映画『シャイロックの子供たち』銀行で100万円が盗まれ、その裏には10億円もの融資が絡んでいた!事件の謎をとき犯人に倍返しをする痛快撃です。
作品情報・キャスト
ネタバレなしの感想
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから観る方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
映画『シャイロックの子供たち』作品情報・予告
原英題:『SHYLOCK’S CHILDREN』
ジャンル:コメディ・ヒューマンドラマ・
監督:本木克英(『空飛ぶタイヤ』)
脚本:ツバキミチオ
原作:池井戸潤「シャイロックの子供たち」
主題歌:エレファントカシマシの「yes. I. do」
映画は原作小説やドラマ版とことなる完全オリジナルストーリーです。
『シャイロックの子供たち』相関図とキャストの演技
©︎https://movies.shochiku.co.jp
今作ではなんと言ってもお調子者で優しい主人公を演じた阿部サダヲさんと、不良物件しか持っていないオーナーを演じた柄本明さんの掛け合いが最高でした。
不良物件を紹介されてツッコミを入れるだけなのですが、雰囲気自体がもうめちゃくちゃ面白かったです。
阿部サダヲさんは『死刑にいたる病』(2022)のキャラクターも強烈でしたね。
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半沢直樹メンバーの上戸彩さんもヒロインとしてやっぱり花がありましたね。
そのほかの銀行員のメンバーを演じたキャストも、いかにも旧時代から抜けられない堅苦しい銀行員を熱演されていて、全体的に演技面ではすごく見応えがありました。
映画『シャイロックの子供たち』あらすじ
課長代理の西木(阿部サダヲ)は、部下の愛理(上戸彩)と一緒に今日ものらりくらり業務をこなしていた。
そんなある日、お客様課の田端(玉森裕太)が持っていた封筒から融資先に持っていく予定だった100万円がなくなっていた。
なぜか100万円をまとめていた札束の帯封(おびふう)が愛理のカバンから見つかり、犯人扱いされてしまう。
西木は愛理を必死にかばった。西木、愛理、田端は事件の真相を突き止めようと決意した。
しかし裏で動いていたのは予想外の人物で、10億円の融資が絡んだ事件だった…。
映画『シャイロックの子供たち』ネタバレなし感想・海外評価
銀行員の重圧と葛藤、理不尽さがひしひしと伝ってくるいっぽう、ラストでは痛快の展開が待ち受けており、最後まで飽きずに楽しめました。
部下を思いやる心や正義の心を持ちつつ、いかにも日本的なことなかれ主義者でもあります。
部下の愛理を「まあまあ。うんうん」と適当な言葉で懐柔する過程はとにかく笑えます。
おすすめ度 | 85% |
ストーリー | 83% |
IMDb(海外レビューサイト) | 5.0(10点中) |
※以下、映画『シャイロックの子供たち』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『シャイロックの子供たち』ネタバレ感想・評価
長原支店の「いいから融資を取ってこい!成績を上げろ!」という日本の旧体制的な古いビジネスの雰囲気が超ハイクオリティに再現されています。
もちろん映画なので誇張されている部分はあるにしても、日本で会社勤めをしたことある人なら、みんなが何も言い返せずに重い雰囲気になっていく会議など、他人事に感じられないシーンもたくさんあるでしょう。
西木のことなかれ主義もいかにも“日本の上司”なんですけど、それでも部下思いな面もあり、日本文化の良さと悪さが共存したような非常に魅力的なキャラクターだったと思います。
竹を割ったような性格の半沢直樹とは正反対のキャラクターですが、阿部サダヲさんが演じているからか説得力がすごかったです。
ラストでは阿部サダヲ演じる西木の策略がうまくハマるものの、彼も借金を背負っておりそれを返すために共犯者の沢崎から金をもらってしまう→銀行員として失格だと考えて辞職する流れも哀愁たっぷりで最高でした。
中間管理職の苦悩、ひいては日本の苦悩を象徴したような結末ですね。
シャイロックの金貸はシェイクスピアの「ヴェニスの商人」に登場する強欲な金貸のことで、グレーな融資をしかねない銀行員全体を暗喩したものです。
ただ視点を広げると、シャイロックは日本におけるビジネスマン全員を象徴しているように思えました。
ビジネスって接待したり、ズブズブで取引したり、なんだかんだでグレーなことたくさんありますよね。
正義を貫きたくても、組織にいればできないこともあります。
本作は、悪に手を染めてしまった西木、滝野、黒田のような男たちに対してのレクイエムになっているとも思いました。
ただけっこう細かいところで気になる部分はあり、
- 滝野がなぜ振り込みの明細を銀行で捨てたのか?
