Netflix『舞妓さんちのまかないさん』 シーズン1は全9話です。W主演の森七菜と出口夏希が舞妓になるために修行をしながら、料理を作るまかないとして奮闘する心あたたまるヒューマンドラマ。
『万引き家族』の是枝裕和監督の期待の新作です。小山愛子の同名コミックの実写化となります。
- 作品情報・キャスト相関図
- ネタバレなしの感想
- 全話視聴した感想・評価(ネタバレあり)
- 全9話ネタバレあらすじ解説・各話の感想
これらを知りたい人向けに内容をわかりやすくまとめました。
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。好きな項目から読んでください。)
作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
Netflix『舞妓さんちのまかないさん』作品情報・予告
英題:『The Makanai: Cooking for the Maiko House』
ジャンル:ヒューマンドラマ・料理・日本の伝統文化
年齢制限:13+(13歳以上推奨)
監督:是枝裕和
演出:是枝裕和/津野愛/奥山大史/佐藤快磨
脚本:是枝裕和/砂田麻美/津野愛/奥山大史/佐藤快磨
原作:小山愛子の漫画「舞妓さんちのまかないさん」週刊少年サンデー
アニメ:NHK・鈴木洋平監督 2021〜2022年に全36話放送
企画:川村元気
配給:Netflix
是枝裕和 監督
ドキュメンタリーや映画など数々の傑作を手がけ、『万引き家族』(2018)でカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞して世界的な評価を受けた是枝監督。
『舞妓さんちのまかないさん』では新しい家族のカタチを描き、是枝監督の技術や思想がギュッと凝縮されていました。
是枝裕和 代表作: 『万引き家族』 『三度目の殺人』『ベイビー・ブローカー』『真実』
CineMag どうも、映画ライターのシネマグです。今回は是枝裕和監督の映画『ベイビー・ブローカー』のメッセージを深掘り考察します! 『パラサイト半地下の家族』のソン・ガンホや、『空気人形』のペ・ドゥナなど豪華キャストが[…]
『舞妓さんちのまかないさん』あらすじ
青森に住む16歳のキヨ(森七菜)とすみれ(出口夏希)は、舞妓さんになるのを夢見て京都の祇園にある屋形・朔(さく)で住み込みで働くことに。
京都でのお母さん梓(あずさ/常盤貴子)や千代(松坂慶子)が優しく迎えてくれる。
キヨとすみれは毎日雑用をこなしながら、生花や鼓、舞の稽古にはげんだ。
しかしキヨは一向に上達せず、向いていないと言われる。
毎日まかないを作る幸子が腰を痛め、料理が得意だったキヨは自分が夕食を作ると言った…。
Netflix『舞妓さんちのまかないさん』相関図・キャスト
キヨ|cast 森七菜
©︎Netflix
森七菜さんはセリフがぜんぜんわざとらしくなく透明感がすごいです。
才能なくてまかないに回されたけど、みんなから好かれる魅力的な人物を完璧に演じていると思いました。
森七菜 代表作:『この恋あたためますか』『ライアー×ライアー』『天気の子』(ヒロイン陽菜の声優)
すみれ|cast 出口夏希
©︎Netflix
キヨとは違って才能のあるしっかりものを出口夏希が好演しています。
出口夏希 代表作:『コタローは1人暮らし』『星から来たあなた』、映画『沈黙のパレード』並木夏美役
その他の登場人物|キャスト
涼子(氷川涼子)|cast 蒔田彩珠
千代|cast 松坂慶子
梓|cast 常盤貴子
百子|cast 橋本愛
吉乃|cast 松岡茉優
蓮|cast リリー・フランキー(『ヒヤマケンタロウの妊娠』)
つる駒|cast 福地桃子
菊乃|cast 若柳琴子
櫻井君江|cast 戸田恵子
石田武|cast 北村有起哉(『ヤクザと家族 The Family』)
琴乃|cast 南琴奈
田辺雅弘|cast 井浦新
清野流|cast 尾美としのり
古舘寛治朗|cast 古舘寛治
キヨの祖母|cast 白石加代子
中渡健太|cast 城桧吏
ネタバレなし感想・海外評価
NHK連続テレビ小説を少し華やかにしたイメージ。日常系ドラマの最高峰だと思います。
画面越しに香りまで伝わってくる料理のシーンも絶品です。
郷土料理や京都独自の食材、伝統文化も多数登場し、風情があります。
女性たちは所作が美しく、男性陣はみなダンディで、口ではうまく説明できない日本の良さが存分に表現されていると感じました。
日々の生活や仕事に追われてストレスが溜まっている人は本作で魂の洗濯をしましょう(記事を書いている私を含め)。
起伏のあるストーリーが好きな人には向かないかもしれませんが、日本の美しい文化に触れたいならうってつけです。
日本文化が好きな海外の方に好まれる作品でもありますが、個人的には日本人にこそ見てほしい作品です。
海外サイトでは投稿数はまだ少ないものの、「情緒や心地よさ、料理のあたたかさにあふれており、普通のドラマとは一線を画している」と高評価を受けています。
おすすめ度 | 85% |
日本の伝統的な世界観 | 98% |
ストーリー | 70% |
IMDb(海外レビューサイト) | 7.9(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 100% 一般の視聴者 90% |
メタスコア(Metacritic) | 67(100点中) |
※以下、Netflix『舞妓さんちのまかないさん』のストーリーネタバレありなので注意してください!
