Netflix映画『グッド・オン・ペーパー』(Good on Paper)は、女性スタンダップコメディアンが偶然出会った男性に振り回されるコメディ。
あらすじネタバレ解説や、正直な感想・評価、ひどいところ、斬新なポイントを考察しています。
「Good on Paper」は紙の上だと良く見える!という意味。机上の空論ですね。本作の脚本の微妙さに対するブーメランになっています…。
Netflix『グッド・オン・ペーパー』作品情報・キャスト
監督:キム・ゲートウッド
脚本:イライザ・シュレシンガー
主演:イライザ・シュレシンガー/アンドレア役
出演:ライアン・ハンセン/デニス役
出演:マーガレット・チョー/マーゴ役
出演:レベッカ・リッテンハウス/セレーナ役
イライザ・シュレシンガーはアメリカのコメディアンで、Netflix映画『スペンサー・コンフィデンシャル』などにも出演。脚本も書いてます。
マーガレット・チョーも有名なコメディアン兼女優。
ライアン・ハンセンはドラマ『ヴェロニカ・マーズ』のディック役で有名。
BREUGウイスキーは物語のネタバラシ
デニスは“BREUG”という銘柄のウイスキーを飲んでいましたね。
実はbreugは、スコットランドのゲール語で嘘とか虚偽を指すワードです。
英語でいうと、LieやFalsehoodと同じ意味になります。
つまり、序盤でBREUGウイスキーが出てくる時点で伏線というか、デニスが嘘つき野郎であるネタバラシになっていたわけです。
ストーリーが伝えていること
映画『グッド・オン・ペーパー』には主に、
- 女性が幸せのために直感を信じるべきか?
- モテない男性がいかに女性をゲットするか
という、しっかりしたテーマがあります。
主人公アンドレアは「デニスに男性の魅力を感じない」という自分の直感を信じず彼と付き合って痛い目にあいました。
しかし現実では直感ばかり信じて恋愛に失敗する女性もいるだろうし、幸せのために本能に頼るか、理屈に頼るかという永遠のテーマが示されているようです。
また、親友マーゴが「モテないイカのオスはメスのフリをして近づき、交尾をする」と言っていたのも印象深いです。
モテないイカはデニスのこと。
男としてではなく、危険がないフリをして友達になり、ベッドをともにしたのを皮肉っているのでしょう。
『グッド・オン・ペーパー』ネタバレ感想・評価,ひどい?
Netflix『グッド・オン・ペーパー』の評価は72点。
主人公アンドレアが途中途中でスタンダップコメディ形式で独白をしていた点が斬新でした。
コメディアンのイライザ・シュレシンガーが脚本・主演を務めただけありますね。
あとは「女性の直感」や「モテない男の戦略」「アンドレアはデニスと付き合ってエゴを満たした」など、わりと考えさせてくれるメッセージがあったのも良かったです。
コメディとして笑えるセリフも多くありました。
しかし、ストーリーに意外性がまったくなかったのが難点。
デニスが本当に豪邸に住んでて!とか、予想外に超プレイボーイで!とか、予想を裏切る展開が何か欲しかったですね。
冒頭で“ほぼ実話”と書いてあったので、イライザ・シュレシンガーの実体験だと思いますが、もっと脚色した方が良かったのでは?
彼氏が嘘ついてるかも→嘘つき野郎だったぜ!という結末には正直がっかり。普通につまらないと感じました。
ストーリーに魅力がないなら、思い切って映画の半分くらいスタンダップコメディにしても良かったと思います。
タイトルの『Good on Paper』は紙の上だと良く見える!という意味でデニスを皮肉っているのですが、ちょうど本作の脚本(=紙)へのブーメランにもなっていると思います。
そこまで計算していたとしたら、イライザ・シュレシンガーはコメディアンとしては優秀だといえるでしょう…。
ちなみに「宇宙アカデミーの脚本がひどい」と劇中でデニスがぼやいてましたが、そのセリフも本作へのブーメランになっていた感が否めません…。
本作もそうですし、最近だと『アウェイク/Awake』『ファザーフッド』『アーミーオブザデッド』など、脚本段階で改善点がありそうなものまで映画化してしまうのがNetflixの悪いところでしょう…。
本作の小ネタ!
