映画『シング・フォー・ミー、ライル』ネタバレ感想・評価:ラスト解説レビュー!キャストあらすじ解説

  • 2023年3月25日

映画『シング・フォー・ミー、ライル』しゃべれないワニ・ライルが少年の家族を幸せにするために歌って踊るハートフルなミュージカル。俳優・大泉洋の歌声も素晴らしい!

シネマグ
でっかくてキュートなワニが歌う姿が愛くるしい!

作品情報・キャスト

ネタバレなしの感想

視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)

物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説

これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

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映画『シング・フォー・ミー、ライル』おもしろかった?(投票どうぞ)

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映画『シング・フォー・ミー、ライル』作品情報・予告

日本公開:2023/03/24
制作国:アメリカ
上映時間1時間46分
原題:『Lyle, Lyle, Crocodile』
ジャンル:ミュージカル、ヒューマンドラマ
年齢制限:PG12(12歳以下は親の指導が必要)
監督:ジョシュ・ゴードン/ウィル・スペック(『マーベル ヒット・モンキー』)
脚本: ウィリアム・デイヴィス
原作: バーナード・ウェーバー著「ワニのライルのおはなし」

ラ・ラ・ランド』や『グレーテストショーマン』の音楽スタッフが手がけた注目作!

気分がもりあがる歌がたくさん聞けて大満足です!

『シング・フォー・ミー、ライル』キャスト

歌が上手いワニのライルを吹き替えで演じるのは俳優の大泉洋さん。個人的には歌手というイメージはあまりなかったですが、歌めちゃくちゃ上手いですね。常人じゃ絶対に出せないハイトーンも綺麗で衝撃的でした。しかも味わいもある。(英語版はショーン・メンデス。)

ライルの発掘者兼飼い主ヘクター・P・ヴァレンティを演じるのはハビエル・バルデム。『ノーカントリー』の殺し屋アントン・シガー役でアカデミー賞助演女優賞を獲得した超実力派です。近年は『DUNE/デューン砂の惑星』にも出演。『愛すべき夫妻の秘密』(2021)でニコール・キッドマンと共演していましたね。日本語吹き替えは石丸幹二さんが務めています。

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映画『愛すべき夫妻の秘密』

少年ジョシュを演じるのはウィンズロウ・フェグリー君。Netflixのファンタジー『ナイト・ブック』に出てましたね。

お母さん役にはアジア系女優コンスタンス・ウー(『クレイジーリッチ』)。義母という設定で人種の多様性を表現!

お父さん役はスクート・マクネイリー。隣人・グランプス役にはNetflixの人気ドラマ『ストレンジャーシングス』のマレー役で有名なブレット・ゲルマンが登場!

映画『シング・フォー・ミー、ライル』あらすじ

映画『シング・フォー・ミー、ライル』風呂で歌うワニのライル

売れないマジシャン・ヘクターは珍しい動物を扱うショップで歌う小さなワニ・ライルを見つけ、歌や踊りなど芸を仕込む。

しかしいざ舞台の幕が上がるとライルは緊張して歌えない。

舞台の失敗でヘクターは借金を返せず、所有するアパートを売らなくてはならなくなった。ヘクターはライルを置いて出稼ぎに出かける。

18カ月後。プリム夫妻とジョシュがそのアパートに引っ越してくる。大きなワニ・ライルを見たジョシュはぶったまげるが…。

ネタバレなし感想・海外評価

ワニのライルのキュートな瞳に心をズッキュンされます。最高のキャラクターと感動の物語がハイレベルな次元で融合した良作です。ミュージカル映画に大切なワクワク感がつめ込まれています。

感想を語る犬
内気でしゃべれないワニが歌で感情を表現するシーンに目頭が熱くなりました。

ストーリーがめちゃくちゃ凝っているタイプではないですが、ファミリーで見るには最高の作品です。

良い意味で王道を裏切るような展開もあり、大人でも子供でも人生に悩んでいる人が前向きなメッセージを受け取れます。

海外の評価もわりと高いです。幅広い層が楽しめる作品だと思います。

なぜか日本だとPG12指定ですが、教育に悪いようなシーンはありませんでした。

おすすめ度 85%
歌のシーン 86%
ストーリー 84%
IMDb(海外レビューサイト) 6.1(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) 批評家 72%
一般の視聴者 93%
メタスコア(Metacritic) 51(100点中)

