『モダンラブ・東京』全7話ネタバレ感想:つまんない…各エピソードキャストあらすじ解説評価

  • 2022年12月16日

Amazonオリジナルドラマ『モダンラブ・東京』(Modern Love Tokyo)!東京を舞台に7組のカップルが7つの物語を紡ぐオムニバス作品です!

ジョン・カーニー監督がニューヨーク・タイムズのコラムをもとに制作したドラマ『モダン・ラブ』の日本版。

CineMag
うーん、ぶっちゃけ〇〇です…

全話視聴してのネタバレなし感想・評価各7エピソードのキャスト・あらすじ・忖度なし感想考察(主に黒沢清の5話)を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

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『モダンラブ・東京/Modern Love Tokyo』全話視聴した感想(ネタバレなし)

感想を語る犬
まず最初にぶっちゃけます。全体的にまったく面白いと思えませんでした

各エピソードで監督・脚本・出演者が変わるオムニバス形式で、3話、4話、黒沢清監督の5話など、そこそこ面白い回もあります。

個人的に面白さは、4話>5話>3話>>>>>>>>1話>6話>2話>7話という感じ。

シネマグ
全体的に非常にうっすい恋愛エピソードです…。

NY版の本家と比較するとクオリティは1/2ほどでしょうか。ドアマンの試験にパスできません。

世界同時配信ですがさすがに流行らないと思います。

各話40分弱しかないのでストーリーが薄味になるのは仕方ないにしても、なら斬新さやアイデアがもっと尖っていても良かったのでは?

7話だけアニメという以外に斬新な点がありません。

例えば同性カップルと搾乳器の話など表面的な設定は斬新に見えますが、話の内容はよくあるパターン。殻は硬いけど中身がないロブスターみたいです。

〜さまざまな愛の形〜という副題がついてますが、どこかで見たような設定も多く、さまざまなパターンを羅列しただけに見えます。掘り下げがありません。

加えて東京かどうか関係ないエピソードがほとんど

マッチングアプリ、ビール、トウモロコシの花粉など各話に共通するモチーフはありましたが、全体としての統一感はなくコンセプトが上手く機能しているようには思えませんでした

全話通して見る必要性が感じられません。気になるエピソードだけ見ればOKな作りです。

さらに問題なのが登場人物の設定からして固まってない回もあり、これなら「ポツンと一軒家」見たほうが感動するよねって話ばかりでした。

というかオムニバス形式が流行ってるんですかね?

Netflix『金魚妻』やHuluの『あなたに聴かせたい歌があるんだ』(2022)も似たようなそれぞれの残念な恋愛・青春を詰め込んだドラマでした(これらも全然面白くなかったです…)。

もしかして日本はオムニバス作品の制作苦手?

CineMagの評価 38点(100点中)
おすすめ度 34%
世界観・コンセプト 32%
ストーリー 43%

※以下、Amazon Primeオリジナル『モダンラブ・東京』(Modern Love Tokyo)のストーリーネタバレありなので注意してください!

第1話「息子の授乳、そしていくつかの不満」ネタバレ感想

第1話「息子の授乳、そしていくつかの不満」

監督・脚本:平柳敦子(『オー・ルーシー!』)
出演者:水川あさみ、前田敦子、松本若菜、寺島しのぶ

1話あらすじ

真莉(水川あさみ)は毎日息子の哲也のために暇があれば搾乳器を使い、母乳をストックしていた。真莉はシンガポールに出張へ行き、パートナーの(前田敦子)と母に哲也の世話と授乳を頼むが、心配でたまらない。

エピソード1の感想

女性同士のカップルと搾乳器を使って斬新な話にしたかったのかもしれませんが、似た題材なら斎藤工さんが男性妊婦を演じたNetflixドラマ『ヒヤマケンタロウの妊娠』のほうが余程先へ行ってますし面白いです。

あとは、水川あさみさんと前田敦子さんの女子同士のカップル設定にリアリティがないと感じました。時間がないから細かい設定は語らないにしても、せめて女性同士で子供をどう授かったのか?サラッとでも提示したほうが説得力出たのでは?

また“No Beer No Life”という変なTシャツ着ている前田敦子さんが高給取りというのも説得力ありません。

話は赤ちゃんを母乳で育てたい水川あさみと、粉ミルクでもいいじゃん派の母との口論がメインで、価値観の違いをどう乗り越えるかが重要なテーマだったと思うのですが、最後は母への感謝の気持ちに気づいて謝る結末も微妙

シネマグ
感謝するのは大事ですが、価値観のテーマが解決されてません…。

第2話「私が既婚者と寝て学んだこと」ネタバレ感想

第2話「私が既婚者と寝て学んだこと」

監督廣木隆一(映画『ノイズ』『母性』『月の満ち欠け』)
出演者:榮倉奈々、柄本佑、高良健吾

2話あらすじ

大学で生物学の講師をしている加奈(榮倉奈々)は、セックスレスでの離婚を経てバツイチとなり、現在はマッチングアプリでめんどくさくない既婚者との体だけの関係を続けている。元旦那の圭介(柄本佑)とは現在も仲が良く、いつも一緒にボートに乗って川から東京の橋を眺めている。

