映画『僕のヒーローアカデミアThe Movie/ワールドヒーローズミッション』は、出久が海外で指名手配されて、最高難易度の任務に挑む物語。
個人的には設定がうまく活かされておらず、つまらないと感じてしまいました。
ヒロアカ劇場版の前2作は上回っていないと思います。
そこでネタバレあらすじ結末解説、感想・評価に加え、本作の特徴をじっくり考察していきます!
結構辛口になってしまったのでご容赦ください。
酷評多めなので、この映画が好きだった人は読まないでね!
僕のヒーローアカデミア/ワールドヒーローズミッション作品情報
スタッフ・キャスト
公開日:2021年8月6日
監督:長崎健司
脚本:黒田洋介
原作・キャラ原案:堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』
緑谷出久/CV山下大輝
爆豪勝己/CV岡本信彦
轟焦凍/CV梶裕貴
麗日お茶子/CV佐倉綾音
エンデヴァー/CV稲田徹
クレア・ボヤンス/CV本名洋子
監督の長崎健司はヒロアカ劇場版第1作『2人の英雄』と第2作『ライジング』から続投。
映画オリジナルキャラは次で詳しく紹介しています。
ワールドヒーローズミッション/オリジナルキャラ紹介
ロディ・ソウル/CV吉沢亮
(画像引用元:映画『僕のヒーローアカデミア/ワールドヒーローズミッション』公式サイト)
身長174cm。誕生日は2月13日。
ロディ・ソウルは、オセオン国の貧民街で暮らす少年。
年齢はデクと同じくらい。
個性は自身の正直な気持ちを表現するピンクの鳥・ピノです。
危険な荷物の運び屋などで生計を立てており、身のこなしが素早く逃げるのが得意です。
父エディ・ソウルは研究者でしたが、想団体ヒューマライズに無理やり加担させられた後に失踪。
ロディは、弟・ロロや妹・ララと一緒にトレーラーで貧乏暮らしをしています。
ロディの声を務めたのは実写映画『キングダム』『東京リベンジャーズ』などで有名な吉沢亮。
ピノ/CV林原めぐみ
ピノはロディの肩に乗っているピンクの小鳥。
ロディの個性が具現化したもので、ロディの本当の気持ちを身振り手振りや表情で代弁します。
フレクト・ターン/CV中井和哉
身長200cm。誕生日6月22日。
フレクト・ターンは思想団体ヒューマライズの代表。
人類全体の個性を憎んでおり、個性を持つ人間を滅ぼそうとしています。
個性はリフレクトで、エネルギーなどを反射させることが可能です。
ベロス/CV伊瀬茉莉也
身長170cm。誕生日7月2日。
ヴィランのべロスはヒューマライズに雇われた傭兵。
個性はロング・ボウで、エネルギーで具現化した弓を使ってさまざまな物を射てきます。
研究者が告発しようとしたデータの入ったアタッシュケースを回収する任務に当たっていましたが、そのケースがロディの持っているものとすり替わってしまいます。
ボスのフレクト・ターンからはっぱをかけられ、デクとロディを追いかけます。
サーペンターズ/CV榎木淳弥
身長177cm。誕生日7月16日。
サーペンターズは、ヒューマライズの双子の中ボス。
腕などから鞭のように伸びる剣を繰り出すソードキルの能力の持ち主。
レヴィアタン/CV坂田将吾
身長250cm。誕生日12月10日。
レヴィアタンはヒューマライズの中ボス。
体が大きく、人間離れしたビジュアルで、ヘリカルサイズという個性で水流を操ります。
特典:Vol.W(World Heroes)
本作は特典で、単行本「Vol.W」がもらえます。
オリジナルキャラの紹介や、声優インタビュー、キャラの原案、ワールドヒーローズミッションの短い前日譚など見応えある内容です!