※以下、映画『シング・フォー・ミー、ライル』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『シング・フォー・ミー、ライル』ネタバレ感想・評価・考察

映画『シング・フォー・ミー、ライル』

ミュージカル映画『シング・フォー・ミー、ライル』の評価は85点。

正直、でかいワニが歌うだけの出オチ映画だと思ってましたが良い意味で期待を裏切られました。

シネマグ
なんといってもクロコダイルのライルのかわいさ・魅力がハンパないです。

大きなワニの風貌なのですが、引っ込み思案であがり症なのか、歌は好きだけどステージでは固まってしまって歌えないという、いじらしいキャラクターです。

二足歩行も四足歩行もいけます。四足歩行のときはリアルな爬虫類の動きになるギャップもたまりません。

歌えるのに言葉はしゃべれないキャラ設定もツボ。普段は自分の気持ちをうまく伝えることができないぶん、歌で感情を爆発させるシーンにカタルシスがあります。

ライルが、友達のいないジョシュとその家族を元気づけてあげる過程も感動的でした。

ライルはお父さんにはレスリングでわざと負けてあげ、お母さんには健康で完璧な料理ばっかり作らなくていいと歌とダンスでさとします。

感想を語る犬
気遣いのワニです。めっちゃいいやつですねコイツ。

ストーリーについては、なぜワニが知能を持って歌えるのか?歌えるのにしゃべれないのはなぜか?そこまでみんな気にしないというツッコミどころはありますが、まあファミリー向けのミュージカル映画なので、細かい設定を説明しないのは良かったと思います。

テンポもよく、歌やダンスのシーンも多くて最後まで飽きずに楽しめました。

ライルやジョシュたちが住んでいる、いかにもニューヨーク・マンハッタンな建物や街並みも良かったです。

屋根裏の外にある夜景の見えるベランダ。夜に外階段から屋外へ飛び出すワニ。絵としてもインパクト抜群でした。歌やダンスの背景としても映えます。

近年はSINGシリーズなど動物のミュージカルが流行ってますが、爬虫類が画面でデカデカと歌う作品ってありましたっけ?

ワニはB級モンスターパニックで見ることが多いので、キュートなワニが歌って踊る本作はインパクト抜群でした。

悪役にされることが多いワニが、内気で優しいキャラに!爬虫類好きとしてはギャップがたまりません。

海外評価も良いので続編も期待したいです。

メッセージ性の強いラスト

ラストはライルがタレントコンテストで力強い歌を披露することに成功したあとで、スターになる!という安易な結末に向かわなかったのがよかったです。

歌えるワニという最高のアイデンティティを持っていても、本人がやりたくないなら違う幸せを与えてあげるべき!という個性の尊重の究極のような結末でした。

ライルのこの選択は、母親だからって子供の手本になるように完璧に生きなくてもいい、飼い猫だからって嫌な飼い主のもとにい続けなくていいなど、他のキャラクターの幸せにもつながっています。

もっと広い視点で考えると、ミュージカル映画だからってスターにならなくてもいい!という逆転のメッセージが伝わってきました。

見かけ、肩書き、能力よりも本人の意思を尊重しようということですね。

シネマグ
個人の意思を尊重する多様性がうまく機能していて、みんなが幸せな世界線をうまく表現できていたと思います。

考察:ルールを破る大切さ

『シング・フォー・ミー、ライル』ではルールを破る大切さも伝わってきました。

ジョシュがライルと一緒に残飯を漁り、一緒に食べていたシーンにはなんか感動。普通なら絶対ゴミ箱にある食べ物に手を出したくないですが、ジョシュは小さいながらも男気がありますね。最近の潔癖症の子どもではない設定がすてきです。

相手が食べているものを一緒に食べてあげる、一緒に食事をすることで仲良くなる言語以外のコミュニケーションが強調されていました。(パパとレスリングしてあげるのも言語外のコミュニケーションですね)

さらにジョシュは終盤で警察に追われ、無免許でバイクをかっ飛ばします。そしてエントリーしていないにも関わらずタレントコンテストに乗り込みます!ひと昔のロッカー並みにルール破りまくりです。

社会で生きる上でルールはもちろん大切で守らなくてはなりません。しかし目の前の友達を助けるためにルールを破ることが必要であれば、そうすべき時があるのではないでしょうか?

