Netflix映画『Infiesto/インフィエスト』ネタバレ感想:陰鬱な雰囲気が最高!ラスト考察!あらすじ伏線解説

  • 2023年3月9日

Netflix映画『Infiesto/インフィエスト』発見されたキズだらけの少女を3カ月監禁していた犯人はだれなのか?背後に潜む黒幕や儀式とは?スペインのサスペンス・スリラーです!

シネマグ
2人の刑事がスペインの田舎町で起こった拉致監禁事件にジリジリと迫る!シュチュエーションや雰囲気が最高な一作です!

作品情報・キャスト

ネタバレなしの感想

視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)

ストーリー考察

物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説

これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

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Netflix映画『Infiesto/インフィエスト』おもしろかった?(投票どうぞ)

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Netflix『Infiesto/インフィエスト』作品情報・予告・キャスト

公開:2023/02/03
制作国:スペイン
上映時間:96分
ジャンル:サスペンス・スリラー
年齢制限:16+(残酷な描写あり)
監督・脚本:パチ・アメスクア

タイトルのInfiesto/インフィエストはスペイン北部の田舎町のことです。

『Infiesto/インフィエスト』キャスト

サムエル刑事を演じたのはイサック・フェリス。Netflixの映画『薄氷』にも出てましたね。

カストロ刑事を演じたのはイリア・デル・リオ。『少女は踊る』に出演してました。

映画『Infiesto/インフィエスト』あらすじ

コロナ禍でロックダウン中のスペイン。

警官のラモスが裸足で歩く1人の傷だらけの少女を保護。少女は絶叫した

少女は3カ月行方不明だったサイオアだった。彼女は病院で治療を受ける。少女の背中には円の中に三角がある焼印がつけられていた。

事件を捜査していたサムエルとカストロはサイオアが最後に目撃された場所付近を調べる。

2人はドッグキラーと呼ばれるマヌエル・ゴメスの家屋を捜索した。

何も証拠がなくサムエルたちは引き上げた。しかし、サイオアの爪からワインの成分が検出され、ドッグ・キラーの倉庫にワイン樽があったことに気づいて急いで引き返す。

ドッグキラーの家には隠された地下室があり、そこに少女が監禁されていたあとがある。

ドッグキラーは逃亡して車で事故を起こし、森に逃げ込んでいた。

サムエルとカストロが銃を持って近づくと、ドックキラーは「これは始まりだ!」と言って銃口をくわえて自殺

少女の誘拐事件の背後にさらなる黒幕がいるようだ…。

ネタバレなし感想・海外評価

男女のバディが異常性のある拉致監禁事件の真相にジリジリと迫っていく。

スペイン映画では傑作サスペンス『マーシュランド』に近いテイストで、雨がふりしきる田舎町の陰鬱な雰囲気を存分に味わえます

感想を語る犬
雰囲気でいえばほぼ100点満点だと思いました。

ダークなトーンの映像も抒情的で、見入ってしまいます。廃墟や地下室の監禁部屋も、これぞサスペンス!という感じです。

伏線やラストのどんでんがえしも堪能できて、個人的には大好きな作品でした。

ただストーリーは若干モヤっとする部分もあり好みがわかれるでしょう(そのモヤモヤが結構スペインサスペンスの良さでもあるのですが)。

海外サイトだと批評家の評価は高めです。

おすすめ度 85%
陰鬱な世界観 97%
ストーリー 84%
IMDb(海外レビューサイト) 5.5(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) 批評家 83%
一般の視聴者 46%

※以下、Netflix映画『Infiesto/インフィエスト』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『Infiesto/インフィエスト』ネタバレ感想・評価

Netflixスペイン映画『Infiesto/インフィエスト』の評価は85点。

傷だらけの少女がブラウス姿で雨の中をヒタヒタ走り、警官が近寄るといきなり奇声をあげる。このオープニングのシーンからして最高でした。

シネマグ
映画のストーリーうんぬん以前に、映像・シュチュエーションが最高なのです。

それ以降も鬱々とするような雨の中、田舎町の家屋や廃墟を捜索する過程の描きかたがうまく、緊張感が途切れませんでした。

ボロ屋の地下の監禁部屋、終盤の廃鉱など、舞台自体も見応え抜群です。

さらにテンポよく銃撃戦がはさまれ、展開に緩急もあります。

最初に少女を保護した警官のラモスが真犯人だったラスト結末もおもしろかったです。

捜査がいきあたりばったりすぎるなどツッコミどころは多々あるんですが、そこも合理性よりパッションやコンセプトを優先するのが芸術大国スペインっぽいです。

海外のレビューサイトの評価では、ケルト神話や儀式の要素がよくわからないまま話が終わる…など否定的なものも多かったですが、それも全てを明らかにするというより、影や余韻を残す終わりかたにしたかったからでしょう。

