Netflixアニメ『PLUTOプルートゥ』。次々に殺害されていく世界最高水準の人工知能ロボット!果たして犯人は人間なのかロボットなのか?その目的は!?
作品情報・CV
あらすじ・ネタバレなしの感想
全8話ネタバレあらすじ・各話の感想レビュー・最終回の結末解説
これらを知りたい人向けに内容をわかりやすくまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。好きな項目から読んでください。)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
Netflixアニメ『PLUTOプルートゥ』作品情報・予告
制作国:日本
話数:全8話
ジャンル:アニメ、ファンタジー
年齢制限:13歳以上推奨
監督:河口俊夫
プロデュース:長崎尚志
原作:浦沢直樹「PLUTO」、手塚治虫「鉄腕アトム/地上最大のロボット」
キャラクターデザイン:藤田しげる
制作:ジェンコ
配給:Netflix
キャスト・CV
ゲジヒト|cv 藤真秀
アトム|cv 日笠陽子
モンブラン|cv 安元洋貴
ブランド|cv 木内秀信
ヘラクレス|cv 小山力也
ノース2号|cv 山寺宏一
エプシロン|cv 宮野真守
Netflixアニメ『PLUTOプルートゥ』あらすじ
スイスのアルプス山脈で竜巻が起こった直後、現地でガイドをしている英雄的なロボット・モンブランが何者かに殺害された。
モンブランの頭部にはシカの角に見立てた枝が飾られていた。まるでローマ神話の冥王・プルートゥを表現しているようだ。
世界最高レベルの人工知能ロボットでユーロポール特別捜査官のゲジヒトは、戦闘力の高いモンブランが一体何者に殺されたのか調査を進めていく。
いっぽうドイツでは、ロボットの人権を訴える法学者ベルナルド・リンケが何者かに殺害された。
ゲジヒトは2つの事件の犯人は同じだと推理する。
犯人はゲジヒトを含めた7体の世界最高水準のロボットと、ロボットの人権を擁護する学者たちの殺害を目論んでいるようだ。
7体の世界最高水準のロボットは、全員が過去に第39次中央アジア紛争に派遣された経験を持つ。
ゲジヒトは日本の鉄腕アトムや、トルコのブランド、ギリシャのヘラクレスに会いに行き、協力を呼びかけるとともに、迫り来る脅威について伝える。
竜巻が起こり、また1体のロボットが殺害されていく…。
ネタバレなし感想・口コミ評判・海外評価
『PLUTOプルートゥ』の漫画は当時子供の頃に1巻か2巻まで読んで、あまりハマらなくてやめてしまったのですが、本アニメは圧倒的に面白くてビビりました。
Chat GPTなどの生成AIが世間で話題ですが、『PLUTOプルートゥ』は20年前に発表された作品にも関わらずAIやロボットの倫理問題としてかなり先に進んだ内容だと感じました。
さすが浦沢直樹×手塚治虫の作品ですね。
近年はAI(人工知能)についてのコンテンツが非常に多くなってきていますが、2023年に公開された映画『ザ・クリエイター/創造者』と比較してもストーリーにおいてだいぶ先に進んだ議論がなされていると思いました。
大人向けアニメの最高峰です。
研究者はともかく、AI問題に関心がある人は絶対に見た方がいいです。
海外レビューサイトもIMDbが10点中9.3点。ロッテントマトズの一般視聴者支持率も94%も非常に高いです。
おすすめ度 | 95% |
世界観 | 90% |
ストーリー | 94% |
IMDb(海外レビューサイト) | 9.3(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 % 一般の視聴者 94% |
メタスコア(Metacritic)※随時更新 | (100点中) |
※以下、Netflixアニメ『PLUTOプルートゥ』のストーリーネタバレありなので注意してください!
1話ネタバレ「プルートゥ」
スイスで最高レベルのロボット・モンブランが死亡。
ゲジヒトは関連する事件として法学者のベルナルド・ランケの殺害について調査していた。
近くの現場で破壊された巡査ロボットのメモリーチップに、ランケのビルに飛び移る何者かの映像があった。
ゲジヒトは、8年前に殺人を犯して(ロボットは人間に危害を加えられないようプログラムされているはず)監禁されているロボット・ブラウ1589に会いにいき、意見を求める。
ブラウはモンブランの死亡現場の写真を見て「ローマ神話の冥王・プルートゥのようだ」と語った。
世界最高水準の7体のロボットが狙われていると気づいたゲジヒトは、日本の鉄腕アトムに会いにいく。
いっぽうスコットランドでは、第39次中央アジア紛争でたくさんのロボット同胞を殺害したトラウマを持つノース2号が、盲目の作曲家ポール・ダンカンの執事として雇われた。
ポール・ダンカンは「機械と人間は違う。機械がつくるものはすべて偽物だ」とノース2号を馬鹿にする。しかしノース2号から生き別れた母の実情を聞いて涙し、考えをあらためた。
ダンカンとノース2号の間に友情が芽生え、ノース2号はピアノを弾くのが日課になっていた。
ある日、急に竜巻が近づいてきた。ノース2号はダンカンを守るために空へ飛び立つ。激しい戦闘の末、ノース2号は破壊されて死亡した。
ダンカンは空に響くノース2号の歌声を聞いて「早く帰ってこい」とつぶやいた。
エピソード1の感想
ダンカンを守るためにマントをとって戦闘兵器としてのおぞましい姿を見せるノース2号。
もう2度と戦いたくないと言ったノース2号ですが、執事としての仕事以上にダンカンを守りたい気持ちがあるのでしょう。(文章を書いているだけで泣けてきます。)
ノース2号の危機を悟ったダンカンのセリフ「早く帰ってこい、ピアノの練習の時間だぞ…」で号泣。
第1話からこのアニメを見て本当に良かったと思えました。PLUTO最高です!
