ジャッキー・チェン主演の映画『プロジェクトV』は、ストーリー的にはめちゃつまらない作品だったけど、ところどころに光るアクションとジャッキーならではの笑いがあるファンは必見の作品だった。
記事では、映画のストーリーあらすじネタバレ解説して、感想や酷評、良かった点や悪かった点をまとめてみた!
ぶっちゃけ一番の見どころはNGシーン。エンドロールで席を立つヤツはいない!水上バイク撮影シーンでジャッキーが溺死しかる映像に、涙がこぼれる。
ひどいけど泣ける?映画『プロジェクトV』酷評・感想
ストーリーはちょっとひどい
全体としては74点くらい。
ストーリーとしてはご都合主義な展開が多く面白いとは言えなかった。
ジャッキー演じるトンの民間傭兵組織ヴァンガードと、ブロトの犯罪組織が2回も同じタイミングでやってきて鉢合わせしたりと、リアリティのある展開とはいえない。
リアリティがなくても楽しめるのがジャッキー作品ではあるのだけど、本作のスタンリー・トン監督とジャッキーが過去に組んだ『ポリス・ストーリー3』や『レッド・ブロンクス』と比べても現実味に欠け、ストーリー性が薄い気がする。
あと『プロジェクトV/ヴァンガード』の上映時間は108分だったが、アフリカや中東など国をまたぐのが本作の見どころだったので、時間をプラスしてもっと現地の風景やジャッキーのたわいない会話などを観たかった。
シルヴェスター・スタローンの映画『ランボー・ラストブラッド(2019)』のように、編集がテンポ良すぎて没入する前に次のシーンという感じだったように思う。
さらにあとで詳しく書くが、ジャッキーの登場シーンが少なかったのが残念。
若手が活躍するシーンが多く、誰が主人公かわからなかった。
アイデア満載のアクション/最新テクノロジーで魅せる
一方、アクションはやっぱり本格的で見応えがあった。
飛びかかって足で華麗な関節技を決めるという最近の格闘技術を取り入れており、迫力満点だ。カンフーヨガにも出演した色気ムンムンの美人女優・ムチミヤも華麗な蹴り技や組技で魅了してくれた。
水上バイクのシーンもかっこいいい!
また、小さいハチ型のドローンで相手の要塞を偵察したり、ロンドンの本部から中東のヴァンガード兵士たちにリモートで指示が送られたり、コンドルという部下が空を飛ぶジェットスーツを使って戦ったりと、最新のテクノロジーをふんだんに取り入れていたのも見応えがあって素晴らしいと思う。
水上バイクでの急旋回!NGシーンでジャッキー溺死未遂
ぶっちゃけ本作で一番感動したのがエンドロールのNGシーン集。
ジャッキーのアクションシーンは少なめとはいえ、水上バイクを奪って急旋回するという超難易度の技に、ちろんスタントなしで挑んでいた。
しかしこのシーンで旋回した際にバランスを崩し、ジャッキーは女優のムチミヤと一緒に川に落ちる。しかしムチミヤの姿は見えるが、ジャッキーだけなかなか上がってこない…。あわや溺死か?という超ドキドキのNGシーンがあった。
助かったジャッキーのインタビューによると、水上バイクの下敷きになって抜けられなかったらしい!笑って話していたが、実際の状況を想像すると笑えない。
ジャッキーは撮影時は65歳で、その歳でも果敢に新しいアクションに挑む姿に感動した。本当のリヴィングレジェンドだ。
ジャッキーはスタントなしがポリシーなので『プロジェクトA』の時計台落下の頸椎損傷など、数えきれない骨折や怪我を繰り返している。
全身怪我のデパート状態で、そのせいで朝は痛みで目覚め、自力で起き上がれないほどらしい。
そこまでして映画を撮り続けるジャッキー・チェン!本当にリスペクト!
アクションシーンは少なめで誰が主役かわからん!ジャッキーはもう65歳…スタローンとの共通点解説!
ジャッキーが本作の撮影時にもう65歳でアクションシーンがたくさん撮影できなかったせいか、期待していたよりジャッキーの登場シーンが少なかったのが残念。
ロイ(俳優ヤン・ヤン)や、ホイシュン(俳優アレン)が活躍するシーンが多く、映画『プロジェクトV/ヴァンガード』は、一体誰が主人公かわからない感じになっていたのがとても残念。
シルヴェスター・スタローンの映画『大脱出2』もそうだが、アクション俳優も70歳近くなると、若手のアクションを入れざるを得ないのかもしれない。
それならそれで割り切って、『ヴァンガード』もスタローンが大成功させた映画『エクスペンダブルズ』のように、アジアのアクションスターを集結させてシリーズ次作を作るのも良いなと感じた。
余談になるが、ジャッキー・チェン自身はスタローンの『エクスペンダブルズ』からオファーを何度も受けているがスケジュール的に出られないようだ。
いつかこの2人の共演が観たい!