エピソード2の感想

既婚者と寝て学んだことは、“セックスレスの理由は夫婦それぞれ” “セックスがなくても夫婦でいていい”という、まったく大したことない内容でした。

シネマグ
何も学んでないに近いです。

内容が大したことないにもかかわらず、それを映像でストレートに表現してしまったため極めて退屈な回になってしまいました。

榮倉奈々さんが大学の生物学教員っていう設定も無理があります。教員に見えません…。キャラクターとしての説得力が皆無でした。

セリフからも知性が感じられず、誘いに乗ってきた男たちに「なんで不倫するの」と中学生のようなどうしようもない質問をします。

もう少し文学的な問いが必要な回でした。

第3話「最悪のデートが最高になったわけ」ネタバレ感想

第3話「最悪のデートが最高になったわけ」

監督:山下敦弘(『リンダリンダリンダ』)
出演者:伊藤蘭、石橋凌、三浦透子、藤原季節

3話のあらすじ

数年前に離婚した63歳の学芸員・奈津子(伊藤蘭)は友人の勧めでマッチングアプリをはじめ、同じ年代の男性(石橋凌)と原宿で待ち合わせてデートをする。最初は気まずい沈黙やぎこちない会話が続くが、次第に打ち解けていき、ある事実が発覚するのだった…。

エピソード3の感想

エピソード3は前2話と比較して少し見応えがありました。

60代同士がカフェで初対面している隣の席で、20代の男女もマッチングアプリで知り合ってから初デートをしており、世代間の差・男女の考え方の違いが浮き彫りになる構造が面白かったです。

さらに主人公がデートをした男性は、実は30年前に自分の話しかしなかった最悪なデートの相手というどんでん返し。そして、そのとき上手くいかなかったから今の生活があり、こうしてまた出逢えたという大人な結末も良かったです。

第4話「冬眠中の僕の妻」ネタバレ感想

第4話「冬眠中の僕の妻」

監督・脚本:萩上直子(『かもめ食堂』『川っぺりムコリッタ』)
出演者:成田凌、夏帆、阿佐ヶ谷姉妹(渡辺江里子、木村美穂)

4話のあらすじ

健吾(成田凌)は、デザインの仕事で同僚に追い詰められてうつ病を患って休職中の妻・真衣(夏帆)にどう接していいか悩む。真衣は起き上がることすらキツく、風呂も入らない。

健吾が精神科の外の公園のベンチに座っていると、ある女性(渡辺江里子)が「幸せですか?」と声をかけてくる。

エピソード4の感想

個人的には全7話の中でエピソード4話が1番好きでした。

健吾は寝てばかりの妻を“波打ち際のトドのようだ”と思い、真衣は元気を取り戻してからトドのデザインを缶ビールに採用する。病気を克服するうえで、ただでは転ばないぞっていうほっこり感が良かったです。

シネマグ
阿佐ヶ谷姉妹の姉が編んでいたコースターを教会のバザーで買ってあげるシーンも心がホッと温まりました。

夏帆が数体登場したり、うつ病のシーンでは相撲取りを体の上に乗せてキツさを表現するなど、コミカル具合もちょうど良かったです。

40分でしっかり楽しめた回でした。

第5話「彼を信じていた十三日間」ネタバレ感想・考察

第5話「彼を信じていた十三日間」

監督・脚本:黒沢清(『CURE』『スパイの妻』『クリーピー 偽りの隣人』)
出演者:永作博美、ユースケ・サンタマリア、國村隼

5話のあらすじ

マッチングクラブの紹介で桃子(永作博美)の前に現れた男性・洋二(ユースケ・サンタマリア)は、経歴書の写真と顔が違った。

桃子は試しに洋二とデートをしてみることに。洋二は雰囲気こそ普通の人と少し違ったが、気が合う部分があった。

報道局で働く桃子は仕事では部下や官僚に厳しく接し、プライベートでは部屋の補修を洋二に手伝ったもらう良好な関係を築いていくが…。

エピソード5の感想・考察

黒沢清監督らしい哲学的な会話や不穏な雰囲気が楽しめた回。

キャンプに行き森が霧に包まれる感じや、ラストはユースケ・サンタマリアが川に入ってそのまま黄色いコップを残して消えてしまうという奇想天外な結末も良かったです。

感想を語る犬
ただ不気味さに浸るには40分だとちょっと物足りなく感じました。話もすごく面白いかと言われると微妙。映画で見たかったです。
具体的に考察すると、まず永作博美の仕事では厳しすぎるけど謎の男ユースケ・サンタマリアと会っている時は優しい感じから、人間の多面性というテーマが伺えます。
これがそのままユースケ側にも適応されるのですが、彼の場合はもっと多重構造的です。
デートクラブの相手→ホームレス→川での消失という流れから、存在すら揺らいでいるわけです。
シネマグ
ここまでくると、理屈というより抽象的かつ芸術的な表現だと思います。
ユースケは永作博美のイマジナリーフレンドであり、自分自身の潜在意識が投影された存在など多面的な解釈ができますが、そういった言葉での解釈自体が野暮な領域ですね。

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