Netflix映画『刑事ジョン・ルーサー フォールン・サン』。イドリス・エルバ主演の骨太サイコサスペンスです!
作品情報・キャスト
ネタバレなしの感想
視聴してのぶっちゃけ感想・ラスト結末の解説と評価(ネタバレあり)
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから観る方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
Netflix『刑事ジョン・ルーサー フォールン・サン』作品情報・キャスト
制作国:アメリカ
上映時間:2時間10分
原題:『Luther: The Fallen Sun』
ジャンル:サイコサスペンス・アクション
年齢制限:16+(暴力的・グロテスクなシーンあり)
監督:ジェイミー・ペイン
脚本:ニール・クロス
キャスト:イドリス・エルバ、シンシア・エリヴォ、アンディ・サーキス
シーズン5まである人気のBBCドラマ『刑事ジョン・ルーサー』の映画版です。ドラマを知らなくても鑑賞できる作りになっています。
イドリス・エルバ:その他キャスト
イドリス・エルバが主人公ジョン・ルーサーを演じます。近年、イドリス・エルバはいろんな映画に引っ張りだこですね。
身長も高いし体格も見た目もいいから、アクションでもサスペンスでも起用しやすいのかもしれません。イドリス・エルバを見ない月はないという感じです。
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オデット警部を演じるシンシア・エリヴォはディズニーの実写映画『ピノキオ』でブルーフェアリーを演じて話題になった人物。
最初から顔出ししてる犯人役のアンディ・サーキスは、『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラム役、『猿の惑星: 創世記』のシーザー役、『THE BATMAN ザ・バットマン』のアルフレッド役で有名な人です。クセのある役ばかりモーションキャプチャで演じてますね。『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』では監督も務めています。
『刑事ジョン・ルーサー フォールン・サン』あらすじ
刑事ジョン・ルーサー(イドリス・エルバ)は誘拐された青年・カラムの事件を調査していたが、犯人によって過去の強引な捜査が明るみに出て刑務所に入れられてしまう。
ルーサーは仲間に頼んで刑務所から脱獄。
元上司のマーティンに協力してもらい犯人を追うが、悲惨な事件がつぎつぎに待ち受けていた…。果たして犯人の目的は?
ネタバレなし感想・海外評価
序盤はおそろしい展開の連続で背筋がゾクゾクします。
ただサスペンスとしてストーリーがめちゃくちゃ練られているかというと、ツッコミどころも多々ある感じ。
細かいことは気にせず、サスペンスを勢いで見られる人向きです。
海外評価はわりと高いけど突き抜けてはいない感じですね。
おすすめ度 | 70% |
設定 | 92% |
ストーリー | 65% |
IMDb(海外レビューサイト) | 6.7(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 65% 一般の視聴者 85% |
メタスコア(Metacritic) | 52(100点中) |
※以下、Netflix映画『刑事ジョン・ルーサー フォールン・サン』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『刑事ジョン・ルーサー フォールン・サン』ネタバレ感想・評価
設定は完璧だが緊張感が足りない
序盤は設定や見せ方が最高だったけど、終盤にリアリティがなくなって失速した感があるサイコサスペンスの佳作です。
青年カラムが事故車を見てたら倒れていた人物がヌッと起き上がったり、カラム含めて8人が屋敷で首を吊られて、犯人に呼ばれた家族がいっせいに駆けつけて屋敷が火事になるシーンなんかは凄惨でサイコ映画として最高でした。
広場で周囲の建物から人が次々と飛び降りていくシーンも壮絶きわまりない。最悪の大惨事です。