原作漫画との違い『舞妓さんちのまかないさん』
ドラマにはオリジナルキャラの涼子や吉乃がいるなど設定がことなる点も多いですが、ドラマ『舞妓さんちのまかないさん』と原作コミックとの1番の違いは登場人物との距離感だと思いました。
ドラマ版では祇園の街を映像で表現できることもあり、風景の美しさを踏まえて登場人物を切り取っています。
キヨの心情や行動に寄り添っている漫画より、良い意味で視点に距離があるのです(もちろん漫画には漫画の良さがあります)。
人物だけでなく祇園の街並みや文化も出演者なのです。
また、1話で区切りよく終わる漫画とは違い、ドラマではそれぞれの儚い恋愛などが数話にまたがって展開されていくのも面白いです。
ドラマになってよりストーリー性が強調されています。
Netflix『舞妓さんちのまかないさん』ネタバレ感想・評価
『万引き家族』『真実』『ベイビー・ブローカー』でさまざまな家族のカタチを追求してきた是枝裕和監督が、京都の屋形(舞妓を抱える屋敷)を舞台に新しい家族のカタチを表現!
舞妓芸能の独特かつディープな文化の中心に、血のつながりはなくとも、まとめ役の“母さん”を中心とした家族当然の集団があります。
まったくタイプの違う2人の少女、キヨ(森七菜)とすみれ(出口夏希)を軸に、さりげない感動が咲いていくのです。
華やかな舞妓芸や京文化の美しさは、まったんの人間の見えない頑張りに支えられている。
そして、その表に出ない頑張りは舞と同じくらい美しい。
そんなメッセージが映像で表現されていました。
セリフが芝居がかっておらず雰囲気が自然で、舞妓さん同士やお客さんとの会話に画面越しに引き込まれるのも大きな魅力です。
女性コミュニティの窮屈さは描かず、女性同士の会話の華やかさにスポットが当たっています。
日常の一コマを切り取ったような明確な意図がないコミュニケーションに心地よさを感じるのです。
会話の意味を強要することはせず、セリフの行間に味わい深さがあります。
舞(まい)で相手への気持ちを伝える演出はなんとも日本的で奥ゆかしさや風流がある。
そして伝統的な日本家屋や路地、小川が流れる京都の風景がとにかく美しい。
四季ごとに変わる京都の風景が、人々の情緒にどう影響を与えているのか。
さりげない場面もそんな深い洞察で切り取られていると思います。
はずかしながら、修学旅行でしか味わったことのない京都の雰囲気を存分に堪能できました。
日本人でありながら日本伝統文化のすばらしさを十分に知らないことを思い知らされると共に舞妓さんたちの美しい所作、美しい京都の風景に心を清められます。
(個人的に最近はデスゲーム系の『今際の国のアリス』とか、柳楽優弥主演の人喰いホラー『ガンニバル』とか悲惨な作品ばっかり見ているので余計にw)
舞妓さん仕様の小さいサンドイッチ(化粧が落ちないように工夫されている)など、詳しくないと知らない独自の食べ物もたくさん出てきて非常に興味深かったです。
1話「替える」ネタバレ
舞妓になることを決意したキヨとすみれは、おばあちゃんと友達の健太に見送られて夜行バスで京都へ。
2人は数ヶ月間、言葉遣いをたたきこまれ、掃除や洗濯、お稽古にはげんだ。
今日は季節の変わり目の建具替えの日だ。着付け係のたけし(北村有起哉)やひろしを中心に、しょうじやふすまどを大忙しで交換した。
まかない担当の幸子が屋形にやってきて冷やしそーめんを作る。キヨとすみれも手伝った。
幸子はキヨに腰を揉んでもらっていたが、結局ギックリ腰になって運ばれてしまった。
ある日、舞の師匠・櫻井(戸田恵子)はキヨに向上心や競争心がないことを見抜き、説教をしようとする。しかしキヨの気の抜けた態度にあきらめたふうだった。
すみれはストイックに練習して舞いが上達する。清野というバーの常連のカメラマンに写真を撮られた。
