映画『呪術廻戦0』は、乙骨憂太と里香(リカ)ちゃんの絆を描いたコミック0巻「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」を、劇場版ならではの圧倒的迫力で完全再現!
ネタバレ感想・評価、里香ちゃんのメタファー考察、ラストの五条のセリフ解説、ストーリーネタバレあらすじを知りたい人向けに記事をまとめています。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)
映画『呪術廻戦0』キャスト・作品情報
監督:朴 性厚
脚本:瀬古浩司
原作:芥見下々「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」
制作:MAPPA
キャラデザイン:平松禎史
キャラ相関図
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映画『呪術廻戦0』キャラ・声優一覧
乙骨憂太|CV:緒方恵美(『エヴァンゲリオン』シンジ役)
祈本里香|CV:花澤香菜
禪院真希|CV:小松未可子
狗巻棘|CV:内山昂輝
パンダ|CV:関智一
五条悟|CV:中村悠一
夏油傑|CV:櫻井孝宏
夜蛾正道|CV:黒田崇矢
伊地知潔高|CV:岩田光央
ミゲル|CV:山寺宏一
枷場菜々子|CV:松田颯水
枷場美々子|CV:松田利冴
劇場版・主題歌はKing Gnuの「一途」
激しいテーマソング「一途」。レッチリの曲を複雑にしたような疾走感のあるナンバーですね!
劇場でエンディングでかかったのもKing Gnuの「逆夢」。メロディが個性的で切ない!コード進行に凝った素晴らしい楽曲でした。
ネタバレなし感想・見どころ・あらすじ
あらすじ:小学校の頃の彼女で事故死したリカちゃんに取り憑かれている乙骨憂太。リカちゃんの暴走による社会への被害を危惧した呪術界は乙骨の死刑を決めますが、五条悟は自分が面倒を見ると言いました…。
呪術廻戦のファンの間でも絶賛されている、虎杖悠仁が主人公の本編の前日譚を描いたコミック0巻の内容が完全再現されています。
難しいストーリーではないので、0巻を読んだことがない人や、そもそも呪術廻戦を知らない人が見ても楽しめるでしょう。
劇場特典で0巻ストーリーのネームが入った呪術廻戦0.5巻がもらえたのも嬉しかったです。
ただ、すでに漫画やアニメ版を見ている筆者としては、予想を超えるようなクオリティではなかったというのが正直なところ。
漫画『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)』の0巻〜最新17巻までの、各巻ごとのあらすじネタバレまとめです。よく練られた能力バトルモノで、キャラも展開も最高!鬼滅の刃を超えるかも!単行本のストーリーの流れを、各巻ごとに読みやすい文[…]
おすすめ度 | 83% |
切なさ | 86% |
ストーリー | 84% |
IMDb(海外レビューサイト) | 8.6(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)※随時更新 | 批評家% 一般78% |
※以下、劇場版『呪術廻戦0』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『呪術廻戦0』ネタバレ感想・評価
コミック呪術廻戦0巻のメッセージ性が強いストーリーを完全に再現していて見応えがありました。
一方で、そもそも呪術廻戦はアニメ版が素晴らしすぎるので期待値が上がりすぎていたせいか、物足りなさもありました。
戦闘での動きなど劇場版がアニメを超えてくるか?と思いきや、正直そうでもなかった印象です。
演出も0巻そのまま再現した箇所が多く、0巻を読んだ時の感動を超えるか?と考えても微妙。
原作と比較すると五条とミゲルの戦闘や、東堂など百鬼夜行での戦いがプラスされていましたが、尺的にもオマケ感が強かったです。
例えば『鬼滅の刃劇場版 無限列車編』の場合、コミックの絵をはるかに超えるような描写や演出でストーリーを膨らませていましたが、それと比較すると「呪術廻戦0巻を劇場版ではこういう風に解釈して再現したんだ」という驚きが少なかったです。