- 滝野は銀行内で100万円を盗んだけが監視カメラはないのか?
- 滝野はなぜ石本の土地を確認しに行かなかったのか?
- 半田は帯封を愛理のバッグに入れたら自分の指紋がつくとわからないのか?
などなど疑問点は多々残ります。
半沢直樹のドラマに比べるとツッコミどころも多かったですが、それを差し引いいても十分に楽しめる作品ではありました。
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映画『シャイロックの子供たち』ネタバレあらすじ解説
消えた100万円と10億円融資の関係
長原支店の銀行員たちがいくら探しても100万円は見つからない。
西木はゴミ箱から、江島エステートという会社に100万円が振り込まれた明細を発見した。
支店長の九条(柳葉敏郎)は、事件を本部に知られたくないからと支店の上司4名で100万円を工面することにする。
西木は、愛理のカバンに帯封を入れたのは彼女と不仲の半田麻紀だと考えて問いただす。
警察に指紋を取られたら犯罪になると脅された半田はあっさり自分がやったと暴露。帯封は休憩所で拾ったという。
田端は、課長代理の滝野(佐藤隆太)が最近になって10億円もの融資を獲得した江島エステートに郵便を届けにいくが、住所の場所は場末のボロアパートだった。
田端は怪しいと思い滝野に相談する、しかし滝野は大丈夫としか答えない。
西木は、滝野が100万円を盗んで江島エステートの利払いを肩代わりしたと確信する。
事件の真相
ほどなくして江島エステートという会社がトンズラしたと報告が入り、長原支店は騒然となる。
西木は滝野を江島エステートの住宅地の建設予定地へ連れていく。そこは整備もされてない荒地だった。
滝野は「赤坂リアルターという会社の石本(橋爪功)から以前1000万円ものワイロをもらって架空融資を断れなかった」と白状した。
しかし西木は滝野の裏にさらなる黒幕がいるとにらむ。
架空の会社に融資が通るなんて最初から変なのだ。
西木、愛理、田端は赤坂リアルターの石本との取引を開始したのは支店長の九条だと知る。
検査部から黒田(佐々木蔵之介)がやってきて長原支店を捜査し、10億円の損失だけでなく100万円の紛失も問題視した。
九条は、8年前に黒田がATMから金を盗んで競馬で買って元に戻したことを知っており、それをネタに彼を脅す。
結局、100万円の件は揉み消された。
ラスト結末
西木は九条の行きつけの銀座のキャバクラへ行き、石本と一緒にいるところを目撃。
最初から九条が石本と組んで、滝野を犠牲に多額の金を得る算段だったのだ。
西木は九条と石本を罠にはめようと考える。
飲み仲間の沢崎(柄本明)と相談し、彼が所有する建築法違反のビルを石本に売りつけることに決めた。
西木は何食わぬ顔で九条にその案件を聞かせる。
九条はこのビルで15億円の値段は破格だと考え、すぐに石本に仮契約をすすめて融資を根回しした。
ついにビルの売買契約が成立。
売買成立のその日に、違法建築の良心の呵責に耐えかねてそのビルを作った建築士が警察に駆け込み、逮捕された。
石本は多額の負債を抱えて叫んだ。
九条は黒田に告発される。
黒田は過去の現金引き出しの罪を問われて銀行員をやめ、ドラッグストアで働いていた。
滝野は逮捕され2年間刑務所へ。出所すると家族が出迎えてくれ、涙を流す。
沢崎から分け前として多額の金を受け取ってしまった西木は、兄の借金を返済し、銀行員をやめた。
愛理と田端がヴェニスの商人の舞台を見にいき、近くで田端を見かける。
映画『シャイロックの子供たち』終わり
最後のまとめ
映画『シャイロックの子供たち』は、銀行の融資トラブルと倍返し、そしてほどよい笑いが組み合わさった良作でした。
阿部サダヲが演じる西木が主人公のドラマみたいな〜。前日譚みたいな感じで制作されたらいいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『シャイロックの子供たち』レビュー終わり!
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