映画『浅草キッド』ネタバレあらすじ解説
(※わかりやすくするためストーリーを時系列で記載)
1972年。たけしが深見に弟子入り
大学を中退したたけし(柳楽優弥)は、浅草フランス座でエレベーターボーイとして働き始めます。
フランス座はたけしが憧れる芸人・深見千三郎(大泉洋)がストリップの合間にコントをしている舞台です。たけしは、入り口のおばちゃんに頼み、深見に紹介してもらいます。
深見は「芸事もできないし、何か言われても言い返さないお前には無理だ!」と言いますが、たけしに褒められていい気になり、熱意を見込んで弟子にすることに。
たけしは深見からタップダンスを教わり、暇な時間はずっと練習していました。
たけしは、ストリップショーのあとの舞台で1人で歌っていたストリッパー・千春(門脇麦)に話しかけます。たけしは歌が上手いと褒めますが、千春は「やらせないよ」と冷笑。
たけしと千春は、次第に打ち解けて仲良くなって行きます。
急遽芸人が1人出られなくなり、深見はたけしに女装をさせ、アドリブで乗り切ることに。
たけしの女口調で1人の客が笑うと、深見は「下手な拍手をしたらコイツがダメになる」と、客に文句を言います。
たけしはフランス座で働く作家で友達の井上(中島歩)に照明をつけてもらい、誰もいない舞台で師匠・深見の靴を勝手に借りてタップダンス。
それをみていた師匠はほほえんで何も言わずに去り、踊り終えたたけしがあとを追いました。
深見はたけしのダンスを認め、500円で靴をゆずってやると笑います。
たけしは正式に芸人として認められ、舞台の他に司会進行や雑用もこなすように。それまでは舞台袖で寝泊まりしていましたが、深見の口利きで彼が住んでいるアパートの1階に住めることになりました。家賃も深見が払っています。
たけしは深見のもとで、どんどん才能を開花させていきました。
経営悪化のフランス座
かつて浅草で一世を風靡した深見ですが、妻・麻里(鈴木保奈美)がまとめるストリップショーも下火になり、フランス座の経営は赤字続きでした。
深見の弟子で今はテレビに出ている東八郎(尾上寛之)は師匠を心配し、「知り合いの会社で働かないか?」と話します。
深見は怒り狂い、「俺がやめたら、たけしはどうなる!」と答えました。
たけしは千春に舞台で歌わせますが、客は脱げと言い始めます。
ストリッパーの1人はたけしたち芸人を見下し、客は裸をみていると言い放ちました。
テレビや他の舞台では漫才が主流になっており、たけしは前にフランス座をやめた芸人のきよしから、漫才をやろうと誘われます。
師匠・深見は、芸のない人間がテレビで漫才をやっていると、漫才を芸として認めていませんでした。
たけしはこのままでは野垂れ死だと考え、師匠に辞めると言い、口喧嘩のあとでフランス座を後にしました。
千春がたけしを抱きしめ、「成功して、この場所に帰ってこないで」と言います。
2年後
深見はフランス座を手放して工場で働き始め、妻の麻里は芸妓になり酒を飲みすぎて倒れました。
一方たけしときよしのコンビは地方をドサまわりしていました。キャバクラで漫才をしますが誰も聞いてくれません。
たけしは客に怒鳴り散らし、何様だと言われると「芸人だよバカヤロー」と、師匠譲りのセリフで言い返して喧嘩に。
たけしは、師匠・深見のもとを半端な気持ちで離れたわけじゃないと思い直し、コンビ名をツービートに変えて、過激で攻撃的なネタを追求するように。
ツービートの人気は登り調子になり、TVに出ることに。プロデューサーから過激なネタはやめろと言われますが、タケシは生放送でネタをそのままやり、スターダムにのし上がっていきます。
1981年の師匠と弟子の結末
店で酒を飲んでいた深見は、気を使ってTVのたけしの漫才にケチをつけた客に「誰の弟子だと思ってる?」と文句を言い、突き倒されました。
千春は「団地にたけしが来て、サインをもらった」と息子が大はしゃぎしているのをみて、昔を懐かしく思います。
ツービートは第11回日本放送演芸大賞に選ばれて賞金を貰いました。たけしは賞金を持って師匠・深見の家へ行きます。
深見の妻・麻里はすでに死んでおり、仏壇がありました。
深見はたけしを快く迎え入れます。
たけしは「小遣いです」と、笑いながら賞金を深見に手渡します。深見はどこの世界に弟子から小遣いもらう師匠がいるんだ?と笑いました。
2人は酒を飲みにいき、昔の話しで店中の客を笑わせました。たけしは靴の代わりにハイヒールを揃えます。かつて師匠・深見が教えてくれたネタです。
アパートに帰った深見は麻里の遺影の前に酒を置き、「たけしから、また一緒にやりましょうと言われたから負けてられない」とつぶやきます。タバコを畳に落として寝てしまいました。
たけしは深見が火事で焼死したと報告を受けて葬式へ。兄弟子・東から、師匠・深見がたけしのことをどれだけ可愛がってたかを聞いて、目をうるませます。
たけしは遺影の前で、「師匠は半分焼けてたんで、火葬場が半額にしてくれました…」と話しかけます。常に芸のことを考えていた師匠への手向けの言葉です。
数十年後、芸能界の大物になったビートたけしは、今も緊張して袖でタップダンスを踊ってから収録にのぞんでいました。
夜、たけしは1人で師匠の墓掃除をして、花を添えます。
たけしは浅草フランス座があった場所にやってきました。
中に入って当時のままの仲間たちと会い、深見と一緒に舞台に出た師匠が「芸人だよバカヤロー」と言っていた場面を回想。2人でタップダンスをしている場面を想像します。
Netflix映画『浅草キッド』終わり。
最後のまとめ
Netflix映画『浅草キッド』はビートたけしと師匠・深見の実話をもとにしたハートフルなストーリーが沁み、メッセージ性も確立されていましたが、構成などがやや勿体なく良作どまりでした。
ただ、劇団ひとり・大泉洋・柳楽優弥のタッグで、また他の作品を作ってくれたらとも思います(その時は、編集を完璧にしてくれることを願って…)。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『浅草キッド』レビュー終わり!
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