ここ数年で一番衝撃を受けた映画『ボーダー 二つの世界』を徹底解説。現実の差別問題や倫理観から考察してみた。
差別の問題を生理的嫌悪感交えて突きつけられる傑作!
この記事には、
- あらすじネタバレ
- ラストの意味解説
- 現実的な問題からの考察
などが書いてあります。
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映画『ボーダー 二つの世界』ネタバレ考察
『ボーダー 二つの世界』はトロルが出てくるダークファンタジーという位置づけなものの、ギレルモ・デル・トロ監督のパンズラビリンスと同じくらいかそれ以上にリアリティのある問題を強く突きつけてくる。
染色体異常や醜い外見・ジェンダー問題の差別意識
アリ・アッバシ監督は、ティーナとヴォーレの外見をネアンデルタール人を基に作ったと言っているが、映画内でティーナは染色体異常と言っているので、エドワーズ症候群(18トリソミー)などの先天性の異常を意図している可能性がある。加えて、醜い外見や、性同一性障害などジェンダー問題も見せているのだろう。
ティーナとヴォーレの異様な性描写などが中盤で出てくるのだが、それを“異様”だと感じた時点で、染色体異常者に対して少なからず差別的な感情があることの証明がなされるのではないか。
この映画は、私たちが潜在的な差別主義者だと強く突きつけているのだ。
人は気付かないうちに、美醜のボーダーという勝手な物差しで物事を判断しているのかもしれない。
児童性犯罪に関わるヴォーレ:種族間の対立
人間から見て外見が恐ろしいトロル。ヴォーレは赤子を誘拐し、児童ポルノ撮影集団に売買するという最悪の犯罪に手を染めている。そしてそれを微塵も悪いと思っていない様子だ。
トロルと人間は違う種族だからというのが理由なのだろうが、これでは彼の両親を拷問した人間とまったく同じではないか。
ほとんどの人が、種族が違えばどう扱ってもいいとの考えには嫌悪感を覚えるだろう。しかし、人間と違う種族がいたら黒人差別以上にひどい争いがたくさん起こっていたかもしれない(実際、過去にネアンデルタール人は人類に滅ぼされているし)。
差別はなくならないと現実を突きつけられているようで、とても暗い気持ちになる。
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