原作漫画と映画の違い
1番大きな違いは、原作漫画ではサユリの霊が太っていないこと。
映画ではサユリが10年くらい引きこもって菓子ばっかり食って太っていたので、その太ったバージョンのサユリと、少女バージョンのサユリが登場するが、漫画では16歳のサユリも細身。
サユリが父から性○虐待を受けていたこともなく、サユリは思春期で引きこもってしまった設定。
引きこもって狂ったサユリは、妹・香奈に刺され、母・美里に押さえつけられ、父・夏彦に首を締められて死亡。
しかし家族に恨みはなく、サユリの霊はばあちゃんがサユリの家族を拷問するシーンで悲しみ、観念する。
漫画中盤で、則雄の姉は舌を噛んで失踪。弟は突然失踪。母は首を吊って死体が消えていた。しかし、ばあちゃんがサユリの家族を拷問したときにサユリの心が弱って少女の姿になり、「拷問をやめてくれという意味で」姉、弟、母の死体も出てくる。
サユリは、仲の良い家族に嫉妬して神木家を殺していったようだ。
そして死んだじいさん・章造がサユリを連れて消える。
ばあちゃんの太極拳の設定もない。「元気はつらつ!おま○こまんまん!」も映画オリジナル。
原作者の押切蓮介さんはホラー映画は人間の負け戦ばかりなので、本作のような漫画を作ったらしい。
ホラー映画『サユリ』ネタバレ感想・評価
認知症のばあちゃん・春枝が覚醒して幽霊に復讐するというぶっ飛んだストーリーではあるが、従来のように幽霊にやられるばかりではなく、ガッツリやり返す革新的な部分によって、意外と本質を描いているように見えるから不思議。
ばあちゃんがサユリの家族を拷問する流れが衝撃的だった。主人公とばあちゃんが完全に悪の側に回っているのが面白いといえば面白いんだけど、そこにサユリの幼少期の性○虐待の話も入ってきて、戦争や復讐って結局こういうことなんだろうなと感じた。
許されないことだけど、それぞれに相手を攻撃する理由がある。人間が争い続ける必然が描かれている。
家族が5人も死んでしまうけど、祖母・春枝は則雄をビンタし、叱咤して鍛えていく。
これも真面目に考えると、普通ならうつ病まっしぐらの則雄を立ち直らせて救っている。
その行動が現実的かどうかはさておき、トラウマから逃げずに立ち向かうことが正解なこともあるのだという素晴らしいメッセージが込められていると思った。きっと戦後の人々はそんな感じで自分や周囲を鼓舞して死ぬ気で働いたのだろう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。Jホラー映画『サユリ』レビュー終わり!
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