アニメ映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』地味な男子が鬼の女子と一緒に彼女の母親を探すために冒険するストーリー!
作品情報・キャスト
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
正直な感想・酷評(ネタバレあり)
ストーリー考察
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』作品情報
制作国:日本
上映時間:
ジャンル:アドベンチャー
年齢制限:
監督:柴山智隆
脚本:柿原優子/柴山智隆
原作:ナシ、映画オリジナル
主題歌:ずっと真夜中でいいのに「嘘じゃない」
音楽:窪田ミナ
制作:スタジオコロリド
監督の柴山智隆は『泣きたい私は猫をかぶる』で有名。
制作会社スタジオコロリドはNetflixと3本契約をしており、本作が2作目。1作目は『雨を告げる漂流団地』でこれも面白かったです。
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原作ではなく岩佐まもる著のノベライズ版『好きでも嫌いなあまのじゃく』がKADOKAWAから出版されています。
『好きでも嫌いなあまのじゃく』キャスト・CV
八ッ瀬 柊(やつせ ひいらぎ) |CV 小野賢章
(小野賢章の関連作品↓)
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ツムギ|CV 富田美憂
映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』あらすじ
夏なのに雪が降る異常気象が話題になっていた。
高校生の八ッ瀬 柊(やつせ ひいらぎ)は、自己主張が苦手だった。
自分の意見が言えないため、友達にいいように使われている。同級生の女子から夏祭りで彼氏のフリをしてくれと言われて了承するが、うまくいかなかった。
その帰り道、柊はバスから降りた同じ歳くらいの少女・ツムギと出会う。柊はツムギを家に連れて帰った。家族がツムギをもてなした。
その夜、柊の部屋にユキノカミという怪物が現れる。柊はパニックになった。ツムギが部屋に入ってきて一緒に逃げることになる。
ツムギには角が生えていた。
ツムギは鬼の子で、3歳の頃に失踪した母親を探すために人間の世界にやってきたらしい。
柊はツムギの母を探すために一緒に冒険することにした!
※以下、映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』ネタバレ・ラスト結末解説
ヒッチハイクの冒険
柊の体から白い空気のようなものが抜け出ている。ツムギはそれが小鬼で、思っていることを隠すとフワッと出てくると話した。
確かに柊は友達にも父親にも言いたいことが言えない性格だ。
小鬼がたくさん体から出ると、いずれ鬼になるらしい。
ツムギは父から母が日枝神社に行くと聞いていたので、その神社に行きたいと言った。
柊とツムギは所持金ゼロだったのでヒッチハイク。各地で古着を売っている竜二と澪(みお)の兄妹の車に乗させてもらい、そのあとはフリーマーケットを手伝った。
柊は竜二と澪がお互いに言いたいことを言えていないことに気づき、しっかり話した方がいいと伝える。
そんなとき、ツムギがユキノカミに襲われて逃げる。柊は彼女のあとを追い、木から落ちて気絶しているのを見つけた。
柊はツムギを担いで近くの旅館・宝寿の湯へ。女将たちがツムギの手当をしてくれる。
翌日、女将や夫は親に連絡しろというが、柊は働くから少しここにいさせてくれと頼んだ。
結局、柊は母・みくりに電話して、すぐは帰れないと伝える。
柊とツムギは旅を続けてあるカフェへ。そこには大きな屏風があり、鬼たちが暮らす隠の郷(なばりのさと)がユキノカミに襲われている光景が描かれていた。
母の失踪の謎
柊とツムギはついに日枝神社に到着。するとそこにはツムギの父・いずるの姿があった。
いずるは「母はここにいない」と説明。ツムギは「なぜ本当のことを言わない?」と怒ってその場から去る。
柊が追うが、うまく言いたいことが伝えられず2人は口論になってしまった。
