『ドント・ウォーリー・ダーリン』ネタバレ感想・考察:ラスト意味や強烈な風刺!映画あらすじ評価レビュー

  • 2023年4月1日

映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』女優フローレンス・ピューが謎の共同体で暮らし追い詰められていくスリラーです。

CineMag
気色が悪い系サスペンスとして演出は最高!社会風刺としてもすごい!しかしラストのオチは正直〇〇でした…。

作品情報・キャスト・あらすじぶっちゃけ感想・評価ストーリーの意味・結末考察、を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)

作品についての視聴者・口コミアンケートも投票お願いします↓

映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』は面白かった?(投票どうぞ)

View Results

Loading ... Loading ...

映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』作品情報・キャストと演技の印象

公開・制作国・上映時間:2022/11/11・アメリカ・122分
原題:『Don’t Worry Darling』
ジャンル:サスペンス・ホラー・不条理
年齢制限:PG12
監督:オリヴィア・ワイルド
脚本:ケイティ・シルバーマン/キャリー・バン・ダイク
撮影:マシュー・リバティーク

監督のオリヴィア・ワイルドは『Dr.ハウス』のレミー・ハドリーを演じたことで有名で、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(2019)で監督デビューを果たし、本作が長編2作目。俳優も監督もこなす才能あふれる女性です。

撮影監督のマシュー・リバティークは『ブラック・スワン』や『アイアンマン』を撮った人物。どおりで本作の映像は『ブラック・スワン』のような重苦しさと芸術性があるわけです。

登場人物・キャスト紹介

女優フローレンス・ピュー

©︎ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ

アリ・アスターの斬新すぎる傑作ホラー『ミッドサマー』のフローレンス・ピューが主演!これは絶対見に行かなければ…と鑑賞を決意しました。謎の共同体で生活するアリスを演じます。表情が豊かなのでずっと見ていられるんですよね。

関連記事

映画『ミッドサマー』は、『ヘレディタリー/継承』や『ボーはおそれている』の アリ・アスター監督による、新感覚サスペンスホラー。 この映画は批評家は絶賛しているが、一般の視聴者は支持していないというちぐはぐな評価となった。 […]

映画『ミッドサマー』

フローレンス・ピューはマーベル作品『ブラック・ウィドウ』と『ホークアイ』にエレーナ役で出てましたね。

フローレンス・ピューの夫ジャック役はハリー・スタイルズ。世界的アイドルグループ、ワンダイレクションのメンバーで、俳優としてはクリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』に出演しています。

あとはクリス・パイン(『スタートレック』『ワンダーウーマン』『ザ・コントラクター』)が共同体の創設者・フランク役。

クリス・パインの妻役で、『エターナルズ』や『ヒューマンズ』で知られるジェンマ・チャンが登場します!

映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』あらすじ

『ドント・ウォーリー・ダーリン』のワンシーン

©︎ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ

1950年代。砂漠の中にある豪勢な共同体ヴィクトリー・プロジェクトで暮らすアリス(フローレンス・ピュー)は夫のジャック(ハリー・スタイルズ)と幸せに暮らしていた。

朝は家事を完璧にこなし、昼はバレエを習い、そのあとは隣人のメアリー(オリヴィア・ワイルド)と酒を飲んで楽しく過ごしていた。

ある日、アリスの友人のマーガレットが、「この場所から逃げなきゃ」と錯乱して失踪したことで、アリスは完璧だと思っていた暮らしに疑問を抱き始める

男たちは朝一斉に出勤し、どんな仕事をしているかもわからない。

みな共同体の創始者・フランク(クリス・パイン)を尊敬しており、彼の言葉に疑いを抱くものはいない。

アリスは飛行機の墜落を目撃し、その場所近くにある立入禁止区域へ足を踏み入れるが…。

ネタバレなし感想・海外評価

シネマグ
演出や映像、メッセージ性に優れたタイプで好みがハッキリ分かれると思います。

大まかなストーリーは普通だけど、不条理な映像の数々が面白いので楽しめる作品。個人的には好きでした。

映画をみながら抽象的なメッセージを考えるのが好きな人には向いていると思います。映像も芸術的で美しいです。

海外レビューサイトの評価は微妙な感じで、一般視聴者の評価はなかなか高いですが批評家からは支持されていません。「長いわりには衝撃度がない」的なコメントが多かったです。

おすすめ度 70%
世界観 94%
ストーリー 64%
IMDb(海外レビューサイト) 6.2(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) 批評家 39%
一般の視聴者 74%
メタスコア(Metacritic) 48(100点中)

※以下、『ドント・ウォーリー・ダーリン』のストーリーネタバレありなので注意してください!

『ドント・ウォーリー・ダーリン』ネタバレ感想・評価

映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』の評価は75点。

コンセプトアートのような演出や男性優位社会への鋭い風刺をはらんだ良作です。

ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』のような息苦しさが終始漂い、男性優位社会への皮肉が効いている!

ただサスペンス映画としてオチに過度に期待して肩透かしをくらった感も否めません。

シネマグ
だって要はマトリックスじゃないですか…。
謎が謎を呼んでいくつくりなのでオチへの期待値が爆あがりしてしまうんですよね。
「オチが最高なら満塁ホームランの傑作になる!」と目をギラギラさせて見てしまい、結末が仮想空間ですから、正直ガッカリはしました。
ただやはりオリヴィア・ワイルドは監督としても才能あふれていると感じました。人間の尊厳を奪うことへの警鐘をシニカルかつ美しく描けるのは本当にすごいです。
感想を語る犬
『ピアノ・レッスン』や『パワー・オブ・ザ・ドッグ』ジェーン・カンピオンみたいな監督になりそうだと勝手に期待しています。

狂気のシーンの連続

  • 卵の殻を割ると中身が空っぽ
  • 自分でラップで顔をぐるぐる巻きにして呼吸困難になる
  • 壁が迫ってきてつぶされる

などなど、怖さやグロテスクさではなく心理的抑圧を伝えるメッセージ性の強い場面に圧倒されました

演出含めて終始スリリングな雰囲気がただよっていたので中だるみしなかったです。

感想を語る犬
狂気のシーン自体がコンセプチュアルアート(前衛的な芸術)ですよね。ブラック・スワンっぽさもあります。

フローレンス・ピューが暮らしているヴィクトリープロジェクトという共同体は何なの?という謎をひたすら引っ張るタイプの物語でも退屈しなかったのは、内面を表現するアーティスティックな映像のクオリティが高かったからだと思います。

↓『ドントウォーリーダーリン』の考察は2ページ目へ↓