃者』のストーリーネタバレありなので注意してください。
『モンタナの目撃者』ネタバレ感想・評価
『モンタナの目撃者』の評価は81点。
山火事での判断ミスと子供たちを救えなかったことに絶望していたアンジェリーナ・ジョリー演じる主人公・ハンナが、コナーという少年を救って自らも救われるメッセージ性の強いストーリーが評価できると思います。
見終わったあと山火事の残り火のような余韻に浸れますね。
脇を固める登場人物たちもみんな魅力的で、特に塔の上にいる妊婦アリソンがやって来た隊員に対して「救助は急がない…」と言ったセリフが印象に残りました。
すでに死んでいる夫のイーサンの側を、少しでも離れたくなかったのでしょう。
話しは変わって、ラストは雪が降って…と思ったら舞っているのは山火事の灰です。この演出が素晴らしかったです。
ちょっと不謹慎ですが、細やかな白い灰が炎をバックに舞うシーンは美しいと感じました。
他には、全体的に群像劇風でそれぞれキャラが立っていたのも印象深いです。
イーサンとハンナが元恋人同士で、イーサンの現妻アリソンが「ハンナに優しくしてやれ」と肩を持つシーンなど、それぞれの人柄を一発で表現できていた巧みな演出だったと思います。
また、妊婦のアリソンが猟銃を持って暗殺者たちと戦う設定がとても斬新で見応えがありました。
妊婦がアクション!ってあまりないですもんね。
ただまあトータルの面白さでいうと、テイラー・シェリダン監督作品でいえば個人的には『ウインド・リバー』の方がより鮮烈なラストで余韻も強く好みでした。
モンタナの目撃者:ネタバレ考察
ハンナは死んでいた?
ちょっとぶっ飛んだ見方になりますが、ハンナは冒頭の山火事ですでに死んでいたという見方をしても良いと思います。
聖書でいう、いわゆる煉獄(れんごく)的な考え方にぴったり当てはめられるからです。
キリスト教の聖書で、天国にも地獄にも行けなかった人は煉獄へ行き“火に試される”という内容があります。
もしかするとハンナは冒頭の山火事ですでに死んでいて、少年3人を救えなかった後悔から煉獄へ行き、火による試練を乗り越えたという見方もできるでしょう。
この見方が正解というわけではないですが、抽象的なテーマを感じるのに役立つとは思います。
雷の傷は生きる誓い
ハンナが雷で受けた傷はあとに残りそうで悲惨なものでしたが、これは“今回の出来事を糧にして生きろ”というメッセージだと思います。
ハンナは過去に3人を救えませんでしたが、今回は命懸けで1人の少年を助けました。
ハンナが生き延びたことには意味があり、傷をもって今回の出来事を忘れるなという印象ですね。
彼女は生きる意味を体に刻み込んだといえるでしょう。
暗殺者の心情
群像劇風で、暗殺者ブラックウェル兄弟の兄・ジャックについては哀愁と葛藤のあるキャラだったのが印象的でした。
ボスから無理難題を押し付けられ(2グループじゃないと無理だと提言していましたし)、この仕事をミスると、あとがなくて殺されるかもしれないということもわかります。
弟のパトリックが兄のジャックに謝っていたことも、背景に何かありそうです。
ただ具体的に何の事件を隠蔽しているのかさらっとでも紹介した方が、このブラックウェル兄弟のキャラがもっと引き立ってよりより作品になったのでは?と感じました。
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