Netflix『金魚妻』は 篠原涼子や長谷川京子らタワマン住み美魔女たちが、大胆な濡れ場を見せる不倫ドラマ!R18+で『全裸監督』の女性版かと思いきや、その実態は昼ドラを薄っぺらくしたような内容ゼロのひどい駄作。
同名ヒットマンガの実写化ですが寄せ集めの女優PVのようで、ツッコミどころ満載のままエピソード全8話で終了する残念な作品でした。
水槽の中の金魚が、不倫・エロというエサ(宣伝)に釣られた私たち視聴者を表現しているようです(笑)。
相関図・全キャスト紹介、ぶっちゃけ感想・評価、篠原涼子キャスティングの意図、ストーリー最後の意味やツッコミどころ、全8話ネタバレあらすじ最終回解説を知りたい人向けに記事をまとめました。
鑑賞中にかなりストレスが溜まったので、言いたいことが山ほどあります。
ただあまりにも悪口になるといけないので、冗談を交えながらレビューしていきます。
最初で断っておきます。かなり辛辣な感想になってしまいましたが、誹謗中傷の意図はありません。色々とがっかりしただけです。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)
ドラマ『金魚妻』相関図・登場人物|キャストの印象
平賀 さくら|演・篠原涼子(『ラストシンデレラ』など)→いつものトレンディドラマ風の演技…、主題歌「Crazy for you」も歌ってます。ちなみに原作漫画のさくらは24歳の設定。
豊田 春斗(はると/金魚屋店主)|演・岩田剛典/がんちゃん(三代目 J SOUL BROTHERS兼EXILEメンバー,『新解釈・三國志』など)→人間ドラマ的に1番大事なキャラのはずが、深みが感じられず。岩ちゃんは2022年公開の『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』にも出演!
平賀 卓弥(たくや/さくらの夫)|演・安藤政信→いいクズ男っぷり
箱崎 ゆり葉(卓弥と不倫/改装妻)|演・長谷川京子→役作りせずいつものキャラで登場しているようにしか見えない
慈子(ひさこ/頭痛妻)|演・松本若菜→ザ・薄幸の変態妻
馬場|演・眞島秀和(『大怪獣のあとしまつ』)→不甲斐ない感じがグッド
志村 優香(ゆうか/外注妻)|演・中村静香→ちゃんと不倫してるのはコイツくらい
久保田 潤(じゅん/優香の元カレ)|演・久保田悠来→ザ・チャラ男
保ヶ辺 朔子(のりこ)|演・瀬戸さおり→素敵な弁当妻
保ヶ辺 太朗(たろう/朔子の旦那)|演・藤森慎吾(オリエンタルラジオ)→いつもの藤森さん
津多(太朗の部下)|演・神田穣
真田 颯太(そうた)|演・犬飼貴丈→タワマン上階に媚びる薄っぺらい人間
真田 早矢(さや/颯太の妻)|演・岩井杏奈→薄っぺらい引きこもり
寧々(ねね/サロンスタッフ)|演・川﨑珠莉(吉本興業所属)→トップレス脱ぎ要員扱い…
占い師メイ|演・峯村リエ→女版の喪黒福造
豊田 蘭(らん/春斗の妹)|演・福本莉子→お兄ちゃん好きキャラのステレオタイプすぎ
加代(かよ)|演・堀未央奈
五条 百樹(ももき/大工)|演・深水元基
坂東真沙子(まさこ/春斗の元カノで弁護士)|演・水上京香
美容サロンの客|演・鈴木杏樹(最終回カメオ出演)
Netflix『金魚妻』ネタバレなし感想・あらすじ
あらすじ:タワーマンションの最上階で暮らしているさくら(篠原涼子)は、夫・卓弥の不倫の気配に気づき、仮面夫婦生活に悩んでいました。そんなある日、金魚屋を営む若くて素敵な男性・春斗(岩田剛典)と出会い…。
ひとことで言うと、濡れ場以外に見どころのないペラッペラの期待はずれドラマ。
ストーリーや人間ドラマが浅すぎです。
Netflix邦ドラマとしては1月公開の『新聞記者』のクオリティの方が断然上です(こちらも色々問題になってますが)。
他には斎藤工主演で男性妊婦を描いた『ヒヤマケンタロウの妊娠』などを観た方が面白いしためになります。
原作小説を薄っぺらくした映画『桜のような僕の恋人』など、ネトフリ国内作品は順当に駄作も発表していますね…。
ちなみに年齢制限はR18+ですが、『全裸監督』ほどのヤバいシーンはありません。濡れ場でトップレスになっているのは川﨑珠莉さんだけ。特に篠原涼子については地上波でもOKレベルの濡れ場です。
おすすめ度 | 38% |
ストーリー | 35% |
メッセージ性 | 30% |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.2(10点中) |
※以下、Netflix実写ドラマ『金魚妻』のストーリーネタバレありなので注意してください!
