映画『search/#サーチ2』大ヒットシリーズの続編です。今回は旅行中に行方不明になった母親を娘が探すストーリー!二転三転する展開が楽しめます。
作品情報・キャスト
ネタバレなしの感想
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
視点によるトリック・どんでん返し考察
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
映画『search/#サーチ2』作品情報・予告
制作国:アメリカ
上映時間:1時間51分
原題:『Missing』
ジャンル:サスペンス・ミステリー・スリラー
年齢制限:PG12(12歳以下は親の指導が必要)
監督:ニック・ジョンソン/ウィル・メリック
脚本:ニック・ジョンソン/ウィル・メリック/セヴ・オハニアン
↓前作『search/サーチ』(2018)のレビューはコチラ↓
映画『search/サーチ』(Searching)は行方不明になった娘を救うために父親がパソコンで交友関係など情報をサーチしまくるサスペンス。 シネマグ すべてパソコンの画面で展開されるブッ飛んだアイデアが魅力!ラストのどん[…]
『search/#サーチ2』キャスト
主人公のティーンエイジャー・ジューン役はストーム・リード。2023年時点でまだ19歳の若手です。有名どころだとサスペンスホラー『透明人間』(2020)などに出演しています。
母親・グレイス役はニア・ロング。B級作への出演が多いですが、人気ドラマ『NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班』に2017年のシーズン9からメインキャストで出演。
そして母・グレイスの恋人・ケヴィン役はケン・レオン。『LOST』シーズン4からの霊能力者・マイルズ役で有名です。M・ナイト・シャマラン監督の『Oldオールド』にも出てましたね。
その他、コロンビアの便利屋・ハビエル役はジョアキム・デ・アルメイダ。
グレイスの友人・ヘザー役にはエイミー・ランデッカー(『Your Honor/追い詰められた判事 』)。
ジューンの父親役はティム・グリフィン(『ザ・ギフト』)が演じています。
映画『search2/#サーチ2』あらすじ
18歳のジューンは、幼い頃に父親に死なれてから口うるさい母親・グレイスと2人暮らし。母親とは仲が悪いとまではいかないまでも、心が通じ合っているとは言えなかった。
ある日、グレイスは新しい恋人・ケヴィンと一緒にコロンビアへ旅行へ行く。
ジューンは母親がいない間に友人のヴィーナたちと遊びまくった。自宅でパーティーもする。
数日たち、二日酔いのジューンは今日帰国するグレイスたちを空港へ迎えにいく。しかしグレイスたちはゲートから出てこない。
コロンビアのホテルに電話すると、客室係から「グレイスたちは荷物を置いていなくなった」と聞かされる。
グレイスの友人・ヘザーと相談して警察に行方不明届を出し、FBIのパーク捜査官と話をするが「現地の監視カメラを確認するのに時間がかかる」と言われてしまう。
あせるジューンは、ネットの雑用サービスでコロンビアの初老の男性・ハビエルを雇い、監視カメラの映像を見るように依頼してホテルへ行ってもらった。
ジューンはネットで情報をサーチするうちに、隠されていた重大な秘密を知ることになり…。
ネタバレなし感想・海外評価
全画面がPC上で展開されるコンセプトがすばらしい。前作もおもしろかったですが今作『サーチ2』も期待を裏切りません。スリルという点では今作のほうが優れていたと思います。
傑作かと言われるとそこまではいかない気もしますが、二転三転する展開や構造上のギミックもあり、サスペンス・ミステリー好きがうなるようなストーリーです。
ぶっちゃけPCで展開される物語ならネット配信で見たほうが臨場感があるのでは!?という疑問もありますが、おもしろさという点で劇場で見る価値は十分です。
海外大手レビューサイトのRotten Tomatoesでも批評家の評価が88%と非常に高いですね。
おすすめ度 | 85% |
アイデア | 95% |
ストーリー | 83% |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.1(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 88% 一般の視聴者 90% |
メタスコア(Metacritic) | 67(100点中) |
※以下、『search/#サーチ2』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『search/#サーチ2』ネタバレ感想・評価
100%PCやスマホ上で進行する点や、親子の絆のテーマは前作と共通してますが、いくつかの新しいアイデアが楽しめました。
サスペンスとしては、コロンビアで旅行中の母親が誘拐された→誘拐される直前に母親が観光している映像を調べていたら映っていたのはなりすましの別人だった。という流れが好きでした。
見ている私たちの心理の裏をかいたような展開です。誘拐された女性の映像を見せられて、どこに伏線があるか細かい部分を探そうとするのですが、画像も粗いですし映っている女性自身が偽物だとは考えません。
真犯人のジェームズ(病死したと思ってたら生きていた父親)がジューンのPCをハッキングしてすべてを見ていたというどんでん返しも最高です。
われわれはずっと真犯人の目線で事件の進行を見ていたわけです。『search/#サーチ2』で1番すばらしかった点はここでしょう。
前作の欠点である「今私たちが見せられているのは誰の視点なのか?」に答えをしっかり出しています(次の考察の項目で詳しく解説)。
謎解きをしようとする視聴者がチューニングを合わせられない構造的なうまさがあります。
冒頭で前作の内容がノンフィクションドラマとしてさらっと流された点も興味深いです。
前作からの続きだと言いたいだけなら主演だったジョン・チョーの映像を出せば良いのですが、あえて違うおじさんに演じさせています。
ネット上で目撃した出来事はフィクションでもノンフィクションでも大差ないと皮肉っているようでもあり、本作の主人公・ジューンの緊張感のなさを演出してもいます。
ラストシーンも「これは流石にPC画面の映像じゃないのでは?」と思わせておいて、今作のノンフィクションドラマを「寄り」で見せていたというのもうまい!
