Netflix映画『2つの人生が教えてくれること』(Look Both Ways)。アニメーターを目指す女子大生がワンナイトラブで妊娠しちゃったパターンと、妊娠せずに憧れのL.A.で夢を追うパターンをパラレルワールド的に交互に描きます。
作品情報・キャスト・あらすじ・見どころ、本作のぶっちゃけ感想・評価、ラスト結末の考察を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
作品についての視聴者・口コミアンケートも投票お願いします↓
映画『2つの人生が教えてくれること』作品情報・キャスト
原題:『Look Both Ways』
ジャンル:ヒューマンドラマ・恋愛・コメディ
監督:ワヌリ・カヒウ(『ラフィキ:ふたりの夢』)
脚本:エイプリル・プロサー
登場人物・キャスト紹介
登場人物 | キャスト・出演作 |
主人公・ナタリー アニメーターを志す大学生。 |
リリー・ラインハート (『ハスラーズ』『ケミカル・ハーツ』) |
ゲイブ ナタリーの友達。彼女と一夜限りの関係になってしまう。 |
ダニー・ラミレス (『パーキング・エリア』『トップガン マーヴェリック』『The stars at noon』) |
ジェイク ナタリーがL.A.で働くアニメ会社の同僚。 |
デヴィッド・コレンスウェット (『ザ・ポリティシャン』『ハリウッド』『Pearl パール』『スーパーマン:レガシー』) |
あらすじ
©︎Netflix
L.A.でアニメーターを目指す予定だったナタリーは、大学卒業前に友達の男子生徒ゲイブとワンナイトラブを楽しみます。
ある夜、パーティーで具合が悪くなったナタリーは親友カーラから妊娠検査薬をもらい、使ってみました。
Aパターン:ナタリーは妊娠していました。両親は大激怒。カーラと一緒にL.A.へ行くことも諦め、しばらくテキサスの実家で子育てに専念することにしました。ゲイブとは結婚はしていませんが、彼は住み込みで手伝ってくれます。アニメーターの夢を追いかける暇なんかありません。
Bパターン:ナタリーは妊娠しておらず、卒業後はカーラとL.A.へ。なんとか憧れのアニメーターの事務所でアシスタントの職を得たナタリー。同僚のイケメン・ジェイクと恋に落ち、何もかもが順調かと思いましたが…。
ネタバレなし感想・海外評価
大学卒業間際に妊娠していたパターンと、していなかったパターンでストーリー分岐し、それぞれの物語が交互に描かれる珍しいスタイルです。
主人公ナタリーの枝分かれした人生を、パラレルワールド的に映しています。
ジャレッド・レト主演で、死にゆく男性が様々に分岐した過去を語る映画『ミスター・ノーバディ』をシンプルにしたイメージですね(みんなこの映画知っているかな…)。
「あのときこうだったら。こんな選択をしていたら…」誰しもがそんな考えを思い浮かべたことがあるでしょう。
『2つの人生が教えてくれること』はそんな“もしも”を具現化した作品。
同時に2つの人生を描くことで、人生の選択についてのひとつの答えを提示してくれます。
ただ内容が深いタイプではなく、その点で好みが別れるかもしれません。
海外サイトではRotten Tomatoesは批評家の評価はイマイチなものの、一般視聴者の評価は高いので、気軽に見る映画としては及第点だと思います。
個人的には、2022年公開のNetflix恋愛・ヒューマンドラマ系では『パープル・ハート』のほうがおすすめ。
おすすめ度 | 58% |
アイデア | 80% |
ストーリー | 45% |
IMDb(海外レビューサイト) | 6.2(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 42% 一般の視聴者 82% |
※以下、Netflix『2つの人生が教えてくれること』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『2つの人生が教えてくれること』ネタバレ感想・評価
妊娠していないナタリーがアニメーターになるためにL.A.へ行くパターンと、テキサスの実家にとどまって子育てに奮闘するパターンが交互に描かれるアイデアは素晴らしいと思います。
