Netflix映画『バブル』ネタバレ考察!ウタと泡の正体やラスト/つまらないアニメ?劇場版との違い解説,ひどいあらすじ評価,声優キャラ

  • 2024年4月17日

Netflixアニメ映画『バブル』(Bubble)は、重力が乱れて水没したディストピア・東京で、天才少年と美少女が運命的に出会い、困難に立ち向かっていくSFアドベンチャー!

アニメ『進撃の巨人』の荒木哲郎が監督、漫画『デスノート』の作画・小畑健(おばたたけし)がキャラ原案、『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄(うろぶちげん)が脚本を務め、最強クリエイター陣による力の入れようは尋常ではありません!

しかし、酷評でほんと申し訳ないですが映像のスタイリッシュさだけで中身がないミュージックビデオみたいなつまらなさでした。

既視感バリバリのテンプレストーリーステレオタイプ過ぎの記号的キャラクターが残念です。

CineMag
無重力パルクールのアクションと、泡のようなうっすいストーリーがはじけました。

2022/05/13から劇場公開ですがNetflixで先行配信されて大不評…。興行収入も初登場9位と伸び悩んでいます。

作品情報・声優・キャラの印象・あらすじ・見どころ、ぶっちゃけ感想・ネタバレ酷評記号的すぎるキャラクター解説ラスト結末・泡の正体ネタバレ考察人魚姫以外のストーリーネタ元を知りたい人向けにわかりやすくまとめています。

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)

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アニメ映画『バブル』作品情報・劇場版とネトフリの違い,キャストの印象

公開・制作国・上映時間:2022/04/28・日本・101分
英題:『Bubble』
ジャンル:SFファンタジー
監督:荒木哲郎(アニメ『進撃の巨人』)
脚本:虚淵玄(ニトロプラス)/大樹連司/佐藤直子
配給Netflix
主題歌:Eve「Bubble」
音楽:澤野弘之
制作会社:Wit Studio(アニメ『進撃の巨人』)

ちなみに劇場版は2022年5月13日に公開されますが、Netflix版と違いは無いようです。

ハイクオリティなアクションを大スクリーンで見られるメリットはあるでしょう。

しかしストーリーが残念だと劇場公開前にわかっているのがイタいですね。

ちなみに、Wit Studioが制作をつとめ2022/05/16から配信されたNetflixアニメシリーズ『ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン』もかなりやらかしてます。

Wit Studio × CLAMPのアニメ『グリム組曲』も微妙でした。

アニメ映画『バブル』登場キャラ印象・キャストCV

ヒビキ→異常聴覚という設定がフワッとしててわかりずらい。|CV 志尊淳(Netflix実写版『幽遊白書』蔵馬役)

ウタ→よくいる不思議ちゃんすぎ。ヒビキになつく動機も不明。|CV りりあ。

マコト→巨乳お姉さん研究者。ステレオタイプ過ぎ…。|CV 広瀬アリス

シン→何の研究をしてるかよくわからんトラウマ持ち親分肌。よくいるキャラ|CV 宮野真守

カイ→ちょっと意地悪なリーダー。こいつもステレオタイプ…。|CV 梶裕貴

ウサギ→元気で勝気な弟キャラ。もはや記号的。|CV 千本木彩花

映画『バブル』ネタバレなし感想・あらすじ・見どころ・海外評価

Netflixアニメ映画『バブル』

©︎Netflix

あらすじ:5年前、世界に泡(バブル)が降り注いで東京タワーが爆発。東京は水没し、重力が乱れる無法地帯になりました。親のいない少年たちは食料を賭けて、危険なバトルクール(パルクールバトル)で競い合います。ある日ヒビキは東京タワーから落ちて溺れ、不思議な少女・ウタに助けられたのですが…。

理想郷ともいえる美しい水没都市の映像美にワクワクが止まりません!

パルクールで建物の上を飛び回るアクションシーンの臨場感がとても素晴らしいです。

CineMag
アニメーション・アクションはピカイチ

一方、ストーリーは単純すぎて中身がない印象。子供向けの内容だとしても物足りないと感じました。

この記事のアンケートでも「イマイチ、見なくていい」の得票率が1番多く36%、次が「つまらない、ひどいレベル!」の28%

視聴者全体の64%が低評価と非常に残念な結果となっています。

この評価からも、視聴者がアニメ映画に対して映像だけでなく物語性も強く求めており、映画『バブル』はそれにこたえられなかったとわかります。

細田守監督の『竜とそばかすの姫』はストーリー展開に賛否が分かれるタイプでしたが、『バブル』はストーリーが薄っぺら過ぎて賛否わかれるでしょう。

海外大手サイトのレビューでも批評家評価が100%中20%と劇低ですね…。「今まで見たアニメの物語で最悪ではないがそれに近い」など、ストーリー酷評の意見で賑わっています。。

おすすめ度 65%
映像・世界観 90%
ストーリー 40%
IMDb(海外レビューサイト) 6.9(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) 批評家20% 一般83%

※以下、Netflixアニメ映画『バブル』のストーリーネタバレありなので注意してください!

