『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』( EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME)は25年を超える エヴァの歴史に終止符を打った完璧な映画でした。
かなり難解な内容だったので、ストーリーが意味不明だった人のためにあらすじを完全ネタバレでわかりやすく解説(新しい専門用語はリンクで飛べばチェックできます)。
この記事は、
- あらすじ完全ネタバレのわかりやすい解説
- ラストのループ説明動画や図解イラスト
- ループとパラレルの違い、現実と虚構の融合を否定!
- サブタイトル「 THRICE UPON A TIME」やリピート記号:||の意味
などを知りたい方におすすめ。
目次の好きなところから読んでください。
【渚司令の正体や真希波マリについてのシン・エヴァ徹底考察は←こちら】
序破Qのからは予想できない、まさかのマリエンドにびっくり! エヴァの物語は終幕しガチの伝説に!
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ラスト結末は新世界の創造
シン・エヴァのラスト結末については、「アディショナル インパクトのコードをガイウスの槍で書き換え、新たな世界を創造した」ということだと思う。
あとで詳しく解説するが、ラストでマリといちゃつくシーンは、アディショナル インパクトが終わって何年か経ってからのことではなく“もう1回書き換えられた新しい世界”と考えられるだろう。
次は エヴァの世界が旧劇・新劇含めどうループしているかイラストで徹底解説。
複雑なシン エヴァのループをイラスト解説!
シン・エヴァ、新劇・旧劇すベて含めた エヴァワールドの複雑なループをイラストで描いてみた。
上記の図のように考えれば旧劇・新劇のつながりと、シン・エヴァでシンジがループを終わらせた構造が視覚的にわかるだろう。
旧劇も新劇も サードインパクトが起こってまた エヴァに乗らなきゃいけない世界にループする選択肢と、マリが現れて『Q』→『シン・エヴァ』→新世界へ行く選択肢に分かれたという解釈だ。
仮に『破』で サードインパクトが起こったとすると、また最初からやり直しになり、 エヴァに乗る 世界線をループするイメージ。シン・エヴァでは 綾波の願い通り「 エヴァに乗らなくていい世界」に到達した。
シンジの世界書き換え「ネオン ジェネシス・ エヴァンゲリオン」が、 エヴァのいない新世界を創造したのだ。
最後シンジとマリが駅から出るシーンで周囲の風景が実写になっているが、シンジがリセットした世界こそ、2021年の 現代日本だというメッセージも込められているのだろう。
旧劇から新劇へのループつながりが明らかになり、シン・エヴァでさらに新しい世界へ進む。みんなが幸せになり、シンジのおかげでもうこれ以上ループする必要はない。
ループの話をまとめると、最悪なループを抜け出してみんながハッピーエンドに到達した エヴァの終劇に相応しいラストになった。
シン・エヴァ考察/3つ目の新世界への書き換え解説
ラストでまた新しい世界が生まれた
アディショナル インパクトをシンジが書き換えて、次の世界が誕生したと考えられる。
つまり新劇のシンジが転生して、シン・エヴァラストのシンジになったのだ。
前提として、カヲル君が「何回も見てきた」的な発言をしているので、「旧劇」が“前”の 世界線(No.1)で、「序破Q」が“次”の 世界線(No.2)だったことは確定だ。
そこからさらに、『シン・エヴァンゲリオン』のラストで新世界(No.3)に書き換えられた。
「序破Q」のタイトルで考えると、「序1.0」「 破2.0 」「Q3.0」となり、人類史の観点から見ると『シン・エヴァ』の書き換えで『序』と同じラインに戻ったので「3.0+1.0」となったのだろう。
また、シンジの「 エヴァがいない世界を作る」発言も、3つ目の新世界の誕生の根拠になる。
新劇の 世界線には エヴァがすでに存在してるので、全てリセットしないと エヴァのいない世界は作れないからだ。
補足すると、仮にシン・エヴァのラストが新劇と同じ 世界線だとするなら、ほぼ壊滅した地球から10数年で路線や駅、町などの文明が復興した説明がつかないだろう。
エヴァループ説は合ってる?間違い?
「新世界創造とループって違うのでは?」と感じた鋭い人もいるかもしれないが、人類史の観点で考えるとほぼ同じ意味になる。
なのでループ説は合ってるでOK!