オープニングとラストに別人が演じるノンフィクションドラマを入れ込んでシャレがきいたカタチになっています。さらっとメタ構造になっており、何が真実なのかケムリに巻かれたような感覚におちいるのです。
本作は母親がコロンビアで行方不明になる展開でしたが、娘のジューンが現地の便利屋とビデオ通話しながら手がかりを探していく過程や、観光地のライブ映像をチェックするアイデアもおもしろかったです。
search/#サーチ2 考察(ネタバレ):誰の視点?
2018年の前作『search/サーチ』には、あえていえば構造上の欠点のようなものがありました。
ふつうは映画では「誰が見ている映像か?」なんて気にしません。誰の視線かではなく、観客が見やすいようなカットがつなげられるルールを暗黙のうちに許容しているからです。
だから2人の人物が対峙するシーンで突然ドローンで撮影したような俯瞰ショットになっても、「これは誰の目線の映像か?」なんていちいち気にしません。
ただ『search/サーチ』シリーズには100%PC画面上で進むルールがあります。
PCやスマホは人為的な操作でしか起動しないため、この「誰が見ている映像なのか?」問題が、構造上より気になってくるわけです。
パソコンをのぞきこんでいる誰かがいなければすべてのシーンが成立しない前提条件があります。
例えば前作では、深夜にかかってきたテレビ電話では主人公がベッドで寝ている姿が映るのですが、それ以外のほとんどのシーンは主人公がPCを起動させて調べものをしてる場面で構成されているので、ちょっと違和感があります。
前作はその辺にちょっと疑問符がわくというか、「PCやカメラの視線ということでいいじゃん!」と少し強引に流された感じでした。
しかし続編のサーチ2では、真犯人の父親が主人公のPCカメラや家の監視カメラをハッキングしてずっとモニタリングしていたというオチがあります。
つまり誰の視線?問題がハッキングしていた真犯人でした!とうまいこと解決されているわけです。
私たちは主人公のPC画面を見ているつもりで、真犯人の視点と同化させられていたという事実が判明し、サスペンス的なカタルシスがすごかったです。
映画『search/#サーチ2』ネタバレあらすじ解説
母は旅行へ行ってない?
コロンビアのハビエルは母・グレイスと恋人・ケヴィンが宿泊していたホテルへ行くが、すでに監視カメラの映像は上書きされていた。
ジューンは、ネットでサーチするうちにケヴィンが元詐欺師だと知っておどろいた。
ハビエルの案で観光地のライブ映像を確認するジューン。橋でケヴィンが母・グレイスにプロポーズしている数日前の映像を見て2人の愛は本物だったと知る。
しかしケヴィンのSNSをチェックすると、母とよく似た女性・レイチェルとやり取りしているメールを発見。
旅行でケヴィンがあげたSNSの写真をよくよくチェックすると映っていたのは母ではなくレイチェルだった。ジューンは驚愕する。
匿名の人物から警察にケヴィンとグレイスがバンで拉致される映像が送られてくる。しかしこの映像もよく見るとレイチェルだ。バンで拉致した男たちはケヴィンからリアリティーショーの撮影だと言われて、協力する代わりに金をもらう約束をしていたらしい。
グレイスはそもそもアメリカから出国しておらず、レイチェルと途中ですり替わっていたのだ。
共犯者の存在
グレイスの失踪に恋人・ケヴィンが関わっているということで大きなニュースになる。また単独犯ではなく、空港まで2人を送ったウーバーの運転手が共犯者の可能性が高い。
さらにジューンは母・グレイスが本名ではなく過去に名前を変えていたと聞いて驚いた。ネットもこの新事実に騒然となり、「母親による誘拐偽装だ」という意見もたくさんわいてきた。
ジューンはグレイスの友人・ヘザーがチャットでケヴィンとやり取りをしていたデータを発見。
ヘザーの事務所へ行くが、彼女はすでに殺されていた。
いっぽうケヴィンは共犯者に「アメリカへ逃してくれ」とメッセージを送るが、「金は払っただろ」とつき返される。
ケヴィンはコロンビアで警察に見つかり、逃亡したため銃殺された。
ラスト結末:驚きの真犯人
主犯・ケヴィンの銃殺ということで事件は迷宮入りに見えた。
失望するジューンのもとにある人物がやってくる。なんと幼い頃に死んだはずの父・ジェームズだった。
ジェームズは母・グレイスが嘘をついたせいで刑務所に12年間入れられたと語る(実際はジェームズがDV夫だった)。
しかしジューンは父が母の拉致に関与していると考えて電話しようとするが、拉致されてしまった。
ジューンは父・ジェームズの家に閉じ込められる。
ジェームズはステルスソフトを使ってパソコンでジューンやグレイスの行動を全て監視していた。
閉じ込められていた母グレイスはジェームズに撃たれる。
ジューンは監視カメラに向かって叫んでパソコン越しにSiriを起動。911(緊急通報)することに成功した。
事件から時がたち、ジューンとグレイスは仲良く暮らしていた。
映画『search/#サーチ2』終わり。
最後のまとめ
すごく練られていることが伝わってきて、とっても楽しかったです。これならきっと続編の『search/サーチ3』も作られるでしょう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『サーチ2』レビュー終わり!
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