Netflixアニメ映画『バブル』ネタバレ感想・酷評

映像と物語がアンバランス

アニメ映画『バブル』の評価は55点。映像と物語の完成度がみごとに反比例しています。
CineMag
映像面では引き込まれますが、物語は安っぽいボーイミーツガール。

重力が乱れたディストピア・東京で、主人公ヒビキ率いる少年たちがバトルクール(パルクール)で競い合うシーンは躍動感があり非常に見応えがありました。

主観目線のグラビティアクションのクオリティは最高でもはや芸術です!

ただ、それに付随するストーリーの大筋が結末まで昔話の人魚姫そのまんま

モチーフにするのはよいと思いますが、意外性や斬新さがほしかったです。

壮大な感じを醸し出すために、それらしく黄金長方形のスケッチが出てきたり「銀河がやがてひとつになり、地球は消滅してやがて渦になる」という、メタ的なSFメッセージもありますが、とってつけたような印象が拭えません。

壮大なテーマと子供っぽい唐突な展開がうまく融合しておらず、アンバランスさを感じました

感想を語る犬
全体的にクールでスタイリッシュな映像作品でしたね。絵的に見る価値ありますが、物語としては正直ものすごくつまらなかったです…。

記号的なキャラクター

映画『バブル』の主要キャラ

©︎Netflix

  • 一匹狼で才能抜群の主人公・ヒビキ
  • 不思議ちゃん美少女・ウタ
  • 胸のでかいお姉さんキャラ・マコト
  • 頼りになるけど暗い過去を持つ親分・シン
  • 口は悪いけど行動力はある兄貴分・カイ
  • 元気でみんなについていくのが必死な弟分・ウサギ

全員が数十年前からアニメ・漫画・映画などさまざまなコンテンツで消費され尽くしたような記号的キャラクター(パターン化された個性のないキャラ)です。

CineMag
すごく無機質というか、ストーリーに当てはめるパーツでしかないようなキャラ設定ですよね…。

主人公・ヒビキは幼少期に自閉症?聴覚異常?だったっぽい回想があり、そこはちょっとオリジナリティあるかもと匂わせます。

しかし結局ただのコミュ症がなんとなく克服された感が強く、その設定すらもまったく活かされていないと感じました。

さらに聴覚異常の設定がフワッとしすぎてて、どんな困難を持っているか具体的にはわからない。なので克服のカタルシスがないんですよね。

内容が子供向けだから、ストーリーをシンプルにした!というのはまだわかります。

感想を語る犬
しかしキャラクターから個性を排除してしまうのはどうなのか!?

結果として作品からオリジナリティが削ぎ落とされ、もったいなさを感じました。

あるあるキャラ過ぎて感情移入できないので、主人公・ヒビキの成長譚としても薄すぎます。

他のキャラに関してはバックグラウンドすらほぼ描かれていません…。

CineMag
うっすいボーイミーツガール物語に記号的キャラをはめ込んだ無機質な物語でした…。

ラストシーン考察!ウタと泡の正体は?(ネタバレ)

ウタと泡の正体はエイリアン

ヒビキの顔の前でウタの体の泡が弾けるシーンがあり、そこでウタたち泡の記憶のヴィジョンが見えます。

ウタたちバブルは他の銀河から旅をして地球にやってきた知的生命体・エイリアンなのでしょう。

マコトが言っていた「全てが、やがて大きな渦になる」的なセリフを考慮して深掘りすると、ウタたち“泡”も以前は体を持つ人類のような生命体だったのかもしれません。

自分たちが住んでいた惑星や銀河が消滅し、肉体は滅びて“泡”の状態で何億年も旅をして、やっと地球に辿り着きました。

CineMag
ウタはヒビキと出会い、忘れていた心を取り戻したのかもしれませんね。

そして地球もいずれは滅び、ヒビキとウタの魂は一つになり新たな泡(バブル)となって他の星へ

永久に同じような融合の物語を繰り返すのかもしれません。

最後は宇宙のすべてが大きな渦に帰結するのです。

ウタとヒビキという名前

歌は響きます。これが自然の摂理です。響きなくして歌が存在することはできません。

哲学っぽい解釈をいえば、他者の存在なしに自己を認識することは不可能です。

それを表現したのがウタとヒビキというネーミングなのでしょう。

ヒビキが幼少期に聴覚異常?障害?があり、自己を確立できていなかったのも、歌うべきメロディを知らなかったからです。

そしてウタというメロディに出会い、2人はお互いの存在を認め合いました

感想を語る犬
素敵なコンセプトですね。

泡は人類に足りないもの

メタファーとして捉えるなら、泡=人間の心に足りないものとなるでしょう。

世界観を大枠で捉えると、

  • 規則、国や人種といった既成概念に縛られている状態が=重力のある現代社会
  • 固定観念のないフリーダム=バブルが存在する重力が壊れた世界

と表現しているように感じました。

ラストでは泡が世界に降り注いで紛争地域の銃撃が止まる描写がありました。

泡で重力という概念を超えるのは、人類が既成概念を超えた希望という名のネクストステージに向かったメッセージでしょう。

(ちなみにラストで東京が復興しているので重力は戻ったっぽいですが、泡も存在しているし、人間技とは思えないパルクールもしているし、バブルの力も存在する共存状態という解釈です。)