清野はバーで常連の古舘やマスターの蓮(リリー・フランキー)にすみれの写真を見せて盛りあがる。
すみれは百子(ももこ/橋本愛)がお座敷の客前で舞うのを見て、美しさのあまりに涙を流した。
キヨはギックリ腰で動けない幸子の家へ行き、トマトカレーを作ってあげる。
幸子は、舞妓さんたちはいろいろな土地からやってくるから、みんながそこそこ満足する“普通”の味を作ることが一番大事だと話した。
エピソード1の感想
キヨとすみれが京都にきて修行をするストーリー自体に大きな起伏はないものの、他の舞妓や着付け係のたけしとの何気ない会話のひとつひとつに小さなドラマが詰まっていて飽きません。
舞の師匠がおうどんに粉山椒を要求していて、食にこだわっていておしゃれだなと思いました。
あとはトマトを茹でて皮をむく繊細な料理風景が美しかったです。
2話「お多福」ネタバレ
舞の師匠・櫻井は梓を呼び出し、キヨは才能や向上心がないから舞妓に向いていないと告げる。
梓と千代は申し訳なさそうに、キヨに他の道を考えたほうがいいと言った。キヨはうつむく。
キヨはあと何日かしたら屋形を出ていくことになった。
すみれは「一緒に舞妓になろうと約束したじゃない」と悲しんだ。
バーで働く涼子(蒔田彩珠)は、才能がないキヨに舞妓になれと強要するほうが酷だと言う。
梓は建築事務所の田辺(井浦新)から花が咲く場所とタイミングは人それぞれだと言われてハッとする。
お屋形・朔の舞妓さんたちはまかないの幸子がいないので、毎食デリバリーを取ることに飽きて料理を作ろうとした。しかし不慣れなためフライパンから火が上がる。
キヨはみんなのために親子丼を作った。みんなは「なんか普通」と言いながら笑顔で親子丼をほおばった。
梓はキヨをまかないさんとして屋形に置くことに決める。
千代はキヨをお多福(鬼瓦のうえのほほえみ返し)だと表現した。
まかない担当になったキヨは、朝早くからの準備でみんなを起こさないように1人屋根裏で寝泊まりする。
キヨは幸子から聞いたとおり、千日詣りとして山のうえにある愛宕神社に火の用心のお札をもらいに行くことに。
バーのマスター・蓮から懐中電灯を借り、夜遅くから山へ登った。
山道の途中でたけしの家族がいた。彼らも千日詣りに来ていたのだ。キヨが幼いハル君におにぎりを渡すと、あきらめないで山を登ると言った。
たけしはキヨが作ったおにぎりを食べ、おまえなんか手から出てるぞと言って笑う。
すみれは夜通しキヨの帰りを待っていた。
明け方にキヨが帰ってきた。2人はお札を台所に貼る。
すみれは梓から渡された割烹着をキヨに渡した。
エピソード2の感想
キヨのおにぎりで子どもが元気になるシーンにほろっと感動しました。
たけしの「手からなんか出てる…」も絶妙な表現だと思いました。キヨに人としてのあたたかみを感じたのでしょう。
バーテンダーのリリー・フランキーもいい味出してますね。
親子丼で卵を2回に分けて入れるなど、料理のシーンが繊細でうっとりします。
3話「禁忌」ネタバレ
百子と同期の芸妓だった吉乃(松岡茉優)が朔に帰ってきた。
吉乃は梓と千代にまた舞妓になりたいと頼み込んだ。
口の上手い吉乃は百子がダブルブッキングを助けたことで梓と千代に出戻りを許可され、“ご存じさん”(戻ってきた舞妓)となる。
朔のメンバーのなかに携帯を使った人がいると報告を受け、梓はメンバーに説教をした。
しかしつる駒たちは梓の会話の天然っぷりがいとおしてくて仕方ない。
吉乃はバーで田辺に向かって早く梓に告白しろとせかした。
百子はすみれに化粧をほどこし、好きな人おるんやろ?とたずねる。
すみれは健太のことを思い出していた。健太は今高校野球でピッチャーとして活躍しているようだ。すみれと健太とキヨの3人はいつも一緒だった。