Netflix『金魚妻』全8話ネタバレあらすじ解説
第1話「金魚妻」
©︎Netflix
舞台は都内の高級タワーマンション。
今日は、さくら(篠原涼子)の誕生日。美容サロンを経営する夫・卓弥(安藤政信)は、同じくタワマンに住む ゆり葉(長谷川京子)と部屋で激しい不倫セックスに励んでから、さくらのパーティーに出席。
2人はオシドリ夫婦のように見せかけていましたが、卓弥がサロンの宣伝のために仲の良さをアピールしているだけでした。卓弥は新店舗のオープンを発表します。
33階に住む占い師・メイは問題を抱えていそうな人妻たちに「ツインレイ(魂の片割れ:運命の人)を探すのは悪いことではない」と言います。
さくらはゆり葉が自分の香水をつけていることに気づきますが、何も言えません。ゆり葉はこちらを見て笑っています。
さくらは、数年前に建設現場から降るガラスから女の子をかばって肩に破片が刺さり、ハサミをうまく握れなくなっていました。卓弥は独断で新店舗の経営を不倫相手の寧々(川﨑珠莉)に任せ、さくらはショックを受けました。
さくらは近所の金魚屋「金魚のとよだ」で店主・春斗(はると/岩田剛典)に水をかけられ、中に入って綺麗な金魚に感動。
さくらは、自分の名前と似ている桜琉金という金魚が黒ずんでいたけど復活した、という話に感動し、その金魚を飼うことに。
さくらは春斗と仲良くなり一緒に遊覧船でデートをしました。
©︎Netflix
夜家に帰ると、夫・卓弥がキレて金魚鉢を叩き割り、さくらにビンタ。「お前は手も動かない、子供も産めない不良品だ!」と言い放ちます。
さくらは雨の中金魚を持って飛び出します。春斗が傘を持ってさくらを抱きしめました。春斗は金魚を塩水に入れ、「これでよくなる」と言います。
2人は惹かれあい、体を重ね合わせました。
第1話 終わり
第2話「外注妻」
©︎Netflix
さくらと春斗が一緒にいるところが誰かに写真に撮られ、タワマン内やメディアで不倫の噂が広まります。行くあてのないさくらは、春斗の金魚屋でバイトをすることに。
タワマンの3階に住む颯太は、卓弥に媚を売って会社の商品を置いてもらおうとします。さくらの不倫を知った卓弥は、颯太を金魚屋に突入させました。
すみだ建設で働く優香(中村静香)は、夫・実(みのる)と仲良しでしたが夜に抱いてもらえず不満が溜まっていました。同じタワマンに住む友達の朔子(のりこ/瀬戸さおり)に「仕事もセックスも外注かなあ」と愚痴をこぼします。
そんなとき、刺激的だけど嫌な奴だった元カレ・潤から電話がかかってきました。優香は潤の誘いで酒を飲みに行き、彼にキスされます。
その場では拒否した優香ですが、後日33階に住む占い師のメイ(峯村リエ)から「内なる声に耳を傾けろ」と言われ、ついに潤と不倫セックスをしました。
優香はこのままではダメだと思い元カレ潤の連絡先を消しますが、道でバッタリ会いそのままラブホへ直行。
春斗は金魚を飼うコツは「よく観察することだ」とさくらにアドバイス。店に来た颯太に突き倒され、春斗が腕に怪我をします。
さくらは飼っている金魚に「はる」と名付けました。
第2話 終わり
第3話「弁当妻」
タワマンに住む朔子(のりこ)。夫・太朗(藤森慎吾)は、「子供を作りたいけど、最近セックスレス気味だから」と、部下の津多を連れてきて朔子に触れさせ、興奮したところで津多に帰ってもらいセックスをします。次の日も同じことを繰り返しました。