シンジが書き換えた時点からまた人類史が始まるのか(新世界創造)、ある地点までタイムバックがなされてループするのかは、宇宙視点で見れば大きな違いはない。
さらにいえば、その地点から再出発の新世界創造だとしても人類史自体はループしているといえる。
ループ説は合っている!
パラレルワールドの否定
新世界は パラレルワールドだ!と解釈している考察サイトも多いけど、僕はパラレル否定派だ。
仮に パラレルワールド説が正しい場合、“繰り返し”知ってるカヲルくんは平行世界を移動していることになる(例えるなら ジョジョ7部・ SBRのバレンタイン大統領みたい)。
さらに パラレルワールドが出来るなら、シンジたちがいくら頑張っても、その世界は絶望状態で残されることになる( ドラゴンボールの未来のトランクスみたいで救われない)。
世界のポイ捨てみたいで浮かばれねえ!
また、カヲルくんの発言通りシンジの名が「生命の書」に記されているとすれば、前の世界のことがいろいろ書いてあるのでしょう。じゃあやっぱりパラレルじゃなくてループだよね。
以上の理由から否定したい。
現実と虚構の融合の否定
シンジが現実と虚構を融合したという意見もネット上にチラホラ見受けられる。
新世界創造イコール現実との融合というものだが、解釈が間違っていると思う。
理由はシンプル。なぜなら融合は、現実という パラレルワールドありきでしか成立しない考え方だから。
映画の世界が最後に現実とリンクした結果だけ見て、プロセスを無視している。
エヴァのいない世界を願ったシンジが“新たに”つくった世界が、今の僕たちが生きている現実だという解釈の方がスッキリする。
融合ではなく、世界を新たに生み出したのだ。
現実と虚構を融合させたのは庵野監督たち作り手で、シンジがやったことではない。
制作者の想いは大切だけど、作品自体との線引きを曖昧にしすぎると物語の大切なメッセージがスポイルされてしまう。
庵野監督だって別に「俺の人生や発言を通して エヴァを解釈してほしい」とは思ってないはずだ。
“現実とくっついた”より、今自分たちがいる現実を作ってくれたのがシンジと エヴァだと解釈した方がループの説明がつくし、より神話的だろう。
現実と虚構の融合はゲンドウが目指した理想に近いよね。シンジはそれを否定したのだから「虚構を書き換えて新たな現実を生み出した」の方が当たってると思う。
式波(シキナミ)アスカのクローンオチ、オリジナル惣流も考察
アスカ(本名: 式波・アスカ・ラングレー)もシキナミタイプと呼ばれるクローンだったことが判明。
さらにアスカは「破」で3号機に乗って初号機にエントリープラグを破壊された時のケガが理由で左目に眼帯をつけていたわけではないことが発覚。
アスカは3号機の 使徒に侵食されていて、それを抑えるために目の中に小型の相補性L結界浄化無効阻止装置を埋め込んでいたとわかった。(円柱を目の中に埋め込まれるとは、WILLE内でのアスカの扱い酷いな…)。
アスカがDSSチョーカーをつけられてるのも、 使徒化しての暴走に備えてなのだろう。
そして第三村での 綾波タイプ(No.6)への発言から、アスカは自分がクローンだと知っていたようだ。
旧劇では廃人と化し、新劇でも絶望を抱えていたアスカ…。可哀想。
惣流がオリジナル、式波はクローン
アスカの苗字が旧劇と新劇で、惣流(そうりゅう)→式波(シキナミ)に変わったのも、惣流はオリジナルで式波はクローンだという解釈もある。
だとすれば、『Air/まごころを君に』で破壊された旧劇世界の惣流アスカの遺体(遺跡?)などから復元したか、ゼーレの死界文書の中に惣流アスカのデータがあったのかも。
シン・エヴァでは、式波アスカが13号機に取り込まれた際に別のアスカが現れたが、これはオリジナルの惣流アスカ。
まあクローンはかなり悲劇的だったが、アスカは死亡せず最後に 相田ケンスケ(ケンケン)のことを想い、新世界ではきっと恋仲になっているのだろう。救いのある終わり方だと思う。
レイとカヲルは、ユイとゲンドウの生まれ変わり
エヴァを消滅させたら相互作用で 使徒も消滅しそうじゃない? エヴァも 使徒も、アダムと リリスが元になって作られたでしょ。
そうなると、 使徒であるカヲルたちがそのままの 世界線で存在できるのかは結構な疑問。
宇部新川駅ではシンジたちが大人で、レイとカヲルは高校生だった。
新世界のレイとカヲルは、ユイとゲンドウの生まれ変わり・転生と考えた方がスッキリするんじゃないか。
ラストはDSSチョーカーじゃない?