百子は田辺の会社の岩井と映画館でホラーを見ていた。岩井は怖くなって外へ出る。百子が怪物の歩き方を真似して追いかけてきた。
朝、つる駒は携帯を使った犯人は自分だとキヨにばらした。
キヨはつる駒のリクエストにこたえてトーストを焼く。
エピソード3の感想
松岡茉優さん演じる吉乃のおしゃべりキャラが最高でした。
そしてバーで常連さんとの何気ない会話の雰囲気がすごく心地よいです。
ストーリーの起伏はないものの、気がつくとあっという間に時間が過ぎているから不思議。
祇園の空気感のとりこになっています。
4話「願い」ネタバレ
すみれは祇園ではめずらしい四つ葉タクシーのカードを百子からもらった。
そのカードを見た梓やつる駒たちは大興奮。ご利益があるといって壁に飾ろうとする。
いっぽう百子は住んでいるマンションで、付き合っている岩井(田辺の建築事務所の社員)から東京の明日館(結婚式場。遠回しのプロポーズ)へ行こうと言われて戸惑う。
今日はキヨとすみれの休日だ。2人は蹴鞠(けまり)の碑で願掛けをした。すみれは道中で百子が神社で何かお願いをしているのを横目に見るが、なんとなく声はかけなかった。
屋形に帰ったキヨとすみれはカップケーキを作り、健太に送ってあげた。
翌日、すみれの父がやってきて水商売はやめて帰ってこいと言う。
梓や千代は、すみれが一生懸命頑張っていることを伝えた。
すみれの父は舞いの稽古を見て心を動かされる。
すみれの父は夜・バーで吉乃と娘をどうしてよいものかと話していた。
キヨがナスの料理を差し入れする。それを食べたすみれの父は号泣。
父の帰りぎわに、すみれは「1番の舞妓になる」と言う。
父は「1番じゃなくていい」と返した。
すみれは四つ葉のタクシーのカードを父に渡すが、キヨちゃんにあげてくれと返された。
翌朝、梓はキヨにこのまままかないの仕事を続ける人生でいいのかたずねた。
キヨは「はい」と答える。
エピソード4の感想
めずらしいタクシーのカードで願掛けしちゃう舞妓さんたちがとっても可愛らしいですね。
何かを願う心が誰かを願う心に変わる。
四つ葉のカードがすみれと父のエピソードに彩りを添えていました。
5話「選択」ネタバレ
すみれは舞の師匠に認められ、仕込みさんから舞妓の見習いさんへ早めに昇格した。
吉乃の夫・浩二が屋形へやってくる。吉乃は姑(しゅうとめ)とうまくいかず、離婚しないまま屋形に帰ってきたのだった。
田辺の会社の岩井の送別会が行われることになる。
百子は船の上で紅葉をすくい、すみれに「恋は人間だけにするものじゃない」と言う。そして、毎日の舞が一期一会だから、さようならと思いながら舞っていると続けた。
百子は岩井に向けて「黒髪」という曲を舞う。恋人が自分のところには来ないという別れの意思を表現したのだった。
屋形では、涼子が母・梓に私を産んで舞妓をやめたことを後悔しているか聞いていた。梓はまったくしてないと返す。
すみれは梓から舞妓見習いへの昇格を聞いて、銭湯からでたキヨに伝える。2人は喜びで抱き合った。
すみれの舞妓名は百子ねえさんから1文字とって“百はな(ももはな)”になる。
エピソード5の感想
百子とすみれが正方形の船に乗っている絵画のような風景に自然と涙があふれ、百子の別れの舞では感極まりました。
日本の文化や風景を残す最高のドラマだと思います。
キヨがすみれの昇格に嫉妬せずに自分のことのように喜ぶ姿にも感動です。
6話「片想い」ネタバレ
屋形にキヨの実家から青森のりんごが送られてきた。
見習いに昇格したすみれは髪を結ってもらう。
百子はすみれのことを気に入っており、キヨに「ライバルやな」と言った。そしてキヨに、毎日おなじようにまかない作って飽きないか聞いた。
キヨは、買い物も料理もはじめましての気持ちでやっていると答える。