朝、朔子は津多のぶんも弁当を作っていました。会社にいる太朗から弁当を忘れたと電話がかかってきて、津多が病欠していると知ります。
©︎Netflix
朔子は津多のアパートへ行って弁当を渡し、「私が作ったご飯をあなたが食べているところを見ると興奮する」と告白。
朔子と津多は熱い肉体関係になりました。
一方、春斗の店に妹の蘭がやってきて、「兄が幸せになれないので別れてください」とさくらに言いました。
卓弥が店にやってきて桜ピンポンパールという金魚を買っていきます。
さくらは一旦タワーマンションに戻りました。卓弥は「ちゃんと謝れば許す」と言い放ちます。
さくらは怒りを露わにして結婚指輪を外し、金魚を持って春斗のところへ戻ります。
第3話 終わり
第4話「伴走妻」
颯太の妻・早矢はタワマンの3階で引きこもりがちな生活を続けています。
早矢は元陸上部で、以前は夫・颯太を引っ張ってランニングしていました。しかし現在、颯太は仕事やマラソンに夢中になり、自分を見てくれません。
マラソンサークルを運営する颯太に、人妻の美麻から「合宿に参加する」と電話がかかってきました。あえぎ声が聞こえ、明らかに電話の向こうでヤってます。
合宿当日、颯太は美麻から「夫が私たちの不倫を疑ってたから、仕方なくヤりながら電話した」と聞かされました。
そんな中、走っていた美麻の夫の具合が悪くなり、颯太も病院へ付き添います。
颯太は美麻から「奥さんに伴走してあげて」と言われ、早矢を大切にしていなかったことに気づきました。
一方家出していた早矢は、卓弥と浮気する寸前で颯太からの電話で踏みとどまり、外へ飛び出ます。合宿所から走ってきた颯太と抱きしめ合いました。
©︎Netflix
第4話 終わり
第5話「頭痛妻パート1」
タワマンに住む慈子(ひさこ/松本若菜)は、突発性の頭痛に悩まされていました。
ある日犬の散歩で馬場(眞島秀和)という男性に会います。慈子は頭痛で気分が悪くなり馬場のアパートへ。馬場は「以前はタワマンに住んでいたが、自分が浮気してしまって追い出された」と口にします。
不倫と聞いた慈子は再び頭痛に襲われて寝込みます。
目を覚ますと、馬場が手を握っていました。馬場は慈子にキスをします。
©︎Netflix
慈子は欲求に溺れそうになりながらも、なんとか馬場を押しのいて部屋を出ました。
後日、慈子は行ってはダメだと思いながら、馬場の部屋を訪ねて不倫セックス。慈子は葛藤しながらも、脱毛サロンでアンダーヘアの処理をします。
一方、さくらの夫・卓弥は春斗の父で実業家の貴左也(きさや)を訪ね、妻と春斗が浮気していると相談。
金魚屋に、元カノで貴左也の顧問弁護士でもある真沙子(まさこ)がやってきて「不倫の悪評が父親の会社に影響する」と言いました。貴左也も店にきます。
さくらは「私が悪かった」と貴左也に謝罪し、出ていきました。
妹の蘭は「結局、お兄ちゃんは本気じゃなかった」と言います。
春斗は「俺に資格はない。数年前にお前に工事現場のガラスが降ってきたときかばってくれたのがさくらで、俺は何もできなかった」と真実を話しました。
蘭は驚きます。
第5話 終わり
第6話「頭痛妻パート2」
慈子は息子・勇太から「ママの秘密を知ってる」と言われて動揺します。慈子は馬場に「もう会わない」と電話しました。