ダンカンが子供の頃にブラック・ジャックの治療を受けていた小ネタもグッド!
手塚治虫のロボット感を推し進めたロボットの人権問題にも考えさせられました。数十年後に本当に議論される問題かもしれません。
ロボットにも無意識があって夢を見る設定にも脱帽…というかもうここまで来たら人間のようなものですね。
2話ネタバレ「プルートゥ」
日本ではロボット法学者・田崎純一郎も殺害された。吊るされた田崎の死体にはシカの角のようなものが添えられていた。
アトムの調べで、田崎は人間の客を迎えたあとで何かに気づき、お茶の水博士に電話しようとして殺害されたと判明。
アトムはゲジヒトと会い、彼のメモリーチップを読む。アトムはゲジヒトの衝撃的な過去を知って涙した。
アトムは、死亡した田崎やベルナルド・ランケ、さらにはお茶の水博士も、第39次中央アジア紛争当時に中央アジア・ペルシア王国に大量破壊ロボットがあるか調査に行ったボラー調査団のメンバーだったと知る。
ボラー調査団は大量破壊ロボットの証拠は確認できなかったが、現地のモスクの地下に大量のロボの残骸があったのを目撃した。
当時のペルシアには天才と呼ばれるゴジ博士がいた。
ゲジヒトは、世界最高水準の7体のロボットの1人でトルコに住むブランドに会いにいく。
ブランドはパンクラチオンスーツを装着して戦う格闘技で無敗のチャンピオンだった。今度はもう1人の世界最高水準ロボで戦友のヘラクレスと戦う予定だ。
ブランドはロボットの妻と人間の養子たちと幸せに暮らしていた。
ブランドはゲジヒトから「第39次中央アジア紛争で出兵したロボットが狙われている」と聞いて、モンブランの復讐を決意する。
ゲジヒトがヘラクレスに会いに行っている間にブランドは謎の竜巻の中にいる敵と戦った。
ブランドはゲジヒトやアトムと通信をしながら交戦する。通信で「敵を倒した」と言ったが、ブランド自身もバラバラに破壊されて死亡。
ヘラクレスは100km沖合で、ブランドのパンクラチオンスーツの腕がシカの角のように岩礁に置かれているのを見て怒り叫ぶ。
エピソード2の感想・考察
ブランドが最後に敵のデータを送ると言いましたが、浮かんでくるのは家族の映像。彼が最後に想ったのは家族でした。涙ボロボロです。
第39次中央アジア紛争は、大国トラキアがロボットの軍隊をようするペルシア国が「大量破壊ロボットがある」と言って攻め入ったもののようです…アメリカが引き起こしたイラク戦争ですね。
現実に起きた問題が入れ込まれていて素晴らしいと思いました。
3話ネタバレ『プルートゥ』
ペルシア国のアブラー博士が日本にやってきていた。アブラーは、3カ月前に法学者・田崎と会っていたことで警察から質問を受けるが、事件には関係ないということになる。
アブラー博士は先の戦争で負傷し、体の半分以上が機械だった。
ゲジヒトは妻・ヘレナと日本への旅行を予約した際に、2年前も日本旅行を計画してキャンセルしたデータを見せられる。そんな記憶はない。記憶が何者かに書き換えられている。
ゲジヒトはホフマン博士に調べてもらうが「異常はない」と言われる。
ホフマン博士が局長にその件をたずねると、「ゲジヒトは大量破壊兵器になり得る7人のロボだ」というあいまいな答えしか返ってこなかった。
貿易商のアドルフ・ハースは反ロボット団体に所属していた。父親がロボットのせいで職を失って自殺した過去を持っていたからだ。
アドルフの兄は極悪人だったが、3年前に死亡。法律によりハースは3年経ってからやっと遺体を引き取ることができた。
遺体は粉々だった。特殊合金ゼロニウム弾が使われた可能性が高い。そんなものを所有しているのは超高性能ロボのゲジヒトだけだ。ハースはゲジヒトへの復讐を誓って尾行した。
エプシロンがヘラクレスに会いにくる。そして「戦争で保護した孤児の1人がトラウマで『ボラー』としかしゃべらない」と告げた。
いっぽう、日本ではウラン(アトムの妹)が廃墟で倒れている男性ロボットを発見してエネルギーを与える。男性ロボットは何かから逃げたという記憶しか持っていない。男性ロボットには壁に花の抽象画を描き、植物たちに生命を吹き込む力があった。
アトムたちが危険を察知してやってくる。ウランが助けたロボットはプルートゥだったのだ。
そのロボットはバタリと倒れた。アトムが電子頭脳がないのを見つける。その男性ロボットはプルートゥに遠隔操作されていただけだった。
アブラー博士は自分が作ったゴビ博士にプルートゥを探させ、池の中にいるのを発見。アトムを殺せと命令した。
エピソード3 感想と考察
