Netflix『地獄が呼んでいる』全6話ネタバレあらすじ感想・怪物の正体 ラストの意味考察・評価・キャスト解説

  • 2024年10月26日

最終回6話

ソヒョンは新真理会本部でユジ執事に、赤ちゃんが告知を受けた理由を知りたいと言います。

ユジ執事は議長に相談し、ソヒョンたちを隔離して赤ちゃんの告知を隠蔽することを決定。

ミン・ヘジンとヨンジェたちが新真理会本部に侵入し、隙をついてソヒョンを助け出しました。

ミン・ヘジンはソドの仲間であるイ・ドンウクが住むアパートへヨンジェたちを連れて行きます。ドンウクは元新真理会信者ですが、告知を受けてから目が覚めたそうです。

ソヒョンは赤ちゃんの試演の生放送を受諾し、最後までそばにいると言います。

イ・ドンウクは新真理会の議長に電話をかけます。元矢じりのカリスマ配信者・スカルマスクだったドンウクは赤子の試演の5分後が自分の試演だということに運命を感じ、頭がおかしくなったのです。

議長はドンウクが赤子の死刑を隠して神の原則を守ためのメシアだと言います。

ドンウクは包丁でヘジンの仲間2人を殺害。ヨンジェやヘジンがドンウクと争います。

ついに赤ちゃんの死刑の時刻。ソヒョンはアパートの中庭に出て、上階からのぞく住民たちに「この子が今から試演を受けます」と叫びました。

3体の怪物が現れます。ヨンジェはソヒョンと抱き合いました。熱光線が彼らを焼きます。怪物たちは消えていきました。

3体の怪物に焼かれるヨンジェとソヒョンと赤ちゃん シーズン1最終回

©︎Netflix

泣き声が聞こます。なんと赤ちゃんは焼けずに生きていたのです。

ドンウクは神の原則を遂行するために包丁で赤ちゃんを殺そうとしますが、ヘジンが防ぎました。ドンウクは再び現れた怪物たちによって殺されます。

ヘジンは赤ちゃんを抱き、アパートの住民に見守られながら去っていきました。

ユジ執事たちが現れてヘジンを追おうとしますが、住民たちが阻みます。ユジは「お前たちは嘘つきだ」と罵ってきた老人を殴りました。見かねた警察がユジを逮捕します。

その頃、保管されていたパク・ジョンジャの焼死体が動き出し、不思議な力で復元され、生き返りました

ラストシーン 死体から蘇ったパク・ジョンジャ

©︎Netflix

Netflix韓ドラ『地獄が呼んでいる』シーズン1最終回END

地獄が呼んでいるシーズン2のネタバレ解説はコチラ

黒い怪物の正体を考察

黒い怪物

©︎Netflix

タイタンのようなゴリラのような黒い怪物が3体出てきて、告知(地獄行き宣告を受けた)人をリンチして焼き殺しますが、そもそも怪物の正体も、死刑の意味もドラマ内ではまったく明らかになっていません。

前提として、ヨン・サンホ監督の映画『サイコキネシス念力』や『新感染ファイナルエクスプレス』などの作風から、人類が脅威に脅かされる理由自体には大きな重点を置いてないと考えられます。

怪物は人間の恐怖を引き出す装置としての側面が強いです。(ドラマ『ウォーキング・デッド』でゾンビの登場理由がどうでもいいのと似ています。)マクガフィンのモンスターVerですね。

CineMag
人類を襲う悲劇に理由をつけてその部分をフォーカスするより、人間の恐怖にスポットを当て、極限の心理状態やヒューマンドラマを描きたいのでしょう。

実際にヨン・サンホ監督は「リンチする最小単位として地獄の使者を3人にした」と答えています。

なので『地獄が呼んでいる』シーズン1時点で、怪物の正体にストーリー本質が隠れているかといえばそうでもない気がしますが、あえて3つの解釈をあげて作品の幅を広げてみたいと思います。

旧約聖書の怪物

旧約聖書の怪物でモンハンにも登場するベヒーモス

3体の怪物は人間を地獄に連れていくので、死神や悪魔、天使だと考えることができます。ただこの回答だと抽象的すぎるので、もっと具体的に当てはまるものを考えてみましょう。

本作には地獄や神、宗教というフレーズが出てくるので、聖書から紐解いてみましょう。

3体の怪物の正体は『旧約聖書』に登場する、ベヒーモス、リヴァイアサン、ジズという3体の獣ではないでしょうか。

モンスターハンターやFFなどのゲームにも登場する、陸海空を制する聖書で神が生み出した有名な怪物で、3体で1セットとして語られることも多いです。

特にベヒーモス(ベヒモス)は地獄を統括する悪魔サタン(ルシファー)の仲間で、ベヒーモスを悪魔だとする説もあり、劇中の怪物に近い存在のような気がします。

CineMag
聖書でこの3体の獣がドラマの黒い怪物と同じように地獄送りリンチをやったわけではないですが、3という数字が対(つい)になっているのであげてみました。

ギリシア神話のモイラ

地獄が呼んでいるで地獄の死者のもとになった死の女神モイラ(モイライ)三姉妹
画家ジョン・メルフイシュ・ストラドウィック『運命の三女神:クロートー、ラケシス、アトロポス』(1885年)

ギリシア神話の女神・モイラ3姉妹を知っていますか?

モイラ(モイライ)は死神のような役割の3姉妹で長女・クロートーが生命の糸を紡ぎ、次女・ラケシスが長さをはかり、三女・アトロポスがその糸を切ります(ディズニー映画『ヘラクレス』(1997)にも登場)。

CineMag
人の寿命を決めて殺しているので、ドラマの黒い3体の怪物と役割が同じですね。

『地獄が呼んでいる』のモンスターの正体はギリシア神話のモイラ3姉妹!

個人的にはこの説が1番しっくりきます。

死の女神を黒いゴリラに変えることで強烈なインパクトを残しました。

3体の怪物は災害であり神

3つ目の説は、3体の怪物=災害のメタファーというもの。

昔の人々は災害を神によるものとおそれていました。

キリスト教では神は三位一体(父・子のキリスト・聖霊で1つ)という教義があるので、災害=3体の怪物=神と考えてもいいかもしれません。

科学が発展した現在、人間は災害が神だと信じませんが、昔の災害を畏怖する構図を現代的に表現したのが3体の怪物と死刑とも考えられます。

リンチ=災害=神が不可避なうえに可視化され、いつ誰に起こるか告知されたら、そりゃ恐怖ですよね。

CineMag
災害のメタファーだと仮定すると、本作のメッセージは人知の及ばない死について勝手に解釈(自律)すれば、悲劇が増幅するだけ!というアイロニカルなものになるでしょう。キリスト教や韓国・統一教会など、宗教全体に対しての非常に鋭い批判になっています。
いろんな説を考察してみましたが、結局は視聴したアナタ自身が怪物の正体に答えを出すことで、本作は完成するのだと思います。
次のページではラストのパク・ジョンジャの復活の意味やタクシー運転手について考察&解説↓↓