ディズニープラスで独占配信中のホラー映画『バーバリアン』(Barbarian)。予想外の連続で緊張感が半端ない傑作でした。この記事では感想や考察をしていきます。
作品情報・キャスト、あらすじ、ネタバレ感想・評価、考察:不動産の女性の正体・ストーリーの本当の意味、を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
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映画『バーバリアン Barbarian』作品情報・予告・キャスト
原題:『Barbarian』
ジャンル:ホラー・サスペンス
年齢制限:暴力・グロ描写、虐待あり 18歳以上推奨
監督・脚本:ザック・クレッガー
日本配信:ディズニープラス/Disney+
キャスト:ジョージナ・キャンベル/ビル・スカルスガルド/ジャスティン・ロング/リチャード・ブレイク
主演のジョージナ・キャンベルはNetflix『バードボックス バルセロナ』にも出演!
2024年はM・ナイト・シャマランの娘・イシャナが監督を務めた『ザ・ウォッチャーズ』にも出てました。
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映画『バーバリアン』(2022)あらすじ
面接のためミシンガン州のデトロイトにやってきたテス(ジョージナ・キャンベル)が滞在する民泊へ行くと、その家にはすでにキース(ビル・スカルスガルド)という男性が宿泊していた。ネットサイトのミスによるダブルブッキングだ。
テスは他のホテルに泊まろうとするが電話しても空きがないと言われる。
キースは「自分がソファで寝るから鍵のある寝室を使っていい」と言った。
テスはキースを怪しみながらも、他に方法がないのでここに泊まることにした。
夜、テスが目覚めると寝室の鍵が空いている。ソファのキースは悪夢にうなされていた。
翌朝起きるとキースはもういなかった。
面接を終えて家に戻ってくるテスは、地下室に隠し扉があり、その奥に監禁用の部屋があるのを見つけて驚愕する…。
※以下、『バーバリアン』(2022)のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『バーバリアン』ネタバレ感想・評価
ミスリードと予想外の展開により、10秒後に何が起こるかわからない緊張感がすごいです。
同じく狂気の家が舞台の『ドント・ブリーズ』(2016)をさらに洗練させた印象。
まず、『it/それが見えたら終わり』のピエロ/ペニーワイズ役のビル・スカルスガルドが先に民泊にいる時点で、視聴者は「コイツは絶対悪い奴に違いない…」と思い込まされます。
キャスティングによるミスリードです。加えてビル・スカルスガルドは寝ているときに悪夢でうなされているなど明らかにおかしいヤツとして描かれています。
しかし、ビル・スカルスガルドは地下の監禁部屋のさらに下に住んでいる裸の女性に惨殺されるのです。まんまと騙されました。
主人公・テスが地下へ助けに行ってビルが這いずって出てくる瞬間も怖かったですが、そのあと気持ち悪い裸の女性がビルの頭をスイカ割りします…。
- 主人公テスが地下室を見つけるまで
- AJがまったく違う経緯で宿にやってくる
- 40年前のフランクのシーン
異なる3つのシークェンスがうまいこと交錯していくストーリー構成も非常に美しい。
アイデア | 95点 |
ストーリー | 85点 |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.2(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 92% 一般の視聴者 70% |
メタスコア(Metacritic) | 78(100点中) |
バーバリアン考察(ネタバレ)
不動産会社の女の正体!
主人公のテスとキースのダブルブッキングに加え、管理している不動産会社の女性・ボニーがオーナーであるAJに「ここ数週間は誰にも家を貸していない」という発言が謎すぎます。
テスの電話対応したのもAJに家を貸してないと言ったのもグレーター・ウェイン不動産のボニーという女性です。
ここまでくると業務怠慢というよりボニーが嘘をついていると考えたほうが自然でしょう。
彼女が嘘をつく理由は何か?
ボニーは狂った母親が監禁するための人間をAirbnb(民泊サービス)という形で調達していたのかもしれません。
民泊を利用した人は食料になるのかも…。
地下には子育てのための割と広い部屋やゲージがありましたし、黒人の浮浪者アンドレは、「あの家でフランクは攫ってきた女性に子供を産ませ、その子供と子供を作った」とも言っています。
現在は家にフランクとその娘である怪物しか残っていませんが、他にも子供たちがいたと推測できます。
死んだり殺されたりした子供もいるでしょう。
一方で、そのうちの何人かはなんとか社会へ出た可能性もあります。
不動産会社の女性ボニーの正体は確定はできませんが、視聴後にこういった推測ができる余白が作られていることも『バーバリアン』の素晴らしいところです。
デトロイト・負の遺産のメッセージ
『バーバリアン』のテーマのひとつが従来の男性優位社会への侮蔑です。
テスはキースに「愛と支配を同じだと思っている男性と付き合っていた」と話します。
AJは共演した女性にレイプを告発されて言いがかりだと反論しました。しかし最後にテスを給水塔から突き落とすシーンから察するに完全にクズ野郎で、テスが嫌悪しているタイプの男性だと発覚します。
家の地下で女性の虐待を繰り返していたフランクは、女性差別の究極系でしょう。
終盤でフランクが拳銃自殺し、AJが怪物母親に頭を潰されたシーンから、女性を差別してきた男性への訣別のメッセージがみてとれます。
さらに本作の舞台が2013年に財政破綻したデトロイトの廃墟だと考慮すれば、デトロイト=アメリカの負の遺産=男性優位社会とつながり、それらと訣別するメッセージが込められていると思いました。
伏線
オープニングは何人もの女性のうめき声による不協和音でしたが、これはこの家で何人もの女性が生まれて虐待されたという意味だと思いました。
あとは伏線というか演出ですが怪力ババアが奥の部屋までAJを追ってこなかったのも、彼女がフランクにさらわれて監禁された女性の娘で、フランクから虐待を受けていたために彼を恐れていたと読み取れます。うまいですね。
最後のまとめ
ディズニープラス/Disney+『バーバリアン』は、奇抜な設定とミスリードによりスリリングで没入感がある素晴らしいホラーでした。
斬新なアイデアと巧みな演出・ストーリーが組み合わさった本作はホラー映画史に名を刻むのではないでしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『バーバリアン』(2022)レビュー終わり!
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