ネタバレ解説:既視感バリバリの物語とネタ元

CineMag
人魚姫の物語をベースに設定だけ変えたようなストーリーは既視感バリバリ

どこかで見た!何回も見た感がぬぐえません。

個人的には人魚姫だけでなく、手塚治虫の傑作漫画『火の鳥/未来編』のキャラクター・ムーピー(何にでもなれる泡上の知的生命体)とマサトの物語を思い出しました。

(ただ物語のクオリティとしては『火の鳥/未来編』のほうが数十段上でしょう…)

ムーピーとは人間の女性など何にでも変身できる泡生命体です。主人公・マサトと恋愛関係にあり、とても強い絆で結ばれています。

感想を語る犬
映画『バブル』のウタとヒビキの関係と完全に一致しますね。

まあその辺の類似はオマージュとしてよくあるレベルで、パクったレベルではないでしょう。

ただ『バブル』の全体的なテーマも、考えれば考えるほど『火の鳥/未来編』っぽいんですよね…。

ウタが消滅するラストもそうですし、すべてが巨大な流れ=渦に回帰するという結末も…。

火の鳥が『バブル』のもう1つのモチーフになっているのだと思います。

ただ、モチーフにするのは全然良いのですが“新たな視点”を入れて欲しかったです。

名作と比べるのはどうかと思いますが、正直『火の鳥/未来編』のほうがストーリーとしては“新しい”と思います。

映画『バブル』ひどい点考察:映像全フリは正義?

なぜストーリーを重視しなかったか推察

映画は総合芸術だと言われます。今作『バブル』は果たして総合芸術たり得たでしょうか!?

感想を語る犬
そう考えると、いくらなんでもストーリーが薄っぺらすぎですよね。

ボーイミーツガール+人魚姫で、キャラは記号的。無機質かつペラッペラです…。

ネット上の評価はほとんどが「映像はすごいけどストーリーはつまらない!」というもの。

ストーリーが良ければ名作になり得たのに…、非常にもったいないですね。

なぜ『バブル』は、映像全フリでストーリー性のない作品となったのでしょうか!?

考察というか推測も含みますが『バブル』の場合、まず「デュストピアと化した東京が舞台の無重力パルクールで魅せる」という最優先事項がありました。

アクションに比率をおけば、当然ストーリーを説明する時間は短くなります。展開を映像のみで説明しなければならないパートが多くなるはずです。

そう考えたとき制作陣は「物語を簡単にする!」選択したのでしょう。

要は、映像だけボーッと見てても大筋がわかるつくりということです。

結果、土台となるストーリーが過度に単純化され、外側にある壮大なテーマと噛み合わなかったのだと思います。

もちろん「細かい説明をせず、ストーリーが難しいパターンにする!」というのも選択肢としてあり得たはず。

ただ、何でもわかりやすさが求められる現代社会にはそぐわないと判断されたのでしょう。

結果、像の素晴らしさと物語のクオリティが乖離したアニメ作品が誕生…。

CineMag
物語の完成度のために、わかりやすさを捨てる勇気も必要だと思いますよ!

単純な二項対立(ネタバレ)

終盤にはウタが青い泡となり、赤い泡(姉さま)と対決するシーンがありました。

CineMag
善玉菌 VS 悪玉菌 みたいな構図ですね(笑)

赤い泡(ねえさま)たちの主張がないので、単純な善悪二項対立みたいな印象です。

ウタが人間と共存したいというのはわかります。

他の泡知的生命体は人類を滅ぼしたかったのでしょうか。何をしたかったのか伝わってきませんでした。

察するに、ウタ以外の泡生命体(ねえさま)は、自分たちの種族の存続を優先し、他の種族=人類をないがしろにする存在なのでしょう。

ウタが人類と関わることで、泡生命体は人類に存在を脅かされるかもしれません。

利己的な姉さまたちはそれを恐れたからこそ、ヒビキに怒っていたのでしょう。

最終的には、人間であるヒビキとウタの心の交流に触発され、ねえさまたちも改心したのか赤色から青色に変わりました。

CineMag
善と悪の対立があり、悪側の心が変わっていく…。ありふれた帰結ですね。

よくある設定かつ記号的

ねえさまたちは、ヒビキとウタの“カウンター”となる存在でしかないのです。要は、物語で対立構造を作るための装置

例えばアンパンマンなら敵であるバイキンマンの主張がしっかりありますよね。本作はそこすらフワッとさせてしまい、ウタとねえさまの対立に全然引き込まれませんでした。

泡(バブル)という一見すると無機質な生命体だからこそ、有機的な目的・思想を表現して欲しかったですね。

最後のまとめ

アニメ映画『バブル』は、重力の法則が崩れたディストピアで無重力パルクールが繰り広げられる極上の映像と比較して、ストーリーが弱い残念な作品でした。

せめてキャラクターに個性を付与すれば、まったく違う印象の良作になっていたと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。Netflix映画『バブル』レビュー終わり!

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