映画『運命のイタズラ』ネタバレあらすじ解説
人生に追い詰められた男が、金持ちCEOの家に盗みに入ります。しかしCEOとその妻が急に帰宅してきたため、鉢合わせ。
男は彼らをサウナに閉じ込めている間に逃げ出します。しかし敷地の外に置いていた車の側の木に監視カメラがあり、逃げられないと思って戻ってきて、家にあった銃をCEOと妻に向けます。
CEOは傲慢な態度で逃走費用と新しい生活のための50万ドル用意すると言い、明日の夕方に持ってくるするようテレビ電話で部下のエイプリルに頼みました。
男とCEOと妻は、禅の庭へ行ったり映画を見たりして過ごします。
©︎Netflix
夜になり、寝られない妻はCEOとの結婚を躊躇ったことを話しました。
翌朝、庭師がやってきます。CEOは一緒にいる男がいとこだと誤魔化し、庭のデザインが書かれた紙に“Call 911(助けを呼べ)”とメモ。庭師はそれを見て慌てたため、男に気づかれて捕まりました。
部屋でじっとしていることに耐えられなくなったCEOは、「お前はこの先に何もできない」と言って男を挑発しました。男は脅しで銃を撃ち、パニックった庭師がガラスに突っ込んで喉にガラスが突き刺さって死亡。
夜、CEOの部下が家の前の道に金を置き、それを妻が取ってきます。
男は金を持って立ち去る前にCEOに対して「お前が善人なら良かったが、クズ野郎なので人生はフェアじゃないと感じる。お前の妻の財布には避妊薬が入っていた」と言い放ちます。
妻は男が外でかがんだすきに置物で撲殺。銃で夫(CEO)を撃ち殺し、その銃を男の手に握らせました。
驚いたような、消化不良のような不思議な感覚のラストシーン。
考察:ストーリーやラストの意味
社会の縮図を破壊するカタルシス
©︎Netflix
原題のWindfallが棚ぼたという意味です。
家に強盗が入ったおかげで、妻は棚ぼた的に夫殺害を強盗のせいにでき、夫の支配から脱出できたというオチなのでしょう。
また、英語のクレジットを見ても登場人物名は、男、CEO、妻、庭師としか書いていないので、社会構造に対しての問題提起が1つのテーマになっています。
『運命のイタズラ』の登場キャラと展開が、社会の縮図=メタファーとなっているわけです。
男は失業した労働者。CEOは金持ちのクソ野郎。妻は旦那の影に隠れて自分を表現できていない女性をそれぞれ表しているのでしょう。
そう考えると、男は銃を持ちながらも、CEOに言いたい放題言われて主導権を握れないというシュールなシーンが、社会的な皮肉になっているとわかります。
つまりCEOには労働者の存在など目に入っていないのです。
庭師が死んでしまったのは、金持ちの気まぐれによって、正しく働いている労働者が死ぬと表しているのでしょう。
強盗の男と妻が映画を見て同じ場面で笑っていたので、妻も労働階級出身なのでしょう。
つまりCEOが男に言っていた労働者に対しての皮肉は妻にも突き刺さっており、それがラストで爆発したのです。
男はなぜ盗みに入った?
1番謎なシーンが、中盤でCEOが皮肉めいた口調で「緊急で50万ドル用意してと頼むことなんかあるか?」と言った際、男は「つい先週」と返したシーンです。
男はCEOの会社で雇われていたけど突然クビになり、会社に金を要求したのかも知れません。
男も実は経営者だったけど、強盗にあって同じようなパターンで金を要求されて部下に用意させ、それが原因で破産したなど、想像することもできます。(ちょっと発想を飛躍させすぎですね。)
最後のまとめ
Netflix『運命のイタズラ』は、素晴らしい眺めの邸宅で社会の底辺とトップがシュールな会話劇を繰り広げる意欲作。
ラストも意外性がありましたが、全体の気の抜けた雰囲気を重視したためなのか、緊張感や見応えの薄い凡作でした。
ジェシー・プレモンスの次回作に期待ですね(笑)
ここまで読んでいただきありがとうございます。『運命のイタズラ』レビュー終わり!
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