Netflix『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』全8話ネタバレ感想:各エピソードあらすじ,キャスト考察

  • 2022年12月11日

5話「ピックマンのモデル」ネタバレ感想

驚異の部屋 5話「ピックマンのモデル」

©︎Netflix

原題「Pickman’s Model」
監督:キース・トーマス
脚本:リー・パターソン/ギレルモ・デル・トロ(兼制作)
原作:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
キャスト:ベン・バーンズ、クリスピン・グローヴァー

5話あらすじ

芸術大学に通う才能豊かなウィルは新入生のリチャード・ピックマンが書いた腐乱死体のデッサンを見て驚愕する。

ピックマンはいつも墓場で絵を描いていた。彼の才能に興味を持ったウィルは彼の宿舎を訪ねた。

ピックマンは「私の一族には魔女がおり、儀式で夫の死体をみんなで食べた逸話がある」と話した。

ウィルはピックマンの絵(魔女たちが死体を食べている)を見て吐き気をもよおし、その場をあとにした。

十数年後ウィルは結婚し、芸術家としての確固たる地位を手に入れていた。妻のレベッカと息子のジェームズもいる。

そんな中、美術協会にさっそうと現れたピックマン。彼はウィルの家にやってきて不敵に笑う…。

エピソード5 感想・考察

第4話も素晴らしかったですが、それ以上に最高だった5話。

ウィルはピックマンの絵が怖くなって彼を銃殺→呪いを受けたウィルの妻が自分で目をくり抜いて息子の生首をオーブンで焼いてしまうブラックな結末は圧巻でした。

1900年代初頭を舞台にしたゴシックな雰囲気でサウスパークを実写化したような場面を見せつけるのですから衝撃度は半端ありません。

バラバラ死体が並んだ晩餐のシーンにも度肝を抜かれました。さすがに息子の生首は影しかみせなかったですが(笑)。

行き過ぎた芸術家を描いたストーリーも面白かったです。

結局、ピックマンの芸術を理解できるのはウィルだけでした。しかしウィルは恐怖からその芸術を拒否し、悲劇が降りかかってしまいます。

ギレルモ・デル・トロなど優れた映画監督の脳内にも、ピックマンが言っていた美しい恐怖が詰まっているのでしょう。

6話「魔女の家での夢」ネタバレ感想

驚異の部屋 6話「魔女の家での夢」

©︎Netflix

原題「Dreams in the Witch House」
監督:キャサリン・ハードウィック
脚本:ミカ・ワトキンス/ギレルモ・デル・トロ(兼制作)
原作:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
キャスト:ジーナ・デイヴィス/イスマエル・クルス・コルドバ

6話あらすじ

ウォルターは幼少期に病死した双子の妹・エパリーと再会するため、スピリチュアル協会で熱心に活動していた。

あるネイティブアメリカンの男性から“金の液体”をもらったウォルター。それを飲むと意識だけが抜け出し迷える魂の森(リンボ/煉獄)への扉が開く。

ウォルターはその森の中でエパリーを見つける。しかしウォルターは現実世界に戻されてしまう。

ウォルターはその昔処刑された魔女キザイア・メイスンが住んでいたボロアパートの部屋を借りる。

部屋には人の顔をしたネズミが隠れ住んでおり、夜になると魔女キザイア・メイスンが夢に現れた。

ウォルターは再び金の液体を飲み、迷える森でエパリーと会うが…。

エピソード6 感想・考察

汚い言葉をしゃべる人面ネズミのキャラが最高でした。

魔女のキザイアはエパリーに倒され、エパリーは再び死者の世界に戻って終了かと思いきや、人面ネズミがウォルターの体内を食い荒らして体を乗っ取る結末です。

最初の独白では「ハッピーエンドになる」と言っていましたがこれは人面ネズミ声であり、彼にとってのハッピーエンドという意地悪な結末の伏線になっていたのも面白いです。

7話「観覧」ネタバレ感想

7話「観覧」

©︎Netflix

原題「The Viewing」
監督:パノス・コスマトス
脚本:パノス・コスマトス/アーロン・スチュワート・アン/ギレルモ・デル・トロ(兼制作)
キャスト:ソフィア・ブテラ/ピーター・ウェラー

7話あらすじ

天体物理学者のシャーロット、ミュージシャンのランドール、超能力者のターグ、小説家のガイは大富豪のラシターのモダン邸宅に招待される。

一同は赤い大きな部屋で円形のソファに腰掛ける。シンセサイザーや電子音をメインにした音楽が招待客を高揚させた。

ラシターは特別なウイスキーを、専属医師ザーラはマリファナやコカインをみんなに振る舞った。

ラシターは奥のオベリスクという部屋にみんなを案内する。そこにあったのは未だかつて人類が遭遇したことのない未知の物体だった…。

エピソード7 感想・考察

1980年代前後の雰囲気を醸し出した映像に、近未来的デザインな部屋での異様な飲み会。音楽のチョイスもパーフェクト。

シネマグ

考えうる最高の飲み会ですね。

ちょっと参加したいと思いました。未知の物体から怪物が生まれ、みんなをレンジに入れられた猫のように内側から爆破させて殺す結末さえなければですが。

デヴィッド・リンチの『ツインピークス』のブラックロッジをキューブリックがデザインし直したような部屋のデザインに脱帽でした。

このエピソード自体がひとつのコンセプチュアル・アートといえるでしょう。

原哲夫ウィスキーってなんでしょう?ギレルモ・デル・トロが北斗の拳のネタを入れたかったのでしょうか(笑)

感想を語る犬
みんなが爆発する結末も北斗神拳にかけてたとかw?

シーズン1最終回 第8話「ざわめき」ネタバレ感想

Netflix驚異の部屋 シーズン1最終回 第8話

©︎Netflix

原題「The Murmuring」
監督:ジェニファー・ケント
脚本:ジェニファー・ケント/ギレルモ・デル・トロ(兼制作)
原案:ギレルモ・デル・トロ
キャスト:エッシー・デイヴィス/アンドリュー・リンカーン

8話あらすじ

タカなどの脅威が迫ると群れで飛び立つ不思議な正体を持つ鳥・ハマシギを研究しているナンシーとエドガーの夫婦。

1年前に子供を亡くすという悲劇に見舞われて夫婦関係は破綻しかけていた。

そんな中、ハマシギの生態調査のためにビック・ハーバー島へ滞在することになる。

滞在した屋敷は、以前住んでいた女性が息子を殺して自殺したいわくつきの場所だった。

ナンシーは鳥の鳴き声の録音から「僕、寒いの」と言う声を聞いて驚いた…。

エピソード8 感想・考察

驚異の部屋の唯一のハッピーエンドで、ハマシギの群れを見て子供を失った失望を乗り越えるラストには感動しました。

ただ屋敷で幽霊は出てくるものの全体的にホラー感は抑え目で、満足度はイマイチ。

あとはウォーキング・デッドのリック(アンドリュー・リンカーン)を久しぶりに見れて嬉しかったです。

最後のまとめ

Netflixホラー『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』は、おぞましい造形の怪物が展示される博物館的なコンセプトが素晴らしい怪作ドラマ。

こんな攻めた企画はネットフリックスならではですよね。有名監督に芸術的な短編を作らせるオムニバスシリーズがどんどん作られたらいいと思います。

海外評価も高いので驚異の部屋の続編・シーズン2も制作されるのではないでしょうか。期待大です。

ここまで読んでいただきありがとうございます。『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』(Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities)レビュー終わり!