※以下ネタバレありなので、未視聴の人は注意してください。
ワールドヒーローズミッションはひどい?感想・評価
映画『僕のヒーローアカデミア/ワールドヒーローズミッション』の評価は75点。
アクションシーンは見応えがあり、それなりに感動する場面もありましたが、全体的には可もなく不可もなしといった凡作にとどまった印象です。
せっかくの映画専用コスチュームも最初だけだったような気がします。
出久が指名手配された意味は?
まず出久が指名手配されたのですが、他のプロヒーローから追われるなどの展開がなかったのがガッカリでした。
みんな「出久がそんなことするはずがない!」であっさり片付けてたね。
個人的には、「出久が何かしでかしたのでは!?」と他のヒーローが疑ってしまう展開の方が見応えがあったと思います。
“指名手配”という設定に対しての見どころが薄かったといえるでしょう。
『竜とそばかすの姫』よりはいいとしても、本作のストーリーの完成度はそこまで高いといえないでしょう。
ワールド感ナシ!
ワールドヒーローズミッションというタイトルでしたが、ワールド感が全然ありません。
- 活躍していたのが出久、爆豪、轟の3人だけ
- 基本的にずっとオセオンやその周辺が舞台だった
この2つが主な理由でしょう。
世界各国で頑張っていたプロヒーローや雄英生徒たちはお天気ニュースくらいのノリでちょこっと中継されただけでした。
一応ヒーローがチームで分かれてフランス、エジプト、アメリカ、日本で奮闘する設定なのですが、みんな少ししか映らず国を分けた設定もあまり意味がない気がします。
せっかく映画版だから、他のキャラの活躍がもっと見たかったなあ…
出久とロディのロードムービー
出久とロディ・ソウルが国境まで逃げるのがロードムービーっぽいノリでした。
しかしこの展開はロディの過去が少し掘り下げられただけで何か中途半端でしたし、ワールド感まで損ねていた気がします。
ストーリーの起伏をもたらしたり、テーマを浮き彫りにする時間として使った方が有意義だったでしょう。
仲良くなった出久とロディだけでなく、2人の完全な意見の食い違いや決別を描くなどした方が良かったと思います。
ピノの設定が素晴らしい
ロディの感情が具現化した小鳥のピノに現れてしまうアイデアは素晴らしかったと思います。
斬新かと言われるとそうではないですが、悪態をつくロディの純粋な心が視覚的にわかって感動がダイレクトに伝わってきました。
ピノのデザインもすごく可愛かったですしね。
無個性VS無個性のバトルの意義を描けていない
『ワールドヒーローズミッション』のヴィラン/フレクト・ターンは、相手の個性やエネルギーを反射する個性を持ちます。
いわば鏡のようで、フレクト・ターンの能力には「個性がない」ということもできるでしょう。
つまりフレクト・ターンも無個性なのです。
出久ももとは無個性なので、この映画のラストは無個性VS無個性の戦いといえるでしょう。
そんな2人の戦いは、個性とは何か?、つまりヒーローとは何かというヒロアカのメインテーマを掘り下げるのにはもってこいのシーンだったはず。
つまりフレクトターンの主張によっては、ヒーローのあるべき内面像を浮き彫りにできる構図だったわけです。
しかしお互いが意見をぶつけ合うような場面はなく、出久が自身のヒーロー論を主張して根性で勝ちました。
言ってしまえばラストの戦い自体が無個性に終わった感じです。
深掘りさせるべき設定を無理やり終わらせた感だけが残ってモヤモヤしました。
ラストバトルはゴリ押しがひどい…
出久が根性とパワーでヴィランを倒す結末はどうかと思いました。
メインヴィランであるフレクト・ターンの個性リフレクトは相手のエネルギーを反射してそのまま返せるチートかつ特殊な能力。
それに対してフルカウル100%でゴリ押しは正直ないな…と感じてしまいました。
相手がパワー系ならこちらもパワー覚醒でもいいかもしれませんが、反射という能力に対してであれば、せめて何らかの方法で無効化や弱体化させて攻略するなど、工夫があった方がよいでしょう。
ヒロアカは『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』最近などジャンプ作品と比べても、論理性がなさすぎる戦いが多いと改めて感じました。
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