勇太は馬場のアパートへ行きます。馬場の本名は田口卓三で、慈子の本当の夫でした。勇太は、「浮気のショックでママが解離性障害になっていてパパの記憶がない」と父・卓三に話します。
慈子は勇太の部屋で、馬場と勇太と自分3人で写っている写真を見つけて驚きました。
卓三は、慈子や勇太と夏祭りで取った金魚が弱っていると気づき、春斗の金魚屋へ。春斗は「夏祭りで出店を出したときにあなたたちが来たのを覚えている」と言います。
慈子も写真に写っていた出店の名前を頼りに春斗の金魚屋へやってきました。卓三は慈子に「自分が夫だ」と告白します。
一方、春斗のもとをさったさくらは群馬の田舎の理容室で働いていました。卓弥が居所をかぎつけてやってきます。
さくらが離婚しようと言ったことに逆上した卓弥は、ビンタをしてさくらを襲おうとします。
第6話 終わり
第7話「改装妻」
真沙子からさくらの居場所を聞いた春斗がやってきて、卓弥を止めました。春斗はさくらをホテルへ連れていき、「数年前にあなたが妹の蘭を助けてくてた。本当は再会できてうれしかった」と話します。
春斗は父・貴左也から、「もう1度経営を継ぐチャンスをやるから戻ってこい」と言われますが、金魚店がやりがいがあると断りました。
さくらが経営を離れてから卓弥のサロン店は低迷し、寧々や加代、遼太郎などのスタッフが次々に辞めていきました。さくらがいないせいでスポンサーにも降りられます。
一方、ゆり葉は義母・両子の一戸建てに同居することになり、そのリフォームを手伝っていました。
両子は大工の百樹(ももき)の頭のアザをバカにします。その後、ゆり葉は百樹に謝り、自分の頭にも生まれつきアザがあるけど化粧で隠していると言いました。
百樹は背中のフクロウのタトゥーのせいでスーパー銭湯にも行けないと妻にバカにされ、ゆり葉の家を訪ね、化粧で隠す方法を教わります。
©︎Netflix
後日、リフォームの計画でアザを隠すために2階に化粧室が欲しいというゆり葉の案が義母に断られ、ゆり葉はショックで外に飛び出しました。
ゆり葉は百樹に手を握られ2人はホテルへ。
百樹はゆり葉のアザを美しいと良い、2人は体を重ね合わせます。
第7話 終わり
シーズン1最終回 第8話「金魚妻」
さくらは卓弥が乱暴したときの動画をスマホで撮影していました。弁護士の真沙子はそれを卓弥に見せ、離婚を持ちかけます。
卓弥は夫婦円満調停を持ちかけ、さくらは家庭裁判所に呼ばれました。
卓弥は弁護士たちの前で、「仕事ができるさくらを見て不安になり、浮気をしても離れていかないか試した。本当は愛していた。離婚を了承する」と涙を流します。
卓弥が心配になったさくらはタワーマンションへ。ゆり葉と会い、サロンが低迷してローンで潰れかけていると聞きます。
さくらは加代や遼太郎にサロンに戻るよう頼み、出資者も説得。お店も卓弥も放っておけなかったのです。
さくらは春斗とアートアクアリウム展へ行った後、「さよなら」と涙を流して別れを切り出しました。2人は最後のセックスをします。
翌朝、さくらは金魚にお辞儀をして店から出ていきました。
2年後
優香は妊娠し、「夫と不倫相手どっちの子かわからない」と友達の前で笑います。
朔子は夫・太朗を捨て、津多と再婚しました。
慈子は卓三と勇太と3人で、別の場所で一緒に暮らしています。
颯太は早矢と一緒にランニングしていました。
卓弥の店を軌道に乗せたさくらは離婚をし、自分のお店SAKURAをオープン。
