Netflix『戦火の海原』全話ネタバレ感想・ラスト結末評価,キャストあらすじ解説

  • 2023年4月5日

Netflix戦争ドラマ『戦火の海原』第二次世界大戦中にノルウェーの商船に乗った船乗りたちの視点で戦争の悲惨さがリアリティたっぷりに突きつけられます。 全3話です。

CineMag
重厚な映像美残酷な海の戦場切なすぎるヒューマンドラマの三拍子がそろった傑作。昨今のウクライナ情勢もありますし、見る価値は大きいです。

作品情報・キャスト

ネタバレなしの感想

視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)

物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説

これらを知りたい人向けに内容をわかりやすくまとめました。

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。好きな項目から読んでください。)

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Netflix『戦火の海原』作品情報・キャスト

公開:2023/04/02
制作国:ノルウェー・スカンジナビア
話数:全3話
原題:『Krigsseileren』英題『War Sailor』
ジャンル:戦争・ヒューマンドラマ
年齢制限:16+(グロテスクな描写あり)
監督・脚本:グンナル・ヴィケネ
キャスト:クリストッフェル・ヨーネル、ポール・スヴェーレ・ハーゲン、アイネ・マリー・ウィルマン

第二次世界大戦中に連合国のために3万人のノルウェー人が船乗りとして働いた歴史的な事実をもとにした作品です。

感想を語る犬
全然注目してなかったですが個人的には傑作だと思いました。

ちなみに2022年に映画版がすでに公開されているので、Netflixが権利を買い取って3話のドラマにしたのだと思います。

Netflix『戦火の海原』あらすじ

Netflixドラマ『戦火の海原』

1939年。ドイツ軍による占領前のノルウェー・ベルゲン。

アルフレッドやシグビョルンは肉体労働で日銭を稼いでいたが、ほとんど仕事はない。

シグビョルンは独身だが、アルフレッドには妻・セシリアと3人の子どもがいた。

アルフレッドとシグビョルンは、仕方なく連合軍に物資を運ぶ商船で働くことを決めた

家には1年以上帰ることができない。アルフレッドの娘・マゲは「行かないで」と叫んだ。

アルフレッドとシグビョルンは商船に乗って長い間航海しているうちに、15歳のアクセルや女性のハンナ、ブローテン、モンセンらに、家族のような絆を感じるようになる。

しかし戦争は激化し、アルフレッドたちは最初の契約期間を終えても国に帰ることを許されないドイツ軍の戦艦によって多くのノルウェー商船が沈没させられていた…

ネタバレなし感想・海外評価

戦争で一般人がどんな悲惨な目にあうかを、船乗りとその家族の視点で浮き彫りにした傑作ドラマ

すごいシリアスな内容ですが、言葉では表せない、感動を超えた人が生きる意味のようなものが感じられました。

戦争の悲惨さ・不条理さと対になるように、主人公やその家族の無力さ・やるせなさが浮き彫りになり、深く考えさせられます。

灰色の空、そして灰色の海に浮かぶ破壊された船の残骸と、重厚な映像美にも引き込まれます。

半分は海中、半分は海上を映すカットが多く、臨場感もすごいです。

日本では全然話題になっていないですが、海外ではNetflixランキングの上位に入っています。

感想を語る犬
全3話と短めです。気になる人はぜひ見てみてください!
おすすめ度 90%
映像美 90%
ストーリー/テーマ性 94%
IMDb(海外レビューサイト) 7.2(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) 一般の視聴者 91%

※以下、Netflix『戦火の海原』のストーリーネタバレありなので注意してください!

Netflix『戦火の海原』ネタバレ感想・評価

Netflix『戦火の海原』

Netflix『戦火の海原』の評価は92点。

戦争の不条理さを灰色の映像美で描き、それに呼応するように人生に一筋の光が照らさられる素晴らしいドラマでした。

多くのあっけない死のそばで、生き残った主人公アルフレッドたちの葛藤が非常に生々しいのです。

アルフレッドは家族が死んだと思って消えてしまいます。そして故郷に帰った親友シグビョルンがアルフレッドの妻と一緒になってしまいます。

ソフィア・ローレンの傑作映画『ひまわり』とも近い内容ですし、私が住んでいる沖縄でも戦争中に相手が死んだと思って違う人と夫婦になることがあったと聞くので、戦争で家族が変わるのはリアルな話なのでしょう。

またすごく印象深かったのが、シンガポールで廃人になっているアルフレッドをシグビョルンが見つけ、罪の意識なのか何なのか、今度はシグビョルンが船乗りとして旅立ってしまうシーン。