話はわかりやすいですが、子供でもわかる勧善懲悪ではないこともあり、鬼滅の刃の映画ほどヒットすることはないでしょう。
なんか酷評になってしまいましたが、『劇場版 呪術廻戦0』は期待値を上げすぎなければ普通に良作だと思います。
考察:りかちゃんのメタファー/乙骨と五条の孤独
愛する者を一瞬で奪われる悲しみ
劇場で見た里香ちゃんは迫力がすごくて、怖いほどでした。ひずんだ声にもビビりましたね。声優・花澤香菜さんはあの声をどうやって出しているのでしょうか?ダミ声+エフェクト加工ですかね。プロはすごいです。
里香ちゃんの正体は乙骨自身の呪いであり、「愛ほど歪んだ呪いはない」という五条のセリフが伏線となっています。
里香ちゃんは愛する者を一瞬で奪われた行き場のない悲しみのメタファーといえるでしょう。
呪術廻戦0巻が名作たる所以も、怒り・悲しみ・不条理との葛藤などのドス黒い感情をコントロールできなければ他者を傷つけてしまうとメタ的に表現していたからだと思います。
無垢な少女を醜い怪物に変貌させた呪いという形で、負の感情には取り返しがつかない側面があると視聴者に徹底的に突きつけていました。
また、作者の芥見下々先生が宮城県仙台市出身なこともあり、里香ちゃんは2011の東日本大震災の失望のメタファーになっているのかもしれません。
一見シンプルなストーリーである『呪術廻戦0』がはらんでいる狂気は相当であり、人の心を打つ理由がわかります。
乙骨と五条の対比
乙骨に自分を重ねた五条
五条はなぜ死刑宣告された乙骨を助けたのでしょうか。
罪のない乙骨の殺害が主義に反するのは前提としてありますが、乙骨に自分の姿が重なって見えたというのが1番の理由だと思います。
五条はその強さゆえに孤独です。唯一分かり合えた親友・夏油傑は数年前の天内理子を守る任務で正義を見失って暴走してしまいました。
自分と同じく孤独だった乙骨を助けずにはいられなかったのでしょう。
さらに乙骨≒五条だとすれば、里香ちゃん≒夏油の存在も対比で浮かび上がってきます。
里香ちゃんと正しく別れられた乙骨、夏油を正しく導けなかった五条というコントラストが素晴らしいです。
里香が放ったのは茈(むらさき)?
原作漫画ではわからなかったですが、里香ちゃんが夏油に放った一撃は、五条先生の必殺技嘘式・茈(むらさき)のようでした。
乙骨憂太は相手の能力をコピーできるチート能力を持っています。
五条先生の親戚だということも判明しましたし、乙骨も五条と同じく無下限呪術を使えるのかもしれませんね。
五条悟が夏油へ送った口パクセリフの内容
ちなみに五条が夏油傑に最後に言った言葉は、確定ではないですが
「僕の親友だよ たった1人のね」©︎呪術廻戦0巻 芥見下々/集英社
だと言われています。
劇場版でも五条の最後のセリフだけ口パクになっていて、その後に夏油が「最後くらい呪いの言葉を吐けよ」と言っていたので、原作漫画と同じセリフでしょう。
映画『呪術廻戦0』ネタバレあらすじ解説
プロローグ
病弱だった小学生・乙骨憂太は病院で祈本里香と出会います。一緒に遊ぶうちに惹かれあった2人は、将来の結婚を誓いあう仲に。
里香は乙骨にペアの指輪をプレゼントしました。
しかし里香は乙骨の目の前で交通事故に遭い、頭を潰されて死んでしまいました。乙骨は愕然と立ち尽くしていると、里香が怨念となって取り憑き、話しかけてきます。
数年後:呪術高専へ転校
いじめられっ子の乙骨憂太は、高校の同級生に殴られそうになります。
彼らの身を案じて近づくなと言いましたが、乙骨に取り憑いている特級呪霊・里香(りか)ちゃんが出現し、いじめっ子たちをロッカーに詰めて重傷を負わせました。
呪術界上層部は乙骨の秘匿死刑を決めますが、五条悟が「呪術高専で乙骨を預かる」と決定を覆しました。
乙骨はナイフで自殺を図りましたが里香ちゃんの呪いで死ねなかったようです。五条は「一人は寂しいだろ?」と乙骨に語りかけます。
乙骨は呪術高専の1年の3人、禪院真希(ぜんいんまき)、パンダ、狗巻棘(いぬまきとげ)に紹介されます。
真希たちは、乙骨を呪っている里香の気配を感じ取って戦闘態勢になりました。
真希や狗巻との任務
乙骨は真希に冷たく当たられますが、ペアで小学校の低級呪霊を祓う任務へ向かいます。