切り替わりが多いので見ていると「これはL.A.とテキサスのどっちだっけ?」と若干混乱してきますが、そこがまた作品の面白さ。
全体的にポジティブな内容で、女性だけでなく未来の選択に悩む男性も前向きな気持ちになれる作品だと思いました。
全体的に予定調和という感じで驚きがほとんどありません。(ちょっと意外性がある展開は妊娠したナタリーが娘を預けてL.A.に遊びに行ったときに偶然ジェイクに出会うくらいですかね。)
コンセプトからして、妊娠したパターンとしてないパターンのどちらかが上手くいき、どちらかがダメになる結末はなさそうだと予想できちゃいます。どっちのパターンも幸せになるのだろうと最初から読めていました。
例えばこのご時世で「妊娠せず夢を追いかけたナタリーは成功し、子育てを選択したナタリーは寂しい毎日を送っている」という物語にしようもんなら、即炎上です。
「夢を追いかける女性とシングルマザーに優劣をつけないだろうから、両方うまくいくのだろう…」そんな視聴者側の予想を裏切る何かが欲しかった。
映画に限らず人々を熱中させるためには物語の結末がどうなるかわからない不確定要素が必須です。
『2つの人生が教えてくれること』はその点が弱かったと思います。
まあ、どちらのパターンも幸せになる根幹の部分が予想可能なのはストーリーの構造上しょうがないにしても、それ以外の部分で視聴者の予想を裏切る展開が欲しかったです。
L.A.に行ったナタリーはジェイクと、地元テキサスで子育てを頑張ったナタリーはゲイブとそれぞれ復縁するという、恋愛に関してはどうなるかわからないくらいの、弱い不確定要素しかなかったのが残念でした。
ナタリーのパパとママはハイテンションで魅力的なキャラだったので、両親の人生がどう変わったかなどにもスポットを当てるなど予想できない展開がいくつかあれば、本作の評価は全然違っていたと思います。
ラスト結末考察(ネタバレ)
L.A.に行ったナタリーは、憧れのアニメーター・ルーシーに個性がないと言われ職場を辞めるも、短編映画が評価されて夢に手を掛ける(別れた恋人・ジェイクと復縁)。
地元テキサスで子育てをするナタリーは数年後にまた絵を描き始め、イラストが評価されてキャリアをスタートさせる(ゲイブと正式に恋仲に)。
どちらのパターンも夢=アニメーターの仕事が上手くいくハッピーエンドです。
別に憧れの仕事で成功できなくても、幸せに暮らしている人はたくさんいます。
思い描いたのとは別の道を選んで大成した人もたくさんいます。
妊娠したパターンもそうでないパターンも同じようにアニメーターになるというラストも悪くはないですが、最初の目標以外にも素晴らしい人生の選択肢があるというのをサラッとでも提示すればなお良かったと思いました。
(例えばピクサーの『リメンバー・ミー』や『ソウルフルワールド』は人生における予想外に大切なものに気づかせてくれます。)
本作のターゲット層に合わせて「どっちを選んでも夢を叶えられる」という結末にしたのかもしれません。
ただ良くも悪くも「親を頼れないシングルマザー」のような、もう少し現実的で大変な環境にいる人々にまったく目が向いてない物語になっています。
個人的にはさまざまな可能性の魅力をメインでなくほんのりとでも伝え、より普遍的なストーリーにすれば良かったと思いました。
最後のまとめ
Netflixオリジナル映画『2つの人生が教えてくれること』は、卒業してすぐ子育てに入るパターンと、L.A.に移住して夢を追いかけるパターンをパラレルワールド的に交互に描いた意欲作でした。
上から目線で申し訳ないですが、Netflixはアイデアは素晴らしい作品が多いのに、細かい展開を煮詰めずに形にして結果凡作を量産している気がします。
何気ない新作が全部面白ければみんなが幸せになれると思うので、これからも頑張ってください。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『2つの人生が教えてくれること』レビュー終わり!
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