アルフレッドはもちろん、ひょうひょうとしているシグビョルンも相当な傷を心に抱えていることが感じ取れます。別々の道をいくという哀愁ただよう選択に心を打たれました

彼らが本当はどんな気持ちなのかなんて、平和な日本でのうのうと生きている私には推しはかれません。想像を絶するような苦悩と、複雑な感情を抱えて生きたのでしょう。

他には、小学校の爆破で砂ぼこりのなか、母が娘を必死に探す姿に胸を打たれました。あとは船が爆撃を受けて、主人公アルフレッドが甲板へ逃げるワンカット風のシーンも臨場感抜群。

主人公の仲間の少年・アクセルの脚がもげてしまい「イヤだイヤだ」と言いながら死ぬ、悲惨な場面・グロテスクな描写にはゾッとしましたね。

ラストは一気に時間軸が飛び、アルフレッドが故郷で戦後の絶望を抱えながらも生き続けたことがわかります。

そして親友・シグビョルンとの再会。言葉は少なくても目に浮かぶ涙でどんな人生だったか伝わってくるようでした。

Netflix『戦火の海原』ネタバレあらすじ解説

1話

商船に乗っているアルフレッドとシグビョルンは、別の船に乗っていて沈められ助けを求める人々をなんとか救助しようとするが、限界があった。

港で、「別の船に乗りかえた顔なじみたちがみんな死んでしまった」と報告を受けて暗い気持ちになる。

アルフレッドはそれでも希望を捨てず、家族への手紙を書き溜めていた。しかし手紙を出す手段はない

そんな中、ニューヨークについたアルフレッドたちはロシアのムルマンスク州行きのファルケンガー号での任務を命じられる。ムルマンスク行きの船は3分の2が沈んでいる。もっとも危険な海域だった。

2話

仲間のひとりブローテンは船に乗るのを拒んで逃げ出した。

アルフレッドたちはファルケンガー号に乗って航海する。しかし船はドイツ軍の爆撃を受けて沈んだ

海で泳ぐ主人公アルフレッド

アルフレッドとシグビョルンともう1人はなんとか木の板の上に上がることができた。ハンナは爆撃で死亡して海に浮いている。

アルフレッドたちはアクセルを引き上げるが、彼は右足を失っていた。イギリスのトライデント潜水艦が通るが、船には乗せられないと言われる。乗組員がアクセルを楽に死なせるためのモルヒネを渡した。アルフレッドは仕方なくそれを使ってアクセルを死なせた

アルフレッドとシグビョルンはしばらく漂流していた。しかしもう1人の男性がアクセルをモルヒネで殺したことを気に病み、狂ってしまう。アルフレッドは彼を締め殺して死体を海に浮かべた。

アルフレッドとシグビョルンは他の船に助けられ、カナダの療養施設へ。アルフレッドはその施設で故郷が爆撃を受け、妻と子どもが死亡したと連絡を受けた

アルフレッドは生きる希望を見失い、シグビョルンに手紙を残してどこかへ去る

最終回3話

ついに終戦になり、シグビョルンはノルウェーへ帰還。アルフレッドの家族は生きていた。シグビョルンは一緒に暮らすようになり、セシリアと恋仲になる。

アルフレッドがシンガポールへいると報告が入る。シグビョルンは現地で廃人になりかけているアルフレッドを見つけ、「家族が生きている」と伝えた

シグビョルンはノルウェーに帰るのはやめて、船乗りとして世界中を旅することにする。

アルフレッドは家に帰るが仕事もなく、戦争中に商船で働いていた給料も出ない。一番下の子・オラヴがなつかないことに怒ってしまう。アルフレッドは「俺は生きている」と叫ぶ、妻・セシリアは「私たちもよ」と答えた

それから二十数年後、アルフレッドは70歳の誕生日を迎え孫(マゲの息子)からプレゼントをもらった。そこにシグビョルンがたずねてくる。

二人はウイスキーを飲みながら、言葉数は少なく二十数年ぶりの再会をなつかしむ。シグビョルンは帰っていった。

Netflixドラマ『戦火の海原』終わり!

最後のまとめ

Netflix『戦火の海原』は船乗りの視点から戦火を受ける一般人を描いた素晴らしいドラマでした。

言葉に言い表せない生きる意味のようなものが浮かび上がり、個人的には戦争をテーマにしたドラマでベストな作品だと感じました。

ノルウェーなど北欧スカンジナビア半島のドラマは良作が多いですね。ここまで読んでいただきありがとうございます。レビュー終わり!

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