SNSで正論を振りかざす人が多い昨今ですが、本作は何かやるとすぐ炎上する生きにくい現代社会へのカウンターになっていると思いました。

映画『シング・フォー・ミー、ライル』ネタバレあらすじ解説

ライルとの出会い

ジョシュはライルを見てパニックになる。隣人・グランプスの飼い猫・ロレッタがライルに飛びかかるが、ライルもびっくりして口を開けてしまったため、ロレッタはライルに飲み込まれてしまった。

ライルは屋根裏から逃げ出してアパートの外を走る。ジョシュはロレッタを助けるためにライルを追いかけた。

ジョシュが路地裏で怪しい男につかまったところでライルが登場して大きな口を開けて相手をビビらせ、助けてくれた。

ジョシュは歌を歌えるライルと意気投合した。

夜行性のライルは夜になると屋根裏部屋を抜け出し、近くのレストランのゴミ箱にダイブして食料を集める。猫のロレッタも一緒だ。

残飯をベランダに並べ、みんなで食事をした。ジョシュは健康志向の料理しか食べたことがなく、ファーストフードの味に感動した。

ジョシュの義母・ミセスプリムもライルを見て驚く。しかしライルの歌とダンスを見て、健康志向の料理でなく作りたい料理やお菓子を作ってもいいんだと思いなおした。ライルとミセスプリムは一緒に大きなケーキを作った。

ジョシュの父・ミスタープリムもライルを見てびっくりする。ライルは元レスリング選手のミスタープリムにわざとレスリングで負けてあげた。ミスタープリムはライルのおかげで人としての自信を取り戻す。

ヘクターの帰還

やがてヘクターがアパートに帰ってくる。ライルは自分を置いていったヘクターに複雑な表情を浮かべながらも、再会を喜んだ。

ほどなく同じアパートに住むルールにうるさい隣人・グランプスが「上に住むジョシュたち家族がうるさい」と住民会議を開く。ヘクターが、グランプスがアパートに勝手に監視カメラをつけていることを暴露し、会議はお開きになった。

ヘクターとライルは、ジョシュたち家族の前ですばらしいショーを見せる。

いけると思ったヘクターはライルと一緒にもう1度ステージに立つ。しかしライルはやはりステージで歌えなかった。

ヘクターは失望した。グランプスから金をもらったヘクターは動物保護局にライルのことを通報。ヘクターはアパートから出ていく。

ライルはつかまり、ニューヨーク動物園に入れられる。ジョシュが動物園にやってきて必ず救い出すと誓った。夜、ライルは1人寂しく歌う。

ラスト結末!

自分がしたことに良心の呵責を感じたヘクターは、ジョシュにライルを救い出そうと持ちかける。

ヘクターは朝4時に動物園へ行って警備員に手錠をかけ、ワニ園に入った。他のワニに襲われそうになるが、裏切られたライルは助けるのをためらっている。

ジョシュがやってきてヘクターを助けるように言った。ライルは他のワニを倒して彼を助けた。

ジョシュはバイクでライルと逃げる。ライルが危険でないと世間に知らしめるために、一緒にタレントコンテストに飛び入りで出演。

ジョシュがステージで下手な歌を歌うと、ライルが一緒に歌ってくれた。ライルは一躍有名になる。

その後、隣人・グランプスがライルをアパートから追い出すために裁判を起こした。飼い猫のロレッタが裏切って彼が保管している大昔の権利書を持ち出して提出。権利書には珍獣歓迎と書いてあった。

ライルはジョシュたちと一緒に暮らせることになった。みんなでバカンスへ行く。

ヘクターはライルの友達・トゥルーディーが勝っているガラガラヘビがビートボックス(口でドラム)をできると知り、組むことにした。

映画『シング・フォー・ミー、ライル』終わり!

最後のまとめ

映画『シング・フォー・ミー、ライル』は、ただクロコダイルが歌うだけでなく、人生において大切なものは何かを気づかせてくれるミュージカル映画の良作でした。

ニューヨーク・マンハッタンの雰囲気やロケーションもとっても良かったです。

シネマグ
爬虫類が歌うってなんか新鮮でいいですよね。続編のライル2も期待しちゃいます!

ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『シング・フォー・ミー、ライル』レビュー終わり!

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