映画『真夜中乙女戦争』(まよなかおとめせんそう)は同名人気小説を実写化して爆死した残念な超絶駄作!
(全体的に酷評ですいません。他人に厳しい性格なのもので)
作品情報・キャスト・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想・酷評、ラストシーンのメタ考察、大学生というより小学生の物語を読みたい人向けに映画を徹底レビュー!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)
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映画『真夜中乙女戦争』作品情報・キャストと演技の印象
英題:『The Midnight Maiden War』
ジャンル:青春・不条理サスペンス
監督:二宮健
脚本:二宮健
原作:F 著「真夜中乙女戦争」
主題歌:ビリー・アイリッシュ 「Happier Than Ever」
映画 真夜中乙女戦争の登場キャラ・キャスト
私|cast 永瀬廉(King & Prince)(Netflix『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』)→大学生というか厨二みたいなキャラで説得力皆無。
先輩|cast 池田エライザ→ミステリアスさがイマイチ…。
黒服|cast 柄本佑→おっさんのくせに(30代)大学にいるのがただ違和感。
『真夜中乙女戦争』あらすじ・見どころ・海外評価
©︎映画『真夜中乙女戦争』製作委員会
あらすじ:地方から東京の大学に入学した私(永瀬廉)は、家庭教師の仕事をクビになって家賃が払えなくて絶望。そんな中、かくれんぼサークルの先輩(池田エライザ)と出会う。学校ではところどころでボヤ騒ぎがおき、私は黒服(柄本佑)が灰皿スタンドにガソリンを入れているのを発見。私は黒服に惹かれ、彼のアジトへ。そこでいろいろな映画を見ながら、この狂った文明社会を終わらせようと語り合うが…。
全編通して狂ったポエムをつぶやかれるかなりの駄作。B級マニア以外にはおすすめできません…。
2022年作品では三木聡監督の『大怪獣のあとしまつ』と同じくらいのクソ映画です…。
おすすめ度 | 15% |
世界観 | 40% |
ストーリー | 30% |
IMDb(海外レビューサイト) | 4.6(10点中) |
※以下、映画『真夜中乙女戦争』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『真夜中乙女戦争』ネタバレ感想・酷評
なんか見たことあると思ったら、ファイトクラブの超絶劣化版ですねコレ。社会人を大学生に変え、結末をちょっと変えたみたいなイメージでした。
冒頭の意味不明なポエムから、何もかもがイタいです。青春独特のイタさではなく普通にイタい…。
「この映画はあと110分」というメタ的なモノローグもあいたたた。映画自体が超つまらないせいで、このモノローグが視聴後の感想ネタバレみたいになってます。
本作を繰り返し見る拷問が成立するレベルのイタさ。2回視聴できる人は日本広しといえどもそうはいないでしょう。
永瀬廉演じる主人公が先輩の未来を言い当てるくだりがありましたが、主人公は視聴者に対しても「つまらな過ぎて110分後にプンプン怒るよ」と予言していたのでしょう。
冒頭から結末まで、展開のすべてに入り込めませんでした。
Netflix批判もダサいし、怒号が飛び交う花出荷工場での集団バイトも滑ってます。
あと黒服も映画大好きなくせに「人類史を石器時代に戻す!」とオラついています。石器時代に映画ないですけどいいんですか?
くだらない疑問を解消するには、キャストの演技力で少々強引に説得力を持たせるしかありません。正直、永瀬廉さんと池田エライザさんはキャスティングミスかなあ…と思ってしまいました。
ラストシーン考察(ネタバレ)
デヴィッド・フィンチャーの名作『ファイトクラブ』によく似たプロットだと考えれば、東京が爆発して終わるラストは狂った主人公の妄想だった!という解釈もありでしょう。
黒服が主人公のもう1つの人格だったと考えるのもあり。
ただ土台となる物語がとっても面白くないので、正直多様な解釈で意味づけして記憶に刻みたいというポジティブな気持ちは生まれません。
話は変わって、終盤の主人公と先輩がラブホテルでタラタラ話すシーンでは、もし立ち止まって生き方を見直せる世界線のヴィジョンとして、みんなマスクをつけていました。
コロナ禍で価値観を問い直すキッカケがなければ、社会は破滅に突っ走っていただろうというメッセージだと思います。
本作のクオリティが残念だったことで、コロナ禍でも人類は変われなかったという真逆のメッセージに変換されました。
コロナと駄作邦画の問題に追い詰められた日本の現実を突きつけられ、いろんな意味で胸が締め付けられました。
考察:大学生というより小学生(ネタバレ)
「シェイクスピアを学んでも意味ねえ。1講義当たりの金銭的な価値は3000円だからそれ以上の講義をしろ」と自慢げに語る主人公。
文学の価値を金銭で図ろうとする思考回路の人物に、“文学のいい授業”が判断できるわけありません。
人間的に底が浅すぎですし、個人的に近づきたくない功利主義的な考えですが、まだ主人公は大学1年生なのでニヒルに構えるのもギリギリ許せます。
全てに意味がないという強烈なメッセージをぶちかましてやる!というコンセプトだとは思うのですが、主人公は文学はだめでも映画は楽しく見れちゃう派。じゃあなんで文学の良さはわからないの?
ここから読み解ける事実は、主人公に本を読む能力がないことです。
社会を転覆させたい大学生の設定には知能がかなり足りていない、ただダサくて魅力のないキャラクターです。
この主人公は“腐った社会システム”に参加している池田エライザ演じる先輩に共感を寄せます。
先輩にニーチェの話をされたり、「頑張っている人は倒すべき悪?」と浅い問いを投げかけられたりして心を揺さぶられます。なぜでしょう?美人でスタイル抜群の池田エライザだからです。
一方で、ババア教授には「シェイクスピアには意味がない!」と猛抗議。
ニーチェやシェイクスピアうんぬんでなく、実際は女性の顔面と年齢と胸の大きさが判断基準なのでしょう。
そんな彼が謳う社会転覆は、小学生が宇宙飛行士になりたいと口にするようで、シリアス感ゼロ。賞味期限切れのブロッコリーでも食っとけよ。
全体的に、凄みのない主人公のせいで「腐った社会システムとそれに加担する人間を破壊する」という流れに苦笑いしか出来ませんでした。
最後のまとめ
映画『真夜中乙女戦争』は、小説には向いている抽象的なストーリーを映画化して爆死した超駄作です。
製作側は「コロナのテーマを盛り込めばイケる!」とでも思ったのでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『真夜中乙女戦争』レビュー終わり!