実写映画『聖闘士星矢 The Beginning』新田真剣佑さんが伝説の漫画を実写化した日本とハリウッド共同制作の映画で主演!ハリウッドのスターたちも多数登場しますが…。
作品情報・キャスト
あらすじ・ネタバレなしの感想
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
実写映画『聖闘士星矢 The Beginning』作品情報・予告
制作国:日本・アメリカ
上映時間:1時間 54分
英題:『Knights of the Zodiac』
ジャンル:アクション・ファンタジー
年齢制限:G(年齢制限なし)
監督:トメック・バギンスキー
脚本:ジョッシュ・キャンベル/マシュー・ストゥーケン/キール・マーレイ
原作: 車田正美「聖闘士星矢」
制作総指揮:森下孝三/高木勝裕/ジェフリー・チャン/リック・ナサンソン
音楽:池頼広
制作会社:東映アニメーション/Stage 6 Films/Sola Entertainment
製作費:日本円で約78億円
トメック・バギンスキー監督はNetflixの大人気ドラマ『ウィッチャー』の制作総指揮を務めた人物。
英題の『Knights of the Zodiac』は日本語で星座の騎士たちという意味です。
実写『聖闘士星矢 The Beginning』キャスト
星矢|新田真剣佑
新田真剣佑さんは伝説的な俳優・千葉真一の息子。俳優の眞栄田郷敦は弟です。
イケメンなだけでなく空手などの格闘技や剣術も得意で、すごみのあるアクションが魅力。
実写『るろうに剣心 最終章 The Final』では縁役でカッコいいアクションを決めていました。
本作でも格闘アクションは迫力抜群でしたし、ラストで脱いだ時の肉体美は凄まじいです。どんだけストイックに鍛えているんでしょう。新田真剣佑さんの肉体自体がギリシャ彫刻って感じですね。
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他には『ちはやふる』シリーズ、『ブレイブ 群青戦記』『鋼の錬金術師』のスカー役(これらは作品の評判が悪かったですね…)などに出演。
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Netflixの実写『ONE PIECE』のゾロ役も決まっています。
その他のキャスト
役名 | キャスト |
シエナ/アテナ(原作の沙織) |
マディソン・アイズマン(『ジュマンジ』シリーズ,『アナベル 死霊博物館』) |
アルマン・キド(シエナをかくまう大富豪。原作の城戸光政) |
ショーン・ビーン(『ロード・オブ・ザ・リング』『ゲーム・オブ・スローンズ』) |
ヴァンダー・グラード(アルマンの妻。グラード財団の総裁。映画オリジナルキャラ) | ファムケ・ヤンセン(『X-MEN』シリーズ,『96時間』) |
ネロ(フェニックス。グラードのもとで働いている。原作の鳳凰星座・一輝) |
ディエゴ・ティノコ(『マイ・ブロック』) |
カシオス(地下闘技場のファイター。星矢に執着する。) |
ニック・スタール(『ターミネーター3』『シン・シティ』) |
マイロック(アルマン・キドの執事。銃や棒術のスペシャリスト。自家用ジェットの運転もお手のもの。) |
マーク・ダカスコス(『ジョン・ウィック:パラベラム』『エージェント・オブ・シールド』) |
マリン(仮面を被った女戦士。原作の星矢の師匠・魔鈴) | ケイトリン・ヒュートソン(『マンダロリアン』) |
『聖闘士星矢 The Beginning』あらすじ
星矢はかつてグラードに連れ去られて生き別れた姉を探していた。地下闘技場でカシオスと戦った星矢は意図せずコスモのパワーを発動させてしまう。
試合を見ていたアルマン・キドは星矢がグラードに狙われると思い、ボディーガードのマイロックと共に星矢を連れて車で逃げた。グラードの兵士たちが追ってくる。
マイロックは文句を言う星矢に注射を打って眠らせ、自家用ジェットで逃げた。
星矢はとある島の豪邸で目を覚ます。アルマンは娘のシエナを紹介し、彼女がギリシャの戦いと知恵の女神・アテナの生まれ変わりだと説明する。
星矢は信じなかったが、アテナが力を制御できずに紫のオーラをまとっているのを見て初めて本当のことだと悟った。
アルマンは星矢に、「アテナを守る聖闘士(セイント)になれば姉を探すこともできる」と言った。
星矢はマイロックに連れられて崖に囲まれた島へ。そこにはマリンという女性戦士がいた。
マリンは星矢のコスモを解放するために厳しい修行をつける。
いっぽう、グラードはカシオスをサイボーグに改造し、シエナを探していた。
グラードは幼い頃にシエナのパワーで両腕を失い、シエナが世界を滅ぼすと考えて彼女を殺そうとしているのだ…。
ネタバレなし感想・海外評価
原作に詳しくないですがストーリー含めて別物とのことです。
星矢たちの衣装・聖衣(クロス)のデザインも原作と全然違うので原作ファンは不満かもしれませんが、個人的には控え目でモダンな今作のデザインでよかったと思います。
映画としてはファミリーで見るには楽しいと思います。映像もかっこいいですし、バトルシーンも臨場感があって男の子が興奮すること間違いなしです。
新田真剣佑さんがアクロバットな格闘技術を披露してくれて、格闘技大好きな僕としても大興奮でした。
ただ難点はストーリーが薄味なうえに、ご都合主義すぎて微妙なところ。
登場人物も少なめで、物語としての見応えはいっさいありません。
悪くいえば、子どもに絵本で読み聞かせるような英雄譚をそのまま映像化したみたいな作品です。
海外レビューサイトの評価も現状はIMDbが10点中4.9点とかなり低いです…。
おすすめ度 | 50% |
バトルアクション | 86% |
ストーリー | 38% |
IMDb(海外レビューサイト) | 4.9(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト)※随時更新 | 批評家 % 一般の視聴者 % |
メタスコア(Metacritic)※随時更新 | (100点中) |
※以下、『聖闘士星矢 The Beginning』のストーリーネタバレありなので注意してください!
