ホラー映画『あの子はだあれ?』考察ネタバレ,最後の本当の意味,としお(俊雄)の謎と胡蝶の夢,ミンナのウタと比較

  • 2024年8月23日

ホラー映画『あのコはだぁれ?』(あの子はだあれ?)

シネマグ
ラストの意味、エンドロール、ミンナのウタのとしおの謎について徹底考察していきますよ!

物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説

考察:よく考えるともっと怖いラストの真の意味、としお(俊雄)の謎!、GENERATIONSの中務裕太は死んでる?胡蝶の夢

ぶっちゃけ感想・評価

これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)

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ホラー映画『あのコはだぁれ?』(2024)面白かった?

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映画『あのコはだぁれ?』あらすじ

『ミンナのウタ』(2023)の続編になります。

ミンナのウタの内容はコチラ

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ホラー映画『ミンナのウタ』

君島ほのか(渋谷凪咲)の恋人・悠馬(染谷将太)が交通事故にあってふっ飛ばされ、体が自販機の下に突っ込む。ほのかは居合わせた生徒・瞳と自販機から悠馬を引っ張りだそうとするが、自販機の下にほのかの手を引っ張る謎の少女が…。

悠馬は意識不明の状態で入院することになった。

ほのかは新しい学校に赴任し、夏季補習で3年2組を担当することになる。生徒は、三浦瞳、前川タケル、島田蓮人、小日向まり、阿部大樹、高谷さな(穂紫朋子)の6人。

高谷さなは授業中に不気味な雰囲気で歌を歌い出した。歌に文句を言ったまりが犠牲になる…。

まりの死亡後、校長先生がほのかと瞳に過去の事件を語り出した。

ほのかと瞳は、高谷さなの謎に迫る。探偵・権田継俊(マキタスポーツ)に過去の事件やラジカセのことを聞いた。

中務裕太(GENERATIONS)は、ほのかに「踏み込んだら呪われる」と忠告をするが…。

キャスト↓
渋谷凪咲
早瀬憩
荒木飛羽
山時聡真
穂紫朋子
今森茉耶
蒼井旬
今井あずさ
染谷将太(Netflix『地面師たち』)
小原正子(クワバタオハラ)
中務裕太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)
マキタスポーツ
伊藤麻実子
たくませいこ
山川真里果
松尾諭

ネタバレ少しの感想はこちら

※以下、『あのコはだぁれ?』のストーリーネタバレありなので注意してください!

夏季補習で高谷さなの呪い

瞳は学校にあるピアノで高谷さなと出会い、連弾をする。

ほのかと瞳は屋上から高谷さなが「私の音を聞いて」と言って飛び降りるのを目撃。実際に落下して死んだのは、まりだった

その後、ほのかは校長先生に会い、1992年に高谷さなが屋上にいるときに、茂美という生徒が落下して死亡したと過去の事件を聞く。

ほのかは高谷さなを実家に送ると、お母さん死んじゃったのか?と同じことを繰り返しいう両親に会う。さなに雑巾で窒息させられたであろう祖母がほのかに迫る。

ほのかは病院で昏睡状態の悠馬のお見舞いへ。悠馬は幽体離脱し、母・しおりの生き霊を見ていた。

ほのか、瞳、タケル、校長は元探偵の権田に会い、さなが持っていたとされるカセットテープを渡される。

ほのかたちは録音の内容で、さなが両親に自分を殺させたと知って驚愕した。さらにテープから2024年7月2日 弟・としおと音声が聞こえる。ほのかは悠馬がさなの弟だと知り、さらに事故もさなのせいだと知った。

ほのかはさなのカセットテープを引き取る。

高谷さなは、夏季補習にいた生徒タケルを瞳のすぐそばで消した。

ゲームセンターにいた蓮人はUFOキャッチャーでクマのぬいぐるみを取ろうとした。しかしぬいぐるみは、血まみれのさなに変わる。蓮人は消された。さなの父・母・祖母の霊が現れ、プリクラ機の中で大樹を消した

