映画『ストレイトストーリー』ネタバレあらすじ解説
あらすじ1:アルヴィンの旅立ち
ある日、73歳のアルヴィン・ストレイト(演リチャード・ファーンズワース)は、腰を悪くして倒れてしまった。夜に親戚から電話がかかってきて、疎遠になってしまった兄・ライル(ハリー・ディーン・スタントン)が脳卒中で倒れたという。
アルヴィンは思いつめたように、木で作った箱型の寝台をトラクター(芝刈り機)にくくりつけ、アイオワ州から560km離れた兄のいるウィスコンシン州まで旅をすることにした。
どもり口調の娘・ローズ(演シシー・スペイセク)は心配して止めるが、アルヴィンは出発。しかし途中でトラクターが故障し、アイオワまで牽引されて家に戻るハメになる。アルヴィンは怒り、ショットガンを撃ってそのトラクターを破壊。
知り合いのディーラー・トム(エヴェレット・マッギル)から66年式のトラクターを譲り受け、アルヴィンは再び旅へ出発した。
あらすじネタバレ2:道中の出会い
ヒッチハイクしていた少女が、車がつかまらなかったようで夜にアルヴィンの焚き火にやってくる。アルヴィンはソーセージを渡し、家族の大切さを語った。
別の日は、自転車レースをしている青年グループに合流。年を取るとどうなるかを語った。
またの日は、大きな下り坂でトラクターが停止できなくなり、坂の下でやっと止まって近隣の夫婦に助けられる。アルヴィンは彼らの家の裏庭にしばらく泊めさせてもらい、トラクターを修理。自分と同じく第二次大戦を経験して深い傷を負った老人とバーで飲み交わす。
あらすじネタバレ3:兄ライルとの再会
ついにウィスコンシン州に入り、バーで兄ライルの家の場所を聞き出した。しかし林を走っている途中でトラクターが故障。しばらくすると大型の別のトラクターに乗った男性がやってきて、ライルの家まで案内した(トラクターは何とか動いた)。
林の中にある寂れたライルの家に到着。呼びかけるとライルが現れ、トラクターで会いに来てくれたことに瞳を潤ませる。
夕暮れから夜になり、二人は幼い頃にそうしたように、満天の星空を眺めていた。
映画『ストレイトストーリー』完
ストレイトストーリーとマルホランド・ドライブとの関係
※マルホランド・ドライブのネタバレを含みます。
心温まる映画にショッキングな事実だが、主役・アルヴィン・ストレイトを演じたリチャード・ファーンズワースは本作公開の翌年2000年に、癌を患い、苦痛に耐えかねて自宅でショットガン自殺をしてしまった(80歳没)。
どこかで聞き覚えがある内容ではないだろうか?
そう、その事件の翌年2001年に公開された、デヴィッド・リンチ監督のマルホランド・ドライブのラストシーンだ。
ナオミ・ワッツ演じるダイアンは、現実に絶望して銃を口に咥えて自殺して幕を閉じる。
リチャード・ファーンズワースの死が『マルホランド・ドライブ』のラストのアイデアのきっかけになったかは、リンチ監督自身のみぞ知るところだが、この件でショックを受けたことはまちがいないだろう。少なからず影響を受けたと思う。
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