©︎Netflix
今日は花火大会です。
さくらは以前春斗と一緒に来た鎌倉のビーチに来て花火を眺めました。
©︎Netflix
春斗も別の場所から花火を眺めています。
ドラマ『金魚妻』最終回第8話 終わり
Netflix『金魚妻』ネタバレ感想・酷評
1話の開始0秒で長谷川京子の濡れ場を持ってくる攻めた姿勢はありましたが、ドラマ全体を通してただのちょいエロのかき集めだとわかって絶望でしたね。
露出度が高いぶん、知能指数は低めです。
冒頭のブログ読者アンケートは1150件いただき、「ひどいつまらない!」への投票がトップで35%、その次が「イマイチ、見なくていい」23%と、否定的な意見がNetflixユーザー全体の58%(6割弱)という、圧倒的低評価!を誇っています。
製作側には「不倫とエロスをエサにすれば視聴者は寄ってくるだろう」という意図があるのでしょう…視聴者を金魚に見立てているのは上手いですね(笑)。
ドラマ『金魚妻』のような中身のない不倫オムニバスは、ジャンルで分類するともはや“キワモノ”です。
濡れ場があってもいいし、不倫が題材でも全然いいです。でも、それオンリーはダメ。不倫のシーンをツギハギにしたようなものをドラマとして配信するのはやめてください。
ストーリー性やメッセージ性を大切にしてくださいよ。
本作は並木道子監督と脚本・坪田文の女性コンビで制作なので、ターゲット層は刺激を受けたい女性なのでしょうけど、その人たちは満足できたのでしょうか?そうは思えません。
このクオリティでは原作漫画ファンも怒るのでは?
Netflixは『全裸監督』シリーズの成功があったので、不倫がテーマで濡れ場満載の『金魚妻』の漫画原作に目をつけて実写化したのでしょう。
大きな違いは『全裸監督』はエロはあくまで手段で、人間ドラマとして見てもカタルシスがあって傑作なのに対し、『金魚妻』は底の浅すぎるストーリーのせいもあって、エロが目的と化していること。
予告では“妻が不倫に至った理由とは…”みたいな刺激的なふれ込みでした。
しかし、篠原涼子演じるヒロイン・さくらの夫がサイコパス系のDVクズ男であるなど、逃避行に走る正当な理由があり、不倫行為にギルティ(罪悪感)がまったくありません。
他にも、長谷川京子演じるゆり葉(家では家政婦扱い)たちなど、そもそも夫婦関係に明らかな問題がある人ばかりで、不倫してもしょうがないとすら思えます。
つまり本作は、そもそも不倫の葛藤を扱ったドラマでなく、問題があって別れざるを得なかった過程を描いただけなんですよね。それもうわべだけ。倫理的に攻めた展開も名セリフもなしです。
キャラ設定も、男側が悪で女は悪くない勧善懲悪的なため、深みはゼロ。観ながら倫理観が揺さぶられることも、考えさせられることもありません。
また、本作はモチーフである金魚のメタファー(暗喩)も上手く機能していないです。
「金魚をよく観察しよう。混泳はダメ」など、人間関係に当てはめたいのでしょうけど、そもそも登場キャラ同士の関係が薄すぎるせいで効果的ではありません。
述べたさまざまな理由から、脚本・脚色の段階で、すでにドラマとしてのクオリティを放棄したように思えます。
実写と漫画では求められるリアリティが変わりますが、その辺も考慮されていません。
タワマンの妻同士の絡みも少なく、一体なんのために金魚妻の原作を無視してタワマン設定にしたのでしょう?
