映画『月の満ち欠け』ネタバレあらすじ解説
瑠璃の前世、三角との恋
1981年。大学生の三角哲彦(アキラ)はバイト先のレコードショップ・Papar Moonの前で雨宿りをしていた瑠璃という女性に一目惚れする。
アキラはまた会いたいと思っていたが、瑠璃については映画好きということしかわからない。
アキラは瑠璃がいそうな『アンナ・カレニナ』などが上映中の映画館に行くが見つけられない。
2人は偶然にも交差点でばったりあい、恋に落ちた。
瑠璃はオノ・ヨーコの「リメンバー・ラヴ」を歌い、アキラはそれを8mmカメラで撮影した。2人は愛し合う。
瑠璃の薬指には指輪がある。肩には傷があった。
アキラが肩の傷についてたずねると瑠璃は姿を消してしまう。
瑠璃には正木竜之介という夫がいた。しかし竜之介は瑠璃が子供を埋めないとわかると豹変して暴力的になった。
瑠璃は再びアキラと愛し合う。アキラは駅の前でずっと待っていると言う。
瑠璃は竜之介の家を出ていくことを決意。
しかし竜之介に見つかり追われる。瑠璃はあわてて逃げてる途中で踏み切りに入り、電車にひかれて死亡。
小山内の娘・瑠璃の生涯
小山内の娘・瑠璃は幼少期に高熱を出したあとから、今までとは別人のように髪をかきあげ、オノ・ヨーコの「リメンバー・ラヴ」を歌っている。
梢は瑠璃が前世の記憶を取り戻したのではないかと考えた。
ある日瑠璃は勝手に電車で出かけ、高田馬場駅にあるレコードショップへ。小山内が理由をたずねると「アキラくんに会うため」と答えた。
時はたち、瑠璃は高校生に。小山内の同僚として家にやってきた竜之介を見ておびえる。
竜之介は下校中の瑠璃を待ち伏せし、なぜ前世で自分を捨てたのか尋ねた。瑠璃は「あなたは何も変わっていない」と返す。
竜之介に存在を気づかれた瑠璃は、アキラの身を案じて母・梢に相談。
瑠璃が梢の運転でアキラのところへ向かっていると、後ろから竜之介の車が追ってくる。
梢がハンドルを切って反対車線に出たところでトラックが突っ込んできた。
梢も瑠璃も死亡。
ラスト結末
8年後。小山内は瑠璃の親友だった緑坂ゆいに呼び出される。ゆいは瑠璃の墓参りで少し前に会い、その時に瑠璃がある女性の生まれ変わりだと聞かされていた。
小山内は信じていなかった。しかし確かに瑠璃の死後にアキラという男性がたずねてきて「瑠璃は自分のところへ来る途中で事故死した」と言っていた。
小山内は生前の瑠璃が描いた絵がアキラにそっくりだと気づき、再び緑坂ゆいに会うことにしたのだ。
ゆいは自分の娘の名前も、るりだと言う。
るりはどら焼きを注文し、小山内がこのホテルのどら焼きを好きだったと話した。
るりは小山内の子供で幸せだったという。小山内は涙を流してるりを抱きしめた。
るりはアキラに会いに行くため1人で高田の馬場駅へ。
小山内は青森に戻る新幹線で、以前ゆいが撮影した生前の妻・梢の告白を見て涙を流す。ビデオの梢は高校の頃に傘を貸してくれた小山内を好きになり、同じ大学に入ったのだと言っていた。
青森についた小山内は、母のヘルパー・荒谷清美の娘・みずきが梢と同じシー(黙って)のジェスチャーをしたのを見て驚く。
みずきは東京のホテルのどら焼きのことを知っていた。彼女は梢の生まれ変わりだったのだ。
映画『月の満ち欠け』終わり。
最後のまとめ
映画『月の満ち欠け』は、生まれ変わりという壮大なテーマのわりにはメッセージ性がイマイチな怪作でした。
廣木作品の個人的な印象としては良質な作品を生み出してくれますが、突き抜けた何かは感じられない気もします…。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『月の満ち欠け』レビュー終わり!
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