最悪の結末

ほのかは悠馬の施設の職員と一緒に、高谷さなの両親がいる施設へ。両親は生きていた。母・しおりは頭がおかしくなっているようで、としおと書かれた赤ちゃん人形を抱いていた。父親は「母さん死んだのか?」と同じことを繰り返している。ほのかが高谷さなの家で見た光景と同じだ。

ほのかは呪いを解くために高谷さなの実家へ。すると2階には掃除機のコードで首を絞められた瞳がいた。ほのかは瞳を救うため、2024年7月27日、君島ほのか!と叫ぶ。カセットテープに上書きするためだ

気がつくと瞳は学校の屋上にいた。ほのかが落ちそうになっている。ほのかには過去に落下して死亡した茂美が、瞳には高谷さながそれぞれ憑依した。

30年前の姿をした瞳の母たちも助けてくれ、ほのかは落下せずに済んだ。

後日、ほのかは瞳と一緒に、茂美やまりが落下した場所に祈りを捧げている。悠馬がやってきて悲しそうな顔で婚約指輪をしまった

ほのかの薬指から婚約指輪が消える。自分は死んでいたのだ。ほのかは絶叫した。

考察:ラストとエンドロールの意味

ラストでは、ヒロイン・ほのかが自分が死んでいることに気づき絶望する。瞳を助けるためにカセット録音機に向かって自分の名前と日付を言って上書きしたので犠牲になったのだろう。

ほのか以外の消えた人物は全員が現実世界に戻れたようだ。

そしてエンドロールでは、高谷さなが学校のピアノに映っていた。高谷さなの呪いは解けていないと考えてよいだろう

屋上のシーンで、高谷さなは母・しおりに地獄に連れて行かれた!みたいな感じだったが、あのシーン自体がほのかの夢なのだと考えることもできる。昏睡状態の悠馬は、ほのかの夢に現れて彼女を助けていたのだ。

悠馬の部屋にあった胡蝶の夢(中国の古事、蝶になった自分が夢か現実か区別できない教訓)の伏線回収である。

ほのかは、現実では落下して死亡した。

ほのかが実際には死んでいたということは、さなが母・しおりに連れられて成仏したっぽい描写も真実ではないのかも。ほのかの願望が見せた死ぬ間際の幻想だろう。

また、瞳は母親との関係が悪いようで、生前の高谷さなと境遇が似ている。ピアノで高谷さなとメロディを連弾もした。瞳がさなに取り憑かれて闇堕ちするのも時間の問題だと思う。

そう考えると現実では屋上で高谷さなに取り憑かれた瞳が、最後にほのかの手を引きはがして落としたのだろう。じっくり考えると非常に恐ろしい結末である。

としお(俊雄)の謎『ミンナのウタ』

悠馬(染谷将太)の正体が高谷さなの弟・としおだと判明。

としおは前作『ミンナのウタ』にも登場した生きているか死んでいるか謎の人物だった。清水崇監督の呪怨に出てくる俊雄(としお)がパラレルワールドにやってきた設定なのだろうと思っていたら。生きているとしおが出てきた。

『ミンナのウタ』では、もしかしてとしおはお腹の中にいるときに高谷さなに殺された?とも考えられたが、今作でとしおは、姉のさな殺されなかったと判明

普通に生まれたが、母・しおりと父はさなを殺した(自殺を助けた)ことで心を病み、2024年にはケアホームにいた。
としおは悠馬と名をかえ、児童養護施設に預けられていたようだ。

としおがさなの死亡場面(首吊り)を見たようなシーンがあったが、恐らくとしおが児童養護施設から抜け出してひとりで実家に行ったときに、さなの幽霊を見たのだろう。つまり幽霊が見せた幻影についての回想である。(ややこしい)