ツムギと別れた柊の体からたくさんの小鬼が出る。
父親が柊を見つけるが、柊は父親の目の前でユキノカミに食われて消えた。
ユキノカミの体に入った柊は、鬼たちが暮らす隠の郷(なばりのさと)までやってきた。柊を食べたユキノカミは消滅する。
ツムギといずるも隠の郷に戻ってきた。柊とツムギは再会して仲直りする。
隠の郷はなぜか守り神であるはずのユキノカミに襲われて鬼たちが食べられる状況だという。
御前様は、「隠の郷は自分の気持ちを隠す者たちが生きられる場所だ」と話した。
ラスト結末:母がいる場所
ツムギは1人でユキノカミの依代(よりしろ)である神成の面がある社(やしろ)へ向かう。
柊は他のみんなの前でツムギを追いかけたい!と叫んで、あとを追った。
社についたツムギがお面に触れると、向こう側の世界に連れ込まれる。そこで母・しおんに再会した。
しおんは生贄として、向こう側の世界に取り込まれていたのだ。
ツムギは向こう側の世界で柊の足跡を見つけて走る。するとタイムバックして、初めて会った日の柊(バスから降りた直後)とぶつかった。
ツムギが目を覚ますと柊がいた。2人は空を飛ぶ。母・しおんもこちらの世界に戻ってくることができた。
柊はツムギに別れを告げて隠の郷を出て父と共に家に帰る。父や友達に言いたいことを言えるようになっていた。
しばらくするとツムギが人間界にやってきた。柊とツムギはお互いに想いを告げようとする。
アニメ映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』終わり
『好きでも嫌いなあまのじゃく』考察
鬼の設定と主人公のリンク
鬼の設定、里の設定、タイムスリップ設定など、全てがフワッとしていましたので考察が必要です。
言いたいことを言えないと体から白い煙(小鬼)が出る設定とか、柊から一旦角が生えてまた人間に戻るとか意味不明でしたね。
鬼の設定すべてが主人公・柊の心情を説明するための装置なのでしょう。
「隠の郷は自分の気持ちを言えない鬼たちが暮らす場所!」と御前様が言ってました。
ある面で鬼の郷は柊の心象風景を表現しているのです。
(逆にいうと、すべてが主人公の心象風景を説明する装置にしか見えない…。)
考察:実は主人公の夢
いろいろまとめると、冒頭で柊が電車の中でボーッとして雪山にいるツムギの幻を見たところから、すべて柊の夢か妄想だったと捉えることも可能だと思います。
そうすると細かい部分や設定に一貫性がないことにも納得できるのです。
宮崎駿の『君たちはどう生きるか』のスケールを小さくしたバージョンと考えると良いかもしれません。
映画は柊の妄想。現実のストーリーはコレ↓
- ツムギは存在するけど、鬼ではなく雪山で会って仲良くなった少女
- 柊は彼女に好きと言えなくて一緒に冒険するストーリーを作り上げた
- 最後に再会
映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』ネタバレ感想・酷評
フワッとしたジュブナイル
スタジオコロリド作品は『雨を告げる漂流団地』は好きでしたが、本作はぶっちゃけ面白くありませんでした。
『雨を告げる漂流団地』は大人も楽しめるジュブナイルですが、本作は10代前半の子供くらいしか楽しめないのでは?という感想。
まず展開がけっこう強引でした。
柊とツムギがあっさり冒険を開始しするときも、一旦家帰って金を少しでも持っていけばよかったじゃん…とか、細かいところが気になる。
あと、ツムギが怪我して旅館に連れて行くところなんか、普通なら旅館の人が手当じゃなくて救急車呼ぶだろ!…とか、柊たちだけでなく大人たちも常識からずれています。
『すずめの戸締り』と比べるとスケールも小さいし、変なツッコミどころも多い。
柊とツムギが旅館の同じ部屋で寝泊まりしているのも違和感。柊は高校一年生。ビン○ンのはずだが…。
10代の生々しい恋愛感情が削ぎ落とされて人間味がありません。
『アリスとテレスのまぼろし工場』が10代の恋愛を生々しく描いていたのとはえらい違いでした。
設定について、意味ありげだけどよくわからないことが多かったです。
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