実写化『聖闘士星矢 The Beginning』ネタバレ感想・評価
映像は良い、ストーリーがやばい
まず、『ウィッチャー』に携わったトメック・バギンスキーが監督していることもあって、格闘アクションは見応えバツグン!
序盤の地下闘技場での新田真剣佑の格闘シーンは迫力がありましたし、銃でサイボーグ戦士を吹き飛ばすときのアングルなどもこだわり抜かれていて、さすがハリウッドだと思いました。
序盤はダサいカットがひとつもなく、「ついに日本アニメのハリウッド実写化が成功する日が来た!」とワクワクでした。
しかし、そんな喜びもつかの間。序盤の格闘の興奮が冷めてくるとストーリーが超つまらないという、やばい現実を突きつけられます。
若い男が修行を積み聖なる戦士になって女神を守る貴種流離譚の典型的なストーリーなのですが、そこに肉付けされた要素があまりにも薄すぎて、中盤から後半は絵本をペラペラめくっている感覚でした。それくらいの情報量しかありません。
本作の内容は「姉を探す戦士が修行して自分の未熟な心を克服し、世界の女神を救った」と1行で説明できてしまいます。
まあストーリーがシンプルでも登場人物が魅力的であれば問題はありません。しかし本作の場合は登場キャラにも全体的に深みがなく、感情移入できませんでした。
キャラとして好きだったのはマイロックくらいでしょうか。アルマンの部下である彼が銃とトンファーっぽい棒でサイボーグを倒すシーンは意外性もあって興奮しました。
他のキャラはアルマンもグラードも何をしたいのかイマイチわからないですし、シエナも叫んでいるだけのシーンが多く、共感できません。
地下闘技場の格闘家・カシオスもなかなかいいキャラだったのに、後半で星矢に瞬殺されて残念でした。
中ボス的な立ち位置のカシオスと星矢の戦いはもう少し引き延ばすべきだったと思います。星矢があっさり倒してしまってさめました。
あとは聖闘士星矢のファンにとっては、出てくる聖闘士も星矢とフェニックスと魔鈴だけで少なすぎるという意見もチラホラありました。
ストーリーをシンプルにしてバトルアクションに注力しすぎた結果、原作漫画・アニメファンにとっても新規にとっても魅力のない作品になってしまったといえそうです。
ツッコミどころ満載…
そしてストーリーがペラッペラなうえに、ツッコミどころもたくさんです。
まず本作は単にアルマンとグラード夫妻、そして養子のシエナの家族のトラブルの枠を出てないんですよね。
シエナはまだ子供だから仕方ないにしても、アルマンとグラードがちゃんと話し合ってシエナを優しく育てていれば、星矢がいなくてもシエナがアテナの力をコントロールできて、両腕を治療して、めでたしめでたしで終わった話でしょコレ…。
ぶっちゃけ、両親の離婚が原因でシエナの精神が不安定になって暴走したようにしか見えませんでした。
グラードもヴィランに徹すればいいのに、シエナのコスモを消滅させて彼女を殺す段階で急に母親ヅラして装置を止めようとします。グラードが寝返ったので敵は影の薄いネロしかいなくなり、物語のバランスが崩れました。
さらに星矢とネロの戦いに決着がつくわけでもなく、アテナになって暴走したシエナに吹き飛ばされて戦いはあっさり終了します。
一連のプロセスがあまりにも予定調和でがっかり。繰り返しになりますが、戦う前にみんなで話し合ってればなんとかなったのでは?
あと、アテナのコスモでグラードの腕をあっさり治せるんなら、何人も子供さらって犠牲にする必要なかったじゃん…。
シエナが力を制御できないことはわかるのですが、もう少し家族関係が円満なら罪のない人たちをたくさん殺さないで済んだだろと思わずつっ込んでしまいました。
操縦している飛行機がミサイルを受けまくりだったマイロックもなんとなく生きてましたし、本作は細かいところを全部なんとなくで終わらせています。
シエナがアテナになってオーラを爆発させた被害もよくわかりません。研究施設のスタッフとかグラードの部下とか全員死んだんですかね?
