映画『キング・オブ・コメディ』は、2019年に公開されるや否や空前の大ヒットを記録している『JOKER(ジョーカー)』のストーリーの元ネタとなっている。
ネタバレありで、あらすじやラスト結末、そして何が面白い映画なのかを語っていく。
ロバート・デ・ニーロの『タクシー・ドライバー』やホアキン・フェニックスの『JOKER(ジョーカー)』との類似点も徹底解説。
映画『キング・オブ・コメディ』作品情報・キャスト
監督:マーティン・スコセッシ 主演:ロバート・デ・ニーロ 出演:ジェリー・ルイス 上映時間109分 公開1982年
マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロは今作で5度目のタッグとなる。
二人の共作はその後も続き、2019年に『アイリッシュマン』で、『カジノ』以来22年ぶり9度目のタッグを組んだ。
『キング・オブ・コメディ』は大ヒットとはいかなかったが、黒澤明やレオナルド・ディカプリオなど多くの映画関係者に影響を与えた。
スティーヴン・ジェイ・シュナイダーが書いた『死ぬまでに観たい映画1001本』にも選ばれている。
映画『キング・オブ・コメディ』ネタバレあらすじ結末解説
あらすじ1:コメディアンのパプキン
ルパート・パプキン(ロバート・デ・ニーロ)は、有名なTV司会者のジェリー・ラングフォード(ジェリー・ルイス)を熱狂的なファンから守り、恩を売って車に乗り込んだ。コメディアンになりたいという夢を話したパプキンに、ジェリーは事務所にテープを持って来いと言い放つ。
あらすじ2:勘違い野郎パプキン
真に受けたパプキンは有頂天になり、昔好きだった女性に会いに行きジェリーと知り合いだと自慢した。
ジェリーの事務所にテープを持っていくが秘書により不採用となる。さらに週末、リタを連れてジェリーの別荘に勝手に押しかけ追い出された。
あらすじ3:パプキンTVに出演
怒ったパプキンはジェリーの妄信的なファンである女性マーシャ(サンドラ・バーンハード)と一緒にジェリーを誘拐。
TV局のお偉いさんを電話で脅し、ジェリーの代わりにTVショーに出演する。
パプキンはショーのあと、バーで働くリタのもとへ行き、TVのチャンネルを変えて自分がショーでジョークを言っているところを見せる。
パプキンは誘拐の罪で逮捕されたが、この一件のおかげで知名度が急上昇し、本を出版するなど一躍人気者に。
『キング・オブ・コメディ』END!
映画『キング・オブ・コメディ』ネタバレ感想・ラストオチ考察
『キング・オブ・コメディ』の面白さは何といってもラストの意外性だろう。
主人公パプキンの異常な行動の数々により、緊張感が一気に高まる。ついには誘拐と脅迫が成功してTVショーでジョークを連発!そしてなんとこれが、そこそこ受けているのだ。
ジェリーもその様子をTVで観て感心したようである。
パプキンは社会的には決して許されない彼なりの方法で、実力を証明したのだ。
観る側からすれば、絶対に主人公は破滅する!というところから、大衆に受け入れられるというのは『タクシー・ドライバー』のラストと非常に良く似ている。
暴力的カタルシスが上手い方向に転がるというのは、マーティン・スコセッシ映画の大きな魅力の一つだろう。
『キング・オブ・コメディ』と『ジョーカー』2作品の類似点を解説
ホアキン・フェニックス主演の『JOKER(ジョーカー)』が『キング・オブ・コメディ』のどの点を参考にしたかというと、
- 妄想癖に取り憑かれたコメディアン
- ラストが現実か妄想かわからない
マーティン・スコセッシ監督によると『キング・オブ・コメディ』のラストはマイケル・パウエル監督の作品の、現実と幻想に区別はないという点を参考にしているという。
つまり『キング・オブ・コメディ』のラストは現実か妄想か?その問い自体が重要でないということ。
スコセッシのインタビューによると「幻想は現実よりも現実的なものだ」ということらしい、現実も妄想も大差なく、どっちでもいいだろ!ということだ。
それを参考に作られた映画『JOKER(ジョーカー)』についても、現実と妄想の区別を意図的につけられていないと考えることができる。
さらに、キング・オブ・コメディでパプキンを演じたロバート・デ・ニーロが、映画ジョーカーでは人気ホスト役を演じたのも面白い。
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