マリエンドのラストシーン。
ホームでマリが外したシンジのDSSチョーカーが気になる。
エヴァがいない世界ならDSSチョーカーは必要ないはずなので、大人になるまで着けているのは意味不明。
チョーカーは別に爆発する物ではなく、これまでのエヴァの呪縛を解き放つ象徴的な意味だったのではないか。
「 THRICE UPON A TIME」の伏線と:||リピート記号の意味考察
THRICE UPON A TIMEはシン・エヴァで出来た3周目の世界
THRICE UPON A TIMEは、 thrice(スライス:日本語で3回目)とOnce upon a time(ワンス・アポン・ア・タイム:昔々)をくっつけた言葉だと考える。
シン・エヴァの副題の意味としては3回目の過去と訳せるのではないか。やはり伏線になっていた。
先ほども解説したように、旧劇までが1回目、新劇場版・序破Qが2回目。そして『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』でシンジが3回目の世界( THRICE UPON A TIME)を作り出したのだ。そして、いつかそれすら過去になると表しているのだろう。
数字は「序1.0」「 破2.0 」「Q3.0」に対して「シン・エヴァ3.0+1.0」になっているので、最初と同じ地点だけど エヴァのいない世界に行ったことを表しているのだろう。
未来からのホットライン
ちなみに ジェイムズ・P・ホーガン著の「 THRICE UPON A TIME(未来からのホットライン)」という SF小説もあり、 庵野監督はそこからサブタイトルを拝借したのだろう。
未来からのホットラインは、過去を改変すると現在の 世界線が再構築される話らしい。新世界創造してるっぽいシン・エヴァと比較して、内容は似てるけど完全にはリンクしてない気がする。
庵野監督が影響を受けていることは確かだろう。
エヴァが エヴァを終わらせた!リピート記号:||の意味
リピート記号:||はやはり先ほど説明したように、シンジの「ネオン ジェネシス・ エヴァンゲリオン」が95年のアニメ版のタイトルにリピート:||するという意味だろう。
エヴァが エヴァを終わらせた。そして新しい エヴァンゲリオンが始まる…。
そう考えると感慨深い。ただ、キレイに回収しすぎて続編はむつかしいかもしれない…( エヴァのいない世界をどう表現するかが難しいし)。
パラレル解釈ならシリーズ化できるかもだけど、3つ目の世界の考察とリピート記号:||からやっぱりパラレルというより直列世界な気がする。
電車や線路とリンクする:||リピート
エヴァではシンジの心象風景として登場する電車。
:||リピート記号は、ひたすら同じルートを回る電車や線路ともリンクしているし、形も似ている。
世界は電車と同じように、同じ場所でループする。しかしそれは以前と完全に同じではないと表現しているのだろう。
シンジのおかげで、これからはループする必要はないのかもしれない。
聖書のメタファー/ エヴァは十字架,シンジはキリスト, 庵野はゴッド
聖書がモチーフとして使われることの多い エヴァシリーズだが、シン・エヴァでそれぞれ何のメタファーなのか答えがはっきり出た。
新世界を創造するきっかけとなったシンジはやはり イエス・キリストだろう。
そしてシンジが乗る エヴァは、キリストが 磔刑にされた十字架そのものに映る。
特に初号機は顔の形がドンピシャで十字架だ。
シンジも 綾波レイも式波アスカも、旧劇から エヴァという十字架に磔にされていたのだ。
シン・エヴァでみんなその呪縛から解放されたと思うと感動もひとしお。
そして エヴァシリーズを創り上げた 庵野監督はゴッド、全知全能の神となった。
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