映画『KAPPEI カッペイ』は、中年となった終末の戦士たちが青春を謳歌する爆笑ギャグコメディ!申し訳ないですが、普通につまらないクソ映画でした。予告編のほうが数倍面白いです…。
『デトロイト・メタル・シティ』原作者・若杉公徳の漫画の実写化ですが、やっぱり原作コミックのテイストで突っ走っちゃうと内容ゼロのひどい映画になってしまいます。
映画館で笑っていたのは私の隣のおばちゃんだけでした。
キャストと演技の印象、ぶっちゃけ感想・酷評、なぜ原作との違い、ネタバレあらすじ結末の解説を知りたい人向けに記事をまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)

映画『KAPPEI カッペイ』作品情報・相関図あらすじ見どころ
監督:平野隆
脚本:徳永友一(『カイジ・ファイナルゲーム』)
原作:若杉公徳『KAPPEI』(ヤングアニマルコミックス)
撮影:小松高志
音楽:遠藤浩二
主題歌:西川貴教 featuring ももいろクローバーZ「鉄血†Gravity」
配給・製作東宝・映画『KAPPEI』製作委員会
©︎映画『KAPPEI』製作委員会
ネタバレなし感想・見どころ・あらすじ
あらすじ:人類の終末に備えて幼い頃から修行を続けてきた終末の戦士達が師匠に突然の解散を言い渡され、社会に放り出される。カッペイ(伊藤英明)は大学生の山瀬ハル(上白石萌歌)に恋をし、失われた青春を取り戻すのだった。
ところどころクスッと笑える以外に見どころがない、漫画を実写化して失敗した印象のいわゆるクソ映画です。
予告編のほうが短いですし、まだ笑えますよ。ただ『真夜中乙女戦争』(2022)とかよりはまだマシです。
原作漫画はまあまあ面白いです。U-NEXTの31日間無料体験で1巻と2巻が現在無料で読めるので、ぜひ利用してみてください(31日以内に解約可能)。
おすすめ度 | 40% |
ギャグ・笑い | 65% |
ストーリー | 35% |
IMDb(海外レビューサイト)※随時更新 | (10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)※随時更新 | 批評家% 一般% |
※以下、映画『KAPPEI カッペイ』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『KAPPEI カッペイ』ネタバレ感想・評価
あまり笑えない残念な駄作
予告編を数ヶ月見せられて洗脳され、冷静に考えたらハズレの確率が高いけど、面白いかもしれない希望を完全に捨てるのもどうかと思って劇場へ足を運びました。やっぱりクソ映画でした。
漫画ではめちゃくちゃ笑えるシーンでも、実写映画でやったらシラける・すべるということが多々あります。
映画『KAPPEI カッペイ』は完全にそのパターンでした!
予告編のほうが笑いのタイミングが良かったです。
本編だと予告編で見せられた師範の解散宣言や、デニムで?…のシーンのテンポがイマイチで、うまく笑えませんでした。
そもそも、予告編でギャグのハイライトシーンを全部見せているのも大きな問題だと思います。(初見だともっと笑えたのかもしれないですが、毎週映画館に通っている私は10回以上同じギャグを見ていた状態だったので…。)
加えて、そんなに面白くないわりには本編が長い…。
とにかく終始苦笑の状態で、映画が終わる頃には私も終末の戦士のようなニヒルな笑みをたずさえていました。そうメタ的に捉えればまだ救いがあるような、やっぱりないような…。
漫画のテイストでそのまま実写化するな!
このブログでも何回か書きましたが、漫画を映画化するならもっと大胆に脚色するべきでした。
原作コミックが面白くても、映像にするとつまらなくなるというのはある意味当然です。
個人の意見になりますが、本作の場合はカッペイたちが無戒殺風拳で微妙なバトルを繰り広げるシーンよりも、カッペイたちが日常生活で苦しんだり悩んだりする場面をもっと入れるべきだったでしょう(カッペイの恋愛での葛藤以外で)。
日常生活に適応できない場面が多いほうがキャラクターに感情移入できますし、映画としてリアリティが出たと思います。
唯一、大貫勇輔演じる守は、ダンサーの女の子・美麗に恋をしてダンスを頑張り、最後は関口メンディー演じる和也とダンスバトルするシーンがあって、笑いの裏に生き方を変えても情熱は失わないというかっこよさが垣間見えました。
そういう場面がもっと欲しかったです。そうすれば映画としての完成度が全然違ったと思います。
ギャグ・コントだけの映画はもうやめよう
近年の邦画では、『新解釈・三国志』『大怪獣のあとしまつ』など、ギャグのみで映画を構成して観客から大ブーイングを喰らっているケースが見受けられます。
映画『KAPPEI カッペイ』は上記の作品に比べると一応恋愛ストーリーがあったものの、2時間の鑑賞に耐えうる物語かと言われればそうではないと思います。
要は、恋愛コメディ映画ではなくコント映画になってしまっているのです。
寒いからギャグを説明するな!
