映画『サマリタン』(Samaritan)/シルヴェスター・スタローン主演最新作はなんとダークヒーロー映画!
アマプラで独占配信!スライファンとしてさっそく観てみました!
全体的にはヒーローモノというよりはヒューマンドラマ映画の側面が強いです。
スタローン無双もありますが、本質は過去にトラウマを抱えた人間の生き方を語っています。
作品情報・キャスト・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想・評価、メッセージ・テーマの徹底考察を、ストーリーネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに徹底レビュー!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
作品についての視聴者・口コミアンケートも投票お願いします↓
映画『サマリタン』作品情報・キャスト
原題:『Samaritan』
ジャンル:ダークヒーロー・ヒューマンドラマ
監督:ジュリアス・エイヴァリー
脚本:ブラギ・シャット
原作:グラフィックノベル「サマリタン」(Schut/Marc Olivent/Renzo Podestaが著者)
撮影:デイヴィッド・アンガロ
配給:Amazonスタジオ
登場人物・キャスト紹介
登場人物 | キャスト・出演作 |
ジョー・スミス ゴミ収集の仕事をする老人。壊れた電化製品を直すのが趣味。 |
シルヴェスター・スタローン (『ロッキー』『ランボー』『エクスペンダブルズ』などなど。2023年にはNetflixドキュメンタリー映画『スライ:スタローンの物語』も配信!) |
サム 母子家庭の少年。盗みを働いて母親に金を貸す孝行息子。 |
ジャヴォン・ウォルトン (『ユーフォリア』『アンブレラアカデミー』) |
サイラス ギャングのリーダー。死んだヴィラン・ネメシスを崇拝している。 |
ピルウ・アスベック (『ゲーム・オブ・スローンズ』ユーロン・グレイジョイ役など) |
ネタバレなし感想・あらすじ・海外評価
©︎Amazon Prime Video
あらすじ:25年前。超人的な双子の力を持った双子の兄弟は親を殺されたことで、1人はヒーロー・サマリタン。もう1人はヴィラン・ネメシスになり、貧困の街グラニットシティを二分して争っていた。しかし発電所での爆発で2人とも死亡。その後も住民たちは、サマリタンのファンかネメシスのファンに分かれていた。貧乏な少年サムは近所に住むジョー・スミスが、実は生きていたサマリタンでないかと考える。サムはサイラス率いるギャング団で盗みを働き、下っ端にボコボコにされそうになる。そこへジョーが現れた…
ヒーローとヴィランの関係と、年老いた彼らがどうなるかという優れたテーマ性・メッセージ性があります。
スタローンが敵を倒すインパクト抜群のシーンも多々あり。
全体としてはB級感があり完成度がすごく高いわけではないですが、アクションやヒューマンドラマが好きな人は楽しめると思います。
おすすめ度 | 70% |
スタローン堪能できる度 | 85% |
ストーリー | 80% |
IMDb(海外レビューサイト) | 5.6(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 38% 一般の視聴者 70% |
メタスコア(Metacritic) | 45(100点中) |
※以下、映画『サマリタン』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『サマリタン』ネタバレあらすじ解説
ジョーはギャングの下っ端をあしらうように簡単に倒す。ナイフを握るとそれが歪んだ。
サムはジョーの部屋を覗き、大きな火傷のあとがあることからサマリタンだと確信。
後日ギャングの下っ端はジョーを車で撥ねる。サムが駆け寄ると、ジョーは全身がバキバキに砕けたにも関わらず回復していく。
ジョーは水とアイスで体(心臓)を冷やし、1日立つ頃には傷も癒えていた。
そんな中、サイラスはかつてのヴィラン・ネメシスの仮面をかぶり、停電爆弾で街を襲って住民たちを扇動していた。
サイラスの部下が車で撥ねられてもピンピンしているジョーを襲撃し、彼がサマリタンだと確信。
