映画『アイデンティティー』ネタバレ考察:ラストや伏線の解説/モーテルと多重人格者の関係は?ティミーの謎

  • 2024年1月4日

映画『アイデンティティー』の謎

トランクの死体だけ残っている

終盤でみんなの死体が消えているというシーンがあり、

殺されたので、マルコムの頭の中から完全に人格が消えたということなのでしょうが、

その後に、最後にロードたちが乗って来たパトカーのトランクにも死体が入ってる描写があったので、

「この死体は消えねーのかよ!?」と思いませんでした?

ティミーがロードに罪を擦りつけるためにトランクに死体を入れたのでしょうけど、、、

この死体だけ消えなかったということは、マルコムの人格の中で、

ティミーがある程度主導権を持っていると考えることができるかもしれません。

マルコムの表に出ている人格は誰?

現実世界の会議室に引き戻されたシーンではじめてエドはモーテルが現実でないど気づくワケです。

モーテルでドタバタしている11人はここが現実世界でないと気づいていないので、少なくとも医師の人格を集めて争わせるという治療中は1回も目覚めていないわけです。

ということは、現実世界でマルコムを支配している人格が別にいるという可能性があります。

パターンとして、

  1. マルコム自身の人格は11人とは別に存在
  2. 11人とは別の人格は存在しない。(頭の中で争っている間は”トリップ状態”なので関係ない)
  3. 犯人のみ現実世界とリンクしている

この3つが考えられます。

マルコム自身の性格が存在するという線については、ラストの車でマルコムの輸送中、生き残ったパリスの人格で歌っているという描写があるので却下。

犯人(ティミー)が現実世界とリンクしているのであれば、現実の検察側などが見逃さなかったはずなので、この線もなし。

解答は→2の別人格は存在せず、争い中はトリップ状態”となります。

ここまで突っ込む必要はないかもしれないですねw

この辺は脚本上も曖昧だったのだと思います。

映画『アイデンティティー』がサスペンスとして上質な理由を解説

絶対に思い付かない多重人格のシナリオ

多重人格を頭の中で争わせるというシナリオは、普通の人では思いつかないでしょう。

たとえ考えたとしても、現実世界にスポットを当て、人格の切り替わりなどありきたりのことを表現しようとなれば、アイデンティティのような物語は絶対生まれないわけです。

物語の整合性を確かにするディティール

  • マルコムが幼少期モーテルで捨てられた
  • 各人物の言動がマルコムの心の傷を表している

こういった場面を差し込むことで、頭の中で起きている事件にリアリティと現実との関連性を強調しているのです。

ティミーが殺人鬼の設定

大人にパワーでもスピードでも劣る小さな子どもティミーが殺人鬼!

普通はありえない設定ですが、マルコムの頭の中の話なのでセーフ!

もし、モーテルの話が現実なら、子どもが大人を簡単に殺しまくるという無理な設定に興醒めしてしまいますが、アイデンティティは上手くその辺も計算して作られています!

車の爆発の後にみんなの死体が消えている

ティミーとジニー(女性が)裏手の車に乗り込んだ瞬間爆発というシーンのすぐ後に、

死体がない→今まで死んだ全員の死体が消えている!という流れなので、

ティミーがどこかに隠れているという選択肢が、観ている人の頭の中から完全に消えます。

よりラストを予想しにくくするために、計算してそうしたでしょう。アッパレ!

頭の中の出来事だった!というのがオチだと勘違いさせる

劇中でエド(ジョン・キューザック)が、弁護側と検察側に囲まれた現実で目覚める可哀想なシーンがあるが、視聴者はこれがオチだと思い、ラストにさらにびっくりするような構成になっていると思います。

まさに”オチの2度漬け”

モーテルの凄惨な出来事が実際の世界にも影響を与える

ティミーの人格が生きていて、パリスの人格を殺害。

現実世界では、マルコムが医師と運転手をを車の中で殺害します。

つまり、モーテルの出来事は現実に影響を及ぼす→モーテルでの出来事は限りなく現実に近いというリアリティを観ている人の頭に刷り込んでいるのです。

最後に感想まとめ

映画アイデンティティのポスター

最後にアイデンティティのポスターをよく見てください。手のひらの4本の指が、人の形をしていることに気づいたでしょうか?

映画アイデンティティは、アイデアと細部まで徹底的にこだわった実現力がとても素晴らしい映画だとお分かりいただけましたでしょうか?

この映画について、僕の意見よりさらに深い考察とか、新しい意見をくれたらとても嬉しいです。

ぜひコメントしてください!

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