今回、演出として最悪だったのが、なにわ男子の西畑大吾さん扮する啓太の使いかたでした。
例えば大学生・啓太の部屋に勝平の仲間・守や正義が入りびたるシーンとか、普通にその絵だけで部屋が悪びれなく占拠されているのがわかってそこそこ面白いのに、「ここ僕の部屋ですからね!」とかグダグダ説明しちゃう。
せっかくちょっと笑いそうなのに、誰でも理解できるであろう笑いの流れを説明されると、正直かなり冷めます。
さらに啓太は、クライマックスである勝平が山瀬ハルに告白するシーンでも「いま告白するんかいっ!」的なツッコミをイチイチ入れてきます。
一緒に見守っている正義や守など、終末の戦士が的外れなコメントをするのが面白いのに、間に一般人によるつまらないツッコミが入ると、急にシラけちゃうんですよね。
西畑大吾さんはジャニーズのなにわ男子所属だから、彼のセリフを増やさなくてはという忖度があったなら、本当にやめてほしいです(西畑大吾さんが悪いわけではなく)。
終末の戦士の間にいる啓太は、存在感がないほうが明らかに面白いと思いませんか?
原作漫画でもそうですが、本来であれば普通の感覚を持つ啓太の意見が無視されることでシュールな世界観が構築されます。
映画『KAPPEI カッペイ』ネタバレあらすじ解説
ノストラダムスの大予言による終末の世界が訪れず、解散させらた戦士たち。
カッペイ(勝平/伊藤英明)は街で不良に絡まれていた大学生・入間啓太(西畑大吾)と出会い、花見で山瀬ハル(上白石萌歌)に一目惚れ。大学に現れるようになります。
同じ終末の戦士・守(まもる)や、尾崎豊の影響で不良になった正義(まさよし)と戦って再び友情を取り戻しました。
カッペイは堀田先輩にフラれたハルを慰めます。みんなで温泉旅行に行きますが、カッペイはハルがまだ堀田先輩を忘れられていないと知って泣きました。
ハルのバイト先に終末の戦士・英雄がいることを知ったカッペイ。英雄もハルが好きだと知り、2人は無戒殺風拳で激しいバトルを繰り広げます。相打ちでした。
カッペイと英雄はハルの誕生日に、同日告白することにしました。
英雄はハルをレストランに誘い、フラッシュモブで魅了します。守は、片想いしていたダンサーの美麗(かなで/時のヒロイン)もフラッシュモブに参加しているのを発見。守はレストランに入り、美麗が恋をしている和也(関口メンディー/EXILE /GENERATIONS)とダンスバトルを繰り広げます。
結局、英雄はフラれ、カッペイは移動販売車の下敷きになりながらも山瀬に告白。しかし、山瀬は今の関係のままがいいと断りました。
1年後、啓太たちは卒業し、みんなで再び花見に興じます。カッペイはまだ好きだと山瀬に想いを伝えました。その時、地球に隕石が落下してきます。
数ヶ月後、本当に北斗の拳のような終末になりカッペイは暴徒から少女を救います。山瀬ハルも援護してくれました。
2人は終末世界で弱き人々を守るために戦うパートナーとなったのです。
原作漫画との違い
年齢については、映画のほうが終末の戦士たちの年齢が10歳くらい上です。
それ以外の大枠の流れは原作漫画に沿っています。原作と比較すると映画のほうが下ネタがキツくないです。
原作では師範との修行の思い出が随所に出てきて、師範がひたすら下ネタについて語るくだりが大きな見どころですが、映画ではその回想シーンが少なかったですね。
漫画では山瀬に彼氏がいるかと知恵袋で聞くのですが、実写映画だとSiriに尋ねていたり、最後まで師匠が出てこなかったりと、細かい変更点はたくさんありました。
『KAPPEI カッペイ』登場人物・キャスト/演技の印象
カッペイ(勝平)|伊藤英明→ポッケの内側がはみ出てるのだけ面白い
山瀬ハル|上白石萌歌→かわいいけど、かわいいだけな気もする
入間啓太|西畑大吾(ジャニーズのなにわ男子)→説明しすぎでシラけた
終末の戦士・守|大貫勇輔→この人の変なダンスはクセになる。本職もダンサーなんですね!
終末の戦士・正義(まさよし)|山本耕史
終末の戦士・英雄(ひでお)|小澤征悦
師範|古田新太→何やらせても面白い
和也|関口メンディー(EXILE / GENERATIONS)→ダンスやっぱり上手いなあ
武智|鈴木福→マルマルモリモリの成れの果て
柳田(先輩警官)|橋本じゅん→表情が面白い
テルオ(後輩警官)|森永悠希→いつの間にか柳田先輩より出世してたのが笑えた
新井久美子|浅川梨奈
矢木徹|倉悠貴
美麗|かなで(3時のヒロイン)
リアム(商店街の不良)|アントニー
しんちゃん(商店街の不良)|大トニー
堀田先輩|岡崎体育
最後のまとめ
映画『KAPPEI カッペイ』は、原作漫画の雰囲気を忠実に再現しようとしすぎてやはり失敗し、漫画実写化駄作の仲間入りを果たしました。
『進撃の巨人 Attack on Titan』とまでは行きませんが、テンポの悪い微妙なギャグシーンばかりでストーリー性も薄い、残念な駄作だといえるでしょう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『KAPPEI カッペイ』レビュー終わり!
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