途中でのビバリーヒルズの豪邸へ行くシーンで主人公のアンドレアが「楽しくない夢が続いている。みんな真実のせいで死んじゃう」と冗談で言っていました。
これはデヴィッド・リンチの映画『マルホランド・ドライブ』のシナリオと一緒ですね。
また、マーゴの店は“サンセット大通り”にありました。
『サンセット大通り』という、男性が女優と資金目当てで付き合う名作映画があります。
『グッド・オン・ペーパー』でも、デニスはアンドレアを金髪美人と付き合う前の踏み台にしていたというセリフがあり、目的のために利用したという点は『サンセット大通り』とちょっと似てますね。
グッド・オン・ペーパーあらすじネタバレ解説
スタンダップコメディアンのアンドレア・シンガーは、ドラマのオーディションで失敗。
帰りの飛行機でヘッジ・ファンドで働くデニス・ケリーという男性に会います。
後日デニスがショーに来てくれ、アンドレアは親友・マーゴのバーで3人で楽しく飲み明かしました。
アンドレアはデニスに男性的な魅力を感じていませんでしたが、友達としては最高。
デニスに告白されて1度断りましたが、彼の母親が頭に腫瘍ができていると聞いて同情し、一夜を共にして付き合うことになりました。
「宇宙アカデミー」というドラマのオーディションに合格し、アンドレアは有頂天になります。
バカラのグラスを買ってデニスの家に届けたアンドレアは、ルームメイトのマギーとレスリーの存在を知って驚きました。
デニスはその件を伝えてなかったことをアンドレアに謝罪し、2人は旅行へ行きます。
アンドレアはいとこ・コクランとその恋人・アリと4人でゴルフをしようと言います。
イェール大学でゴルフ三昧だったと豪語していたデニスは、腰を痛めたと言ってワンショットもせず部屋に戻りました。
夜アンドレアは、デニスから彼の父が母に渡したという、ダサい指輪をプレゼントされます。
後日、アンドレアはドラマの撮影後に女優のセレーナに八つ当たりします。
タイヤがパンクしていたのでセレーナの車に無理やり乗り込み、マーゴも連れてデニスが新しく買ったというヒバリーヒルズの豪邸に到着。
住所の場所にデニスは住んでいませんでした。
アンドレアはデニスのルームメイトのマギーとレスリーに会いに行き、彼が嘘つきのクズ野郎と知ってアンドレアは激怒。
マーゴは“BREUG”ウイスキーでデニスを泥酔させ、アンドレアと店の奥へ運びます。
デニスの体がドアに挟まって背中の皮膚が剥がれたので、アンドレアはガスバーナーで傷口を焼きました。
意識を戻したデニスは「すべて嘘だった」と白状しますが、悪びれた様子はありません。
後日、デニスは拉致・拷問の容疑でアンドレアを訴えます。
アンドレアは証言台で「デニスは私と同じでキャリアに自信がなく、嘘をついてしまったのだ」と語ります。
アンドレアの罪は、なんとか接近禁止令だけで済みました。
アンドレアは、ダサい指輪を売って得たお金でサンセット通りに“デニスは嘘つき野郎”という看板を出しました。
Netflixオリジナル映画『グッド・オン・ペーパー』終わり!
グッド・オン・ペーパーまとめ
Netflix『グッド・オン・ペーパー』は、 有名コメディアンのイライザ・シュレシンガーが主演と脚本を務め、スタンダップコメディによる独白など斬新なテーマはあったものの、ストーリーにひねりがなさすぎて全体的にイマイチでした。
1時間30分ほどの短さだったのがまだ救いでしたが、男女が抱えるリアルな問題を改めて考えてみると、余韻に浸れますね。
映画『グッド・オン・ペーパー』感想レビュー終わり!
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