犯人がつけているマスクがデジタルで、顔が変えられるのもすごくおもしろい発想でした(もっとデジタルマスク使えばよかったのに)。
犯人・デヴィッド・ロビー(演アンディ・サーキス)の顔が最初からわかっており、サイコキラーの彼が遺族たちにそれとなく近づく場面にもゾクゾク。
デヴィッド・ロビーの妻・ジョーゼットの火事で焼けただれた顔も狂気そのものでした。(映画『ハンニバル』のメイスンみたいですね)
犯人がネット上で知り合ったデレクにSMプレイと称して人を殺させ、弱みをにぎらせて操るながれもおもしろい。
ただ、広場でルーサー(イドリス・エルバ)が犯人を追いつめて警察も駆けつけたあたりから、ちょっとリアリティがなくなっていったような気がします。
機動隊まで出動させてるなら、走って逃げる犯人を捕まえられそうなものです…。
人がたくさん飛び降り自殺して車がよけようとして事故ったりするなど広場は混乱していましたが、それでも機動隊なら動けるはず。
終盤になると犯人・デヴィッド・ロビーがレッドルーム(ネットで金を払わせて人殺しを配信する闇サイト)を運営していたことがわかります。
デヴィッド・ロビーはレイン・オデット警部の娘・アーニャを誘拐してルーサーを捕まえるよう指示しますが、オデットはルーサーと協力してロビーの妻のところへ行き、ノルウェーにあるアジトの場所を聞き出しました。
犯人がオデットとルーサーと協力することや、妻に接触することを先読みできていないのが気になります。組織ぐるみの犯行ならオデットに見張くらいつけるべきでは?
ラストで知能指数が下がる…
終盤はルーサーとオデットが犯人のアジトに乗り込んで捕まり、レッドルームのショーに出演させられます。そしてルーサーは大きいハンマーを握らされ、「オデットの膝の皿を割れ」と命令されます。
案の定、ルーサーは部下をハンマーで殴り、部屋から逃げる犯人デヴィッドを追いかけます。
犯人・デヴィッドは最初は頭脳派のサイコキラーという感じでしたが、終盤はイタイおっさんに成り下がっているかのよう。
このときデヴィッドはスマホで扉を施錠するのですが、扉の閉まる速度がゆっくりすぎて笑えました。
ルーサーはオデットの拘束をといたあとでも余裕で扉が閉まるのに間に合います。
ラストではルーサーはデヴィッドが運転する車に乗り込み、車は氷を割って水に突っ込みます。
氷の下にはたくさんの死体があってサイコサスペンスとしてはある意味で美しい光景なのですが、この映像を見せたかっただけのような気もしました。
考えてみると、屋敷での8人首吊りと火事、広場での集団飛び降り自殺、氷の下の死体たち…という映像のインパクト優先でつくられた感がありますねこの映画。
犯人・デヴィッドは水の冷たさで凍死し、他の死体たちと一緒に氷の下をただよいます。
ルーサーはデヴィッドのスマホで火が上がっているオデットたちの部屋のドアを開き、水の中で気を失いますが、都合よく間に合った救助部隊に助けられました。
真剣に証拠を燃やしたいならデヴィッドはスマホを投げ捨てるべきでは?とちょっと思いました。
終盤はイドリス・エルバたちがわざとピンチになってから犯人が生ぬるいことをするプロレス的な流れに見えます。
それっぽいシーンを作るために犯人もみんな協力している感じです。
そもそもレッドルームを運営する犯人はがなぜたくさんの死体を凍らせていたのかも気になりました。
たくさん不満点を述べてしまいましたが、全体的にクオリティが低い駄作というわけではありません。
最後のまとめ
『刑事ジョン・ルーサー フォールン・サン』は、壮大な殺人計画が遂行される映像的な見応えは非常に高いサスペンスでした。
ただ風呂敷を広げすぎたせいで、けっこうツッコミどころも多かった印象です。
本作もそうですがNetflixのサスペンスは脚本のディティールが微妙な作品が多い気がします。納期がきびしいという噂がありますがそれが原因でしょうか…。
ここまで読んでいただきありがとうございます。Netflix映画『刑事ジョン・ルーサー フォールン・サン』のレビュー終わり!
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