映画『プロジェクトV』あらすじネタバレ解説
(原題:急先鋒/ 英題:Vanguard)
ロンドンにある民間の要人護衛会社・ヴァンガードの職員、ロイ(ヤンヤン)とホイシュン(アレン)が新年の行事を楽しんでいると、突然指令が入り誘拐された有力者チョン・クォックラップの救出へ向かう。
ロイとホイシュンは、ブロトという人物率いる北極狼という組織のアジトに侵入し徒手格闘で敵をどうにか倒していく。ホイシュンは怪我を負ったものの、二人はどうにかチャンとその妻の救出に成功。
ヴァンガードの代表トン・ウンテン(ジャッキー・チェン)がチョンから事情を聞く。
チャンは、米軍に爆撃されて死亡した中東の反政府勢力「復讐」のボス・マシムが隠していた“金”のありかを知っており、そのせいでマシムの息子・オマルが派遣した北極狼のブロトたちに狙われたという。
チョンの娘で動物保護活動家のファリダ(シュ・ルオハン)がアフリカにおり、オマルやブロトに狙われる可能性が高いということで、トンとロイ、そして女兵士ミヤ(ムチミヤ)が現地に向かう。
トンたちは車を走らせライオンを手なづけるファリダを発見するが、ちょうどブロトたちの組織も到着し、乱闘になる。
ロイはなんとかファリダを救い、彼女が運転する水陸両用車でジャングルの奥地へ逃げた。ロイは麻酔銃で撃たれていて、ファリダは彼を野鳥観察小屋に運んで、そこで一夜を過ごした。
次の日の朝、ブロトたちがファリダの居場所をかぎつけてやってくる。トンたちもGPSでロイらを見つけた。また乱闘になり、トンはスタンガンでハイエナを追い払った。
トンたちはファリダの水陸両用車で大きな川へ逃げるが、ブロトの仲間たちも水上バイクで追ってくる。
巨大な滝が迫り、トンは水上バイクを奪って急旋回。仲間のミヤを救出した。しかし別のボートではロイがブロトに殴られて気絶し、ファリダもろとも捕まってしまう。
トンたちは一度本部に戻る。チャンが娘との人質交換に応じると言うので、トンはホイシュンとミヤを連れてオマルたちのいる中東へ向かった。
トンはオマルの要塞にチャンを連れていくが、ロイやファリダを助けるために乱闘になる。ロケットランチャーでホイシュンが瓦礫の下敷きになり、ロイは彼を助けて必死に心臓マサージをする。ホイシュンはなんとか助かった。
ミヤやホイシュン、コンドルはオマルの部下に接近してスマホの位置情報を入手。オマルやチャンたちが中古の自動車屋にいると突き止める。
オマルは自動車屋に隠されていた本物の金メッキの車(マシムの隠し財産)を取引相手の武器商人に渡し、無人爆撃機を手に入れた。オマルはそれを使って父の仇であるアメリカの空母を攻撃するが、無人爆撃機は戦闘機によって破壊されてしまった。
トンたちヴァンガードのメンバーやSWATが駆けつけてオマルたちを取り巻き、金の車でのカーチェイスが繰り広げられる。
トンやロイは巨大ショッピングモールに逃げたオマルたちを倒し、一件落着。
その後の新年(旧正月)パーティーで、ロイやフェリダに告白して、みんな大いに盛り上がった。
映画『プロジェクトV/ヴァンガード』END!
『プロジェクトV』解説レビューまとめ
ストーリー的には不満だが、みんなのヒーロージャッキー・チェンの活躍がそれなりに楽しめたアクション映画『プロジェクトV/ヴァンガード』。
NGシーン集も含めて、ファンとしては必見の作品となった。
60代後半に差し掛かってもまだ活躍を続けるジャッキー・チェン。
これからも彼の映画を見たい気持ちもありつつ、怪我や命の危険を考えると「もう引退しても良いのでは…」という考えもよぎってしまう。
ただやっぱりジャッキーに意欲があるうちは彼の作品を見続けるという形で応援したい(応援しかできないけど)。
『プロジェクトV/ヴァンガード』のネタバレ解説記事終わり。
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