五条が帳(とばり)をおろし、真希が低級呪霊3体を一瞬で真っ二つに。しかし、巨大な呪霊が現れ、乙骨と真希は飲み込まれてしまいました。
呪霊の胃の中には、呪いに体が侵されて死にそうな小学生が2人います。呪い耐性のない真希も気絶。
乙骨は、誰かのために行動し、自分が生きていく居場所を見つける決意を思い出し、形見の指輪をはめて里香ちゃんを開放します。
里香ちゃんは、巨大呪霊を内部から引き裂いて斃(たお)しました。
乙骨は真希と小学生2人を担いで外へ。里香ちゃんの全貌を目撃した五条は、戦うる場合は命懸けになると考えました。
後日乙骨は、五条から里香ちゃんを全解放するのでなく、呪力の一部を刀に込めて戦うように指導されます。
乙骨は、五条の指示で狗巻と商店街の低級霊を倒しに向かいます。
狗巻は呪言でイワシの群れのような低級霊を駆逐しましたが、突如1級レベルの相手が出てきて苦戦。乙骨が呪霊を引きつけて喉の薬を狗巻に投げ、呪言でなんとか倒しました。
五条は商店街の気配から、かつての親友で人間を滅ぼして呪術師だけの世界を作ろうとしている夏油傑が動いていると感じ取ります。
乙骨は真希に厳しい稽古をつけてもらい、3ヶ月後には剣術や体力面を急激に向上させていました。
そんな中、夏油傑(げとうすぐる)が仲間たちと高専に現れます。乙骨や五条の前で、12月24日に東京新宿と京都で百鬼夜行を決行すると宣言し、去って行きました。
乙骨と夏油:最終決戦の結末
百鬼夜行当日、呪術界の関係者や高専の職員はほぼ全員東京と渋谷に駆り出され、夏油が解放した練り歩く呪霊や夏油の仲間と戦っていました。
呪術高専京都校のメンバー、東堂葵、禪院真依、メカ丸、三輪霞、加茂憲紀が街を守ります。
東京では日下部篤也らが懸命に戦っていました。
伊地知潔高は夏油の部下である女子枷場菜々子・美々子が人々を吊るしているのを見て、「まだ戻れる」と忠告しました。
五条は夏油の真の目的が高専にいる乙骨を倒して特級呪霊・里香を手に入れることだと気づき、パンダと狗巻をワープさせました。五条は特殊なロープを操る呪術師・ミゲルと戦います。
禪院真希は夏油の来訪に気づいて戦いますが、一瞬で倒されて重傷。パンダや狗巻も夏油の圧倒的な戦力の前に敗れます。
事態に気づいた乙骨は、真希たちを安全な場所へ運んで反転術式(呪術での治療)を施し、夏油の前に立ちます。
覚醒した乙骨は夏油をスピードで圧倒して殴り倒しました。
夏油は特級仮想怨霊・化身玉藻前(けしんたまものまえ)を出し、さらに自分が過去に集めた呪霊を全て極の番・うずまきに込めます。
乙骨は里香を抱きしめて愛を告白。「夏油を倒したら一緒に天国に逝こう」と言いました。
里香の呪力制限は解除され、巨大な閃光が放たれます。
夏油との戦いに勝利して倒れた乙骨を、真希やパンダが見守ります。乙骨は戦いが終わったら死ぬ契約を結んだと言いました。
五条が現れ、里香が呪っていたのではなく、乙骨が里香を呪っていたのだと教えます。
里香は乙骨の膨大な呪力の集合体として強くなっていたのでした。乙骨は菅原道真の子孫で、五条の親戚でもあったのです。
里香が呪っていたわけではないので、乙骨が死ぬ約束も無効になります。
乙骨に解放された里香の霊魂はかつての姿に戻り、憂太といた6年が幸せだったと言って成仏していきました。
片腕を失って致命傷を受けて逃げた夏油は、五条に見つかります。五条はかつての親友・夏油に最後の言葉を投げかけ、殺害しました。
後日、五条は乙骨に学生証を返し、たった1人の親友(夏油)が拾ってくれたと言います。
エンドロール
少し時は経ち、乙骨は五条の発案で留学という名目でケニアへ行き、ミゲルに面倒を見てもらうことになりました。
映画『劇場版 呪術廻戦0ゼロ』終わり!
最後のまとめ
劇場版『呪術廻戦0』は映画としては佳作という感想でした。ただ、乙骨憂太と里香ちゃんの愛ゆえに呪いあってしまう関係は多くの人に当てはまり、メッセージ性は素晴らしいと思います。
次はコミックの渋谷事変も映画化してほしいです!
ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『呪術廻戦0』レビュー終わり!
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