住民同士の格差をちょろっと提示しただけで、タワマン舞台が全く活きていません。韓ドラ『スカイキャッスル上流階級の妻たち』みたいな、ドロドロ感やカタルシスは皆無です。
『金魚妻』ラストの意味/最後もひどい・ツッコミどころ
女優・俳優の濡れ場で視聴者を集める低俗さのみで深みが全くない根本的な問題以外に、『金魚妻』はストーリーにたくさんのツッコミどころを抱えていました。
メインの物語である篠原涼子演じるヒロイン・さくらについては、最終回第8話でサイコパスDV夫・卓弥が経営する店が潰れかけているのを知り、春斗と別れて経営を手伝います。
DV男に寄り添う時点で意味不明です。Youtubeの海外レビュアーも「理解不能」と笑ってました。
ただまあ、サロンは共同経営だったので百歩ゆずって店を潰したくないというのはわかります。
そしてラストシーンですが、さくらが以前春斗とデートした鎌倉の海から、春斗は近くのコンビニから花火を見上げ、そこが最後の場面です。
春斗はうれしそうに小走りなので、彼も海へ行って2人は再会するという解釈が近いのでしょう。
ただ、春斗は毎年花火を見に行っているようなので(妹・蘭の発言から)、今年も会えるかはわからないと考えることも可能。
話は変わって、たとえ本作がちょっとドキドキの不倫オンリーが見どころだと割り切って作られていたとしても、お互いにジワジワと駆け引きするような大人な計算高さは一切なく、不倫中にも関わらず春斗が遊覧船でいきなり叫び出すなど、リアリティのかけらもありませんでした。
他のタワマン妻に関しても、不倫に至る過程のほとんどが偶然と衝動で見応えゼロ。
不倫が夫にバレないようにしている女性もゼロで、例えば優香(中村静香)は元カレから電話が来るとわかっているはずなのに、スマホをテーブルに置きっぱなしです(笑)。
あとは、春斗が都合良く現れて卓弥から守ってくれるなど、ご都合主義も多すぎでした。
篠原涼子キャスティングの意図・脱ぎ役の是非
不倫キャスト+原作大幅改変の強気姿勢
Netflix実写『金魚妻』で良かったのはキャスティングだけでしたね(ある意味…)
韓国のアイドルグループ・SUPERNOVAのグァンスと“アンクレット不倫”が話題になった篠原涼子と、女性にだって性欲はあると言わんばかりの性に奔放なお姉様キャラで人気の長谷川京子は、ある意味本人キャスト。
特に篠原涼子さんについては、本作で健気な不倫妻を演じて逆に不倫問題を払拭したい意図があるのでしょうか? マイナス×マイナスはプラス的な。
まあ、2021年夏頃の不倫報道の際はもう企画や撮影が進んでいたのでしょう。
『金魚妻』は当初は2021年に配信予定だったようなので、もしかすると不倫報道とかぶらないように、時期をちょっとズラしたのかもしれませんね。
ちなみに最終回に出演する鈴木杏樹さんも2020年に喜多村緑郎との不倫がスクープされていました。
そもそも金魚妻は原作では24歳女性なので、篠原涼子さんのキャスティングは漫画と年齢設定が大幅に違う面でもかなりチャレンジングでした。
結果ドラマの結末は、原作でさくらと春斗は子供ができて幸せに暮らしたというラストから大幅に変更され、2人が意味不明に別れる最後となりました…。
1人だけ脱ぎ役ってなんだかなあ…
胸の先端まで脱いだのは、ヒロインの夫・卓弥と不倫する寧々役の女優・川﨑珠莉(かわさきじゅり)さんだけ。
他の女優が脱がずに下着きたままなぶん、川﨑珠莉に脱がせているという印象でした。
大女優たちは脱げないから、そこまで知名度の高くない川﨑珠莉さんのシーンで満足させる意図があったのでしょうか。
みんな脱ぐならまだしも、1人だけ脱ぎ役…。しかも脇役。なんかフェアじゃないというか、尊厳のない扱い方にみえて好きではありません。
女優の格差が浮き彫りで、パワハラっぽいですね。
Netflixドラマ『金魚妻』作品情報
英題:『Fishbowl Wives』
監督:並木道子(『最高の離婚』)
脚本:坪田文(『ずっと独身でいるつもり?』『金の国 水の国』)
原作:黒澤R 漫画『金魚妻』(グランドジャンプめちゃ)
プロデューサー:中野利幸
製作:Netflix・坂本和隆
制作:フジクリエイティブコーポレーション
『金魚妻』の原作マンガの方が全然感情移入できます。
最後のまとめ
Netflix『金魚妻』シーズン1は、不倫というエロティックな題材で視聴者数を稼ぐ意図があるように見えてしまいました。
酷評になってすいませんでした。ただ、日本のドラマを応援したいのにこのクオリティでがっかりしてしまっただけです。シーズン2が作られないことを希望します。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『金魚妻』レビュー終わり!