あとはスペインのサスペンス映画はわりとよく見ますけど、少女が誘拐される作品めちゃくちゃ多いですね。

もちろん、サスペンス作品では少女とか女性とか非力な人物が拉致監禁されてしまうパターンが多いですが、スペイン映画は少女拉致率が高い気がします。

最近観た中で面白いと思った『檻の中』も拉致された少女が逃げ出すものでした。

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映画『Infiesto/インフィエスト』考察・伏線(ネタバレあり)

真犯人は冒頭で少女・サイオアを保護した警官のラモスでした。

少女・サイオアがラモスに近づかれたときに叫んだのも、考えてみるとラモスが真犯人という伏線なのでしょう。

シネマグ
ちゃんと最初で真犯人を見せているのがフェアですね。

あとは本作を考察するうえで触れなければならないのは、コロナのロックダウンとの対比です。

サムエルが療養施設の中に入れないあいだに母が死んでしまうなど、コロナによる悲劇が描かれていました。

サムエルは母の死の悲しみを昇華するかのごとく、捜査に熱心に打ち込むようになります。

コロナで無意味に死んでいく命との対比によって、救える命に執着することを美化するコンセプトがあると思いました。

命が何千何万と失われていく社会においても、1つの救える命は尊いと伝えているわけです。

いっぽうで、コロナのロックダウンによる人類終末のような状況は、犯人ラモスの予言と重なります。

カストロが彼氏の胸の中で安堵するいっぽう、カルト宗教が一定の真理を持っており、世界が終幕へ向かうかのような影を落とした結末でした。

失われる命と救える命の対比、希望と失望の明暗の対比がこの作品をサスペンス映画以上のものにしていたと思います。

映画『Infiesto/インフィエスト』ネタバレあらすじ解説

デーモンと呼ばれる男

ドッグキラーの家にサイズの違う服があり、共犯者がいる可能性が浮上。

ドッグキラーのいとこの証言で、元軍人で言動のおかしいデーモンと呼ばれる男性がいると判明した。

サムエルとカストロはデーモンが住むトレーラーへ。

しかしトレーラーには爆弾が仕掛けられており、爆発して燃え上がる。

トレーラーの中に先日発見されたサイオア以外の少年・少女4名の写真を発見。まだこの子供たちは生きているかもしれない。

デーモンは廃墟に立て篭もった。

警察と銃撃のすえにデーモンは投降する。

廃墟には手錠が備えられた石の台があり、血がべっとりついている。

デーモンはここで子供たちを生贄のために殺したときの泣き叫ぶ声が忘れられないと言う。

デーモンたちはどうやらケルト神話のタラニスという神を崇めているようだ。

ドッグキラーは規則を破ってサイオアを連れ出し、そのときに彼女に逃げられたという。

真犯人の正体:ラスト結末

デーモンの証言でもう1人預言者で司祭(ドルイド)の役割を担う主犯がいる可能性が出てきた。

サムエルはコロナ禍で会えなかった施設の母親の死を聞かされ、ショックを受ける。

カストロの彼氏はコロナにかかり病院に隔離されていた。

病院の看護師が誘拐される事件が起きた。どうやら犯人たちは3カ月スパンで生贄を捧げているようで、期日まで48時間しかない。

サムエルはデーモンが持っていた写真に映る怪しい人物をラモスに見せる。

ラモスは、自分の出身地・インフィエストの人間だと言って案内をかってでた。

カストロは精神科医のパス・ノゲイラから、リディア・ベガという女性にサイオアと同じ焼印があると聞く。

リディアに話を聞いてみると、ずっとまえに預言者と呼ばれる人物が廃鉱で怪しいコミュニティを運営しており、そこで暮らしたことがあるらしい。

しかし預言者はケルト神話に傾倒して生贄を捧げるようになり、コミュニティは崩壊したようだ。

リディアはリーダーの名前をラモスだと言う。

カストロは急いでサムエルに電話。

サムエルは電話でラモスの名前を聞いた直後に、背後にいたラモスに銃で撃たれて死んでしまう


翌日、カストロは廃鉱を捜査。地下に続くエレベーターが稼働した。

地下には縛られた女性がいる。

カストロはラモスに撃たれたが防弾チョッキの上だった。

カストロがラモスを撃つ。

ラモスは世界の終わりの始まりを予言した。

カストロはラモスを撃ち殺した

事件は終結したが、コロナによるパンデミックは始まったばかりだ。

カストロは病院でコロナから回復した彼氏と抱き合った。

映画『Infiesto/インフィエスト』終わり!

最後のまとめ

Netflixオリジナルスペイン映画『Infiesto/インフィエスト』は、拉致監禁・生贄事件と雨による陰鬱さを掛け合わせ、コロナとの対比でコンセプチュアルな見方もできる秀作でした。

スペイン映画はハリウッド映画ともまた違う良さがあります。今後もどんどんスペイン作品を見まくりたいです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『Infiesto/インフィエスト』レビュー終わり!

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