2024/05/30に配信開始のNetflixドラマ『エリック』(Eric) 。突然行方不明になった息子。息子がデザインした人形の幻覚が見えるようになる父。奇抜な設定とシリアスなテーマがバランスよく融合しています。
作品情報・キャスト
あらすじ・ネタバレなしの感想
最終回までネタバレあらすじ・ラスト結末解説
これらを知りたい人向けに内容をわかりやすくまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。好きな項目から読んでください。)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
Netflix『エリック』作品情報・予告
制作国:イギリス
話数:全6話
原題:『Eric』
ジャンル:ヒューマンドラマ・社会問題
年齢制限:16歳以上
原案:アビ・モーガン
配給:Netflix
Netflixドラマ『エリック』あらすじ
1980年代のニューヨークが舞台。
子供向けの人気テレビ番組の企画者であり人形師のヴィンセント(ベネディクト・カンバーバッチ)は、妻のキャシーと口論の日々を送っていた。
ある日、息子のエドガーが行方不明になる。ヴィンセントが送るはずだったが1人で学校へ向かった。しかし学校には来なかったという。
キャシーはエドガーを見つけるために情報を載せたビラを一生懸命に配る。
いっぽうヴィンセントは、息子・エドガーが考えたモンスター・エリックを番組に出せば彼が帰ってくると思い込む。狂気に取り憑かれたヴィンセントには等身大の人形エリックの姿が見えるようになった。
ヴィンセントとエリックは相棒になる。
刑事のマイケル・ルドロイト(マッキンリー・ベルチャー3世)はエドガーの行方を捜査しつつ、11カ月前に行方不明になったマーロン少年の手がかりも追っていた。
Netflix『エリック』キャスト
ヴィンセント役|ベネディクト・カンバーバッチ
(ベネディクト・カンバーバッチ出演作『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『スパイダーマンノーウェイホーム』『ドクター・ストレンジ2/マルチバース・オブ・マッドネス』『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』)
その他キャスト
キャシー役|キャビー・ホフマン(『フィールド・オブ・ドリームス』)
マイケル・ルドロイト刑事役|マッキンリー・ベルチャー3世(実写『ワンピース』)
レニー役|ダン・フォグラー(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ、『ウォーキング・デッド』ルーク役)
『エリック』ネタバレなし感想・海外評価
子供の行方不明事件×人形の幻覚を見るベネディクト・カンバーバッチ!
キャッチーな作品かと思いきや、語られるテーマは父と子の関係、ニューヨークのホームレス問題、黒人やLGBTQの差別問題。
思った以上に渋い作品です。
ベネディクト・カンバーバッチの演技は相変わらず一級品でずっとみていられます。
マイケル・キートン主演の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』みたいな印象のドラマです!
おすすめ度 | 88% |
世界観 | 90% |
ストーリー | 90% |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.6(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 71% 一般の視聴者 79% |
メタスコア(Metacritic) | 61(100点中) |
※以下、Netflix『エリック』のストーリーネタバレありなので注意してください!
Netflix『エリック』最終回まで全話ネタバレ
エピソード1
セサミストリートのような人形劇の番組を担当しているヴィンセント。口の悪い彼は、視聴率のために上層部の意見を取り入れようという同僚のレニーに真っ向から反対した。
ヴィンセントと妻のキャシーは毎日のように口論していた。9歳のエドガーは夫婦喧嘩に必死に耐えていた。
ある日、エドガーが学校までの道のりで行方不明になる。キャシーは、エドガーを1人で登校させたヴィンセントを責める。
エドガーの失踪を担当することになったマイケル・ルドロイト刑事は、白人ばかりのニューヨーク市警の中で不当な扱いに負けない人物だった。マイケルはゲイ(エイズに苦しむ恋人・ウィリアムと暮らしている)だが、そのことは同僚たちに隠していた。
ハドソン清掃の従業員が血のついたエドガーのTシャツを見つけて警察に届けた。キャシーは絶望する。
マイケルは11カ月前に失踪したマーロン少年を探すため、未成年売春の前科があるゲイターが経営するクラブ・ラックスに出入りしていた。
クラブにいた私服警官のノークスとケネディがチンピラをボコボコにしている現場に居合せ、“エイト”という謎の人物の名前を耳にする。
キャシーは不倫相手のセバスチャンと密会する。
酒を飲んでいたケネディは酔っ払って車にはねられて死亡した。
ヴィンセントはエドガーがノートに描いたモンスター・エリックを見て、エリックを番組に出せばエドガーが戻ってくると思い込む。ヴィンセントには大きなエリック人形の幻が見えるようになった。
エピソード2
マイケル刑事は、ヴィンセントのアパートの管理人であるジョージ・ラヴェットに未成年への性的○行の前科があると知り、部屋を捜索。ボイラー室にエドガーが来ていた痕跡があったため、彼を逮捕する。壁にはエドガーが描いた絵もあった。