すみれやつる駒は千代の60年前の初恋の相手が歌舞伎役者の坂東彌十郎だという話を聞いた。
すみれは歌舞伎舞台のあとの顔見せで坂東に会い、千代がずっと大事に持っていたかんざしを渡した。坂東はそれに名前を書く。
すみれは坂東を朔のバーに連れて行った。千代が驚く。
坂東の友人の三谷幸喜もバーにやってきた。
田辺たち常連が気を使って店から出て、バーには千代と坂東の2人だけになった。
店を出た田辺は梓に「月が綺麗ですね」と告白。(夏目漱石の言葉を引用した「I LOVE YOU」の意味)。梓は涙ぐむ。
クリスマスケーキとして、キヨがクリームたっぷりのサンドイッチを作る。
すみれと、めずらしく涼子も一緒に食べた。
キヨはすみれがお客さんや坂東から集めてくれた商店街のクジを引く。
ホームベーカリーを狙っていたが、当たったのは青森のりんごだった。
エピソード6の感想
千代の初恋の60年後が描かれるステキな話でしたね。
歌舞伎役者の坂東彌十郎さんと脚本家の三谷幸喜さんが本人役で登場していました。
三谷幸喜によるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の縁なのでしょう。
田辺が梓にした、月が綺麗ですねの告白も印象的でした。
東京でやったらキザすぎるかもしれませんが、京都の祇園ならすごく風情があって美しい告白に映ります。
井浦新さんと常磐貴子さんの大人の奥手の恋愛、絵になりますね。
7話「病ひ」ネタバレ
大晦日、キヨとすみれは八坂神社へ「をけら詣り」に行く。灯籠の火を吉兆縄(きっちょうなわ)につけ、火が消えないように屋形までぐるぐる回しながら縄を持ち帰り、台所の火に移した。
元旦になり、青森に帰らなかったキヨとすみれは梓や千代とおせちを食べたり、百人一首をしたりして過ごす。
やがて里帰りしていたつる駒たちが帰ってきた。吉乃は正月にパチンコをしていたと言う。
TVでは昨年1番お座敷に立った売花奨励賞に百子が6年連続で選ばれ、スピーチで一期一会とはじめましてを大切にしたいと新年の抱負を語った。
TVを見ていたキヨは微笑む。
キヨはいまさらウサギの版画と年賀状を作っていた。
健太からの年賀状を受け取ったすみれは、キヨの名前が上にあることにショックを受けたのか熱を出す。
キヨは翌日鰹節と昆布だしのお店を周り、体調の悪いすみれにうどんを作ってあげた。
初雪が降る。
朝になりすみれはキヨの雪かきの音で起きる。
すみれはキヨの横で雪かきを眺めながら、健太と3人で雪かきした時のことを思い出していた。
エピソード7の感想
第5話で百子はさようならという気持ちを大切にしていると言ってましたが、キヨに影響されてたのか、はじめましての気持ちを大切にと言ってました。
除夜の鐘をベランダで聞くしんみりとした感じがなんともいえません。京都でお正月を越してみたいです。
屋形の窓から見える初雪の景色が美しくて惚れ惚れしました。
すみれの儚い恋がどうなるのかも気になります。
8話「おばけ」ネタバレ
東京からやってきた理子が新しい仕込みさんとして朔に入ってくる。理子は元気でものおじしない変わった子だった。
琴乃は配達のポッチャリお兄ちゃん・轟に恋をしている。
“おばけ”という屋形同士のイベントが近々ある。
百子はジョージ・A・ロメロ監督を敬愛するあまり、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」をパロって「マイコ・オブ・ザ・リビングデッド」を出しものとすることに決めた。
百子が脚本をかき、すみれやつる駒、琴乃、菊乃たちにゾンビの動きを指導。劇の特訓をはじめた。
すみれは師匠から、舞には能の動きがあり、能は死んだ人が生前を思って舞うからすり足なのだと教わる。
