Netflixドラマ『ザ・ウォッチャー』(The Watcher)は、郊外の素晴らしい邸宅を購入して引っ越してきたある家族に謎の人物から“監視している”と手紙が届くサスペンス!
ナオミ・ワッツとボビー・カナヴェイル主演で全7話です。
キャスト・作品情報・見どころ、もとになったウォッチャー事件解説、全話視聴してのぶっちゃけ感想・評価、誰がウォッチャーなのか真犯人考察!、全7話ネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに内容をわかりやすくまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。好きな項目から読んでください。)
作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
Netflix『ザ・ウォッチャー』作品情報・キャストと演技の印象
原題:『The Watcher』
ジャンル:サスペンス
制作:ライアン・マーフィー/イアン・ブレナン
配給:Netflix
最終話はデヴィッド・リンチの娘ジェニファー・リンチが監督を務めています。
ちなみにキアヌ・リーヴス主演の映画『ザ・ウォッチャー』(2000)とは関係ありません。
実話に基づく物語
2014年にニュージャージー州のある邸宅を購入した家族に“監視人(ウォッチャー)”と名乗る人物から「代々この家を監視してきた」と不審な手紙が送られてきました。
住人は警察や探偵に捜査を依頼するも詳細はわからずじまい。前の家主も似た手紙を受け取っていたようです。
事件は2014年に迷宮入りし、現在も犯人は捕まっていません。
その家はウォッチャーハウスと呼ばれ、ウォッチャー事件は新聞記事を賑わせました。
『ザ・ウォッチャー』はその事件が基になった作品です。
登場キャラ・キャスト
©︎Netflix
素晴らしき邸宅に引っ越してくる妻ノラ役にはナオミ・ワッツ。彼女がサスペンスに出演するというだけでテンション上がりますね。『マルホランド・ドライブ』で大好きになりました。アメリカ版『リング』でも有名ですね。2017年には『ツインピークス ザ・リターン』にも出演して話題に。
夫ディーン役にはボビー・カナヴェイルは、マーベル映画『アントマン』(主人公の元妻の婚約者役)などに出演。ネトフリのマリリン・モンロー映画『ブロンド』でジョー・ディマジオを演じてましたね。
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あらすじ
妻ノラと夫のディーン、娘エリーと息子カーターの4人家族は郊外にある美しい邸宅に一目惚れ。
ディーンは無理をしてローンを組み、その家を手に入れる。
そんなある日、“ウォッチャー”という人物から「一族代々でこの家を見張ってきた。これからもそうする」という怪しい手紙が届いた。
夜、カーターが飼っていたフェレットが何者かに殺される。
近所には姉弟パールとジェスパー、モーとミッチの老夫婦など怪しい隣人たちがたくさん。
ノラたちは警察のチェンバーランドに相談するが手がかりはつかめなかった。私立探偵のセオドラと共に独自に捜査を進めるが…。
ネタバレなし感想・海外評価
何か秘密がある素敵な邸宅を舞台に、幸せな家族が謎の人物に監視され恐怖にハマっていく過程・心理描写が丁寧に描かれています。
最近公開された中だとミシェル・モナハン主演のNetflixサスペンスドラマ『エコーズ』よりは面白かったです。
謎が謎を呼び、確かなことは1つもわからない。隣人も全員頭がおかしくて怪しいという泥沼にハマっていくタイプの物語が好きな人向き。
いっぽうで刺激が強いサスペンスが好きな人には物足りないかもしれません。
おすすめ度 | 68% |
世界観 | 80% |
ストーリー | 65% |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.0(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 50% 一般の視聴者 51% |
メタスコア(Metacritic) | 52点(100点中) |
※以下、Netflix『ザ・ウォッチャー』のストーリーネタバレありなので注意してください!
Netflix『ザ・ウォッチャー』ネタバレ感想・評価
- 秘密の地下通路がある家
- 謎の人物が外から家を見張っているカットが随所に入る
- 隣人たちはみんな変人で全員怪しい
- 真相に近づいたつもりが、確かな事実が1つもない
地下室に通路がある!→入ったら人がいる!のシーンが1番鳥肌が立った。
憧れのマイホームの下に誰か住んでいたなんて不気味すぎますが、サスペンスとしては美味しいです。
結局、誰が犯人かよくわからないデヴィッド・フィンチャーの映画『ゾディアック』的な結末になり、そこは賛否あると思いますが、実話が基になっているので仕方ない面があるでしょう。
住民同士が監視しあっている構造はヒッチコックの『裏窓』に近いコンセプトだと思いました。
『裏窓』では一方的な監視ですが、本作の場合は相互監視です。
ボビー・カナヴェイルが演じたディーンは丁度『裏窓』のジェームズ・ステュアートのようにどんどん疑心暗鬼になっていきます。
劇中曲もヒッチコック映画みたいなクラシックサスペンス風でしたし、意識しているのかもしれません。
また、家への執着というテーマも個人的には好きでした。
人間は恋人や家族に執着しますが、考えてみればマイホームへの執着も相当なものですよね。一生の買い物ですし。
特に誰もが羨む最高の家であれば、周囲に嫉妬が渦巻いていてもおかしくありません。
考察:ウォッチャーは誰なのか!?
結局、何が真実なのか一才わからないまま物語は幕を閉じます。
最終回のラストではディーンがウォッチャーとして手紙を出すシーンがありましたが、そもそもノラとディーンに最初に手紙を送っていたのが誰かは不明なまま。
最初から、家を手放したかったディーンが仕組んだ狂言だったのかもしれません。
最後は手紙をポストに入れるディーンを妻ノラが監視しているシーンで終わり、正気を保っていたように見えたノラも相互監視の狂気の渦にのみ込まれてしまったとも解釈できます。
視点を広げるなら、みんながウォッチャーになってしまった結末です。
抽象的な結論は置いておいて、具体的に1番怪しいのは地下通路の存在を知っていた隣人パールと、地下に住んでいたジョン(仮名)でしょう。
彼らは古き良き家を愛するあまり、モダンに改装しようとしていたノラとディーンに嫌がらせをして出ていかせようとしていた可能性があります。
地下通路を知っていた彼らであれば、ディーンのベッドに少女を送り込むこともできたはずです。
誰が犯人だったのか?という結論は気になりますが、明示はされず。
本作で重要なのは全員に動機があるようで確証はないという、リアルな不気味さではないでしょうか。
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