プルートゥの本体はまだ登場していませんが、ウランとの会話や植物を蘇らせているのを見るに、彼もまたとてつもない葛藤を抱えているようですね。
その葛藤をおさめるために別のロボットに遠隔操作で入り込み、魂の散歩をさせる…。深すぎます。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」的な人間とロボットの境目を問いかける秀逸なエピソードでした。
ゴビ博士の口からゴキブリロボットが大量に飛び出してくるシーンのおぞましいこと!本作はアニメーションのクオリティも非常に高いですね。
ハースが所属している反ロボット団体は完全にナチスでした。人類の歴史的な問題を上手にAI問題に落とし込んだ浦沢直樹はやっぱりさすがだと思いました。
4話ネタバレ「アトム死亡?」
お茶の水博士は公園で倒れていたロボット犬を直そうとするが、旧型で企画があう部品がなく壊れてしまう。
お茶の水博士の家にゴジ博士が現れた。
ゴジは「お茶の水博士の孫・隆史の家にプルートゥを行かせた。孫が大切ならアトムを現地に向かわせろ!」と言う。
アトムがお茶の水博士の家にやってくると、ゴジは逃げた。
アトムは海岸沿いにある隆史の家へ飛ぶ。すでにウランがおり、隆史たちを避難させていた。
アトムは竜巻をまとったプルートゥと戦い、そして死亡した。
お茶の水博士はアトムの生みの親である天馬博士に連絡をしようとしたがコンタクトが取れない。
天馬博士が「完璧な電子頭脳は憎悪で育ち、間違えを犯す。これ以上、ロボットを人間に近づけると大変なことが起きる。アトムは失敗作だ」と言っていたことを思い出した。
エプシロンを作った光子エネルギーの権威・ハワード博士が何者かに殺害される。
エプシロンはキンバリーでハワードと天馬博士と3者会合を行ったホフマンも狙われると考え、彼を保護してヘラクレスのもとに連れて行った。
ゲジヒトは寝ている間にアトムからのメッセージを受け取った。空港でそのデータを開けてみるとそれはアトムがプルートゥに殺される直前に送ったもので、「ゲジヒトさん、あなたはプルートゥと同じ。僕を殺したのはあなただ」という音声が入っていた。
ゲジヒトは倒れて一時的に電子頭脳が暴走するが、ホフマンの研究室で何事もなかったかのように目覚めた。
アドルフ・ハースはゲジヒトを殺害しようとしていることが教団にバレて爆弾で命を狙われ、寸前のところで助かった。
ゲジヒトがハースの警護にあたることになる。隠れ家へ移送中のトイレで、ハースは掃除用ロボットから「家族を殺された句なければゲジヒトを殺せ」とメッセージを告げられていた。
ハースのデータにペルシア国にあるトルキア所有の刑務所の映像データがある。元最高責任者・ダリウス14世が「ランケ、タザキ、ハワード、お茶の水…」とかつてのボラー調査団のメンバーの名前を口にしているものだった。
ボラー調査団はペルシアで大量破壊ロボットこそ発見しなかったが、天馬博士が発案したチップを見つけていたらしい。
エピソード4 感想と考察
プルートゥが登場するときの竜巻や津波の表現がすごすぎて見惚れてしまいました。
アトムの「ゲジヒトとプルートゥは同じ…僕を殺したのはあなた(ゲジヒト)」のセリフが怖すぎます。巨大ロボ・ボラーの正体がゲジヒトとか?
天馬博士の「完璧な電子頭脳は間違える」という言葉が、AI問題の確信を突いているような気がしました。ミスを犯すロボットが出てきたとき、本当の意味で人間とロボットの区別がなくなりそうです。
ロボット犬が完全に壊れる前にお茶の水博士と遊んであげようと、その使命を健気にまっとうしようとしていたシーンは泣けました。
このアニメを見て私は完全にロボット擁護派になっています。まあ日本には鉄腕アトムもドラえもんもいますし、海外に比べたらロボットの人権擁護派が多そうですね。
最後のまとめ
Netflixアニメ『PLUTOプルートゥ』(プルートウ)はロボットの悲哀と倫理を問いかけた傑作サスペンスでした。
海外の評価も非常に高いですし、プルートゥのブームが再燃しそうですね。
本作を見て日本が世界に発信できるコンテンツはまだまだあるじゃないかと思いました。あとは制作会社がネトフリ作品を手を抜かないで作ってくれれば日本のアニメが世界を席巻する希望はあると思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『PLUTO』レビュー終わり!
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