すみれは初めての「ごはん食べ」で高級な和食へ連れて行ってもらった。本当はカキフライが食べたかったが、気を使って百子と同じものを注文。
百子は白子のゆず仕立ての料理を見てゾンビの脳みそを思い、すみれのかんざしを見て武器として使うことを思い立った。
「ごはん食べ」から家に帰ったすみれは、キヨがカキフライを出されて喜んだ。
涼子は田辺にキヨとすみれが仲良しでうらやましいと言う。田辺は、涼子にもそういう人ができると返した。
涼子は母・梓の大切な人になってあげてほしいと話す。
バーで蓮は梓に片想いしていることを涼子に見抜かれて動揺した。
豆まきの季節になり、キヨは青森のおばあちゃんに元気でやっていると手紙を書いた。
エピソード8の感想
まさかのゾンビ回が笑えました。
私もゾンビ作品大好きなので、舞妓×ゾンビの映画とかあったら見てしまうかもしれません。
主演はもちろん百子役の橋本愛さんでお願いします。
能は死んだ人の舞いだと師匠が言っていました。日本文化とゾンビの共通項がさりげなく提示されているのが興味深い。
「ごはん食べ」など、舞妓さんにはいろんな“儀式”があるんですね。すみれが少しずつ成長していくのがわかります。
最終回 第9話「門出」ネタバレ
つる駒は自分よりもあとに入ったにもかかわらず、舞がばつぐんにうまいすみれを見て元気をなくす。
梓に「(大切な何かに)出会っていない」と言い、舞妓をやめることになった。
清野はつる駒に今まで撮った写真をアルバムにしてプレゼント。
キヨたちがなべっこだんごを作ってつる駒を送り出してくれた。
涼子は梓と田辺の再婚のことを考えて留学という道を考えていた。
すみれは舞の師匠から金色の扇子をプレゼントされる。
すみれ(百はな)が舞妓へ昇格する儀式の当日。
百子はすみれに化粧をほどこしながら、あなたは突っ走る性格だからキヨを大切にしろと言う。
キヨは舞妓用の小さなたまごサンドを作ってあげた。すみれは喜ぶ。
たけしとひろしが入念に着付けをして送り出した。
お披露目がはじまり、たくさんの人が通りですみれの写真を撮る。涙ぐむすみれの父の姿もあった。
すみれの挨拶回りが終わり、バーで千代が三味線を弾き、梓、百子、吉乃が舞をみせる。
蓮は“誰にでも秘密がある”という名のカクテルをすみれに出し、片想いを後押しした。
常連の写真家・清野は台所にいるキヨに声をかけ1枚写真を撮った。
昇格の儀式を終えたすみれは台所へ行き、キヨが作ったパンの耳ラスクを2人でほおばった。
最終回エピソード9の感想
すみれの成長と、それと対比するような台所のまかないさん・キヨの関係を中心に、屋形という家族の絆がさらに深まったようなすてきな最終回でした。
つる駒の旅立ちは悲しいですが、吉乃のようにまた出戻りするかもしれませんし、そうした流動性ふくめて家族なのでしょう。
そんな家族を常連さんや祇園の街が親戚のようにあたたかく見守ります。
『万引き家族』や『ベイビーブローカー』では“普通でない家族”を描いていましたが、『舞妓さんちのまかないさん』はある面で家族の最適解を描いていると思いました。
1話から最終話まで本当に楽しめました。シーズン2もぜひ作ってほしいです。
最後のまとめ
Netflixオリジナル『舞妓さんちのまかないさん』は高い没入感とリアリティで京都の美しい伝統文化を体験させてくれるすてきな作品でした。
是枝監督はシーズン2にも興味を持っているようなので、続編にも期待したいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『舞妓さんちのまかないさん』レビュー終わり!
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