Netflix映画『ターニング・ポイント』ネタバレ感想・ラスト考察!評価,キャストあらすじ解説

  • 2022年5月3日

Netflixイタリア映画『ターニング・ポイント』(La svolta)は、金を強奪した男が、頼りない学生のアパートに立て篭もり、友情を育んでいくヒューマンドラマ+マフィアモノ!

CineMag
映画『レオン』やのイタリア版ともいえる良作で、大いに楽しめした。

作品情報・キャスト・見どころ、ぶっちゃけ感想・評価ラストシーン考察を知りたい人向けに映画をわかりやすくレビュー・まとめています。

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)

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Netflix映画『ターニング・ポイント』作品情報・キャスト

公開・制作国・上映時間:2022/04/20・イタリア・90分
原題:『La svolta』英題『Turning Point』
ジャンル:ヒューマンドラマ・マフィア
監督:リッカルド・アントナローリ
脚本:ロベルト・チンパネッリ/ガブリエーレ・スカル・フォーネ
配給Netflix
出演:アンドレア・ラッタンツィ、ブランド・パシット

『ターニング・ポイント』ネタバレなし感想・あらすじ・見どころ・海外評価

Netflix『ターニング・ポイント』(La svolta)のジャックとルドヴィコ

©︎Netflix

あらすじ:マフィアのボスの金を奪ったジャックはバイクで転倒して逃げ場をなくし、ルドヴィコという男を見つけて銃を向け、アパートの彼の部屋に隠れますが…。

犯罪者と、無理やり協力させられた側が友情を育むお馴染みのストーリーですが、クオリティが高く引き込まれます。

CineMag
ヒューマンドラマやマフィアモノが好きな人にはぜひ見て欲しい良作です!イタリアらしさも満載!
おすすめ度 85%
世界観・イタリアっぽさ 88%
ストーリー 80%
IMDb(海外レビューサイト) 6.3(10点中)

※以下、Netflix映画『ターニング・ポイント』のストーリーネタバレありなので注意してください!

Netflix映画『ターニング・ポイント』ネタバレ感想・評価

Netflix映画『ターニング・ポイント』の評価は87点。

強盗が立て篭もった部屋の住人と仲良くなるよくある展開でしたが、キャストもピッタリで、演技にもリアリティがあり、悲劇的なラスト含めて感動でした。

強盗のジャックと住人・ルドヴィコはお互い兄弟のように慕い合う流れに安っぽさや不自然さがなく、必然的に見えて引き込まれるのです。

ルドヴィコがマチルダ(レオンの少女)と同じく赤色の帽子をかぶっていたのはオマージュでしょうか?

ラストの悲劇からは強いメッセージ性が感じられ、芸術性も兼ね備えています。

イタリアらしさたっぷり!

グローバル化が進み、例えばイタリア映画を見てもイタリアっぽさがあまりない作品なども増えてきていますが、『ターニング・ポイント』はイタリアらしさ満載でした!

コーヒーはもちろんエスプレッソでカップも小さく、本場のイタリアンマフィアも登場、街並みやアパートの部屋の棚の設計なども個性的で、イタリアらしさが堪能できたのも嬉しかったです。

感想を語る犬
現地の文化を大事にしてくれる映画って素敵ですよね!それだけで価値があります。

マフィアモノとヒューマンドラマ融合

犯罪者と一般人が出会って絆を深める作品はナタリー・ポートマンの『レオン』やケビン・コスナーの『パーフェクト・ワールド』など色々あります。

しかし本作『ターニング・ポイント』は単なる類似プロットの模倣作品で収まらず、マフィアテイストと男の友情を描いたヒューマンドラマ要素が、上質なワインのように程よいバランスで描かれていました。

マフィア周囲では役に立たない部下が次々と殺されなノワール的緊張感が漂う一方、命の危機にある強盗ジャックと協力する羽目になったルドヴィコは徐々に友情を深めていき、上階の女子たちと交流するなど和やかな雰囲気です。

死と隣り合わせの中で、女子たちとパーティーを楽しむ。この命を燃やしている感じに心を打たれます。

感想を語る犬
異なる要素の対比により、ひねりのないストーリーに独特の深みが生まれていたと思います。

ラストシーン考察(ネタバレ)

魂を抱いた直後の死

Netflix『ターニング・ポイント』(La svolta)の銃で撃たれるラストシーン

©︎Netflix

ラストはマフィア作品らしい、衝撃的かつ怒涛の殺し合いでした!

まずアパートがみつかり、ルドヴィコとジャックがマフィアのボス・カイノに銃を向けられ絶体絶命。

そこへ、仲間を殺されたマフィアの下っ端・スパルタコが現れ、カイノの膝を撃ち抜きます。

しかし、カイノの右腕で殺し屋のブセッティがなんとボス・カイノを銃で殺害。

ルドヴィゴとブセッティが撃ち合いになり、2人とも死亡。

ジャックはルドヴィゴ死に涙を流し、漫画を持ってアパートから脱出するも、胸を撃たれていたため死亡。

引きこもりのルドヴィゴはせっかく上階の女性レベッカと仲良くなったのに悲劇か〜と思われるかもしれませんが、2人の死によって生きるとは何か?というメッセージが浮き彫りになったと感じました。

劇中でジャックは哲学者ニーチェに触れ、「生きていても魂がないやつもいる」と語っていました。

ジャックもルドヴィゴも、お互いが出会うまでは、魂のない状態だったのでしょう。

しかし、ジャックは兄がしてくれたことや兄が去ったことへの葛藤をルドヴィゴとの出会いで解消。ルドヴィゴはジャックに認められ、描いていた漫画を世間に発表する勇気を持ちました。

感想を語る犬
2人は魂を取り戻したのですね。

魂や情熱がないなら、生きていても仕方ありません。逆に魂があるなら、その直後に死んでも後悔はないはずです。

人生のターニング・ポイントが死の直前にあっても構わない。本作からはそんな強く美しい詩的なメッセージが感じられました。

近年のハリウッドなら本作の結末をハッピーエンドにしたかもしれませんが、安易なハッピーエンドにならないで正解だったと感じました。

男の評判 VS 魂

マフィアのボス・カイノは男に大事なのは評判だと言っています。ルドヴィコの父も世間体を気にして息子にあれこれ指導しているようでした。彼らは中身より評判が大事だと考えている人種です。

対してジャック、ルドヴィコ、スパルタコらは自分の意志で生きることに価値を置いています。

本作は男の評判 VS 魂 の対決の映画でもあります。

結末は全員死亡という悲劇的なもので、これも興味深いです。

CineMag
人生で大切なものは何かの問いに、ストーリーで安直な答えを出さず、視聴者に何が正解か問いかけをしているようなラストでした。

最後のまとめ

映画『ターニング・ポイント』は、強盗と住人が友情を育むよくあるプロットにノワールテイストと劇的なラスト、メッセージ性でオリジナリティを加えた良作でした。

こういう個性的な映画がどんどん作られると嬉しいですね!

ここまで読んでいただきありがとうございます。Netflix『ターニング・ポイント』レビュー終わり!

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