前作『ミンナのウタ』でGENERATIONSの中務裕太が見たとしおについては、高谷さなの実家の時空がひずんでいるために、実家に1人でやってきた過去のとしおが見えたのだと思う。

悠馬(としお)は冒頭でメールでほのかに「会わせたい人がいる」と書いていたが、これはプロポーズを受けてもらったあとで、施設にいる自分の両親に会わせようとしていたのだと思う。

悠馬(としお)は姉・さなが両親に殺された(殺させた)過去を知って、恋人のほのかにもその事実を伝えなければならないと感じたのだろう。

もしくは、実家に連れて行って姉の高谷さなに紹介しようとしていたのかも。 スケッチブックに実家の絵を描いていたし、両親じゃなくてさなの霊に紹介しようとしていた可能性もゼロではない。

中務裕太(GENERATIONS)は死んでる

権田がいた飲み屋でGENERATIONSの中務裕太が、ほのかに「これ以上踏み込むと呪われる」と忠告した。

人気アイドルの中務がなんでこんな場末の飲み屋に!?…

明らかに不自然なシーンだったので、おそらく彼は前回の『ミンナのウタ』で高谷さなの犠牲になって死んでいるのかもしれない

本作には探偵の権田しか出てこなかった。もしかしてGENERATIONSのメンバーや、マネージャーの角田凛(早見あかり)は高谷さなの呪いで死んでいるか消されているのかも。

続編があればそこでGENERATIONSのその後について明らかになることを願う。

高谷さなの両親や祖母の謎

高谷さなの両親は、霊として実家でほのかを襲った。ゲームセンターで大樹を襲った。

しかし実は生きていた。生きているけど完全に正気ではない。生き霊が高谷さなに操られていたわけだ。

さなはカセットテープに相手の魂の音を録音する。生き霊となって出現した父母や祖母は、カセットテープに録音された魂なのではないか。

また、さなの母・しおりは、さなが首をくくっている掃除機コードを引っ張る時に笑っていた。さなが死ぬとわかっていたのだと思う。さながお腹の中にいるとしおの鼓動を録音したのを見て、娘を生かしておいたら としおが殺されると思っていたのだろう。

ホラー映画『あの子はだあれ?』感想

『ミンナのウタ』の謎を説明しただけの映画。悪くはないけど個人的には『ミンナのウタ』の方が全然面白かった

ゲーセンでクマのぬいぐるみが高谷さなになるシーンとか、演出はやっぱり面白い。

しかしストーリーにそこまで強い求心力がない…というか、高谷さなの霊の謎についても前作『ミンナのウタ』で大まかにはわかっていることを繰り返し説明しているに過ぎないので、前作を見た自分としては少々退屈だった。

いろいろ考察できることはあったけど、悠馬が胡蝶の夢の本を持っていたこともあり、全体的に夢か現実かあやふやなので、モヤモヤ感が残る。強引な解釈をすれば、すべて悠馬(としお)が見た夢だったとすることも可能な気もする。

本作のオリジナリティとしては、序盤から幽霊の高谷さなが普通の女子高生として怖くない感じで登場しまくることだけど、それが逆に高谷さなを観客に身近にさせ、怖さを半減させていたようにも思う。

最初から幽霊の姿を全部見せちゃうのはかなり斬新ではあってその点は興味深いけど、ホラーとして上手くいっているか?と言われれば微妙

あとは、高谷さなに追い詰められていく高校生たちが瞳ちゃん以外みんなキャラが立っていない…というか登場回数が少なすぎて感情移入できなかった。もう少し高校生たちのパーソナリティを見せて共感させてから襲わせればよかったと思う。

でも、清水崇監督が作り上げた高谷さなによる何とも言えない不気味な雰囲気はやっぱりすごい。そこはホント高く評価したいし、『あのコはだぁれ?』の続編があったらやっぱり見に行きます!

ここまで読んでいただきありがとうございます。『あのコはだぁれ?』レビュー終わり!

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