サムはサイラスの手伝いで見張りをすることになり、サイラスたちが警官を殺害しているのを目撃して唖然とする。
サムは家に帰ろうとするがギャングの下っ端に見つかり腕を折られて病院へ担ぎ込まれた。
サイラスはサマリタンを誘き寄せるためサムを誘拐。
それを知ったジョーは怒り、トラックにドラム缶を詰め、サイラスのアジトへ突っ込む。サイラスの手下から銃の乱射を受けるが、超人なのでびくともしない。
しかしサイラスが持っているネメシスのハンマーで殴られ追い詰められる。しかしハンマーがジョーに反応したことで、一同はジョーがサマリタンでなくネメシスだったと気づく。サムもショックを受けた。
ジョーは「俺は善人じゃなく悪党だ」と叫び、トラックのガソリンの入ったドラム缶を爆破させ、ギャングの多数を殺す。ビルは炎に包まれた。
仲間を殺されて悲しむサイラスはサムを担いで上階へ逃げた。
ジョーはギャングの手下たちをハンマーで撲殺しながら上へ上がってくる。
ネメシスのマスクを被ったサイラスが不意をついてハンマーを奪い、ジョーを追い詰めた。
しかしサムがサイラスに不意打ちし、ジョーはその隙にサイラスを倒して炎に包まれる下階に放り投げて殺害。
ジョーはサムを抱えて助走をつけてジャンプし、反対のビルの壁を破壊して飛び移る。
ジョーは「誰にでも善と悪の心がある」と言って姿を消した。
報道記者に囲まれたサムは「サマリタンが救ってくれた」と笑顔で答えた。
映画『サマリタン』END。
映画『サマリタン』ネタバレ感想・評価
元ヴィランの哀愁を描くすごく良いコンセプトがありつつ、ディティールがイマイチ。
終盤のスタローン無双と、実はヴィランのネメシスだったとわかるどんでん返しは最高です。
スタローンの怒りの表情もたっぷり堪能できます。(ランボー1のラスト的な悲哀もあり)
ただ、そこに至までの過程でグッとくる場面がなかったのが残念。
予算が少ないのかB級感強めの演出が多いです。
元ヒーロー・サマリタンだった老人ジョーが、スラム街の少年サムと心を通わせる序盤〜中盤の流れはハッキリ言って退屈でした。
『ベスト・キッド』的でよくあるパターンをそのままやっちゃったような感じですね。
スタローン自身も出演する『クリード チャンプを継ぐ男』もこのテーマですし、既視感バリバリなんですよ。
(ただ、ファンとしてはスタローンがスラム街を歩いているのを見るだけで幸せな気分になれました。ロッキーシリーズもそうですが、こんなにスラム街の哀愁が似合う男はいません。まあもともとスタローンは危険地帯出身なので演じているというわけではないのかも)
リアリティラインは『バットマン』くらいなのでしょう。本作のグラニットシティの世界観はゴッサムシティのパクリっぽく見えなくもありません(笑)。
終盤になるとやっと少年サムが誘拐され、スタローンが怒り、目覚めます。
怒ってトラックにドラム缶積むスタローン。トラックでアジトに突っ込むスタローン。
終盤はすべてのシーンが、かけがえのない純度100%のスタローンです。
序盤が中だるみしてストレスが少し溜まったこともあって、開放感・カタルシスがすごい。
ギャングの銃弾を全身に浴びながらハンマーを振り回します。『シャイニング』のジャック・ニコルソン並の絵力です。
並の俳優なら、このヒーローがどれくらいの耐久力なのか?銃弾を頭に浴びても平気なのか?など疑問が湧いてしまうでしょうけど、そこはスタローン。視聴者にツッコませない貫禄があります。
そして敵を倒し、ジャンプして隣のビルに突っ込む。少年サムはスタローンがかつてのヴィラン・ネメシスだと知りながらTVの前で「サマリタンだったよ」と嬉々として語る。
終盤だけみると感動あり、意外性あり、筋肉とカタルシスありで面白いのですが、全体をみるともっと上手く作れたのでは?と感じてしまいます。(製作費の問題もあるでしょうけど)
もったいないです。
ポテンシャルはある作品なのでぜひシリーズ化して欲しいと思いました。
ただ近年のスタローン作は『ランボー5・ラスト・ブラッド』『大脱出』シリーズなどそこまで有名じゃない監督が起用されて、結果B級っぽい微妙な雰囲気の映画になるパターンが多いです。
続編作るなら実力派スタッフを揃えてほしい気がしますが…(資金が集まらないのでしょうか)。
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