あとちょっと細かいですが、シエナのコスモが暴走したら屋敷の扉やドアが封鎖されてグラードに感知されないようにする!という設定もひどいと思いました。コスモってそんな水漏れみたいなおっそい速度で広がるものなのでしょうか?
コスモがなんらかの波動のようなものなら暴発した時点で感知できるのでは?
星矢が子供の頃に姉との修行でコスモを発動させてしまったときにグラードたちがすぐに駆けつけたことを考えると、コスモを感知させないために窓が閉まるシステムはかなり不自然です。
制作側には「ヒーローものだからストーリーは細かいところ抜きにしてわかりやすくすればいいだろ!」という考えがあったのだと思いますが、逆効果でした。
あとは、聖闘士になってからのドラゴンボールのようなバトルも正直あまり面白くないというか、序盤みたいに普通にリアルな格闘シーンのほうが楽しめました。急にCGのオーラとか出てきてもなんか入り込めません。
CG技術がダメだというレベルではなくむしろかなり頑張っている方だとは思うのですが、オーラとかをヴィジュアル化すると急にチープに見えてしまいます。(聖闘士星矢という題材の問題なので仕方ないですが。)
オーラとか超能力を可視化するならマーベルくらいの映像クオリティにしないとちょっとキツいですね。
全体的に子供が楽しむ分にはいいですが、大人がおもしろいと感じるような映画ではなかったと思いました。
続編も感じさせる終わり方でしたが、シリーズ化はなさそうな気がします。日本ではコケてますし、海外で大ヒットすれば続編もあるでしょうけど、海外でウケるような感じもしませんでした。
せっかく日本の若手イケメン俳優代表の新田真剣佑さんがハリウッドデビューしてくれたのに内容が微妙で残念でした。けっこう酷評してしまいましたが、世界でコケてほしくはないです。
映画『聖闘士星矢 The Beginning』ネタバレあらすじ解説
マリンとの修行、グラードの猛襲
星矢はマリンとの修行でとうとうコスモをコントロールすることに成功し、戦闘力を飛躍的に向上させる。
さらに姉の形見であるペンダントの力を解放し、聖衣(クロス)をまとったペガサスの戦士になった。
星矢は過去のヴィジョンを見る。グラードが姉を誘拐した現場にアルマンもいたのだ。
星矢はアルマンがグラードとグルだと怒って屋敷に戻る。
シエナが怒る星矢をなだめるように経緯を説明した。シエナは金色の戦士に守られて生き延びた女神・アテナの生まれ変わりだということ、グラードが幼い自分を抱いて両腕を吹き飛ばされた過去。それ以来グラードが生きるには体内にコスモの力を宿す子供たちをさらってコスモの力を吸収しなければならなかったことを説明した。
そんな中、アルマンの屋敷の場所を見つけたグラードが飛行艇でやってくる。星矢はカシオスと戦うが、心が怒りに支配されていたため聖闘士に変身できずにボコボコにされる。
アルマンはグラードたちを倒すために屋敷を自爆させて死亡。しかしシエナはグラードに連れ去られる。
ラスト結末:アテナ復活
グラードは自社の研究施設でネロと一緒にシエナのコスモを消滅させようとする。縛られたシエナはあまりの苦痛に叫んだ。
娘の叫び声を聞いたグラードは、シエナのコスモ消滅を中止しようとする。しかしアテナに脅威を感じるネロはそれを許さない。
聖闘士に変身した星矢がやってきて、サイボーグ化したカシオスを一撃で倒した。
ネロが黄金の聖闘士・フェニックスに変身して星矢に向かってくる。
星矢はフェニックスの攻撃で吹き飛ばされ、その強大なパワーに驚いた。
星矢とフェニックスが戦っているとシエナのコスモが暴発して、彼女はアテナになってしまった。星矢もネロも吹き飛ばされて聖闘士の鎧も砕ける。
星矢は爆風のようなオーラでボロボロになりながらもシエナに近づき、「君は普通の人間だ」とさとす。
シエナは正気を取り戻し、コスモを制御することに成功。グラードの腕もコスモで治療することができた。
ネロはどこかへ去る。
星矢とシエナはマリンの島で語り合った。シエナはこれから星矢が姉を探すのを手伝ってくれると言う。
星矢は「女神さま、お姫さま」と呼びかけて笑った。
これからさらに強い聖闘士たちがシエナの命を狙いにやってくるだろう。星矢の戦いは始まったばかりだ!
映画『聖闘士星矢 The Beginning』終わり
最後のまとめ
映画『聖闘士星矢 The Beginning』は、大迫力のバトルアクション、スタイリッシュな映像に薄っぺらいストーリーが付属した凡作でした。
ひどい駄作とまではいきませんが、個人的に成功とまで呼べるクオリティではなかったと思います。
漫画やアニメの実写化がなぜ難しいのか教えてくれたような映画でした。実写化だと、ストーリーや設定と実写のリアリティのバランスが崩壊してしまうからなんですね。
本作の場合は映像はなかなかカッコよかったけど、ストーリー設定を簡易的にしすぎて物語としてのおもしろさがスポイルされた印象でした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『聖闘士星矢 The Beginning』レビュー終わり!
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