ジョージは「前科についても無罪であり、エドガーは両親の口論から逃げ得るためにたびたび来ていた」と説明。
エドガーのTシャツについていた血液はO型だと判明。キャシーは夫のヴィンセントがO型だと気づいて愕然とする。事件の日に頭に怪我をしていたのも変だ。
エピソード3
ジョージは釈放される。代わりにヴィンセントが身柄を拘束された。
ヴィンセントは、学校へ向かった息子を追いかけたが口論になって息子に押されて頭をぶつけ、血が出たこと。息子が着ていたTシャツを脱ぎ捨てたので、それで自分の頭の血を拭いてゴミ箱の後ろに投げ捨てたと説明する。
釈放されたヴィンセントはデザインして作り上げたエリック人形を上層部に売り込み、新たな企画の予算を獲得することに成功。
いっぽうエドガーは地下で倒れていた。ホームレスの男女(ユーセフとラーヤ)がエドガーを発見して監禁し、身代金を取ろうと計画する。
ヴィンセントの同僚・レニーは小児性愛者だった。警察では彼にも前科があることが判明する。
エピソード4
レニー(ヴィンセントの同僚)にはラックスの経営者・ゲイターが以前やっていたシエラという店で、小児性愛者のグループに属していたことで逮捕された経歴があった。
マイケルはレニーから話を聞きに行き、ラックスで働いているリカルドがマーロンを知っていたと聞き出す。
リカルドに話を聞くと、バスケのNo.8ユニフォームをマーロンと交換していたことが判明。失踪したマーロンこそがノークス刑事たちが話していた8(エイト)だったのだ。
マイケルはノークスの妻・ダナに会う。ダナは車の凹み傷から、夫のノークスが相棒のケネディを車で殺した可能性が高いと話した。
ヴィンセントは上層部の以降で番組をクビになり激怒。
家に帰ると、キャシーから出ていけと言われる。不倫相手のセバスチャンとの間に子供ができたことも告げられた。
ヴィンセントはジョージの部屋のボイラー室にあるエドガーの絵が地域の地図になっていると発見。絵を描きうつし、目印の場所を巡っていく。
エドガーは地下鉄の一角にあるユーセフの小屋にいた。ユーセフが誘拐したのではなく、父から逃げたかったエドガーがユーセフをつけて、地下のマンホールに落ちてしまったのだ。
エピソード5
マイケルの恋人・ウィリアムが死亡。葬式でウィリアムの姉はマイケルに、あなたが弟にエイズを移したと言い放った。
ユーセフは身代金を受け取ろうとキャシーに電話。キャシーはヴィンセントの親から金を受け取ろうとするが、警察のマイケルを呼ばれた。
マイケルは約束の時間に所定の場所に来るはずのユーセフとエドガーを確保しようと計画する。しかし署長が勝手にユーセフの似顔絵を公開してしまった。
いっぽうエリックは、エドガーが描いた地図の目印を追って地下鉄トンネルの間にあるホームレスが暮らす区域にやってきた。すぐ近くの小屋にエドガーがいることに気づかず、エリックはドラッグを吸い始める。
クラブ・ラックスのオーナー・ゲイターは監視カメラの映像を確認し、スタッフのTJが失踪したマーロンを売春要員として店に入れてたと知り激怒。
ゲイターはマイケルに監視カメラの映像を渡す。2人はキスをした。元恋人同士だった。
コステロ副市長の方針で、地下鉄トンネルにいる何百ものホームレスたちがいっせいに撤去されていく。
ユーセフはラーヤにエドガーをたくす。しかしラーヤとエドガーは地上に出る前に地下水路に落ちてしまった。
最終回 エピソード6
地下から数百人のホームレスが地上に追いやられ、広場で大規模なデモを行なっていた。
マイケルはゲイターからの監視カメラを見て、失踪したマーロンが店の外で副市長のコステロ相手に売○行為をし、ノークスとケネディに見つかってボコボコにされて殺害されたと知る。マーロンの遺体を回収したのは、ハドソン清掃のミーシャと上司だった。
マイケルはノークスやコステロ副市長ら関係者を逮捕。関わっていた署長も取り調べを受けた。
自分が小児性愛者だとバレると悟ったレニーは、飛び降り自殺をした。
ラーヤの死体が川で見つかった。
生きていたエドガーが地上に顔を出す。
地下で目覚めたヴィンセントは、会社に侵入してエリックの着ぐるみをきる。そしてホームレスデモの広場でエドガーに帰ってきてほしいと演説。テレビがヴィンセントを映す。エドガーはダイナーのTVで父の姿を見ていた。
ヴィンセントはエドガーに向かって「家まで競争しよう」と言った。
ヴィンセントが家に走ると、エドガーが先にアパートの前のポールにタッチ。父子は抱きしめあう。
ヴィンセントはリハビリ施設でアルコール依存の治療をし、人形師として番組に復帰。エリック人形を担当するようになった。
妊娠したキャシーと恋人のセバスチャン、そしてエドガーがやってくる。
番組が終わると、エドガーがエリックの着ぐるみを着ていた。ヴィンセントはエドガーとたっぷり語り合った。(エリックの幻が遠くから眺めている)
最後のまとめ
Netflix『エリック』は、息子の行方不明を受けた主人公のベネディクト・カンバーバッチが人形・エリックの幻覚を見る斬新な設定ながら、親子の葛藤と絆を映し出していた傑作ドラマでした。
複雑な人間関係の裏に黒人の差別問題やニューヨークの社会問題が入れ込まれており、子供の行方不明の原因を社会構造から暴き出していた点が本当に素晴らしかったです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『エリック』(Eric)レビュー終わり!
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